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2025/08/04(月) 10:41

「TOKYO TORCH PARK」から石彫アート〝月の恵み〟発信 三菱地所×岩手県岩手町

投稿者:  牧田司

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「石神の丘美術館」所蔵石彫の完成を記念する除幕式(「TOKYO TORCH PARK」で)

 岩手県岩手町と三菱地所は8月3日、東京都千代田区の「TOKYO TORCH PARK」内に、岩手町の「石神の丘美術館」所蔵の石彫作品の設置・完成を記念する除幕式を開催した。両者のパートナーシップ協定に基づくもので、東京駅前から日本の文化・魅力を発信する地方創生の取り組みの一環。当日は、岩手町町長・佐々木光司氏、三菱地所TOKYO TORCH事業部長・上田寛氏、作品を制作した岩手町在住のケイト・トムソン氏ら関係者が参加して、地方創生・文化交流を促進することを誓いあった。

 除幕式の冒頭、佐々木町長は「当町は、岩手県北の北上川の水源地に位置する人口11,000人の農業の町。石神の丘美術館は32年前(1993年)に野外彫刻美術館として開館し、5年前にリニューアルした。作品を通じ〝花とアートの森〟の当町の魅力を東京から発信していく」と挨拶した。

 続いて登壇した上田氏は「TOKYO TORCHは“日本を明るく、元気にする街”をビジョンに掲げており、ここから地域の魅力を発信していく。広場空間(PARK)は広さ約7,000㎡。今回のアート作品展示はその第一弾。関係人口の創出にもつながることを願っている」と述べた。

 石彫作品を制作した作家のケイト氏は、次のように語った(ケイト氏が英語で書いた文章を、夫で浮島彫刻スタジオを主宰する彫刻家・片桐宏典氏が日本語に訳し、それをケイト氏がローマ字で認めたものなので、ご夫婦の合作でもある)。

 私は、豊かな自然に囲まれた岩手町に住んでいます。季節の移り変わりや、日が昇り月が出て星が夜空に光り、そんな素晴らしい風景にいつも大きなインスピレーション受けてきました。

 私の作品は、人間の姿や風景を抽象的な形で表現しています。身体的、文化的、そして社会的な空間における関係性を探求しています。光は命の形を表現しています。それは、私たち一人ひとりの特別な何か、そして本質的な何かです。

 私は大理石を作品によく使います。石は大地の長い時間を記憶にとどめています。石は時間を超越します。そして、触る感触を楽しめる作品になります。大理石の美しい透明性が周囲の光を捉えて彫刻の中に広がり、朝晩の変化や季節の移り変わりを表現しています。

 この作品の名前は「Selēnē(セーレン)」です。「Selēnē」名前は、ギリシャ語の「Σελήνη」に由来し、それは光輝き、煌めきを意味します。月の恵みは、農業において最も重要な神の一人です。月の恵み「Selēnē」は白馬のチャリオットが空を駆け巡り、太陽の反射光を夜の空いっぱいに与えるのです。

 私の大理石の彫刻は、この「Selēnē」のように、周囲の光を彫刻の中に取り込んで、命の輝きを表現します。岩手の美しい里と魅力がそこに反映されていることを願っています。

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「Selēnē(セーレン)」

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左から佐々木氏、上田氏、ケイト氏

◇      ◆     ◇

 作品は、岩手町在住の作家・ケイト・トムソン氏がイタリア産大理石を用いて制作した石彫りで、作品名は〝月の恵み〟を意味する「SELENE(セーレン)」。寸法はL100cm×W48cm×H178cm(台座含む)。

 作品についてケイト氏は、「数週間の休憩をはさみ、毎朝、石にあいさつし、会話を交わしながら約3か月で仕上げた。イタリア産の大理石はきめが細かく、微細なエッジなどを表現するのに適している」と語った。

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ケイト氏と作品

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「TOKYO TORCH PARK」(中央から右下の白っぽいものが作品)

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