積水ハウス 日本初の「スマート防災エコタウン」東松島の市営住宅が完成
積水ハウスは8月7日、同社と宮城県東松島市とが官民一体で進めてきた「市営柳の目東住宅」が竣工し、8月8日から入居が始まると発表した。
「市営柳の目東住宅」は、東松島市の意向を受け、同社が企画・設計、土地購入、開発、農地転用、造成、建築を一貫して担う買取型事業として実施。周辺の病院・公共施設を結ぶマイクログリッドにより電力を供給し、エコで災害に強いまちづくりの実現を目指す「東松島スマート防災エコタウン」構築事業を進めている。システムの完成、稼働開始は2016年3月の予定。
「東松島スマート防災エコタウン」構築事業は、市営住宅と周辺の病院公共施設を結ぶ自営線による日本初のマイクログリッドを構築し、太陽光発電460kWを持つ自営線特定規模電気事業者(自営線PPS)がCEMSにより最適制御しながら電力供給を行う。太陽光発電で年間256t-CO2の二酸化炭素排出を削減し、エリア内でのエネルギーの地産地消を実現する。
不足する電力は、東松島市内にある低炭素型電源から既存電力網を利用して供給することで、地域全体の地産地消も可能となる。系統電力が遮断した場合にも、同タウン系統内の太陽光発電と蓄電池を用いて安定化させ、大型のバイオディーゼル発電機と組み合わせ3日間は通常の電力供給が可能。
市営住宅は、戸建て70戸と集合住宅15戸の合計85戸+集会所。居住面積は戸建が2LDK(59.68㎡、34戸)、3LDK(71.30㎡、16戸)、4K(78.83㎡、20戸)。集合住宅が1LDK(41.96㎡)。
三井不動産リアルティ 子育てサポート企業として「くるみん」マーク取得
三井不動産リアルティは8月6日、2015年7月21日付で「子育てサポート企業」として厚生労働大臣の認定を受け、次世代認定マーク「くるみん」を取得したと発表した。
「くるみん」マークは、次世代育成支援対策推進法に基づき、企業が仕事と子育ての両立を図るための取り組みを行い、一定の基準を満たした場合に取得できるもの。同社の取得は、2009年10月から2014年9月までの女性の育児休業取得率、育児中の社員への支援制度、所定外労働削減の取り組みなどが評価されたため。
同社は今年4月、働く女性がそれぞれのキャリアプラン、ライフイベントに合わせて活き活きと長く働ける環境および仕組みを構築し、実行するために「ダイバーシティ推進室」を設置した。
これまで住宅・不動産業界ではスターツ、旭化成ホームズ、東急不動産、大京、大京アステージ、新日鉄興和不動産、住友林業、三井ホーム、ミサワホーム、東急リバブル、野村不動産アーバンネットなどが取得している。
キッズデザイン賞 男女共同参画担当大臣賞は乃村工藝社「チームM」
「第9回キッズデザイン賞」シンポジウム(六本木ヒルズ森タワーで)
キッズデザイン協議会(内閣府認証NPO、会長:和田勇・積水ハウス会長兼CEO)は8月3日、子どもたちの安全・安心、健やかな成長発達に役立つデザインを顕彰する「第9回キッズデザイン賞」受賞作品308点の中からより優れた作品として最優秀賞・優秀賞・奨励賞・特別賞など36点を発表した。同賞への応募作品は過去最多の474点だった。
最優秀賞(内閣総理大臣賞)は「ルナドリームカプセルプロジェクト」(ルナドリームカプセルプロジェクト実行委員会)で、このほか「経済産業大臣賞」4点、「少子化対策担当大臣賞」2点、「消費者担当大臣賞」1点、今年度から新設された「男女共同参画担当大臣賞」1点が選出された。
◇ ◆ ◇
記者は記者発表・表彰式のあとに行われた各受賞者によるプレゼンテーションを取材したのだが、大人の目線ではなかなか気づかないことやドキッとさせられることなどがたくさん報告された。社会経済の変化とそれが子どもにもたらした影響などがよく理解できた。
いくつかを紹介すると、「夢が描けない子どもが増えている」(総理大臣賞を受賞した「ルナドリームカプセルプロジェクト」)「人口比約2%の弱視は早期発見でかなり改善できる」(経産大臣賞を受賞した「3歳からの『たべたのだあれ? 』視力検査キッド」)「手動と電動のそれぞれいいところを取り込んだ」(子ども向け車いす用アシストを開発したヤマハ発動機)「掃除時間は1998年が42分だったのが2014年は29分に短くなった」(空気清浄機付きスティッククリーナーを開発した三菱電機)「在来作物はわが国の文化」(在来作物で味覚レッスン)などだ。
◇ ◆ ◇
もう一つの取材の狙いは、今年度新設された男女共同参画担当大臣賞にはどのような作品が受賞するかにあった。受賞したのは乃村工藝社の「ノムラのソーシャルマーケティングへの取り組み<チームM>」だった。
