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2026/10/15(木) 10:23

棒上げ一方の中古マンション市場止まる 激増する新規登録は〝売り抜け〟狙いか

投稿者:  牧田司

 東日本レインズの公表データによると、首都圏の中古マンションの成約件数は減少し、棒上げ一方だった単価・価格は下げ基調が顕著になっている。市場は踊り場に差し掛かり、再び上げ基調に転じるのか、下げ基調が継続するのか、目が離せない展開となってきた。2026年9月の首都圏全体と都心3区の中古マンション成約状況、新規登録状況、在庫状況を比較してみた。

 2026年9月の首都圏の中古マンション成約状況は、成約件数は3,457件(前年同月比22.7%減)、坪単価は267.5万円(同4.8%減)、成約価格は5,111万円(同4.5%減)、専有面積は63.04㎡(同0.3%増)、築年数は28.53年となった。

 都心3区(千代田区・中央区・港区)の成約状況は、件数は176件(前年同月比39.3%減)、坪単価は762.9万円(同1.5%減)、成約価格は13,132万円(同1.4%増)、専有面積は56.81㎡(同3.0%増)、築年数は21.80年となっている。

 首都圏の新規登録状況は、新規登録件数は17.721件(同15.4%増)、坪単価は389.4万円(同16.4%増)、登録価格は6,813万円(同15.1%増)、専有面積は57.73㎡(同0.2%減)、築年数は29.90年となった。

 都心3区の新規登録状況は、登録件数は1,850件(同40.1%増)、坪単価は1,012.0万円(同1.2%減)、登録価格は19,499万円(同0.4%減)、専有面積は63.58㎡(同0.8%増)、築年数は20.86年となった。

 首都圏の在庫状況は、在庫件数は50,450件(同15.1%増)、坪単価は395.9万円(同26.7%増)、在庫価格は6,971万円(同27.5%増)、専有面積は58.11㎡(同0.5%増)、築年数は29.05年となった。

 都心3区の在庫状況は、在庫件数は5,537件(同64.8%増)、坪単価は1,034.0万円(同2.0%減)、在庫価格は20,398万円(同2.4%増)、専有面積は65.10㎡(同4.5%増)、築年数は19.35年となった。

 また、価格が1億円以上の在庫件数は、2025年9月末では5,034件(構成比11.5%)だったのが、2026年9月末は9,593件(同19.0%)となっている。

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 これらの数値から何が読み取れるか。都心3区の成約件数が多いか少ないかは見方によって異なるだろうが、記者は少なくないとみている。成約単価は首都圏平均の約2.9倍というのも納得できる。専有面積が平均56.81㎡で、価格が13,132万円というのは高いが、新規マンションならワンルーム並みの広さということを考慮すれば、中古はまだまだ安いと受け取れなくもない。

 築年数が21.80年に注目したい。21年くらい前の新築マンション市場は、デベロッパー各社は商品企画に力を入れ、バブル崩壊から立ち直りかけたころだ。当時の記事からいくつか物件を紹介する。仕様レベルの高さが分かるはずだ。

 建築家・新居千秋氏を起用した2005年分譲の大和ハウス工業「ディーグランセ南青山ハイヴァリー」の坪単価は約580万円で、リビング天井高は3.5m、居室の天井高は約3m、建具・面材には不織布仕上げの壁クロス、天然木積層突き板仕上げ建具、ビルマチーク材の床などだった。

 鹿島建設が2005年に分譲したホテルオークラ東京に隣接した「虎ノ門タワーズ レジデンス」は坪単価500万円強で、玄関などの床はトラバーチン。デザイン壁はアオギリ科のアユースやウォールナット(クルミ)の練り付け材、居室は天然ウールカーペットやフローリングなど。

 2006年分譲の住友商事・三菱地所の「クラッシィハウス高輪」は、元高松宮邸の一部跡地で、坪単価は550万円。壁は塗り壁、リビング扉は天然木ブビンガ突板鏡面塗装仕上げ、天然の一枚岩を堀り込んだ浴槽、オリジナルデザインの天然石カウンターなどだった。

 三井不動産の「芝浦アイランド グローヴタワー」の坪単価は256万円だった。

 これらのマンションが現在の中古市場でどのような評価を受けているかよくわからないが、分譲時の価格の2倍、3倍の値がついているのではないか。

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 首都圏全体と都心3区の在庫状況は注視する必要がありそうだ。新築の着工戸数は早晩4万戸を割り込み、供給戸数も漸減するのは確実視されている。中古市場が中心的な役割を果たすことになるのは間違いない。

ただ、成約件数・単価・価格と、在庫件数・単価・価格の乖離は大きく、市場は踊り場に差し掛かっている。再び上げ基調になるのか下げ基調になるのか。

 住宅ローン金利高は懸念材利用ではあるが、変動金利が2%くらいまでなら市場が混乱することはなく、特に都心3区などでは、金利動向を気にしないアッパーミドル・富裕層向けが中心なので影響は限定的と見る。

 ここ数か月のレインズデータは、投機的な需要が減退していることを物語っていると見ることができる。新規登録が激増しているのは〝売り抜け〟を狙っているからだろう。

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