小田急バスとブルースタジオは10月26日、全13戸と店舗営業も可能なシェア店舗を備えた、なりわい賃貸住宅「meedo(みいど)」の上棟イベントに合わせて現地見学会・説明会を開催した。小田急バスが保有するバスターミナルに、ブルースタジオが企画・設計監理を行うプロジェクトで、2022年のグッドデザイン賞ベスト100を受賞した「hocco(ホッコ)」に続く第2弾。来春に開業する予定。
建設するのは、延床面積47.20~64.59㎡の店舗可の「あきない住居タイプ」3戸、50.20~53.80㎡の店舗可の「なりわい居住タイプ」4戸、延床面積50.20~59.20㎡の店舗不可の「なりわい住居タイプ」3戸、延床面積67.90~72.04㎡の「住居専用タイプ」3戸の合計13戸と、居住者だけでなく地域の飲食店営業も可能な23.45㎡のシェア店舗。すべての住居はUa値0.46の国際基準レベルの高性能で、4.3~25.25㎡の多目的に利用できる土間がついている。
地域レジリエンス機能として、施設のシンボルとなる井戸(深井戸)、ハイブリッド照明、かまどベンチ、マンホールトイレ、充電設備、防災ベンダーを整備する。
「meedo(みいど)」は、施設のコンセプトである〝水と人々の営み〟のシンボルである井戸を掘り、計画地の周辺は「絵堂(えどう)」集落であったことから歴史を継承するために名付けられた。
説明会でブルースタジオ専務取締役/クリエイティブディレクター・大島義彦氏は、「三鷹駅からバスで30分近くかかるバスターミナルの住宅地。遠いところだからこそ、生活の延長として自分を表現できるよう企画した。3年前に完成した『hocco(ホッコ)』では毎月のようにイベントを行い賑わっているように実績もある。究極の専門店になる」と語った。
物件は、JR中央線三鷹駅南口から「晃華学園東」行き小田急バス28分「晃華学園東」バス停隣接、または京王線つつじヶ丘駅北口から「深大寺」行き京王バス7分「晃華学園」バス停徒歩数分、調布市深大寺東町2丁目の第一種低層住居専用地域、第一・二種中高層住居専用地域に位置する敷地面積約1,774㎡、建物は木造2階建て延床面積約299㎡のA棟(住居5戸・店舗1軒)、延床面積約498㎡のB棟(住居8戸)。工期は令和6年5月~令和7年3月。事業主・貸主は小田急バス、建築設計監理はブルースタジオ、施工はジェクト。
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大島氏は、〝ターミナル〟〝終点〟〝終着点〟を何度も口にした。この言葉から受ける印象は、♭落ち葉の舞い散る停車場は悲しい女の吹き溜まり だから今日もひとり 明日もひとり…過去から逃げてくる♭奥村チヨさんの歌謡曲だろうし、記者は、同世代の破天荒な生き方をした大好きな作家の一人、白川道の「終着駅」を思い出しながら複雑な気持ちで話を聞いていた。
しかし、終点は始発点でもある。身振り手振りの大島氏の熱弁に、この「meedo(みいど)」は人生をリセットし、新たなスタートを切るターニングポイントになるのではないかと考えるに至った。「究極の専門店」とは言いえて妙だ。肩肘を張らず、自分らしい生き方ができる。13の物語を奏でるのではないか。
Ua値0.46の賃貸住宅など市内は言うまでもなく小田急線、京王線のバス路線を駆け巡ってもここしかないはずだ。井戸は、50m掘削してくみ上げるもので、大腸菌などは検出されなかったという。飲料水として利用するにはハードルは高そうだが、国分寺崖線の湧き水だろうから冷暖房としての役割を果たすのではないか。
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