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2025/04/27(日) 11:36

富山農業-大阪杉材-埼玉桐材-信州志賀石つなぐ ポラス ワークショップ第2弾

投稿者:  牧田司

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「リーズン新鎌ヶ谷 きときと未来PROJECT」ワークショップ

ポラスグループは426日、昨年分譲し2カ月で完売した「リーズン新鎌ヶ谷 きときと未来PROJECT」(全14棟)の外構・内装に採用した大阪杉材(モリアン)、埼玉桐材(厚川産業)、信州志賀石(メイク)と、富山野菜(too・シテン)の協力を得て、入居者を対象としたワークショップを開催。ゴールデンウィークに入ったことからか、参加者は5組だけだったが、〝石のソムリエ〟が制作した希少な志賀石の作品はジャンケンによる争奪戦となり、2歳児くらいの子どもが落札するなど盛り上がった。

「リーズン新鎌ヶ谷」は、東武アーバンパークライン・新京成電鉄・北総鉄道・京成成田スカイアクセス線新鎌ヶ谷駅から徒歩1718分(京成電鉄初富駅から徒歩910分)の全14区画。価格は3,490万~4,890万円。建物全体竣工は20252月末。昨年8月に分譲開始し10月までわずか2カ月で完売。歩留まり率は36%だった。

イベントを企画した中央住宅戸建分譲設計本部設計一部営業企画設計課主任・小瀧愛美氏は「人・モノ・地域をつなぐこの種のイベントは昨年の『浦和』に続く第2弾。協力してくださった皆さんに感謝します。今後も継続して行っていきます」と締めくくった。

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KIRINOKA」モデルハウス

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SUGINOKA(杉の香)」モデルハウス

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信州志賀石が多用されている「石の教会 内村鑑三記念堂」

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小瀧氏

        ◆     ◇

「トーニョー、トーニョー」と連呼する二人組の男性がいた。もう二十数年前から糖尿病治療のため病院に通っている記者にとって、共倒れ共食いを暗示されているようで心中穏やかならざる響きがあった。

こん畜生、負けてなるものかとにらみつけた。二人組とは、tooの社員・大石和氏(32)と瘧師(ぎゃくし)光一郎氏(30)だ。二人の前のテーブにはわが家では食べたことがない「豆苗(トウミョウ)」が置かれていた。二人の語りといえば、もう絶えて久しい講釈師の〝ガマの油売り〟〝バナナのたたき売り〟そのものだ。

豆苗はエンドウ豆の若葉で、再生栽培が簡単にできる特徴がある。葉っぱを食べ、根っこの部分を水に浸けておけば1週間から10日後にはまた食べられるようになるという。グリコと同じ2度おいしい。キッチンに置いておくだけで目の保養にもなる。

大石氏については記者の過去記事を読んでいただきたい。瘧師氏は、持続可能な農業のために様々な事業を行っている富山県射水市のシテン営業担当で、地元の小中学校などに食育教育の講師として食や農業などについて話しているという。講釈師そのものと書いたのは、難しい問題をわかりやすく話す話法を習得したのだろう。

その一幕を紹介する。瘧師氏は「農家は野菜のほか何をつくっているでしょうか。小中学生に戻ったつもりで答えてください」と呼び掛けた。「幸せ」「世界平和」「夢」などと答えた大人もいた。

瘧師氏はまた、農業従事者の推移について質問した。誰も正解しなかった。2005年から今日まで富山県の人口約100万人をはるかに上回る約120万人が減少している。(農水省のデータによると農業従事者は20052,241万人から2020年には1,363万人へと約4割減少している。「幸せ」「世界平和」「夢」をもたらす農業がここまで衰退している理由をみんな考えないといけない)

記者の取材の目的の一つはトマトを買うことだったが、2粒試食させてはもらったが、いざ買おうと思ったら1つも残っていなかった。富山のミニトマトは抜群においしい。

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大石氏(左)と瘧師氏(息もぴったり、まるでお笑いコンビ)

