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「パークホームズ流山セントラルパーク」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルが分譲中の「パークホームズ流山セントラルパーク」を見学した。昨年7月に第1期1次110戸を分譲開始してから昨年末までに供給した155戸をすべて完売するなど、苦戦する物件が多い千葉県内では数少ない好調物件の一つだ。

 物件は、つくばエクスプレス流山セントラルパーク駅から徒歩4分、流山市野々下1丁目に位置する14階建て全341戸。2月4日から登録を受け付ける第3期1次(15戸)の専有面積は60.60~90.39㎡、価格は2,828万~4,618万円(最多価格帯3,600万円台)、坪単価は155万円。竣工予定は平成30年1月下旬。施工は長谷工コーポレーション。

 現地は、土地区画整理事業地の一角で、敷地東側は道路を隔てて流山市民総合運動公園・キッコーマンアリーナ(総合体育館)に隣接。流山おおたかの森S・Cへは自転車で約8分。

 建物はL字型で、住戸プランは南向きと東向き。間取りは70㎡台と75㎡台が中心。ゲストルーム、コミュニティサロン、ランドリールームなどのほか保育園が併設される。

 販売を担当する同社千葉支店営業室「パークホームズ流山セントラルパーク」所長・田畑等氏は、「引き渡しは来年の2月。この時期、竣工までに完売のめどが立つマンションは少ないはず。極めて順調に推移している」と話した。

 購入者は流山市、柏市、松戸市居住者で50%、その他千葉県内が10%、都内が20%。「地縁のない人も少なくない」(田畑氏)という。

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モデルルーム

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 好調な売れ行きに安堵した。隣駅の流山おおたかの森と比べ流山セントラルパーク駅は生活利便施設が乏しく、それが売れ行きにどう影響するか心配だった。それでも、駅に近く森のような公園が隣接地に広がり、しかもマンション内に市の条例により保育園が併設されるので売れるだろうと予測していた。

 予想を上回る売れ行きではあるが、驚いたのは単価の安さだった。一昨年、同社がここでマンションを分譲することを知ったが、その時点の単価予想は坪160~170万円だった。まさか155万円まで抑えるとは夢にも思わなかった。

 考えてみればこの沿線はマンションの供給が多く、価格下げ圧力が高まっている。三郷中央あたりでも坪単価は160万円を切り、柏たなか駅では坪130万円くらいで分譲されている。駅から少し遠いと敬遠される。

 東京駅へ30分圏内の郊外マンションの坪単価がこれほど安く、しかもローン金利はただ同然であるのに、駅から少し離れると見向きもされない今の市場はどこかおかしい。もう価格の問題ではない。デベロッパーの努力ではいかんともしがたい政治の問題だ。働き方、雇用を含め若年層が将来に希望を持てる社会にしないと益々市場はシュリンクする。長谷工総研の調査によると、首都圏マンションの平均専有面積は昨年69.22㎡となり、1996年の69.45㎡以来20年ぶりに70㎡を割った。時代は逆戻りしつつある。

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カテゴリ: 2016年度

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「プラウド清澄白河リバーサイド」完成予想図

 野村不動産が3月中旬に分譲する「プラウド清澄白河リバーサイド」を紹介する。「オウチーノ」の「2015年 人気の駅ランキング」調査で第3位に浮上した「清澄白河駅」が最寄り駅で、隅田川がすぐ目の前。清洲橋を渡れば徒歩3分で中央区アドレスとなる江東区のリバーサイドマンションだ。

 物件は、都営大江戸線清澄白河駅から徒歩7分、江東区清澄1丁目に位置する15階建て全111戸。専有面積は64.20~103.73㎡、価格は未定だが坪単価は300万円台の前半の予定。施工は佐藤工業。竣工予定は平成29年11月中旬。

 現地は、物件名にもあるように隅田川リバーサイド。準工地域だが、明らかに嫌悪施設に思えるような工場はバスの中からは見えなかった。敷地のすぐ近くにある清洲橋を渡れば徒歩3分で中央区アドレス。

