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2021/03/11(木) 16:48

南三陸町産の杉材のえも言われぬ香りに感動 三井不動産「わたす日本橋」

投稿者:  牧田司

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「わたす日本橋」内観(日本橋三井タワー2階)

 東日本大震災から10年のこの日3月11日、三井不動産が先日プレオープンした東北の情報発信・交流拠点「わたす日本橋」を見学した。「日本橋三井タワー」の2階にある約246㎡の店内は、宮城県南三陸町産の杉材が壁や天井、椅子、テーブル、カウンター、収納扉、ドア、その他建具・家具に至るまで張り巡らされており、杉独特の得も言われぬ香りが鼻孔を満たし、心にしみわたった。素晴らしい施設が新たに誕生した。

 「わたす日本橋」は、東日本大震災後に社員が個人で取り組んでいた南三陸町でのボランティア活動を契機とし、2015年から同社の事業と位置づけて活動しているもので、「日本橋から、未来へ、わたそう。世界中へ、笑顔を、わたそう。」をキャッチフレーズに、国内外で活動を続けてきた。これまで約10万人の来場者を集めている。

 開設から6年目を迎えた今年、施設を日本橋三井タワーに移転・グレードアップし、地元の食材・お菓子などの販売のほか、東北の生産者から仕入れた食材を用いた「わたすダイニング&パル」、東北に関する本を読める「わたすライブラリー」、最大12名で利用できる「わたすプライベートルーム」、多彩なイベントも可能な「わたすLOOP」を備えている。

 店舗の内装工事では、天井・壁・建具・カウンター・化粧梁・パネルなど店舗の92%の木材にFSC認証材を使用し、デベロッパーとしては初めて2020年に「FSCプロジェクト認証」を取得している。

 移転新装オープンに際して、南三陸町長・佐藤仁氏は「『わたす日本橋』では南三陸産の食材を提供していただいたり、町内の中学校と交流していただいたりと、これまでお付き合いが続いていることに感謝しています。私にとって『わたす日本橋』は、南三陸町で出会った方々と東京で再会できる、大切な拠点でもあります。南三陸杉の香りに包まれた心やすらぐ空間で、おいしい料理を食べながら、人が出会い、つながる。新店舗でもそのような素敵な時間を過ごすことを、楽しみにしています」とコメントを寄せている。

 また、三井不動産代表取締役副社長執行役員・北原義一氏は、「東日本大震災から10 年を迎えて南三陸町の人達との出会い。皆例外なくいい顔、いい笑顔。あんなに過酷な体験したのに、どうして? 応援に行ったつもりの私たちが、逆に元気や勇気をもらった。他人の悲しみや苦しみを自分のこととして受け止め、一緒に泣き笑い、解決したときには喜びを分かち合う。極限の状況の中、人として皆で手を携えて、前を向いて生き抜いていくことの圧倒的な迫力を目の当たりにした。南三陸の人たちから心と体で教わった『優しさ』『思いやり』『絆』『助け合い』『慈愛』『自己犠牲』そういったたくさんの人の気持ちが、一杯に詰まった宝石箱として「わたす日本橋」をこれからも大切に育んでいきたい。そして、Covid-19、大震災、台風等々激甚自然災害が襲いかかってきても、毅然として立ち向かえる大人であり続けたい。未来を背負って立つ子供達の笑顔のために」とコメントしている。

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「わたす日本橋」外観(隣は千疋屋本店)

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「わたすダイニング&パル」

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東北載淑材 イメージ

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わたすライブラリー

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建具・家具・壁・天井も杉材

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カウンター

◇      ◆     ◇

 同社の木材を用いた建築物では2019年にオープンした「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」に感動したが、今回の「わたす日本橋」はまた違った感動を覚えた。同社の本丸の一等地のど真ん中に移転したことに意味がある。

 床は国産産材ではなくオーク材だと思うが、その他は南三陸材をふんだんに用いている。しかも節などほとんどない立派なものだ(節はまた美しいのだが)。これほど本物の杉材を用いた店舗はそうないはずだ。

 残念ながら、コロナの影響で飲食は不可で、大好きな蠣や酒、ワインなども楽しめなかったが、コロナが収束したら必ず利用することを決めた。コース料理でも4,000円と安い。

 スタッフには東北出身の人が何人か勤めており、そのうちの一人のサービスマネージャー・長野優大氏に話を聞いた。長野氏は次のように語った。

 「わたしが二十歳の時。専門学校の卒業式を終え、実家の青森市に帰省中で、久々に会った友人と会食をしていると、強い揺れを感じ、すぐ停電しました。ただ事ではないと思い、宮城などにも友人がいたので、安否確認をしました。仙台空港にいた友人はすぐに避難して無事でした。停電は翌日の夕方まで続きました。今年で10周年を迎え、新たに震災のことは認知されると思いますが、まだ家に帰れない人がたくさんいる(約4.1万人)。このような東北の情報を発信する拠点があることを知り、私も力になりたいと就職しました」

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長野氏 

◇       ◆     ◇

 うれしかったのは他にもある。プレス・リリースの最後に同社のSDGsへの貢献について紹介しているのだが、今回の取り組みは

目標2 飢餓をゼロに
目標4 質の高い教育をみんなに
目標10 人や国の不平等をなくそう
目標11 住み続けられるまちづくりを
目標14 海の豊かさを守ろう
目標15 陸の豊かさも守ろう
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう

と具体的に項目を示していることだった。特に「人や国の不平等をなくそう」「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさを守ろう」というのがいい。

 各社のプレス・リリースをすべてチェックしているわけではないが、このように項目を明示しているのは少ないはずだ。取り組みの一つひとつをこのように目的意識的に発信しないと受け手には伝わらない。

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