
「イニシアフォーラム二子玉川The Hill」
コスモスイニシアが分譲中の戸建て「イニシアフォーラム二子玉川The Hill」を見学した。記者はこれまで50年近く分譲戸建てを取材してきたが、このような個性的な物件を初めて見た。価格は3億円前後だが、商品企画、設備仕様レベルは、前回見学した同社の「大森山王」より高く、同社がこれまで分譲してきた戸建ての中で最上級。設計者と同社の建築・商品企画・販売担当者の矜持を見た。
物件は、田園都市線二子玉川駅西口から徒歩15分~16分、用賀駅から徒歩12分~13分、世田谷区瀬田四丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全5区画(一般分譲対象外区画2区画)。敷地面積は119.25~167.72㎡、建物面積は122.43~172.73㎡、現現在分譲中の住戸(2戸)の価格は23,980万円・28,980万円。構造は木造(在来軸組工法)2階建て。建物は2026年2月竣工済(3棟)。施工は東京組。設計はatelier9建築研究所の建築家・呉屋彦四郎氏。
現地は、二子玉川駅と比高差にして約24mあるヒルトップ。周辺は、随所に国分寺崖線の緑が点在し、敷地面積が100坪はありそうな、時価にしたら数億円はしそうな邸宅も珍しくない高級住宅街。
主な基本性能・設備仕様は、断熱性能等級「5」、長期優良住宅認定、フィオレストーンキッチン天板、リビング天井高2800ミリ、メーターモジュール廊下幅、深型Miele食洗機、挽き板オーク材廊下・リビング床、TOTO「SYNLA」浴室、特製アイアン門扉など。
建物の最大の特徴は、敷地形状や建ぺい率、容積率などの制約・規制に対応するため、南面は長さ11~15mの開口計画とし、連窓により光と風を取り込む一方で、北側には開口部を設けず、天窓・トップライトにより採光を確保していること。2階ホール・リビングはこの開口計画を生かし、やはり長さ11~15mの多目的カウンターを設置している。
また、建物の上下のボリュームをずらし、光の入り方と視線の抜けを緻密に制御。閉じるべきところは閉じ、開くべきところは開く設計としている。

4号棟リビング

4号棟リビング

4号棟キッチン

4号棟イメージ

4号棟イメージ
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冒頭で、「このような個性的な物件を初めて見た」「矜持をみた」と書いた。写真を見ていただきたい。皆さんも、長さが11m以上あるカウンターなど見たことないはずだ。飾り棚にもワークスペースにも、親子の語らいの場にも、本棚にも収納にもなる。
和洋折衷のデザイン・空間設計もいい。商品化にあたっては同社の建築、商品企画、販売担当が連携して作り上げたという。一般分譲対象外のモデルハウスを見たとき、同社の「イニシア京都御所南」を思い出した。個性的であるがゆえに、万人向きではないが、同社レジデンシャル本部分譲事業部販売部二課マネージャー・藤井氏は「他社の高額戸建てなどを意識は全然していない。意識しているのは注文住宅を検討している人」と語ったように、玄人好みする住宅だと思う。
もう一つ、うれしかったのは、「私はモデルハウスにフェイクの観葉植物はおかない。お客様に正しい情報を伝えるのが私たちの役割。モデル提案会社からフェイクの提案がされますが、私はすべて断っています」と藤井氏が語ったことだ。同業の皆さんの中には耳が痛い人が多いのではないか。

アイアン門扉

南面の1階連窓

本物の花

外壁タイル

現地
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前段で、「イニシア京都御所南」に似ていると書いたが、同社は今日(9月1日)、同物件はドイツデザイン評議会(German Design Council)主催の国際的なデザイン賞「ICONIC AWARDS 2026」の住宅部門(Architecture –Residential)で「Winner」を受賞したと発表した(「二子玉川」の記事を書いたのは8月30日)。同賞の記事は改めて書く予定。