 建物は全戸南西向きで、多くの住戸から隅田川とその先の都心部が見渡せるはずだ。オーダーメイド対応で、ディスポーザー、食洗機、ミストサウナなどが標準装備。1フロア8戸構成で、2基のエレベータに隣り合う28戸は両面バルコニータイプ。

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 販売事務所の壁に、「日本最大級の住宅・不動産専門サイト」「オウチーノ(オウチーノ総研)」が発表した「2015年 人気の高かった駅ランキング(中古マンション)」のベスト10が張り出されていた。

 何と「清澄白河駅」が堂々の3位に入っているではないか。「人気」は、同社のサイトに対するアクセス数をもとに集計したもので、必ずしも「買いたい」「住みたい」とイコールではない。

 参考までに清澄白河駅以外のベスト10を紹介すると、1位・恵比寿駅、2位・北千住駅、4位・二子玉川駅、5位・吉祥寺駅、6位・大崎駅、7位・葛西駅、8位・自由が丘駅、9位・光が丘駅、10位・用賀駅。2016年の人気駅ランキングは集計中だそうだ。

 それにしても、他の駅と比べて知名度がいま一つの「清澄白河駅」がどうして3位に浮上したのか。

 同社ホームページには「2月に日本初上陸の『ブルーボトルコーヒー』がオープンし、カフェの街として注目を集めました。女性誌やガイドブックへの露出が多く、今後さらに人気が高まることが期待できます」と紹介されている。

 つまり、ブルーボトルコーヒーの初出店が清澄白河だったことが、ベストテン圏外から急浮上した要因のようだ。

 さて、その人気ランキング3位の清澄白河駅が最寄り駅の「プラウド清澄白河」はどうか。

 現地は準工だが、敷地南側にある新聞社の印刷工場とは45m離れており、日影の影響はそれほど受けない。敷地西側はすぐ隅田川。川にかかる清洲橋を渡れば3分で中央区アドレスとなり、水天宮駅へ徒歩9分、人形町駅へは徒歩15分。

 ここがこのマンションのポイントだ。モデルルームを清澄白河でなく、都営新宿線浜町駅の近くに設置しているように、いま大激戦の人形町-浜町-馬喰町界隈のマンション検討者を根こそぎ引き込もうとする戦略が見て取れる。

 中央区アドレスの物件は軒並み坪400万円を突破している。ここは300万円台前半。20坪で2,000万円の差がある。これなら十二分に戦えると読んでいるのではないか。

 南西角住戸の87.91㎡は9,000万円台になりそうだが、モデルルームのペニンシュラ型キッチンの提案がいい。

 面白い共用施設もある。道路を挟んだ川沿いに車6台分の〝飛び地〟がある。そこを時間貸しのタイムズに運用してもらうことで、その賃貸料金を管理組合の収入にするという。いくらの収入になるかわからないが、駐車料金の相場は3万円だそうだ。3×6=18万円/月くらいになるのではないか。

 資料請求は1,600~1,700件。反響も上々のようだ。

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ラウンジ

カテゴリ: 2016年度

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「ディアナガーデン西麻布」エントランス(完成予想図)

 三大証券の創業社長の邸宅跡地マンション、モリモトの「ディアナガーデン西麻布」を見学した。江戸時代には「笄(こうがい)町」と呼ばれ、多くの大名が住み、近代には三井本家や大手企業の創業者らの豪邸が建っていたエリアの一角で、同社のフラッグシップ〝ディアナガーデン〟の真価を世に問う記念碑的物件だ。

 物件は、東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩9分、港区西麻布4丁目に位置する敷地面積1,000㎡、地下2階地上9階建て全41戸(会員向け住戸10戸含む)。専有面積は47.87~124.73㎡、価格は未定(坪単価は後述)。竣工予定は平成30年5月下旬。設計・監理は安宅設計。デザイン監修はE.A.S.T.建築都市計画事務所。施工はイチケン。販売開始は3月中旬。

