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2024/09/19(木) 17:26

時短にもつながる洗面・収納の新商品3つ/興味深い新発見3つ 三菱地所レジ

投稿者:  牧田司

★洗面化粧台.jpg
「+Habit(プラス ハビット)」

 三菱地所レジデンスは9月19日、赤坂にある同社の水回り商品などを展示している「EYE’S PLUS LAB」で新商品発表会を開催し、お客様の声を商品企画に生かす「EYE’S PLUS(アイズプラス)」新商品として、家事労働の時間短縮にもつながる新・洗面化粧室「+Habit(プラス ハビット)」「充電ステーション」「シューズインクローゼット」を開発し、今後分譲するマンションに採用していくと発表した。

 「EYE’S PLUS(アイズプラス)」は2013年に発足したもので、キッチンの作業スペースを広くし、浴室のシャワースライドバーを2本にし、さらにディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、開閉両側ソフトクローズ機能付き引き戸などを基本的に標準装備すると画期的な取り組みを発表した。その後、これらの商品企画は〝三菱地所と、次に行こう〟につながっているはずだ。

 「+Habit」は、仕分け・整頓/習慣・秩序/時短・効率のサイクルに着目し、洗面化粧室からはじめる新習慣を提案。洗面化粧台下の収納は収納力を高める工夫を凝らし、洗濯カゴを定位置化。三面鏡は奥行を4センチ深くして整理・整頓がらくにできるようしている。洗濯機上にはハンガー・収納を設置する。第一弾として、2024 年10 月5 日(土)に事前案内会を開始する「ザ・パークハウス 板橋本町」に導入する。

 「充電ステーション」の「EYE’SPLUS STORAGE CHARGE」として、キッチンカウンター下部にオープン空間を設け、スマートスピーカー、Wi-Fi ルーター、小物の電子機器類、タブレットやノートPCなど大型の電子機器の充電場所として利用できるように工夫している。

 「シューズインクローゼット」の「EYE’S PLUS SHOES IN CLOSET」では、可動棚やハンガーを多用、ベビーカーを入れられるようにしている。

 発表会で、同社クオリティ業務部長・鴨志田武氏は、「当社グループはこれまで人と街にフォーカスし、マンションも付加価値の高いものを提供してきた。今回の3つの新商品は快適に暮らせる提案の一つで、今後も選ばれ続ける住まい商品を提供していく」と話し、同社クオリティ業務部リーダー・安永理美氏は「家事の主戦場」として洗面所をとらえ、新商品を開発するに至った背景、特徴などを説明した。

★三面鏡裏収納.jpg
三面鏡収納

★★充電ステーション①.jpg
充電ステーション(記者はこの左側のキャスター付き収納にほれ込んだ。写真は不可とか)

★★シューズインクローゼット.jpg
シューズインクローク

◇        ◆     ◇

 洗面室が「家事の主戦場」と語った安永氏の言葉は、20年以上も家事労働を行っていない記者はよくわからなかったが(主戦場はキッチンではないか)、同業の取材をかなり行ってきたので納得できる部分はたくさんあった。一つひとつコメントしないが、収納でもっとも優れた取り組みを行っているのは、他ではポラス、大成有楽不動産、伊藤忠都市開発だと記者は思う。

 それより、大変面白いというか、記者のレベルがわかる、考えさせられた新発見が3つあった。

 一つは同業の記者の質問だった。小生は先述したように収納はそこそこ取材しているし、現在もチェックは欠かさないので質問することなど一つもなく、馬鹿な質問をして馬脚を現したくなかったので黙っていた。

 すると、ある記者の方が「購入検討者にはお客様の声を反映した商品を選ぶことができるが、(すでにマンションに住んでいる)入居者の声は届かないではないか」と質問した。

 えっ…言い得て妙。マンションに限らず、新商品は既存の利用者はそれを買わない限り手に入れることはできない。しかし、デベロッパーに限らず、あらゆるメーカーは消費者の声を商品に反映しなければ生き残れない。三菱地所レジデンスは商品企画にもっとも熱心なデベロッパーだと記者は断言できる。その意味で、この記者の意見・質問は珍妙でもある。