プレゼンを行ったのは、同社営業開発本部企画開発部開発ルームチームMデザイナー・松本麻里氏だった。松本氏はチーム立ち上げから展開、課題、今後の目標などについて次のようによどみなく語った。
「この5年間で産休を取った女性30名が全員復帰した」「仕事を通じて社会とつながっている、よりエンドユーザーに寄りそった仕事ができることでモチベーションも上がった」「大学などともコラボして、課題の見える化も進めたい」
話を聞きながら、今年3月に取材した日本建築士会連合会女性委員会(女性委員長:永井香織・日大准教授)を思い出した。この時と同様、松本氏は「あー」とか 「えー」とかの機能語をほとんど話さなかった。最後に松本氏は「まだまだ紹介しきれない取り組みがあるが、社会の課題解決のために取り組んでいく」と締め くくった。
「チームM」は2年前、同社の新規事業提案で採用されたプロジェクト第一弾で、同社で働く育児経験がある女性社員5名から構成されており、仕事と育児との経験から見えてくる気づきを生かし、子どもたちの未来のために心地よい空間をデザインし提案していくのが目的。
審査評には、「子育て中の女性社員が部署横断でチームを編成し、子連れで外出しやすい空間や理想的な保育施設の提案を行う社会有用性の高い取り組み。この活動の成果として、同社では育休後の復職率ほぼ100%を継続している。女性の活躍推進というテーマにもっともふさわしいものとして高く評価した」とある。
大和ハウス フジタと大和小田急建設を合併 フジタが存続会社に
大和ハウス工業は8月4日、同社の完全子会社であるフジタと大和小田急建設を平成27年10月1日付で経営統合(合併)し、フジタを存続会社として大和小田急建設は解散すると発表した。
両社を経営統合することにより、経営資源の集中と最適化、業務の効率化を推進し、国内建設業の収益力の追求や海外事業の拡大・加速を図るのが目的。
積水ハウス 江東区の保育園が「第9回キッズデザイン賞」優秀賞少子化対策担当大臣賞
積水ハウスは8月3日、キッズデザイン協議会が主催する「第9回キッズデザイン賞」で江東区の保育園「江東湾岸サテライトスマートナーサリースクール本園テニスの森キャンパス」が優秀賞少子化対策担当大臣賞を受賞したと発表した。
世帯数が著しく増加している豊洲地区の分園で乳幼児を受け入れ、分園からバス約10分の同保育園で保育するサテライト方式を採用。設計期間3カ月、施工期間5カ月という短期間で建設し、江東区の待機児童対策の早期解決に貢献した。
審査員からは「大型ショッピングモールに隣接し送迎に便利な分園と、子どもが伸び伸び過ごせる本園を送迎バスでつなぐという方式は、これからの都市型の保育施設のあり方として社会提案性が高い。地域の防災拠点として機能する点も優秀。地域における社会課題の解決策を凝縮した好例」として高く評価された。
同保育園の事業主は社会福祉法人高砂福祉会で、建物は鉄骨造2階建耐火構造(積水ハウスβシステム工法)延べ床面積約1885㎡の江東区認可保育園。定員は222名。
同社は、今回の「第9回キッズデザイン賞」で同保育園を含め4部門7点がキッズデザイン賞を受賞した。
細田工務店 木造の構造躯体工事の請負体制整う 今期50棟受注へ
細田工務店は7月27日、木造住宅の構造躯体工事の請負体制が整い、本格的な受注を開始したと発表した。同事業は、これまでの1棟単位の請負とは異なり「木造軸組工法」と「2×4工法」での上棟工事、フレーミング工事の請負を核とし、付帯する基礎工事や屋根工事、造作工事といった一連の工事についても請負うもの。
独自の施工ノウハウを活用することで、労務確保が難しく工期が遅れるといった問題を抱える事業者の労務確保に応え、工期短縮にも貢献する。
初年度は、事業基盤の確立をはかりながら50棟の受注を目標とし、次年度には受注の核となる「上棟工事専属チーム」を組織化して150棟の受注を目指す。
大和ハウス 住まいを知る絶好のエッセー「段取りの〝段〟はどこの〝段〟?…」
「段取りの〝段〟はどこの〝段〟? -住まいの語源楽-」
永江朗氏著「広辞苑の中の掘り出し日本語」(出版社:バジリコ)を読み終えた本日(7月27日)、大和ハウスから、住まいのノウハウ本の第3弾「段取りの〝段〟はどこの〝段〟? -住まいの語源楽-」(出版社:新潮社)を頂いた。
同社がフリーライターの荒田雅之氏と共同で上梓したもので、第57回日本雑誌広告賞(第二部タイアップ部門)で金賞を受賞した週刊新潮の連載企画「住まいの語源楽」(平成25年3月14日号~6月5日号)を加筆・再編集した、住まいや建築に由来する身近な51種類の言葉の語源やその変遷を綴ったエッセーだ。
記者は最近、週刊誌はまったく読まないので(以前は新潮も文春もよく読んだ)、この連載は全く知らなかったが、目次を見ただけで「これは読まなければ」とすぐ思った。