 現地は、かつて「笄町」と呼ばれた邸宅街の一角。敷地は三大証券の1社の創業社長が住んでいた邸宅跡地。隣接地は三井不動産レジデンシャルの「パークマンション西麻布」。近くには「広尾ガーデンヒルズ」「広尾ガーデンフォレスト」「麻布霞町パークマンション」「パークハウス麻布霞町」などわが国を代表する高級マンションがある。施工不良で話題になった三菱地所レジデンス「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」もすぐ近く。

 敷地はL字型で、幅7m以上の北側道路に接している(東側の日赤通りにも一部接道)。建物デザイン監修に東京ミッドタウン、名古屋駅ターミナルビルを手掛け、板倉建築研究所の代表を務めた後独立してE.A.S.T.建築都市計画事務所を設立した東泰規氏。外観、エントランス部分にはタペストリーガラス、4連のアクアウォール、テラコッタルーバー、ライムストーンなどを配し、都市的なデザインを演出している。

 このほか、タペストリーデザインにペニンシュラ東京を手掛けた多摩美大名誉教授・橋本京子氏、ストーンデザインに竹田亜矢子氏、フラワー・アートデザインに華道家・木村貴史氏を起用。ここにもデザインにこだわる同社の意気込みが込められている。

 住戸タイプは22タイプあり、設備仕様は同社マンションの特徴でもある自然石、天然木を惜しげもなく使用しているのが特徴。ジャクソンの浴槽、ビレロイ&ボッホの2ボウルの洗面、ハンスグローエの水栓、バーザイメープルの突板などを採用している。

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現地周辺(左は「広尾ガーデンヒルズ」)

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 遠回りするが、麻布界隈の高級マンションについて触れたい。「ディアナガーデン西麻布」の評価とも密接につながっているからだ。

 広尾駅が最寄り駅の高級マンションといえば、億ションの最高峰といえる「広尾ガーデンヒルズ」のほか、「広尾ガーデンフォレスト」「麻布霞町パークマンション」「パークハウス麻布霞町」「ザ・ハウス南麻布」「プラウド南麻布」「ウェリス有栖川」などがある。

 「広尾ガーデンヒルズ」はバブル期に瞬間的だが坪2,500万円の値を付けた。今でも坪600万円はくだらないはずだ。「広尾ガーデンフォレスト」は定借マンションだが、設備仕様が抜群。「麻布霞町パークマンション」は、三井本家跡地に建つ92戸の億ションで、三井不動産レジデンシャルの〝パークマンション〟シリーズはもちろん、ヴィンテージマンション№1だ。「パークハウス麻布霞町」は、三菱地所レジデンスの最高峰の億ションだ。「ザ・ハウス南麻布」は野村不動産とニチメンが分譲した故堤康次郎氏の屋敷「米荘閣」跡地マンション。「プラウド南麻布」は野村不動産と三井物産が共同して分譲したフランス大使館旧館跡地の定借マンション。「ウェリス有栖川」はNTT都市開発の傑作。

 「ディアナガーデン西麻布」は、立地条件、規模などから評価してこれらの物件にはかなわないが、いま都心部で分譲されている坪400~600万円クラスの物件にはまず負けない。ジャクソンの浴槽、ビレロイ&ボッホの2ボウルの洗面、ハンスグローエの水栓、バーザイメープル、ななつ星in九州に使用されている面材と同じ銘木突板などは間違いなく億ション仕様だ。

 そして下した総合評価は坪単価は650万円だ(近くには坪800万江くらいで検討しているある会社があるが)。しかし、同社はそんな高値を付けない。ヒントは、不動産協会の今年の新年賀詞交歓会で同社・森本浩義社長が次のように語った言葉にある。

 「今年は新しいステージの年。今まで坪単価500万円以上のマンションは分譲したことがないが、年初から分譲する『西麻布』をはじめチャレンジする」

 もう一つ。物件説明をした代官山ギャラリーチーフ・平井匠氏によると、森本社長は社内向けに「社運をかける。みんなに買ってもらえるようなものにしよう」という考えを示したという。

