RBA OFFICIAL
 
2026/03/04(水) 18:15

木造化率に惚れた 東京建物 同社初の木造賃貸マンション「洗足池」施工は三井ホーム

投稿者:  牧田司

外観A.jpg
「Brillia ist 洗足池の杜」

 東京建物と三井ホームは3月2日、東京建物初の木造賃貸マンション「Brillia ist 洗足池の杜」が完成したのに伴うメディア向け内覧会を実施した。東建グループが重要マテリアルティの一つとして掲げる「脱炭素社会の実現」に、三井ホームが推進する木造建築技術「MOCX」がマッチして実現したもの。規模がそれほど大きくないため、CO2削減量、木材使用量は三井ホームがこれまで手掛けてきた木造マンションなどには及ばないが、建物全体の木造・木質化率では互角かそれ以上と見た。

 内覧会で東京建物住宅賃貸事業部主任・佐々木亮将氏は、木造賃貸マンションを取り組むのは、同社グループが掲げる重要なマテリアルティの一つである「脱炭素社会の実現」に寄与するためで、構造材はもちろん共用部のアプローチ、フェンス、エントランスなどに天然木材をふんだんに用い、1階と3階住戸の一部の壁・天井、床、キッチン・洗面収納の面材に天然木建材を採用したと話した。

 また、三井ホーム施設・賃貸設計部グループ長・奈留隆善氏は、同社の木造マンション第一号の木造マンション第一号「MOCXION(モクシオン)稲城」をはじめこれまで手掛けてきた木造賃貸や学生マンションに採用した木造建築技術「MOCX」の知見が存分に発揮されていると語った。

 物件は、東急池上線洗足池駅から徒歩5分、石川台駅から徒歩4分、大田区東雪谷一丁目の商業系と住居系用途にまたがる敷地面積約1,117㎡、木造枠組壁工法、一部RC造・5階建て延床面積約2,073㎡、総戸数42戸。専用面積は28.26~50.14㎡、月額賃料は1DK(28㎡)が15.6万~16.3万円、1LDK(30~40㎡)が17.8万~18.5万円、2LDK(40~50㎡)が22.0万~25.6万円。木質化住戸の賃料は一般住戸より3,000~7,000円高く設定。事業主は東京建物。設計・監理・施工は三井ホーム。竣工予定は2026年3月10日。

 物件の構造材および内外装仕上げ材における木材使用量は503.02㎥で、同規模のRC造物件と比較したCO2削減量は309t-CO2、炭素固定量は538t-CO2。36~40年生のスギ約1,769本分の炭素貯蔵量に相当する。ZEH-M Orientedを取得している。

 2月27日からリーシングを開始し、2月末で10%に申し込みが入っている。

105(木質化住戸)_ 床.jpg
木質化住戸(床はクルミ)

105(木質化住戸)_ 天井.jpg
木質化住戸(天井はオーク)

105(木質化住戸)_キッチンB.jpg
木質化住戸(収納扉はセン)

エントランスホールC.jpg
エントランス

ラウンジB.jpg
ラウンジ(外のフェンスも木とか)

内廊下.jpg
内廊下

◇        ◆     ◇

 この物件については、三井ホームが昨年8月に構造現場内覧会を実施したのを取材しているので、そちらの記事を参照していただきたい。竣工建物は、これまでと同様、木造「現し」は期待できないだろうと思っていたのだが、エントランスに入って目を疑った。一見して、壁や天井、床、造作材などはケミカル製品でないことが分かった。「稲城」以上かとも思った。

 耐火・防火基準(道路側の5階部分は2時間耐火、3階建て部分は1時間耐火)やコストを考えてだろう、すべての住戸ではなかったが、1階の木質化住戸の床はクルミ、キッチン・洗面収納扉はセン、天井はオーク、バルコニーの軒天はトドマツだった。このほか住戸サインなど細部にウォールナット、ブラックチェリーなどの木が採用されていた。木材使用量はともかく、賃貸マンションでここまで木造・木質化を図った物件は見たことがない。この前見学した福島市の「桜の聖母学院中学校新校舎」も美しかったが、やはり木は美しい。

