東京建物(幹事会社)・野村不動産・中央住宅・ファーストコーポレーション4社JV「Brillia Tower 千葉」を見学した。千葉駅圏の一等地、三越千葉店跡地の23階建て免震タワーマンションで、第1期90戸は千葉駅圏最高値となる坪単価421万円だが、地元の富裕層を中心に約7割に申し込みが入り、好調なスタートを切った。
物件は、JR千葉駅から徒歩4分、千葉市中央区富士見二丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率800%=緩和あり)に位置する敷地面積約3,805㎡、23階建て全491戸 (販売住戸481戸、募集対象外10戸)。専有面積は33.99~160.10㎡。第1期90戸の専有面積は58.26~160.10㎡、価格は6,588万~29,998万円(最多価格帯8,400万円台)。坪単価は421万円。6月に分譲する第1期2次の専有面積は33.99~109.68㎡、価格は3,900万円台~19,000万円台。竣工予定は2026年8月下旬。設計・施工はファーストコーポレーション。デザイン監修は光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所、オイル。
現地は、三越千葉店の跡地で四方道路に接道。敷地北側は幅員約50mの大通りに面している。建物の1・2階に店舗、保育施設が入居し、住戸は3階以上で、中央部を吹き抜け空間とした外階段方式。標準階の住戸は南向きが10戸(角住戸含む)、東向きが4戸(同)、西向きが6戸(同)、北向きが8戸(同)。最上階の14戸は100㎡以上のプレミアム住戸。
2023年9月のホームページ開設以来、総エントリー数は3,000件超、2024年1月6日からオープンしたモデルルーム来場者は約800件。3月9日から申し込みを受け付けた、前建の影響が少ない15階以上の南向き中心の第1期は約7割に申し込みが入った。申込者の約7割は地元の富裕層が中心で、残りの3割もほとんどが千葉に地縁のある人。最上階のプレミアム住戸は12戸販売し、10戸に申し込みが入った(2戸キャンセル)。
主な基本性能・設備仕様は、2階と3階に免震装置を設置した中間層免震構造、二重床・二重天井、リビング天井高2500ミリ(最上階2800ミリ)、サッシ高2000ミリ(同2260ミリ)、ディスポーザー、食洗機、バックカウンター・カップボードなど。共用施設はコワーキングラウンジ、フィットネス・スペース、ハーディルーム、オーナーズスイートなど。
販売担当の東京建物住宅営業第二部営業グループ グループリーダー・岡部伸一氏は、「第1期は15階以上の南向きをメインに分譲しましたが、地元の富裕層の方々を中心に〝待ってました〟という評価を頂きました。第1期2次の戸数は未定ですが、第1期とは逆に都内居住者の反響が地元を上回っており、投資目的の方も目立っています」と話した。
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記者の最大の関心事は、坪単価はいくらになるかだ。都内準都心部は言うに及ばず神奈川、埼玉の主要都市、札幌、仙台、福岡、那覇などの地方都市も軒並み坪400万円を突破するなど、坪400万円は都市の値打ちを測る分水嶺となっており、政令都市で人口が仙台に次ぐ12番目の県都・千葉も高値圏側への仲間入りを果たしても全然不思議でないと思っている。県内の船橋、柏、おおたかの森などの駅近は坪400~500万円必至と言われている。東京建物は「目黒」や「堂島」で劇的に相場を引き上げた〝実績〟もある。
しかし、第1期の坪単価421万円は、15階以上の南向きやプレミアム住戸が単価を引き上げた結果で、今後は下層階や東向き、西向き、北向きが供給されることから全体として坪400万円を超えることはなさそうだ。
坪400万円を超えられないのは、デベロッパーの値付け云々ではなく市場がそのように評価しているからだ。地価公示もその一つだ。令和6年の千葉市の商業地の最高価格は仙台市に大きく水をあけられている。都道府県庁所在地の住宅地価格は、平成元年比で上昇しているのは福岡市、札幌市、仙台市など5市しかなく、42の都道府県庁所在地が下落しているのだが、下落幅が最も大きいのは千葉市の58.4%だ。
ただ、市場の評価はどうであれ、決めるのは購入検討者だ。記者は幅員50m道路に面し、対面のビルの高さも14階以下の北向き住戸に魅力を感じる。例えば1スパン20戸ある44.80㎡の1LDKタイプ。間口は6900ミリだ。このほか北向き住戸は20坪前後・以下がほとんどだ。人気になると見たが…。岡部氏も「北向きも人気」と話した。
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