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2024/06/20(木) 18:30

一条、タウン、それと全投手へ 大和ハウス・トミー(冨永)、旭化成・今野に学べ

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大和ハウス・トミー(冨永)と旭化成ホームズ・今野

この記事は、一条工務店とタウングループの投手に、そして全チームの投手に読んでいただきたい。

それぞれ1イニングだが、大和ハウスの53歳トミー(冨永)と、旭化成ホームズの44歳今野の投球をみた。トミーは和歌山県の名門簑島工高から立命大に進学し、抑えのエースとして活躍した。RBAの大会では、あの大阪桐蔭の中田とコンビを組んだオープンハウスの謝敷との対決は忘れられない。当時43歳だったトミーは、カウント3-2から四球を与えたが、真っ向勝負を挑んだ。10球くらい投げたのではないか。ストレートは140キロ出ていたはずだ。あれほど速い球を投げたRBA投手は10人いるかどうか。

 あれから約10年。この日(619日)はセキスイハイム不動産戦で先発。さすがに10年前の速さはなかったが、球を低めに集め、切れのあるスライダーなど変化球で2回をほぼ完ぺきに抑えた。その裏、チームは2点を奪った。試合は2-1で勝利。勝利投手にはならなかったが、勝利に貢献した。

 一方、松阪世代の旭化成ホームズ今野は44歳か。明大軟式野球部出身だ。データはないがRBA野球大会では100勝近くしており、負けたのは数度しかない。不朽の大記録だ。もちろん大記録を残せたのは、チームが強かったからでもある。

今野は勝敗にこだわる投手ではない。勝利を最優先した。雌雄が決した時は、同僚の平山や後輩にマウンドを譲った。あと一人でノーヒット・ノーラン達成の決勝戦の試合でもマウンドを降りた。

 この日は、一条工務店相手に2-4の劣勢の4回に登板。記者は、今野もいよいよ敗戦処理投手になったかと感慨深く投球を眺めた。判官びいきだから、今野のすごさを知らない一条の若い選手には「今野は遊び球を投げない。追い込まれたらおしまい。カウントを取りに来るストレートに絞れ」と檄を飛ばした。プレッシャーをかけるため、今野に聞こえるように大きな声で話した。

 結果はどうか。今野は一枚も二枚も上手だった。ストレートは1球くらいしか投げなかった。そのストレートは、右打者の内角高め。難しい球だった。打者はファウルチップした。しかし、そのあとはカープかスライダーで打ち取られた。15球、3人で15球くらいではなかったか。失投は1球あった。スライダーが抜けて高めのボール気味に入った。打者は思わず空振り三振。コントロールがいいからこのようなことが起きる。

 今野のすごいのは、1球目より2球目、2球目より3球目のほうが変化が大きいことだ。落差は30cm、角度は3040度くらいか。バックネット裏で見ると大げさに言えば90度くらいに見える(これでは捕手は捕球できないだろうが)。絶対に打てないと思った。

 トミーと今野の違いがまた面白い。トミーは負けず嫌いなのだろう。53歳になってもストレートの速さにこだわっているはずだ。この日も130キロは出ていたはずだ。

今野は〝省エネ〟に徹している。いかに少ない球数で抑えるかを考えて投げる。プロの投手も打者もみんなそうだろうが、相手の打者が打席に入った時、相手の投手がマウンドに立った時、彼我の力関係が分かるはずだ。今野は素人打者にはストレートを平気で投げる。失敗することもあった。ベンチではナインと離れて観察している。きっと打者を監査して弱点を探しているのだろうと思う。この日も背が低い代打に四球を与えた。思わぬ選手に戸惑ったのではないか。

これがヒントだ。野球は騙し合いでもある。いかに自分は素人であるかを今野に伝えることだ。そして、初球を狙う。一球勝負に賭ける。十中八九カーブかスライダーだろう。空振りしたらまたその球を狙う。追い込まれたら右打者は左打席、左打者は右打席に立ち今野をかく乱する。これしかない。プロ野球でもそのような記録はある。

一条とタウンの投手に読んでほしいと冒頭で書いたのは、ヒットなど打たれていないのに自滅したからだ。力んでいるのが素人でもわかった。

いまのRBA投手で、ストレート1本で勝負できる投手はケン・コーポレーションの杉下くらいしかいない。打者はみんなバッティングセンターで打ち込みをしているはずで、トミーも今野も強打者に対して絶対にストレートで勝負しない。力んだらおしまい。緩急を使わないと強打者を抑えることはできない。(打者もそうだ。あの左打者のリバブル竹内は、タイブレークでちょこんとバットを合わせ左に運んだ。いわゆる流し打ちだ)

トミーと今野の過去の記事を添付した。アクセス数はそれぞれ40006000件に達している。

トミー・ジョンじゃないぞ 大和ハウスのトミーこと冨永がRBAに復帰(2019/4/9

オープンハウス完勝 見応えあった大阪桐蔭-明大出の謝敷と43歳冨永の対決(2014//22

旭化成ホームズ2年ぶり12度目の総合V 木下が決勝打(2014/5/15) 

旭化成ホームズ7度目の優勝 今野投手が5回を1安打2007

 

 

 

 

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