 2つ目も別の記者の質問だった。あるゼネコンの名を挙げ、同社に限らず、デベロッパー全てが顧客の声を商品に反映させているかのような質問をした。

 この方の質問の意図がいま一つ理解できなかったのだが、これは問題がある。ここ数年、マンション価格が高騰し、合わせてデベロッパーの利益率も改善・向上している一方で、基本性能・設備仕様は正比例(反比例か)して退行している。

 この点については、これまで何度も書いてきたので詳細は省くが、少しは参考になりそうなので、同社が2006年に足立区で初めて分譲した「北千住パークハウス」の記事を添付する。記事には「プラン的には、天井高最大2.7メートル、二重床・二重天井、ワイドスパン、ディスポーザー、御影石の玄関床、複層ガラス採用など、間違いなく足立区や伊勢崎線の物件では水準以上だと判断した。坪単価は185万円で相場並みとみた」と書いている。

 現在、この仕様レベルを満たしているマンションはどれくらいあるか。100に1つか2つあるかどうかだ。企業は消費者ニーズを無視して事業展開できないのは自明だが、コストダウン・カットのため平気で質を落とす。そうならないようするのが小生も含めた記者の役割だ。いま問われているのはメディア・リテラシーだ。

 どうして、このような馬鹿馬鹿しい(失礼)の質問が飛ぶか。それは、マンションに関心がなく、家事労働をしないからだと思う。それを証明するやり取りがあった。新商品について説明した安永氏が、参加していた記者団9人に向かって「家事労働をされている方はいらっしゃいますか」と呼び掛けたところ、頭から滝のように汗を流していた方一人がためらいがちに手を挙げた。「独り身だから…」と

 小生はこの20年間、家事労働をほとんどしていないので手を挙げなかったが、10年間〝主夫〟をやったので家事労働がどれほど大変かはよくわかる。記者団のうち2人の女性の方は手を挙げなかったのは、それが当たり前だと思っているのかもしれないが、これはこれで問題。堂々とどうして手を挙げないのか。それとも家事労働は夫任せなのか。家事労働を金額に換算し、税金控除の対象にすべきだと記者は思う)。最近のリンナイの家事労働に関する記事を添付する。

三菱地所レジは三井不レジの軍門に降ったのか 食洗機の位置 

 3つ目は、食洗機の位置だった。別掲の2013年当時の記事を読んでいただきたい。三菱地所レジデンスは、顧客の声を反映して食洗機はシンクの横に設置すると発表した。その後も、同社のマンションの食洗機はシンクの横に備えられてきたはずだ。

 ところが、今回の「EYE’S PLUS LAB」のキッチンの食洗機はシンク下についていた。同社広報によると、「現在はこれが標準」とのことだった。写真を撮ったのだが、「新商品以外は不可」と言われた。

 はしなくも「三井不動産レジデンシャルの軍門に降ったのか」と小生は声を荒げてしまった。当時、三井不動産レジデンシャルは食洗機をシンク下に取り付けていたからだ。いまもそうだ。

 食洗機はシンクの下か横か、どちらがいいか。当時、記者は「三井×三菱の戦い」とは書いたが、どちらがいいとは書かなかった。それぞれ利点はあるし欠点もある。この記事を読んだら(それぞれ知らないはずの)三菱地所レジデンス宮島社長と、三井不動産レジデンシャル嘉村社長は何を言うか。聞きたいものだ。聞けば、聞こう、聞け。

同床異夢夫も妻も相手の家事労働に不満6割深刻な実態浮き彫りリンナイ調査(2024/9/1)

三菱地所顧客の声を生かす「EYE'S PLUS(アイズプラス)(2013/6/6)

三菱地所の足立区初の「北千住パークハウス」が完売間近(2006/3/10)

 

 

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