 この二つの言葉から判断して、業界に波紋を呼ぶのはもちろんだが、購入者も十分利益を確保できるような値を付けるような気がしてならない。

 つまり、今の市場価格を反映した、とことん高値を追求した物件にはしないということだ。なので、ひょっとすると坪500万円台後半もありうると見た。

 坪500万円台でも一般の人には手が届かないし、「西麻布」アドレスに気おくれする人も多いかもしれないが、臆することはない。「広尾ガーデンヒルズ」も分譲開始時は坪300万円台のコンパクトも少なくなかった。チャレンジする価値はある。申し込みが殺到する可能性が高いと見た。

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モデルルーム

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森本社長(今年の不動産協会 新年賀詞交歓会で)

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「ザ・ パークハウス 国分寺四季の森」完成予想図

 三菱地所レジデンス・東京建物・大栄不動産の3社は1月26日、中央線沿線の徒歩10分圏としては最大級の494戸の大規模マンション「ザ・ パークハウス 国分寺四季の森」のモデルルームを2月11 日(土)オープンし、3月下旬から販売開始すると発表した。

 物件は、JR中央線・武蔵野線西国分寺駅から徒歩10分、国分寺市東恋ヶ窪1丁目に位置する7階建て2棟からなる全494戸。専有面積は68.55~97.49㎡。価格は南向き3LDK・4,200万円台~。施工は長谷工コーポレーション。全体竣工は2018年8月中旬。

 国分寺駅北口では約2万㎡の広大な敷地で再開発事業が進行中で、物件敷地の南側と東側には、敷地面積約20.7万㎡のうち約45%が緑地の日立製作所中央研究所に隣接。

 各分野のプロフェッショナルと提携し、「illy」のコーヒーを提供するカフェや、紀伊國屋書店が選定した書籍を楽しめるライブラリーラウンジなどを設置。 居住者専用シャトルバスの運行も行う。

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 この物件については昨年1月、三菱地所レジデンスの「ザ・パークハウス国分寺緑邸」を取材したとき話を聞いている。リリースでは「南向き3LDK・4,200万円台~」となっているが、きちんと取材してレポートしたい。

20haの森が借景 水琴窟も設置 三菱地所レジ「ザ・パークハウス 国分寺緑邸」(2016/1/29)

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「プラウド銀座東」完成予想図

 野村不動産が近く分譲する「プラウド銀座東」を見学した。聖路加国際病院に近接し、周辺物件にはない広めの80㎡以上を多くするなど差別化を図っている。

 物件は、東京メトロ日比谷線築地駅から徒歩9分、中央区明石町に位置する13階建て全32戸。専有面積は55.60~114.63㎡、価格は未定だが坪単価は400万~600万円。施工は東洋建設。

 現地は、それぞれ道路を挟んだ北西側と南東側に公園があり、聖路加国際病院に徒歩2分の立地。明石町は、文明開化時に外国人居留地が置かれたこともあり、慶応大学、立教大学、明治学院大学など多くの大学の発祥の地、芥川龍之介の生誕の地として知られる。

 建物は、1フロア2戸、両面バルコニー、10階~13階は100㎡以上、天井高2,700ミリ確保することで公園と隅田川を望む眺望を〝売り〟にしている。インテリアデザインはHBAを起用。洋室は突板のヘリンボーン仕上げ。全戸オーダーメイド対応。

 資料請求は約2,000件、モデルルーム来場者は約200件。第1期分譲は16戸程度を予定している。

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 お金があればという条件付きだが、中央区に住むなら文明開化の香りがするここ明石町だ。聖路加ガーデン-聖路加国際病院-聖路加国際大学に続く舗道のメタセコイア、ユリノキ、シナノキ、スズカケ、クスノキなどの街路樹が美しい。芥川龍之介の生誕の碑や、ガス街灯柱、アメリカ公使館跡など歴史をしのばせる石碑も随所にある。

 坪単価は階層などでかなり差が出そうだが、平均では500万円くらいか。三井不動産レジデンシャルが分譲している坪単価440万円の「パークシティ中央湊」よりは立地条件がいいのでこの単価差は納得だ。

