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2024/06/15(土) 14:43

駅距離と調整区域開発要件(165㎡)逆手に取った企画秀逸 ポラス「八千代緑が丘」

投稿者:  牧田司

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「REASON(リーズン)八千代緑が丘 とわの街」

 ポラスグループ中央住宅は6月14日、全戸165㎡(約50坪)超の分譲戸建て「REASON(リーズン)八千代緑が丘 とわの街」(全72戸)のメディア向け見学会を行った。駅から徒歩18分の市街化調整区域立地だが、駅距離・面積要件(165㎡)を逆手に取った商品企画が素晴らしい。

 物件は、東葉高速鉄道八千代緑が丘駅から徒歩18分、八千代市大和田新田の市街化調整区域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する全72戸。第1期(19戸)の土地面積は165.31~200.37㎡、建物面積は96.05~107.23㎡、価格は3,780万~5,180万円。構造は木造軸組み工法平屋建て・2階建て。施工はポラテック。完成予定は2024年10月。

 現地の従前は東邦大学の薬草園で、化粧品会社を経て同社が取得した。住宅地開発が可能になったのは市の条例により市街化区域に連坦している条件を満たしているため。最低敷地面積は165㎡と規定されている。

 敷地の広さを活かし、勾配屋根のある開放的な平屋(1期は3戸)のほか、一部住戸(1期は4戸)に屋外用サウナ「IESAUNA(イエサウナ)」を採用。モデルハウスは平屋のほか、格子天井、吹き抜け、ウッドデッキを配した「NAGOMI」、同社のマンションに多用しているピアキッチン、フラットDEN、ワイドポーチ付きの「OMOMUKIの3種。

 基本性能・設備仕様はリビング天井高2700ミリ、サッシ高2200ミリ、Ua値0.60、メープルの挽板床、オークのアクセント壁、ポタジェ、雨水タンクなど。

 今年2月から集客を開始し、これまでの反響数は127件、モデルハウス見学は50件、第1期19戸は5月から販売開始し、17戸が成約済み(2戸は戦略上未販売)。反響数の約7割が千葉県内(うち半数が地元)、残り3割は都内や神奈川方面。

 見学会で同社戸建分譲設計本部設計二部営業企画設計課係長・大井川隆氏は「『住環境』『街づくり』『家づくり』『コミュニティ』の4つの視点から『とわの街』と名付けた」と、同課主任・日山麻子氏は「家と人、人と人をつなぐ設計に重点を置いた」と、同部船橋事業所事業所長・髙橋元毅氏は「八千代緑が丘駅での当社の戸建ては過去最大。創業55周年の目玉物件。いいスタートが切れた。今後2カ月置きにおきに順次供給し、来年1月に第5期として15戸を分譲する。中広域から集客できるかが早期完売のカギを握るが、しっかり訴求していく」とそれぞれ語った。

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平屋

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平屋

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2号棟

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「IESAUNA(イエサウナ)」

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外気温30℃超なのに実演コーナーの約60℃のサウナに入るもの好きな同業記者(小生は水着姿の女性が実演すると待ち構えたが空振り)

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1号棟

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1号棟モデル

◇        ◆     ◇

 公開されたモデルハウスは文句なしにいい。敷地が広いから可能になったのだろうが、ピアキッチン付きの1号棟、LDK-ガーデンテラス(上部吹抜け)-Tatami room(5畳)をつないだ2号棟、最大天井高2800ミリの勾配天井の平屋建てなどだ。

 平屋建てを提案したことから、50~60代の反響も多いそうだが、平屋は年代に関係ないと思う。住宅は平屋がいいに決まっている。植栽も豊かで、きちんと天然芝が植えられていた。

 記者は風呂が嫌いなので、いま流行しているという。19.8万円もする屋外用サウナの価値は全然わからない。この価値はわからないが、仮に駅に近いところでマンションが分譲されたら、坪300万円は無理だろうが坪250万円はする。

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現地から駅方面を望む

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植栽

◇            ◆     ◇

 大規模住宅地開発といえば、バブル崩壊前は都市計画法の「線引き」による調整区域が圧倒的多数を占めていた。ところが、バブル崩壊後は、地価が下落し、長期にわたって造成工事を行わなければならない事業そのものが成り立たなくなり激減した。一方で、人口が減少する社会ではそもそも市街化区域と調整区域の「線引き」は意味しないという論議から、線引きを廃止するところが相次いでいる。

 ネットで調べたら、宮崎県(平成10年)、香川県(同16年)、熊本県荒尾市(同)、愛媛県西条市(同)、愛媛県新居浜市(同)、岡山県笠間市(同21年)、長野県安曇野氏(同24年)、京都市綾部市(同28年)、静岡県伊豆市(同29年)、島根県松江市(2026年度予定)がヒットした。調整区域から市街化区域への編入も相当数あるはずだ。

 今後も線引き廃止を行うところが増えそうだ。用途や面積、高さ、緑化、日影規制などは必要だろうが、記者も賛成だ。八千代市は調整区域での開発に当たっては最低面積を165㎡にしているから、今回の広い敷地の住宅地が誕生した。やはり調整区域開発のMIRARTHホールディングスグループの平屋建て「レーベンプラッツ南栗橋」(16区画)は敷地面積が100坪あった。

敷地100坪建物30坪の平屋ミラースHDの戸建て「南栗橋」企画ヒット(2022/11/13)

調整区域・1号店舗の適用受けた「なないろこまち」キッズデザイン賞最優秀賞(2022/9/29)

調整区域の市民農園付き200㎡邸宅ポラス「ハナミズキ春日部・藤塚」企画秀逸(2020/7/3)

 

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