
「プレミストタワー船橋」
大和ハウス工業(事業比率75%)は11月27日、千葉県最高層&最高単価となる船橋駅直結の住宅・商業・広場一体開発の51階建てタワーマンション「プレミストタワー船橋」(677戸)のメディア向け内覧会を行った。予想される坪単価はかつてない600万円になる模様で、関係者の間でも話題になっており、千葉のマンションの命運がかかっている注目物件だ。モデルルームを見学して、アッパーミドル・富裕層をターゲットにした41階以上の128戸は人気を呼ぶ可能性は高いと見た。坪単価600万円もありかと。
現地は、西武百貨店跡地。同社が2018年に用地を取得。その後、市と協議を重ね、JR船橋駅と京成船橋をペデストリアンデッキでそれぞれ結び、防災拠点や公共施設を整備する計画が評価され、従前の都市計画上の容積率700%が900%に緩和された。
建物の2階には広場「フォレストアリーナ」を設け船橋駅とペデストリアンデッキで結び、1階・2階には地域用の防災備蓄倉庫、3階にはワークスペースを兼ねた帰宅困難者一時避難スペースを設けている。1階~3階は商業施設、4階~6階は事務所。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented、低炭素建築物認定、二重床・二重天井、リビング天井高2600ミリ(7~40階)・2900ミリ(41~48階)・3200ミリ(49~51階)、ディスポーザー、食洗機、フィオレストーンキッチン天板、ハイサッシ・ハイドア、LIXILと共同開発したスマートホームシステム、タンクレストイレ、床タイル仕上げ(一部除く)、浴室タオル掛け2か所など。共用施設はフィットネスルーム、ランドリールーム、ゲストルーム、パーティールーム・ワークスペース・ライブラリースペースからなる「パノラマラウンジ」(164㎡)など。
物件は、JR・東武アーバンパークライン船橋駅から徒歩2分、京成本線京成船橋駅から徒歩4分、船橋市本町一丁目の商業地域に位置する敷地面積約6,668㎡、51階建て全677戸。専有面積は43.71~134.02㎡、全63タイプ。価格は未定だが、坪単価は600万円になる模様。売主は同社のほか東京建物(事業比率12.5%)、京成電鉄(同12.5%)。竣工予定は2028年3月。設計・監理は長谷工コーポレーション、久米設計。施工は長谷工コーポレーション。
これまでのエントリー数は7,000件で、約6割は千葉県居住者。うち半数が船橋市居住者。都内は中央・港・江東など約3割。持家は約7割。11月からのモデルルーム案内会来場者は約800件。
内覧会で同社東京本店マンション事業部長・永井壮氏は、「2018年に用地を取得してから7年の歳月をかけて実現した。マンション市場は都心部も郊外部も建築費の高騰などで難しい局面を迎えているが、『プレミスト昭島』同様、再開発案件ではないが街づくり型の面開発を行い、住戸プランは7~40階のSuperior(549戸)、41~48階のUpper Suite(95戸)、49~51階のTop Suite(33戸)の3グレードに分けた」と話した。
また、同社東京本店マンション事業部販売事務所長・細川智史氏は、「これまでのペースからしてエントリー数は1万件と予想している。反響者のメインは約3割が市内の経営者、1割が医師。年齢は50代以上が2割。都内からの反響は都心部のタワーマンションを回遊している人が中心。Upper、Topの手ごたえは十分。販売は来年2月7日登録を予定している」などと語った。

外観

模型(低層部)

永井氏(左)と細川氏
◇ ◆ ◇
記者は、同社が9月9月3日に行った「マンション事業計画説明会」で、同社上席執行役員の富樫紀夫氏(62)が「プレミストタワー船橋」について触れ、「地区計画の高さ規制をクリアするため地域の地権者などから全員合意を得て、3年くらいかけて役所との協議を進めてきた…当初の販売価格は坪320~330万円を予定していたが、建築費は倍くらいになったので、販売価格は倍とまではいかないが、かなりそれに近い金額になりそう」と語ったのに、驚嘆した。
冨樫氏も語ったように、土地を仕入れた時点の坪320~330万円というのは極めて妥当な価格だ。その後の価格暴騰は、富樫氏も予想できなかったはずだが、容積率を700%を900%に緩和させたのは天晴れというほかない。従前の容積率だったら、予想される坪600万円は絶対不可だろう。
ご存じない方も多いだろうから、バブル期の千葉県のマンション価格(単価)がどれくらいだったかを、当時記者が書いた記事から紹介する。バブルがはじける直前の平成2年の坪単価は、3月の「船橋」は448万円、5月の「本八幡」は521万円、7月の「船橋」は414万円、9月の「京成大久保」は465万円、11月の「木更津」は405万円…などとある。「船橋」「市川」などは坪450~500万円が相場となっていた。
その後、バブル崩壊後の単価は関係者もご存じたろう。直近の最高値は、2024年分譲の東京建物他「Brillia Tower 千葉」の坪単価421万円のはずで、三井不動産レジデンシャル「パークタワー柏の葉キャンパス」(629戸)の坪単価は記者予想の430万円くらいになると見ている。
これらからして、いかに「プレミストタワー船橋」の単価が突出しているかお分かりだろう。記者は、モデルルームを見学するまで、販売は容易ではないと見ていた。
ところが、3タイプのモデルルームを見学して、坪単価600万円もありかと考えを改めた。住戸プランはワイドスパンが中心で、設備仕様レベルも高い。そして、大きなインパクトになると見たのは天井高だ。リビングは最低でも2600ミリ、最大で3200ミリあり、Upper、Topはトイレ、廊下も2500ミリだ。ドアも天井まである。このような居住性の高いマンションは、これまで千葉県では供給されたことはないはずだ(記者は、これまでで最も階高の高いマンションは「パークコート六本木昼シップ」だと見ている)。市内を離れられない経営者・富裕層が食指を伸ばすのは容易に想像できる。最高価格は7億円になるというから、坪単価にしたら1,724万円だ。これもありか。何も東京を起点にしなくてもいいということか。
ただ、ボリュームゾーンのSuperiorについては値付けに苦慮するのではないか。県都の「千葉」でも坪421万円だ。同社も売主になっている「西千葉」は坪270万円だ。都内江東区の「小岩」などは坪500万円台の前半だ。細川氏は「竣工までに完売したい」と語ったが…。

134㎡モデルルーム オプションのキッチン

オプションの幅1.8mの両開きドア

ドア天井も2500ミリ

猫足つき浴槽

現地
全国のマンション 富裕層やシニア層のセカンド・投資・移住ニーズ継続 大和ハウス(2025/9/15)
大和ハウス他「プレミストタワー船橋」(677戸)反響4500件超 単価は500万円超(2025/9/3)
第1期90戸は坪421万円 高額住戸中心に人気 東京建物他「Brillia Tower 千葉」(2024/4/17)
現段階で最高品質のマンション三井不動産レジデンシャル「パークコート六本木ヒルトップ」(2011/11/16)