 もう一つ、富裕層にとっては魅力的なサービスがこのマンションでは受けられる。聖路加国際病院付属クリニック「聖路加メディローカス」と提携し、人間ドック、運動サポート、医療サポートを柱とした「会員制健康サポート」が受けられることだ。会費は月額4万円。普通の人はそんなお金があったら酒やその他飲食に消費し、結局は身体を壊すことになりそうだが、健康のためなら月4万円の支出を惜しまない人はどれくらいいるのだろうか。

 同社は、このマンションを早期に完売し、同じ明石町エリアで予定している別のマンション販売に注力するそうだ。

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隣接の公園

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「(仮称)プレミスト湘南辻堂」完成予想図

 大和ハウス工業は1月25日、IoT技術とAI(人工頭脳)を活用したスマートウェルネスをテーマにした湘南エリア最大級の大規模マンション「(仮称)プレミスト湘南辻堂」(914戸)を着工し、今夏にモデルルームをオープンすると発表した。これまでにない商品企画で挑むことで、同社は「湘南に流れを作り、『高尾』の再現を目指す。3年間で売り切る」と自信を見せた。

 物件は、JR東海道本線辻堂駅から徒歩9分、藤沢市羽鳥一丁目に位置するA敷地の14階建て404戸と、B敷地の13階建て510戸の全914戸。先行して着工するA敷地の専有面積は68.91~93.18㎡、価格は未定だが、最多価格帯は5,000万円台。坪単価は220万円台に収まる模様。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は2018年12月。売主は同社と長谷工コーポ。管理は長谷工コミュニティ。

 現地は、A敷地とB敷地を合わせ約3.5haのNTT社宅跡地。再開発によって街並みが一変した「湘南C-X(シークロス)」内の「テラスモール湘南」へ徒歩6分。

 詳細なプランは未定だが、「湘南の自然と文化に包まれて、大人が自由に、豊かに、健康に暮らせる街づくり」をコンセプトに敷地南側を「湘南の海ゾーン」、敷地北側を「湘南の森ゾーン」とし、「湘南の海ソーン」には「フィットネスジム」のほか、「カフェラウンジ」「ライブラリー」「アトリエ」を設置する。「湘南の森ゾーン」には「アリーナ」や「BBQテラス」を配置、「茶室」、「山小屋」、「隠れ家」をモチーフとしたゲストルームを3戸用意する。

 大きな特徴であるスマートウェルネスでは、ウェアラブルデバイス(衣服状リストバンド型で、身に着けて持ち歩くことができる)などを用いたIoT技術やAIと、同社グループのスポーツクラブNASが監修する運動メニュー提案などのソフトサービスを融合したヘルスプロモーションサービスを採用。同社グループが昨年8月オープンした「スポーツクラブNAS藤沢店」とも連携する。

 このほか、余暇活動やコミュニティ形成などの支援サービスとして、入居者専用の会員組織を設立し、辻堂駅とマンション間でシャトルバスを運行する予定。

 記者発表会に臨んだ同社東京本店マンション事業部事業部長・松岡康成氏や同事業第四課係長・二改隆広氏らは「「『プレミスト高尾』のように後背地の戸建て居住者の買い替え、買い増しが期待できるし、そのためにシャトルバスの運行も決めた。湘南に流れを引き込み、『高尾』のような連続即日完売を狙い、3年間で売り切りたい」と語った。

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スマートウェルネス概念図

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アリーナ

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 最初に戸数を聞いたとき、正気の沙汰ではないと思った。いま関電不動産開発が分譲している全352戸の「シエリア湘南辻堂」は半年で約200戸を成約するなど極めて好調な売れ行きを見せてはいるが、その3倍近い。

  しかし、ニュースリリースを読み、松岡氏らの話を聞くうちに〝ひょっとしたらいけるかもしれない〟と思うように変わった。それだけインパクトの大きいマンションになりそうだ。

