「プラウド銀座一丁目」
野村不動産が分譲中のコンパクトマンション「プラウド銀座一丁目」を見学した。「銀座」アドレスとしては過去10年間で6物件しか供給されておらず、「銀座一丁目」では初の物件。坪単価はコンパクトとしては過去最高額と思われる700万円台の半ばだが、希少立地と設備仕様レベルの高さなどが会社オーナーや周辺エリア勤務者に評価されているようだ。
物件は、東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅から徒歩7分他、JR東京駅から徒歩16分、中央区銀座一丁目の商業地域に位置する9階建て32戸。専有面積は34.96(2スパン16戸)・53.63㎡(8戸)・54.44㎡(8戸)。現在先着順で分譲中の住戸(2戸)の価格は7,890万円・8,090万円(34.96㎡)。2022年2月竣工済み。設計・施工・監理は野村建設工業。昨年5月から販売を開始しており、残りは2戸のみ。
現地は、2003年竣工の期間50年の定期借地権付き三菱地所「銀座タワー」(180戸)に近接。敷地は西側と北側に幅員8mの道路に接道。建物は西向きシンメトリーで、バルコニーのガラス手摺りは屏風のように波打っており、印象的なデザインが特徴の一つ。住戸は2階からで、1フロア4戸、34.96㎡の1LDK(2スパン)と53.63㎡と54.44㎡の2LDKで構成。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2700ミリ、食洗機(1LDKは除く)、二重・防音サッシ(角住戸)、Low-Eガラス(西側、一部北側居室)、エアコン、食器棚、折り上げ天井、フィオレストーンキッチン天板、物干しポール、ミストサウナ、ハイサッシ、ガラスウォールドア、イタリア産60cm角大盤玄関タイルなど。
同社プラウドギャラリー虎ノ門担当の橋本泉氏は「過去10年間で銀座一丁目アドレスは初、銀座アドレス6物件のうち4物件は8丁目。希少性が高いのと通常ならプラウド仕様でもオプションになるものも標準装備しているのが評価されています。価格からして利回りが高くありませんので、投資というよりは会社オーナーや東京駅圏の勤務者など実需が中心です」と話している。
玄関
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「設備仕様レベルの高さが評価されている」という橋本氏の言葉に納得だ。コンパクトマンションは総じて単価が高く、その割には設備仕様レベルが低いが、今回の物件はレベルが高い。
坪単価も予想した通りだった。過去10年間で分譲された6物件のうち3物件を見学取材している。最後に見学したモリモト「ピアース銀座8丁目」の坪単価は確か550万円くらいだった。その後、銀座の隣接地「築地」では2020年前後に5物件が分譲されたが、もっとも駅に近かった旭化成不動産レジデンス「アトラス築地」の坪単価は500万円だった。これらと比較して、銀座一丁目なら坪700万円を突破するのは当然だ。
今回のマンションは、コンパクトマンションの最高値だと思うが、これは助走に過ぎないとみている。今後都心部の一等地で供給されるコンパクトは坪1,000万円くらいになるはずだ。
エントランス
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