
「多摩川シーズンズ」(左側が多摩川)
積水ハウス、小田急不動産、長谷工不動産、長谷工コーポレーション4社JV(事業比率は非公表)の大規模建て替えマンション「多摩川シーズンズ」(1,217戸)のモデルルームを見学した。敷地面積52,000㎡超、緑化面積10,000㎡超のランドスケープデザインと多彩な共用施設を整備した街づくりが特徴で、昨年末に供給した第1期50戸を成約するなど順調なスタートを切った。坪単価275万円も圧倒的な安さがある。現在分譲されているこの価格帯の首都圏マンションで、これほどレベルの高いマンションはまずない。
物件は、小田急線狛江駅から徒歩20~22分(バス便だと狛江駅から徒歩も含めて約10分、調布駅から約23分)、狛江市西和泉2丁目の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率41%、容積率170%)に位置する敷地面積約52,353㎡、10~12階建て4棟全1,217戸(非分譲住戸404戸含む)。1月17日から登録を受け付ける第1期2次(27戸)の専有面積は55.61~81.88㎡、価格は5,128万~7,938万円(最多価格帯5,600万円台・5,900万円台)、坪単価は275万円。竣工予定はⅠ工区が2027年6月下旬、Ⅱ工区が2028年6月上旬。デザイン監修は環境デザイン研究所。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。
昨年12月から第1期として50戸を分譲・成約。モデルルーム来場者は約280件。週に15~20件の来場があり、順調に進捗している。来場者の居住地は、狛江市が25%、世田谷区が13%、調布市が8%など。
現地は、東京都住宅供給公社によって1964年から1968年にかけて建設された、調布市と狛江市にまたがる約48.9haの「多摩川住宅」の建て替え計画の第2弾。敷地南側には川幅300~400mの多摩川が流れ、周辺は低層住宅街。樹齢100年近いと思われる既存樹もたくさん残っている。
主な基本性能・設備仕様は、長期優良住宅、ZEH-M Oriented、直床、ディスポーザー、食洗機、リビング天井高2500ミリ(一部2450ミリ)、リビング・洋室床暖房、スロップシンク、ユニバーサルデザイン(メーターモジュール廊下、ドアノブ壁面後退など)、大容量収納など。共用施設は無人決済コンビニ、スタバコーヒーが楽しめるカフェラウンジ、パーティルーム、ゲストルーム、シアター&カラオケルーム、キッズルーム、オープンライブラリーなど。
積水ハウス東京マンション事業部の担当者は「ハウスメーカーとして培ってきた住まいづくりのノウハウを活かし、高品質な性能と12種類の共用施設で差別化を図りました。専有部も多様化するライフスタイルに対応できるよう、プランの選択肢を充実させています。ご来場いただいたお客様からの反響も大きく、住まいの価値をしっかりお伝えできていると感じています。狛江市民の方からは"あのマンションね"と言っていただけるようになりました」と話した。
広域から集客できていることから、物件の魅力を伝えきれれば販売は順調に進むはずだ。

南東向き住棟から1低層の住宅街望む

南向き住棟

フォレストプロムナード
◇ ◆ ◇
記者は、結婚してから約3年間、調布市布田に住んでいたので「多摩川住宅」はよく知っている。昔の街づくりだから商業施設などが乏しいのは難点だが、敷地内の植栽が豊富で、何よりも多摩川に近いのが魅力だ。狛江市も好きな市だ。11年前に亡くなった大好きな作家・宮尾登美子さんが狛江市に住んでいたからだ。
さて、価格。事前の予測では坪単価は300万円を超えると思ったが、外れた。275万円は超割安感があると思う。
なぜか。東京駅を中心にマンションの価値を測るのはやめたほうがいいと思っているのだが、この物件の東京駅からの距離圏(時間)を50~60分とすると、京王線では聖蹟桜ヶ丘、京王多摩センター、小田急線なら新百合ヶ丘、中央線だと立川、西武線は所沢、東武東上線は志木、千葉県は総武線千葉、常磐線柏、神奈川方面は東海道線辻堂、根岸線磯子、京急線金沢文庫あたりか。これらの駅圏の駅近でマンションが分譲されたら、坪単価は間違いなく400万円を突破する。
これほど安く分譲できるのは、建て替えだから土地価格が安いのと、近隣物件との競合関係、戸数の多さなどが考えられる。競合物件は、住友不動産「シティテラス多摩川」(900戸)や京王電鉄「京王多摩川ハモンズ」(265戸)があるが、同じ価格帯の住友の物件はともかく、京王多摩川駅2分の「京王多摩川ハモンズ」の平均坪単価は500万円を超えないと思うが、間違いなく450万円はする(これほど単価差があれば競合しないか)。
同担当者は、来場者の25%を狛江市民が占めており「あのマンションね」と認知いただけていることに手応えを感じていると話した。また、同社が手がけた「グランドメゾン江古田の杜」「グランドメゾン狛江」「グランドメゾン仙川」についても言及があったため、これらの物件の記事も添付する。
記者はこれまで同社のマンションを30~40件見学している。同業他社の物件と決定的に異なるのはランドスケープデザインとユニバーサルデザインだ。「狛江」は、敷地内にあった既存樹のヒマラヤスギの巨木を避けて住棟を配置している。中古はいま70㎡台で8,500~9,000万円しているそうだ。歩留まり率が高いのは、同社のブランドメッセージ〝経年美化〟に嘘はなく、物件の特性をきちんと伝えられている証左だ。
小生の〝記事はラブレター〟にも嘘はないはずだ。「坪単価は兆割安」などと書くと-書くのは記者の勝手-社長などから〝安くし過ぎたのでは〟とスタッフが怒られるかもしれないが、仲井社長は絶対そのようなことは言わない。もし言われたら〝消費者に利益を還元したまで〟と言い返せばいい。
かつて昔、三井不動産の幹部は「うちは高値追及などしない。腹八分目、残りは購入者の利益に取っておく」と話した-いま、そんな役員はいるのかいないのか。記者は、高額マンションはどこまで値段を釣り上げてもいいと考えているが、庶民向けは質を落とさず、利益率を抑えてでも安く供給すべきだと思っている。
…と、書いたついでだ。記者は、今年の最大の注目マンションは同社の「千鳥ヶ淵」だと思っているが、坪単価予想を上方修正する。当初は2,500万円くらいだとよんでいたが、そんな安値で分譲したら「皇居」に失礼だ。最低3,500万円とみた。皆さんは馬鹿なことを言っていると思うかもしれないが、近接する三菱地所レジデンス「千鳥ヶ淵」の坪800万円を記者はズバリ的中させた。

モデルルーム(吊戸棚付きL型キッチンとカウンター付きダイニング提案が人気とか)

カフェラウンジを想定したマンションギャラリー(緑はフェイク)

ユニバーサルデザインの一つ(トイレドアノブは壁面までセットバックさせている)

完成後を想定したマンションギャラリーエントランス
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