  その条件が揃った。立地条件が申し分ないことはいうまでもない。ここ数年、辻堂駅圏で分譲されたマンションも戸建ても極めてよく売れた。「テラスモール湘南」の効果は計り知れない。

  ヘルスプロモーションサービスも大きな関心を呼ぶはずだ。詳細は未定だが、同社のロボット事業「ヒューマン・ケア事業」は業界でも最先端をいく。このマンションと連動するかどうかは分からないが、その知見は生かされるはずだ。

 もう一つ、辻堂は、全416戸をわずか16カ月で完売した「プレミスト高尾サクラシティ」とよく似た特性を持つことだ。「高尾」の購入者の約4割がシニア層だったが、これは後背地の戸建て居住者の買い替え・買い増し需要を取り込んだためだ。「辻堂」も同じことがいえる。戸建て居住者の属性は「高尾」とほぼ同じと見た。収入・資産などに恵まれた人たちだろう。シャトルバスの運行も大正解。

 価格が心配だったが、松岡氏は「関電さんと同じくらい」と話した。つまり坪単価は220万円台、高くても230万円台に抑制するようだ。これほどの商品企画なら子育て層の需要ももちろん期待できる。

  記者団からは「郊外マンションが不振」などの質問が飛んだが、確かにこの1年間のマンション市場は変調をきたし、先行き不安もぬぐい切れない。

 しかし、記者はしっかり造り込みをすれば郊外だって売れると見ている。販売力・ブランド力のあるデベロッパーはみんな腰が引けており、郊外を回避しているが、同社がその悪い流れを断ち切り、本来の流れに引き戻す可能性はあると見た。

 ただ、いくら何でも3年間で完売までもっていくのは難しいような気がする。もし3年間で完売したら逆立ちはできないし頭も剃らないが、同社こそがマンションの雄と称賛したい。一つ提案だ。温泉はどうだろうか。売上げ4兆円を目指す企業だ。それくらいの負担はなんてことないはずだ。「辻堂ダイワロイヤル温泉」とでもすれば大ヒット間違いなしだ。

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アトリエ

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ゲストルーム(茶室)

大和ハウス・イニシア 「プレミスト高尾サクラシティ」全416戸を16カ月で完売(2016/11/1)

首都圏第1弾「シエリア湘南辻堂」第1~3期1次199戸が登録完売 関電不動産開発(2016/11/8)

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「ザ・パークハウス白金二丁目タワー」完成予想図

 三菱地所は1月23日、〝羽田市場「超速鮮魚®」〟を運営するCSN地方創生ネットワークへ出資し、第三者割当増資を引受けるとともに同社と包括協定を締結致したと発表。その第一弾プロジェクトとして、3月下旬から販売開始する三菱地所レジデンス他「ザ・パークハウス白金二丁目タワー」で鮮魚宅配サービスを導入する。

 CSN社は、羽田空港内に「羽田鮮魚センター」を有するベンチャー企業。全国で水揚げされた鮮魚を漁師から直接仕入れ、空輸で集約して加工仕分けを行い、最速のルートで国内外の飲食店、小売店、個人宅へ配送する新たな流通サービス〝羽田市場「超速鮮魚®」〟を運営している。また、漁港や漁師の情報が見えるトレーサビリティを業界に先駆けて実践している。

 三菱地所グループは、同社グループで分譲するマンションへの宅配サービスや、当社グループで運営管理を行っている商業施設の飲食店舗・ロイヤルパークホテルズへの卸しなど、既存事業領域での連携や新事業領域での連携も視野に入れ、順次CSN社との協業を進めていく。

 「ザ・パークハウス白金二丁目タワー」は、東京メトロ南北線・都営三田線白金台駅から徒歩5分、免震の27階建て全172 戸。

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 高級マンションではホテル、飲食店、本屋、クリニックなどと提携して様々なサービスを行う物件は少なくないが、鮮魚の宅配サービスを行うというのは初めて聞いた。

 販促につながるかどうか分からないが、ニーズはあると思う。先日、田舎からカキを送ってもらったが、おいしくて安かった。

 

