「THE SYLA SHIBUYA-TOMIGAYA(ザ・シーラ 渋谷富ヶ谷)」
シーラの同社初の分譲マンション 「THE SYLA SHIBUYA-TOMIGAYA(ザ・シーラ 渋谷富ヶ谷)」を見学した。敷地面積が約57坪の8階建て(管理人室1戸含む)全7戸-つまり、これまで前例がないと思われる1フロア1戸で、〝THE SYLA〟を冠した1戸平均2.7億円(坪単価900万円)の高額であるにもかかわらず、販売開始から3か月半で契約を完了した〝初物尽くし〟のマンションだ。快挙に拍手喝采。
物件は、東京メトロ千代田線代々木公園駅から徒歩5分、渋谷区富ヶ谷一丁目の 近隣商業地域(建ぺい率80%、容積率400%)、第1種低層住居専用地域(同60%、同150%)に位置する敷地面積約188㎡、8階建て全8戸(管理事務室1戸含む)。専有面積は90.99㎡(27.52坪)、バルコニー面積4.23㎡(1.23坪)、サービスバルコニー面積2.87㎡(0.86坪)。価格は平均2.7億円。間取りは1LDK。設計・監理はエム・エスデザイン、デザイン監修はSTUMP。施工はシーラ。建物は2024年12月に竣工済み。
分譲開始は昨年10月。ほぼ即日完売だったが、その後キャンセルが出たため最終契約は2月半ばとなった。
現地は、首都高速中央環状線と井の頭通りの交差点から一歩入った高層マンションなどが建ち並ぶ一角で、建物は1フロア1戸。敷地南西側は1低層の住宅街で、住戸はすべて東-南-西向き。
主な基本性能は、二重床・二重天井、長さ4700ミリのフィオレストーンキッチン天板+テーブル、Bosch深型食洗機、Whirlpool洗濯乾燥機、突板ヘリンボーン床仕上げ、木製玄関ドア・間仕切り壁、ワインセラー付き収納、バイオエタノール暖炉、全開口サッシ、調光機能付き照明など。共用施設は約1畳台の防災倉庫、冷凍・冷蔵機能付き宅配ボックスなど。
同社は、第一弾のマンションが好調裡に完売したことから、今後も用地が仕入れられればこの種のマンションを分譲する意向だ。
モデルルーム
主寝室
◇ ◆ ◇
冒頭、〝初物尽くし〟と書いたが、これまで40数年間、分譲マンションを見学・取材してきた記者にとっても、一戸建てを積み重ねたような1フロア1戸は見た記憶がない。多分、首都圏で初の1フロア1戸のマンションだと思う。
だが、しかし、考えてみればプライバシーを重視する人にとっては、理想のマンションかもしれない。購入者の属性も聞いたが、予想通り普通のファミリー契約者は1戸もない。同社の狙いが的中したということだろう。
シーラとクミカ(旧リベレステ)は2025年2月14日に開催した臨時株主総会で、クミカを完全親会社、シーラを完全子会社化とする株式交換による経営統合を議決。6月1日付で、クミカは社名をシーラホールディングスに変更し、シーラ取締役会長・杉本宏之氏が代表取締役会長に、シーラ代表取締役社長グループ執行役員COO・湯藤善行氏が代表取締役社長に就任する予定。
杉本氏(47)は業界の〝異端児〟として知られているようだが、記者は話を聞いた限りでは、〝異常〟なのはむしろ業界で、杉本氏は人間らしい生き方を貫いている〝正統派〟だと思う。かつてリベレステは温泉付きマンションを分譲して話題を集めた。新会社のシーラHDの今後の展開に注目したい。
エントランス
宅配ボックス(左の3ブースが冷凍・冷蔵機能付き)
エレベータ内(庫内は本物の布製)
内観(左はフィオレストーン天板、床はヘリンボーン、正面に暖炉)
南西側の全開口サッシからは富ヶ谷、松濤方面の邸宅街が見える)
主寝室の収納(下部は19着が収納できるスラックス・ズボンハンガー、上部はジュエリーボックス)
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