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「SNSをとても大事にしています」瘧師氏

        ◆     ◇

 〝石のソムリエ〟のグローバルストーンマテリアル代表取締役・井出寛氏によるワークショップも最高に面白かった。仕事柄、御影石、トラバーチン、大理石、フィオレストーンなどのほか、たまに庵治石、鉄平石、大谷石なども目にするが、岩石の生成、特徴、用途などについて講義を受けるのは中学以来か。安山岩の一種の信州志賀石(玄武岩と花崗岩の中間の性質を持つという)の原石を墓石のようにつるつるに研磨する作業・技術を観るのは初めてだった。

 研磨方法は、水を流しながら研磨する湿式が一般的だそうだが、この日は水を使わない乾式で、ダイヤモンドの粒子をちりばめた工具を使って、原石の石目にくさびを打ち込んで割る場面から磨き上げまでの工程を井出氏は披露した。

 驚いたのは、石を磨く丸い研磨パットは50番から200番、400番、800番、1,500番、3,000番まで6枚使ったことだ(番号が増えるごとに光沢が増し色味も濃くなる。6,000番もあるそうだ)。これほど手間暇かけて仕上げるのはミクロンの世界のカンナと同じだ。人間も同じかもしれない。

 井出氏の話は含蓄に満ちていた。「木と異なり、扱いは難しい」「美しい自然形状に値打ちがある」「柔らかいのは光沢が出ない」-人間界そのものだ。

 「私は墓石はやらない」というのも合点がした。この前、久しぶりに田舎に帰り、墓参りもした。昔からの墓石は実家くらいで、みんな新しいものに変わっていた。これはもう完全に死者のためというより、生者の見栄っ張り、虚勢だ。生者のために生きる井出氏の矜持をみた。

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「私が石のソムリエ・井出です」

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「扱いは、木よりは難しい」(記者のかみさんと一緒。一つ間違えると修復が難しい)

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末広がりの富士山をイメージした作品をジャンケンの結果、ゲットしたお子さん(相当の額になるはず)

        ◆     ◇

 埼玉県吉川市に本社がある厚川産業の「KIRINOKA」はポラスの戸建てにたくさん採用されている。代表取締役・厚川雅信氏と同社取締役兼Kiri-Life事業部・三村裕加氏からもいろいろ話を聞いた。

 葉っぱが大きく、日射を遮るのに大きな効果ある桐はかつて日光街道の街路樹として多用されていたそうだ。生育が早い樹種もあり、10年もすれば製品になるという。

10年で成木になるのなら用途は限りない。同社は429日、「GX推進プロジェクト~早成桐植樹祭~」を春日部夢の森公園で開催する。桐が街路樹として採用されているところはほとんどないはずだ。

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KIRINOKA」ワークショップ

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厚川氏

        ◆     ◇

 ポラスの戸建てのデザインウォールに用いられている「SUGINOKA(杉の香)」は、大阪・岸和田市に本社を構えるモリアンの製品だ。スギの香り成分は癒し・リラックス、熟睡効果があることが実証されており、東京大学の香りの研究チームによる共同研究でグッドデザイン賞を2020年に受賞している。

 岸和田から車で駆け付けた同社代表取締役社長・森庵充久氏の説明を受け、参加者はくぎなどを使わずに組み立てられるプランター(お盆にもなりそう)をその場で組み立てた。周囲にはスギ独特の香りが漂った。

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SUGINOKA(杉の香)」ワークショップ(右が森庵氏)

        ◆     ◇

これほど面白くてためになるイベントはない。そこで、ポラスに提案だ。居住者限定にするのはもったいない。地域の人や自治体に声を掛けて自由に参加できるようにしてはどうか。

森林・林業・農業の再生・活性化は国土強靭化の肝であり、食料自給率の向上は喫緊の課題の一つだ。趣旨をきちんと説明すれば、町内会や自治体の賛同は得られるはずだ。

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