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「ブランズ ザ・ハウス一番町」

 〝すごい〟と業界でも話題になっていた東急不動産の最高峰マンション「ブランズ ザ・ハウス一番町」が完成し、1月23日、報道陣に公開された。噂にたがわず、徹底して本物志向にこだわった正統派億ションだ。坪単価は770万円、平均3億円という価格は同社の〝ブランズ〟として過去最高。

 物件は、東京メトロ半蔵門線半蔵門駅から徒歩3分、千代田区一番町に位置する免震構造の12階建て全56戸(事業協力者住戸8戸含む)。価格は1億8,000万円台から5億7,000万円。設計は日建ハウジングシステム。共用・外観デザイン監修はエイ・ディ・エイ。施工は清水建設。昨春から分譲開始され、9月までに完売した。

 現地は、番町のなかでももっとも地位が高いとされる一番町に立地。英国大使館、千鳥ヶ淵までも徒歩数分。

 共用・外観デザイン監修に同社の「東急ハーヴェストクラブ」などを多く手掛けるエイ・ディ・エイを起用。シンメトリーやフレームワークによる構成美を演出。このほか、照明デザインは近田玲子氏が手掛け、1階ロビーの花台には池坊専好氏による生け花を配置。サロンには三代秀石・堀口徹氏監修の江戸切子を壁面に飾り、庭園には造園植治次期十二代・小川勝章氏のアドバイスを受けて既存のケヤキ、モミジ、石などを活用している。

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池坊による生け花

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サロン

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モデルルーム

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モデルルーム

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 ずっと見たいと思っていたマンションだ。分譲を開始した当初から業界でも話題になっていた。その後、番町界隈でいくつかのマンションが分譲されているが、この物件がメルクマークになっているはずだ。

 とにかく基本性能、設備仕様レベルが高い。階高は4m確保し、リビング天井高は最高3.1m、そのほかは廊下、キッチンなども含め2.8mで統一。建具・面材はサペリ、カリマンタンエボニーなどの突板銘木や自然石がふんだんに用いられている。共用部分の壁、天井などは全てマホガニー。壁はカナディアンポリクロームなどの御影石を仕上げによって異なる表情にしている。

 サロンに置いてある小さなテーブルに触ろうとしたら、関係者から「触らないで」と注意された。「オペラ」というイタリア家具メーカー製だそうで、値段を聞いたら数十万円でも買えないという。ソファーは本皮にエイの型押し文様が付いていた。庭にある蹲は京都にあった建築物の土台に使われていたものだそうだ。

 ことほど左様にすべてが富裕層(どんな人かはしらないが、買い増し層が圧倒的に多いとか)の心をくすぐるものばかりだった。その豪華さを誇らない、むしろ控えめな演出に舌を巻くしかなかった。たぶん本物のお金持ちはこのようなデザインを好むのだろう。それだけは記者もわかる。

 バブル期の同社のブランド〝プレステージュ〟にはこのレベルの物件は供給されたことがあるだろうか。

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「パークコート浜離宮ザ・タワー」完成予想図

 三井不動産レジデンシャルが分譲中の37階建て再開発免震タワーマンション「パークコート浜離宮ザ・タワー」を見学した。昨秋から分譲されており、わずか4カ月で販売戸数331戸のうち第1期199戸が分譲済みとなるなど圧倒的な人気を呼んでいる。浜離宮が眼下に見下ろせる立地条件のよさと、再開発ビッグプロジェクトが目白押しの周辺地区の将来性・資産性が評価されている。パンフレットは印刷物でなくタブレットというのは業界初の試み。

 物件は、JR山手線浜松町駅から徒歩5分(このほか大門駅、御成門駅、汐留駅、新橋駅が徒歩圏)、港区浜松町1丁目に位置する37階建て563戸(販売戸数331戸、事業協力者戸数232戸含む、他に店舗3戸、事務所6戸)。2月分譲予定の第2期(戸数未定)の専有面積は42.36~119.16㎡、予定価格は6,350万~32,000万円(最多価格帯15,300万円台)。坪単価600万円で、浜離宮に面した東側住戸は坪700万円以上。竣工予定は平成31年7月下旬。施工は清水建設。

