積水ハウスは9月5日、2025年1月期第2四半期決算を発表。売上高1兆8,591億円(前年同期比27.1%増)、営業利益1,571億円(同25.8%増)、経常利益1,471億円(同17.5%増)、純利益1,229億円(同33.0%増)と大幅増収増益となった。
中間期決算が好調で、足元の国内外の住宅市場も良好であることから、2024年6月6日に発表した通期業績予想を上方修正。売上高は前期の3兆1,027億円から4兆円(前回発表時比3.2%増)、営業利益3,200億円(同6.7%増)、経常利益2,880億円(同5.5%増)、純利益2,090億円(同0.0%)を見込む。
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この日、同社は港区赤坂2丁目の「赤坂グリーンクロス」に開業したオープンイノベーション施設「InnoCom Square(イノコム・スクエア)」で、代表取締役社長執行役員兼CEO・仲井嘉浩氏らが出席して決算発表・経営計画説明会を開催した。記者は他の取材と重なり、アーカイブで視聴した。以下、その概要。
2024年度2Qの売上高・営業利益は、国内外の既存事業の成長に加え、4月にはMDC社の連結化もあり、過去最高を更新した。
セグメント別では、請負型は売上高6,479億円(前年同期比4.7%増)、営業利益664億円(同2.0%増)。戸建住宅市場が弱含みで推移している中、高付加価値提案、グループ連携による土地を含めた提案などが奏功し、期初より堅調な受注が継続。新デザイン思想「life knit design」など商品力・デザイン力・提案力を強化したことにより、3rdレンジの受注も拡大し、一棟単価は5,184万円に上昇した。賃貸・事業用建物は徹底したエリア戦略に加え、高付加価値シャーメゾンやCRE事業の強化をはじめとした商品戦略・販売戦略が奏功し、受注は好調に推移した。
ストック型は売上高4,357億円(同6.4%増)、営業利益420億円(同9.7%増)。賃貸住宅管理戸数は70万戸超で入居率はほぼ満室の97.9%。オーナー向けリフォーム、入居者向けサービス提案が増収、増益に寄与した。
開発型は、売上高3,026億円(同21.3%増)、営業利益397億円(同15.9%増)。積水ハウスの土地分譲、積水ハウス不動産グループの仲介・不動産事業が伸長。積水ハウス不動産の土地の売買・仲介のうち積水ハウスグループへの卸売りは15%にとどまっており、「ユーザーへの直接販売などバリエーションがとれる魅力を発揮している」(仲井氏)。マンションは四大都市圏に絞ったエリア戦略や全住戸ZEHなどの付加価値の高い物件供給により販売は順調に推移した。
国際事業は、売上高4,846億円(同140.3%増)、営業利益302億円(同142.4%増)。既存ビルダーの受注・引渡しが好調に推移したほか、2024年4月にMDC社を完全子会社化したことが業績拡大に寄与した。仲井氏は「ニュー2×4とシャーウッドの2つの商品を展開し、積水ハウステクノロジーをデファクトスタンダードにして、第8次中継最終年度には2万戸(うちシャーウッド3,000戸)の販売を目指す。シャーウッドはその構造と施工・部材品質が高い評価を受けている」と話した。
トピックスとして仲井氏は、「従業員の自律」と「幸せ」の相関関係について言及。幸福学の第一人者である慶應義塾大学大学院・前野教授との共同研究の中間報告で、同社従業員の幸せ度の総合値は一般平均より高い結果が得られ、また、同社独自の調査結果から、「自律して働いていると思っている人」ほど幸せであると感じ、「自律して働いていると思っている人」ほど業績評価が高く、「幸せだから、業績が高い」ことが明らかになったと報告。「なぜかわからないが」としながら、男性管理職より女性管理職のほうが幸せ度は高く、女性管理職のいる職場は、女性管理職のいない職場に比べて幸せ度が高いと語った。
また、従前比約2.6倍の植栽効果が得られる世界初の 「生物多様性可視化提案ツール」を開発し、ネイチャー・ポジティブの実現に向けた取り組みを加速させると話した。
記者団の質問に対して、仲井氏は同社が主幹事の「うめきた2期」の46階建てマンション「グラングリーン大阪」全484戸(募集対象外住戸248戸を含む)は平均20倍で完売したと報告。
竣工を目前にして購入者との契約を解除し、建物を解体すると発表した「国立マンション」については、「10億円の営業外損失を計上したが、中止は間違っていなかったと思う。決断が遅すぎたことについては様々な方にご迷惑をおかけし、近隣の皆さんには建設時と解体時の二度にわたってご迷惑をおかけするので、お詫びしたい。安全な解体工事を行う」と答えた。(記者は、同社が事業を中止すると発表したとき「建築費や手付金倍返しと解体費用を含めた損失額は数億から10億円程度にとどまるのではないか」と書いたが、その通りになった)
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