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2024/10/20(日) 20:18

調整区域開発 「ガチャの不安」に対応 ポラス 国内外アワード総なめした分譲戸建て

投稿者:  牧田司

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右からAさん、Cさん、Bさんご家族

 ポラスグループのポラスガーデンヒルズは10月20日、市街化調整区域内での開発要件を満たした3戸全ての敷地面積が165㎡以上の広い庭とデッキ、中高木を配した松戸市の分譲戸建て見学会を実施した。分譲地は、2023年グッドデザイン賞、2023年キッズデザイン賞、子育て支援大賞2024の国内アワードと、LICC2023(The London International Creative Competition)とAMP2024(The annual Architecture MasterPrize)の海外アワードを受賞している。

 分譲地は、松戸市内の市街化調整区域内に立地する全3戸。2022年9月に分譲し、2戸は2か月で完売し、残りの1戸も翌春に完売している。価格は5,000万円台前半から中盤。

 敷地面積は開発要件である全戸165㎡以上を確保し、住戸の中央部には3戸が共同利用できるセントラルデッキを配置することで、井戸端会議やバーベキューなど多目的に楽しめるスペースとしている。

 各住戸のプライベートゾーンも他の家族にも開放し、コミュニティゾーンとプライベートゾーンを緩やかにつなぐことでコミュニティが醸成されるよう工夫している。紳士協定による「土地利用協定部分」を設け、デッキや樹木の維持管理も分担して行うことになっている。

 福岡県の田主丸緑地建設が監修した豊富な樹木を配しているのも特徴の一つで、シンボルツリーのサルスベリのほか、ハナミズキ、シマトネリコ、カツラ、モミジなどの中高木がたくさん植えられている。

 見学会には3家族のご夫婦と0歳~5歳のお子さん6人が参加。Aさん宅のご主人(37)は「ガチャ的なところがあったが、大丈夫だろうと。田舎育ちなので庭とデザイン、それと私は身長が185センチあるので、1階のリビング天井高が2700ミリ確保されていた空間が購入の決め手。いいご家族と巡り会えた」と語った。

 Bさん宅のご主人(35)は、「都内の社宅に住んでいたが、こういうのもいいのではないかと。人間関係がうまくいくか不安もあったが、とてもよかった」と話した。

 Cさん宅のご主人(27)は「子どもが走り回れるのがとてもいい。飲み会やバーベキューをやったりして楽しんでいる。道具の貸し借りなどもやっている」と語った。

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同社プレスリリース

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同社プレスリリース

◇        ◆     ◇

 調整区域での開発規制、ランドスケープデザイン、子育て、相隣関係(コミュニティ)…あらゆる視点からアプローチが可能な見学会だったが(ポラスは国内外のアワードに受賞した商品企画力をアピールしたかったのだろうが)、記者は、3家族のうちのAさん宅のご主人(37)がいきなり語った「ガチャ」に鋭く反応した。

 「ガチャ」とは、Weblio辞書によると「景品が入ったカプセルを購入する形式であり、株式会社タカラトミーアーツの登録商標。ガチャガチャなどともいう。カプセルの中身を選択することはできず、何が入っているかは取り出すまで分からない、という点が主な特徴となっている」とある。

 記者は一度も試したことはないが、昔の駄菓子屋のくじ、グリコのおまけみたいなものだろう。Aさんとほぼ同年代の二男にせがまれて何度も買わされたことがある。大きな段ボール箱いっぱいになったのではないか。

 そのガチャを住宅購入に例えたAさんの感性に驚いたのだ。考えてみればその通りだ。マンションも分譲戸建ても〝向こう三軒両隣〟に誰が住むか、住んでみないとわからないし、それぞれが退去するまでわからないケースも少なくないはずだ。分譲住宅の利点でもあるし難点だ。

 ポラスは、分譲時にコンセプトを示し、庭やデッキの管理を紳士協定によって維持することを条件にすることで、この「ガチャの不安」の解消を企図した。すべてのデベロッパーはこの住宅購入検討者の「ガチャの不安」に向き合わないといけない。くじ引きで人の人生が左右されてはならない。Aさんの言葉を肝に銘じたい。

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現地

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プライベートガーデン

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 市街化調整区域での分譲戸建て住宅の取材は、最近では4件目(うちポラスが3件)だ。市街化調整区域内で分譲戸建てが許可されたのは、都市計画法法第34条第11号の規定と「松戸市における宅地開発事業等に関する条例」に適合させたためで、1戸当たり敷地面積が165㎡以上となっているのもそのためだ。

 3家族ともご主人が地方出身(奥さんはどうかはわからない)というのにも納得だ。小さいときから街のコミュニティが機能していた恵まれた環境で育ったに違いない。薪炭時代に生まれ育った記者の田舎は、臨家との垣根などなく、数十メートルも離れているのに夫婦喧嘩、親子喧嘩などは筒抜けで、味噌や醤油の貸し借り、土産物のおすそ分けなども日常だった。酒乱の男などは長老の一喝でナメクジみたいに縮み上がったものだ。大人が道路端で囲む焚火で経済を学んだものだ。

 この3家族のお子さんがどんな大人に育つか。とても楽しみだ。ポラスを含めたすべてのハウスメーカー・デベロッパーにはアワードの受賞ニュースも結構だが、優れた住宅の商品企画によって人の暮らしはどうなったかの報告もしてほしい。 

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セントラルデッキ

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