 現地は、浜松町が最寄り駅だが、大門、御成門、汐留駅も徒歩10分圏内で、新橋駅も徒歩12分。5駅が利用できるうえ、東側の道路と山手線の線路を挟んで広大な浜離宮恩賜公園が広がる立地が最大の特徴。

 住戸プランは、ワイドスパン、天井高2500ミリ、バックカウンター・吊戸棚、天井カセットエアコン付き。浴槽カウンターは御影石。

 昨年9月から事前案内会が開始され、昨年末まで第1期199戸がほとんど契約・申し込み済み。来場者は約1,800件。港区居住者が中心だが、地方も10%以上ある。

 物件の北側がすぐ汐留シオサイトで、周辺に浜松町二丁目(2.8ha、世界貿易センタービル、JR東日本、東京モノレール、国際興業)、竹橋地区(1.5ha、東急不動産、鹿島建設)、芝浦一丁目(4.3ha、野村不動産ホールディングス)、新橋駅西口(2.8ha、野村不動産、NTT都市開発)などのビッグプロジェクトが目白押しであることも評価されている。

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 昨年から取材を申し込んでいたのだが、お客さん対応が大変という理由などから今回になった。人気にはなると想像していたが、まさかここまで売れているとは思わなかった。販売事務所副所長・大門正哉氏も同様で、「予想外の売れ行き」だと話す。

 山手線とはいえポテンシャルがいま一つの「浜松町」で坪単価が600万円もし、6割以上が億ションになるのにどうしてこんなに人気が高いのか。大門氏は面白いことを言った。

 「一昨年、坪600万円の『目黒』が人気になりました。『目黒』は品川区です。ここは港区。しかも再開発計画が目白押し。このあたりをお客さんが評価されているようです」

 港区には総所得から様々な控除額を除いた課税標準額1,000万円以上の層が平成28年の段階で約2万人、全納税者に占める割合は14.7%もある。桁違いのお金持ちが自ら居住はもちろん、資産・セカンドハウスとして取得しようと考えるのはよくわかる。浜離宮が眼下に見下ろせるマンションはそうない。対面にある2002年竣工の「東京ツインパークス」も圧倒的な人気となった。坪単価は当時から倍になった。

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34階相当の東側の眺望

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浜離宮テラス

カテゴリ: 2016年度

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イメージ図

 三井ホームは1月19日、木造住宅高遮音床仕様「Mute50」を開発し、同日から賃貸住宅標準仕様としたと発表した。

 「Mute50」は、重量衝撃音(LH)、軽量衝撃音(LL)を一般的な鉄骨住宅の床遮音仕様(ALC厚100㎜相当)と比べ約3 分の1に軽減する「L-50」の床遮音性能を実現。入居者の上下階の騒音ストレスを大幅に軽減。木造でありながら一般的に遮音性能に優れるとされるスラブ厚270mm相当のRC造マンションに匹敵する遮音性能を実現した。

 住宅入居者の不満の中で、上下階などからの騒音に対する不満の声がもっとも高く、民間調査機関の調べでも46.1%の入居者が不満を抱いており、住宅の遮音性向上は居住者の満足度を高める重要なポイントとなっていることに対応したもの。

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 結構なことだ。賃貸マンションはあまり取材したことがないが、分譲マンションと比べあらゆる点で基本性能は劣っている。その割に賃料が高く、これが賃貸脱出⇒分譲マンションの流れを加速させている。

 「L-50」だが、これでもLL値は「上階の生活音が意識される」性能だ。分譲マンションではまれにだが「L-40」(数値が低いほど遮音性能が高い。L-40はLL値でほとんど聞こえない)も供給されている。同社にはさらに高い性能を目指していただきたい。

 昨日は、人が歩くとけたたましく鶯が鳴く「鴬張り」の床を取材した。音の問題は難しい。

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