RBA OFFICIAL
 
2018/08/08(水) 16:33

業界初の玄関前宅配ボックス 三菱地所レジ「文京千石」 坪単価は400万円割る

投稿者:  牧田司

1.jpg
「ザ・パークハウス 文京千石一丁目」

 三菱地所レジデンスは8月7日、業界初の全住戸の玄関前に宅配ボックスを設置した「ザ・パークハウス 文京千石一丁目」のメディア向けモデルルーム内覧会を行った。一般公開は8月17日(金)からで、販売開始は9月中旬を予定している。また、同物件は、住宅設備機器の故障、不具合などにワンストップで対応する新サービス「レジデンスケア」の導入第一号となると発表した。

 物件は、都営三田線千石駅から徒歩3分、文京区千石1丁目に位置する10階建て53戸(事業協力者住戸7戸含む)。専有面積は39.35~82.24㎡、価格は未定だが、坪単価は300万円台の後半を予定(56~58㎡が中心)。施工は埼玉建興。竣工予定は2019年8月上旬。

 「各住戸玄関前宅配ボックス」を全戸に設置するのが特徴。宅配業者がICカードを利用することで、各住戸の玄関前に設置された宅配ボックスまで直接荷物を配達することが可能。

 宅配ボックスの寸法は幅約50cm×奥行き約60cm×高さ約150cm。飲料水の段ボール、精米、ゴルフバッグなど大型も受付可能。サービス対応会社はSAGAWA、ヤマト運輸、日本郵便の3社。

 同社担当者は採用の経緯などについて、「一般的な共用部分の宅配ボックスの全住戸に対する設置率は15%くらい。しかも、いつも満杯だったり、重い飲料水などを自宅まで運ぶのが大変だったりするなどの声も多く、再配達の削減と利便性の向上が同時に実現する」と説明した。

 「レジデンスケア」は、分譲住宅購入時に申し込むことで、引き渡しから10年間、住まいに関する様々なトラブルや不安を有償でサポートするサービス。   

 住宅設備機器はアフターサービス期間終了後も10年間は修理・部品交換、出張費用は無料となる。保証期間は売却時の次のオーナーにも残存期間が継承できる。また、専有部の不具合にも緊急対応や出張修繕を行う。スタッフ1名・作業時間30分以内で行う一次対応は無料で、それを超える二次対応も上限5万円まで何度でも利用できる。

4.jpg

2.jpg 3.jpg
宅配ボックス(イメージ)

◇       ◆     ◇

 知らない、関心がないということはとても幸せで、なおかつ恐ろしいことで、「知る」こととはどういうことかを考えさせられた取材だった。

 まず、宅配ボックス。宅配便の再配達問題が社会問題にまで発展したのは報道などで承知しており、大京がいち早く採用した〝再配達ゼロ〟の宅配ボックス発表会も、ポラスが自動録画機能付き宅配ボックスを設置した戸建ての見学会も取材しているが、その報道陣の多さに驚いた。通常のマンションや戸建ての見学会の倍くらいでなかったか。この日の内覧会にも取材陣でごった返した(会場が狭いせいもあるが)。

 これは相当の有意(記者は販促という意味で用いるが)なことのようだ。同社が今後どれくらいの物件に採用するかは未定だそうだが、どんどん採用してほしい。10キロくらいある飲料水を共用部分の宅配ボックスから自宅まで運ぶのが大変という声があるのを初めて知った。そういえば、記者も玄関まで運んでもらった大瓶のビールケース(25キロ)を台所まで運ぶのに難儀したことを思い出した。しかし、宅配ボックスの扱い方は未だに知らない。

 「レジデンスケア」は、多くはなさそうだがいくつかのデベロッパーはすでにサービスを実施している。不動産流通会社も1年間くらいの保証をしていることを知り、びっくりした。中古住宅は〝現況有姿〟が基本で、住宅設備機器がメーカー保証期間を過ぎていようがいまいが、売主側にはまったく責任がない。築10年以上の中古でも保証する流通会社はどのような仕組みを構築しているのか。

 ここまでは、記者のよく知らないことだから無責任な記事であることを承知していただきたい。

 問題はこれから。マンションの取材を40年間続けてきた。多少は市場を「知っている」つもりだ。

 内覧会場で、わが同郷の高校の後輩女性記者と出くわした。よせばいいのに、先輩風を吹かせて、「この種の見学会でマンションの坪単価くらい予想できなきゃだめだ」と啖呵を切り、「この前の三井不動産レジデンシャルの『月島』はどんぴしゃりだった。今回は坪415万円だ」と大きな声でまくしたてたまではよかった。

 当然、当たると思ったからだ。頭の中には410万円で人気になった伊藤忠都市開発「文京関口」と、前日(6日)に書いた坪405万円で好調だった松尾工務店の「茗荷谷」が入っていた。〝地所のことだ、これらより安くするはずはない〟と熟慮などしないで5~10万円を上乗せし、言い放ったのだ。

 ところが、あにはからんや。女性の販売担当者がだしぬけに、聞きもしないのに平然と「坪単価は300万円台の後半」と明かしたではないか。予想は大外れ、自尊心はずたずたに切り裂かれた。無知を恥じるしかなかった。宅配ボックスの穴に遁走したくなるほどだった。

◇       ◆     ◇

 その腹いせで書くのではない。モデルルームの設備仕様レベルは確かに坪400万円のそれではなかった。玄関に御影石が採用されており、このほか食洗機、ディスポーザー、ミストサウナなどが標準装備だが、リビング天井高は2450ミリ、キッチン天板は普通のクォーツストーンだった。

 ややポテンシャルに欠ける「千石」ではあるが、坪400万円を超えられないということは、つまり今後、同業他社もよほどの物件でない限り、文京区では坪400万円を上回るのは難しいと判断した。他のエリアにも価格下げ圧力が強まるのではないか。

 日本橋界隈(といってもその外れだが)も一時期、坪400万円を突破し、総崩れとなった。記者には「バカの壁」が立ちはだかるが、いったい「坪400万円の壁」(50㎡で6,000万円、60㎡台で7,500万円)なるものがあるのかないのか。都心の50㎡台の2LDKのニーズは今後も高まるのは間違いない。これは確信を持って言える。

デザイン秀逸 第1期1次43戸が即日完売 伊藤忠都市・東急不「文京関口」(2018/4/7)

ポラスグループ 戸建て初 自動録画機能付き宅配BOX 約180棟に採用(2018/5/18)

〝再配達ゼロ〟宅配ボックス発表会に記者殺到 大京・フルタイムシステムが新商品(2017/4/10)

 

 

 

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン