Web版で独走する不動産流通研究所「R.E.port」
一般紙もWebとの融合・連携に躍起になっている。NYタイムズがトランプ氏批判記事を増やしたことでネット会員を激増させたと報じられているが、経営的には苦しいようだ。わが国では、成功しているのは日経新聞くらいか。
メディアとネットの融合・連携で成功しているのは「Yahoo!ニュース」だろう。記者もパソコンを立ち上げると「Yahoo!ニュース」が表示されるよう設定している。世界のニュース・情報が瞬時に手に入れられるのだからこんな便利なものはない。日経の記事は読めないので提携していないのだろが、その他の提携企業は一般紙、地方紙、専門紙、通信社・報道機関など数百社に達するのではないか。
わが業界紙はどうか。記者は不動産流通研究所の無料のWeb「R.E.port」を毎日閲覧している。毎日午後6時に更新され、10本以上が掲載されている。その日に発表されたニュース・リリースや、記者見学会などの模様はほとんど網羅されている。女性記者が多いのも特徴で、取材先でよく一緒になる。他紙も女性記者が増えている。結構なことだ。
閲覧が無料なのは、親会社・アットホームの顧客サービスの一環として考えているからだろう。業界を批判するような記事は全くないのは、〝黒子〟に徹しているからだろう。
業界の若い方にも毎日、この「R.E.port」をチェックすることを勧めたい。3年間しっかり読めば先輩・上司を上回る業界通になれるかもしれない。
これと比べると、住宅新報も週刊住宅(いまネット記事は配信されていないが)も〝情けない〟の一言に尽きる。
住宅新報のWebの体裁そのものはよくできていると思うが、毎日4本くらい更新される記事はいわゆるゴミ記事ばかりで全く参考にならない。日々生起する重要な出来事について少しでもいいから記事にして、有料の購読に結びつけるようにしないと〝労多くして益なし〟にしかならないのではないか。
不動産経済研究所の「日刊不動産経済通信」は記事見出しだけは読めるが、記事は有料だ。同社は新しい事業を模索していると聞く。
いずれにしろ、「R.E.port」に他社は圧倒的な差をつけられている。「R.E.port」にないもの(解説記事など)を加えないと勝負にならない。住宅系や建設系業界紙などとの連携も考えていいのではないか。
「RBAタイムズ」は、記者一人で取材し、原稿を書き、校閲、画像処理、配信作業を行っている。他紙との競争意識がないわけではないが、Web版の「こだわり記事」は新聞と異なり紙数の制限はないし、締め切りもない。この点では圧倒的優位に立っているし、速さでも負けない。もちろん裃袴記事を書こうなんて考えは端からない。下品な言葉が頻々と飛び出すのは記者の品性そのものだ。
Web版は昨年3月まで日経新聞のWeb「住宅サーチ」に転載されていたので、アクセス数は他の不動産業界紙を圧倒していたはずだ。これがなくなったのは残念だが、致し方ない。
〝記事はラブレター〟-一人でも多くの方に読んでいただければありがたい。
欠けるのは「愛」 記者生活40年 業界紙に期待するもの 新聞記事は鮮度だ③(2018/4/4)