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2022/04/13(水) 11:58

9物件1,100戸超の大激戦地に〝参戦〟 中央日土地「バウス平塚」

投稿者:  牧田司

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「バウス平塚」

 中央日本土地建物は4月12日、JR平塚駅から徒歩2分のマンション「バウス平塚」(118戸)のメディア向け見学会を行った。同駅圏では現在、同社物件含めて9物件、トータルで1,170戸の物件が分譲されている大激戦地で、同社は最後発。3月に供給した第1期30戸のうち約20戸を成約。「順調」な滑り出しのようだ。

 物件は、JR平塚駅から徒歩2分、平塚市錦町の商業地域に位置する10階建て全118戸。現在先着順で分譲中の住戸(8戸)の専有面積は44.88~77.38㎡、価格は3,150万円~5,780万円。坪単価は230万円。竣工予定は2023年6月下旬。売主は同社(事業比率95%)のほか三信住建(同5%)。施工はファーストコーポレーション・三信住建共同企業体。販売代理は東急リバブル。

 現地は、温浴施設跡地。三信住建が用地を取得した。敷地は東側と西側の2方道路に接道。建物外観は日本の御屋敷をコンセプトに木・石・土をイメージした素材を多用、エントランスは石積みとし、低層部は格子デザインを採用している。

 住戸プランは東向きと西向きの2列配置で、1LDK~4LDKまで10タイプ。平均収納率を11.25%確保、クックパッド(cookpad)と共同開発したシステムキッチン「BAUS×cookpadコラボキッチン」を初採用しているのが特徴。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ、ディスポーザー、食洗機、物干しポール、浴室タオル掛け1か所など。

 同社経営企画部総括次長 経営企画部広報室長・鈴木高廣氏は、「2016年にマンションブランド『BAUS(バウス)』を立ち上げ、供給ランキングの末席に名を連ねようと年間500戸を目標に展開してきたが、2019年から本格的に戸数が積みあがってきた。年間1、2回は内覧会などを行っていきたい」と語った。

 同社住宅事業部総括次長・青木一浩氏は、「ブランドの由来である基本・基盤を意味するBasisを大切にし、丁寧な家づくり、品質にこだわって差別化を行ってきた。今年度は450戸、来期は540戸の目途が立った。500戸を安定的に供給していく」と話した。

 物件の計画を担当する同社住宅事業推進第一部副長・能勢暁人氏は、「1月から集客を開始し、この2カ月半で来場は約200組。デザイナーを起用し、Cookpadとコラボしたシステムキッチンを採用するなどの差別化を図った。平塚駅圏では現在、9物件が分譲されており在庫は600~700戸と予測されるほどの激戦地で、〝第1期は20戸の壁〟があったが、第1期は30戸供給し、20戸を成約するなど何とかこの壁をクリアできた。順調な滑り出し。地元が4割で、75%が県内」と語った。

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「パパっとニッチ」付きの「BAUS×cookpadコラボキッチン」

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エントランスラウンジ

◇        ◆     ◇

 同社はもっとも好きなデベロッパーの一社だ。バブル期でも浮利を追わず、「鴨居分譲地」「横浜白山分譲地」「戸塚台分譲地」「横浜あずま野分譲住宅」など、いかにも銀行系と頷ける良好な戸建て住宅地を開発してきたからだ。バブル崩壊で多くの銀行・証券会社系デベロッパーが市場から退場を余儀なくされた中で、同社が生き延びられたのもそのような企業姿勢を貫いてきたからだ。

 だから、後発だからこそ同業と一味も二味も異なる商品を供給してくれるのではないかと、「BAUS(バウス)」にも注目している。

 今回の「平塚」の77㎡のモデルルームはよくできていると思う。間口は7700ミリと広く、「BAUS×cookpadコラボキッチン」では、他社も似たようなものを開発しているが、キッチン用具を収められる高さ35センチの「パパっとニッチ」がいい。

 ひとつだけ気になったのは水回りだ。浴室のタオル掛けは1か所だけだが、ファミリー層をターゲットにするのであれば2か所は必須で、洗濯機の上部にはハンガーが掛けられる収納を設けるべきだ。細かいことだが、消費者はこのようなきめ細かな、かゆいところに手が届く配慮に感動を覚える。

 さらに言えば、今後の展開を考えると、年間500戸体制を支える販売部隊を強化すべきではないか。どことは言わないが、自前の販売部隊を持たない大手(系)は市況に流されやすい。ユーザーの声を直に聴くのと販売会社から間接的に聴くのとでは全然異なる。販売スタッフを通じて全社員が課題・問題を共有できるからこそ次に生きてくる。

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タオル掛けは1か所

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建設現場

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