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2024/09/06(金) 23:06

商業施設閉店から15年 駅前の再開発マンション分譲へ フージャース「水戸」

投稿者:  牧田司

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「コモンスクエア水戸」完成予想図 

 茨城県水戸市の「水戸駅前三の丸地区第一種市街地再開発事業(街区名称:コモンスクエア水戸)」の参加組合員として事業参画しているフージャースコーポレーションは9月5日、記者発表会を開催し、組合理事長・林昌鎬氏が再開発に至る経緯を説明し、住宅棟「デュオヒルズ水戸三の丸タワー」の売主である同社専務取締役・森俊哉氏らが計画の概要を発表した。

 「コモンスクエア水戸」は、水戸駅から徒歩2分の大規模商業施設「LIVIN水戸店」跡地(約6,675㎡)に位置し、水戸市の歴史資源である弘道館にも近接していることから、敷地の高度利用と地域の活性化を図るため住宅・店舗・業務・駐車場を一体として整備するもの。

 発表会に臨んだ林理事長(54)は、従前敷地内で自ら居酒屋を営んでいたことを明かし、2009年3月に「LIVIN水戸店」が閉店し、2013年に跡地をフージャースコーポレーションが取得し、2015年に再開発準備組合が設立されたことなど再開発に至った経緯について語り、「この間、ホテル、ホール、商業施設などを誘致する案も浮上したが、コロナに見舞われ、収支が合わないことなどから誰も手を挙げてくれなかった。再開発によってすべて好転するとは思っていないが、水戸駅の玄関口にふさわしい拠点として地域活性化に貢献したい」と述べた。

 森氏は、再開発実現に至るまでの地権者の苦労をねぎらい、「敷地は高低差が12.5mあり、事業化の難易度は高いが、2階部分にデッキを設けることで駅とつなぎ、1・2階に店舗を誘致し、別棟の業務棟とともに地域交流拠点にしたい」と語った。

 また、同社事業統括本部事業開発部兼営業企画部部長・空裕子氏は、「地元の方を中心にエントリー数は600件を超えており、教育環境が充実していることや通勤、出張などには唯一無二の立地であること、また、『三の丸なら一つ手に入れたい』というシニア層にも高い評価を頂いている」などと話した。

 住宅棟の「デュオヒルズ水戸三の丸タワー」は、1~4階・R階に駐車場、1階と2階に店舗、全戸南西向きの住戸は2階~20階に配置。2階部分で駅と直結するペディストリアンデッキを新設する。4階建て業務棟は敷地東側に、駐車場棟は北側に建設する。再開発組合は2017年5月設立。地権者は8名。設計・監理は長谷工コーポレーション。施工は長谷工・株木共同企業体。総事業費は115億円。

 マンションは、JR水戸駅から徒歩2分、水戸市三の丸一丁目の商業地域に位置する敷地面積約6,675㎡の20階建て184戸(分譲住戸181戸、権利者住戸3戸)。専有面積は68.37~133.94㎡、価格は未定だが、68㎡で4,000万円台~。販売開始予定は2024年11月上旬。エントリー数は600件超。竣工予定は2026年11月下旬。

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エントランス部分 完成予想図

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左から空氏、林氏、森氏

◇        ◆     ◇

 取材を申し込んだのは、早期完売した日本エスコンと同社の福島県いわき市駅前の免震再開発JVマンション「ミッドタワーいわき」(216戸)を取材しており、今回もそうなるか確認しようと考えたからだ。

 モデルルーム公開は9月27日なので設備仕様はわからないが、県都の駅前一等地という立地条件を考慮すれば、平均坪単価はボトムで250万円くらいではないかと読んだ。水戸に限らず、他の中核都市もこの坪単価250万円は今後の事業展開にとって試金石、分水嶺になるのではないかと考えている。

 懸念されるのは、街に活気が感じられなかったことだ。駅周辺の商業施設は空きが目立った。疲弊する地方都市を目の当たりにした。

 市の人口はここ10年間くらい27万人前後で推移しており、工業事業所数及び製造品出荷額の減少に歯止めがかかっておらず、市内総生産は2007年(平成19年)をピークに減少傾向となっている(市のホームページ)。「ウィキペディア(Wikipedia)」によると、2003年以降、「ボンベルタ伊勢甚水戸店」「ダイエー水戸店」「LIVIN水戸店」「「MIMO」(ミーモ)」「サントピア」などの商業施設が相次いで閉店している。

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工事中の現地(手前が水戸駅)

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近接する弘道館周辺の街並み

◇        ◆     ◇

 林理事長があいさつの中で「更地になった敷地で飼育されていた(我々の)夢を託したヤギが行方不明になった」と話したのに記者は鋭く反応した。林氏によると、ことの顛末は次の通りだ。

 ヤギの飼育が始まったのは令和4年9月。土地所有者のフージャースコーポが福島のレンタル会社から母ヤギと1歳の雄「ユウキ」と雌「ユナ」を借りて住まわせていたところ、2か月もしないうちに「ユウキ」が行方不明になった。大騒ぎになり、メディアにも報じられたが、行方は杳として知れず、現在に至っている。工事が始まる前まではカエルの住処になっていたという。

 なぜ記者が反応したかといえば、わが多摩センター駅前の駐車場でも、レンタルと思われるヤギが2~3頭「除草隊」として活躍しているからだ。ヤギはなんでも食べるかといえばそうではない。好き嫌いがあるようで、始末に負えないススキなどは食べない。その代わり、好きな草は腹が破裂するほど食べ続け、死に至ることもある大食漢でもあるようだ。

 繁殖能力も高く、1歳は十分大人だ。近親相姦の概念はないのだろう。雄は母だろうが姉だろうが妹だろうが関係なく、(羊のことだったか)一度に何十頭の雌を孕ませることができるとも聞く。方不明になった「ユウキ」は母にも姉妹にも振られ(雌には拒否権があるのか)、失意のうちに逃亡した可能性は否定できないが…物件に近接する県立図書館で「ヤギ 水戸」を茨城新聞で検索したがヒットしなかった。

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