まだ読んではいないが、最後のテーマは「終の住処」だ。ここでは、鴨長明の「方丈記」と長明についていろいろ書かれている。記者は3.11後、「方丈記」を40年ぶりくらいに読んだ。あの京都の大地震とその被害について克明にルポしている。記者の鑑のような長明の〝足〟に驚愕したのだが、この「語源楽」は、単なる言葉の意味を紹介するだけの辞書でないのがいい。
いまは、記者の好きなロバート・ゴダードの最新作「欺きの家」(講談社文庫、上下)を読み始めたばかりで、「語源楽」はすぐには読めないが、必ず読む。住宅を知るにはいい本に違いない。
ついでながら「広辞苑の中の掘り出し日本語」について。永江氏は、広辞苑の中から面白い言葉を紹介しながら、「乳繰る」の「乳」はおっぱいではなく、「傍ら痛い」の「傍ら」は「片腹」ではなく、「独擅場」は「独壇場」ではなく、「押っ取り刀」は「おっとり」ではないことなどを紹介している。「恋ひ明かす」「雪肌」「目垂り顔」「相悪阻」「浮世糸瓜の皮頭巾」「助三杯」「百舌勘定」などの言葉も面白い。
記者からも一言。われわれはよく「びっくりしない」と同じような意味で「ぞっとしない」と言うが、これは「あまり感心しない」という意味だ。
ポラスグループ 埼玉県「ミニエコタウン事業」協働事業者に選定
ポラスグループは7月14日、埼玉県が平成27年度に創設した補助事業「ミニエコタウン事業」の協働事業者にポラスグループの6社が選定されたと発表した。
「ミニエコタウン事業」は、既成市街地のエネルギーの地産地消を目指すのが目的で、民間事業者が過去に販売した「ミニエコタウン・モデル街区」で県が指定するエコリフォームなどを行なった場合、費用総額の20%、最大100万円の補助が受けられる。
「ミニエコタウン・モデル街区」に選定されたポラスグループの5街区(17分譲地・575戸)は、今年度に協働事業者として選定された4企業の中で最大戸数となる。
長谷工コーポ 「100歳の集合住宅」テーマに学生コンペ
長谷工コーポレーションが学生を対象とした第9回「長谷工 住まいのデザインコンペティション」を実施する。
今年のテーマは、東京都心で緩やかな勾配のある敷地に30戸の集合住宅を想定した「100歳の集合住宅」。自由にテーマを解釈し、単なる高齢者の住宅とは違った新しい集合住宅、歳を重ねた時に豊かな暮らしを実現できる集合住宅の提案が期待されている。
賞金は、最優秀賞1点100万円/優秀賞3点各50万円/佳作10点各10万円(全て税込、総額350万円)。昨年は201点の応募があった。
応募資格は2015年12月31日時点で学生であること(大学院、大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、専修学校など)。登録・作品提出締切は2015年11月17日(火)必着(送付のみ受付、バイク便不可)。審査講評・表彰式は2015年12月19日(土)、ホテルニューオータニ。審査委員長は隈研吾氏。
応募登録はデザインコンペティションホームページから。
http://www.japan-architect.co.jp/haseko/2015/
積水ハウス 「キッズデザイン賞」4部門7点が受賞
積水ハウスは7月3日、キッズデザイン協議会主催の「第9回キッズデザイン賞」の4部門で合計7点のキッズデザイン賞を受賞したと発表した。受賞は同賞のそうせつ以来、9年連続となった。
キッズデザイン賞は「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン」「子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン」「子どもたちを産み育てやすいデザイン」というキッズデザインの理念を実現し、普及するための顕彰制度。受賞作品には「キッズデザインマーク」の使用が認められる。
同社が受賞した作品は次の通り。
<子ども視点の安全安心デザイン>
一般部門
☆高速検知住宅用火災警報器「i-FAS(アイファス)」
☆「防災未来工場」キッズ防災リーダー育成プロジェクト~自分・家族・地域を守るために~
学び・理解力部門
☆キャプテンアースの「いえコロジー」セミナー
<子どもの産み育て支援デザイン>
地域・社会部門
☆江東湾岸スマートナーサリースクール本園テニスの森キャンパス
☆共助を取り入れた子育てしやすいまちづくり~子育て共助のまち普及モデル事業~
☆従業員と会社の共同寄付制度「積水ハウスマッチングプログラム」
<復興支援デザイン>
復興支援デザイン部門
☆震災復興と環境保全を通じ、子どもたちの生きる力を育む「巣箱作り体験教室」