IMG_4805.jpg
現地(西側から写す)

IMG_4809.jpg
エントランス

IMG_4811.jpg
サイン

◇        ◆     ◇

 実は、この記事は昨夜までにほとんど書き上げていた。今朝(3月4日)、ホームページにアップしようと思ったら、保存するのを忘れたためか予定記事は消えていた。

 仕方がないので、午前中の旭化成ホームズの賃貸木造長屋「横浜青葉モデル」(これまた素晴らしい)の取材を終え、スマホを開いたら、頼みもしないのにだしぬけに「木造マンションは儲かるのか? 」の見出しの記事が目に飛び込んできた。この「洗足池の杜」に関する女性記者の署名入り記事だった。仕方なしにスクロールしてざっと読んだ。「?」が付いていることでも分かるように、メディアがよく使う常套手段の手垢のついた見出しだ。失礼だが、中身も〝素人〟が書いたものだとすぐ分かった。

 いちいち他人の記事にコメントするのもどうかと思うが、貴女がメディアで生きていこうとするなら、老婆(爺はないのか)心ながら、一言申し上げる。気を悪くしないで頂きたい。美しく生きてほしいからだ。

 ビジネスは〝儲かるかどうか〟はとても大事なことだが、記者はそれだけでは不十分で冷静な目でモノを見る目が必要だ。貴女だけでなく、メディアの多くは、木造と鉄やコンクリと比較して〝コスト〟を訪ねる。いい加減この種の問いはやめようではないか。〝損得〟以外に人間として考えないといけないことがある。

 この前も紹介したスーザン・ジョージ「これは誰の危機か、未来は誰のものか」(岩波書店)から少し引用する。「二酸化炭素は大規模な汚染源であり、現在のレベルでは人間も他の生き物も生命が脅かされる。温室効果ガスの排出には課税し、再生可能エネルギー源は非課税にし、むしろ補助金を出すことによって、温室効果ガスを削減する」ことは喫緊の課題だ。

 小生もそうだが、貴女もまた年間にして体重の数倍のCO2を吐き出している。われわれも自然の一部でしかない(そればかりか、小生などは毒を垂れ流しているという自覚はある)。

 罪の意識があるので、取材だろうが何だろうが、街を歩くときは街路樹や雑草と会話している。実に楽しい。もう一つ付け加えるなら、河馬かトドのような男には全く興味はないが、女性は若くてもお年寄りでもとても美しいと思う。今日も、街路樹の名前を知りたくて、あざみ野の住宅街で80歳くらいの女性に「お嬢さん? この木の名前は何ですか」と声を掛けた。その女性の方も木の名前を知らなかったが、とても美しい方だった。

 先日は春一番が吹いたではないか。沈丁花は満開だ。今日あたりは啓蟄か。貴女も週末は山でも川でも海でもいい、散歩してはどうか。自然の素晴らしさが分かるし、いかに我々も自然も危機的な状況にあることも知ることができる。

 スーザン・ジョージ氏の結びの言葉を紹介する。

 「私は理性、分別、可能性の世界の方がいい。自分が何かを書いたり、考えを伝えてだれかに届けられると考えたい。自分にも何かができ、他の人に行動を促す契機になれるかもしれない。取るに足りなくても決定的に重要な一粒の砂になり、より安全で環境に優しくて公正で、人間的で文化的な形に、システムをリセットさせられるかもしれない。

 その一粒の砂はあなたかもしれない」

木造「現し」を多用三井ホームが設計・施工「桜の聖母学院中学校新校舎落成式」(2026/2/22)

木造賃貸&ZEH-M 満足度は98%三井ホーム「稲城」入居者アンケート(2022/12/3)

三井ホーム&東京建物木造マンション「(仮称)洗足池」構造現場内覧会に800人(2025/8/30)

 

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン