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2017/01/08(日) 14:18

あれから17年 国立マンション訴訟終結 支援者の「会」が上原氏への寄付募る

投稿者:  牧田司

 明和地所の国立マンション建設をめぐる訴訟で、国立市が同社に支払った損害賠償金約3,120万円は当時市長だった上原公子氏が賠償すべきとした裁判(東京地裁平成26年9月25日判決言渡し)で、最高裁判所は12月13日、上原元市長の上告を棄却。この結果、上原元市長に約3,120万円の損害賠償を命じた東京高裁判決(2015年12月22日)が確定した。

◇       ◆     ◇

 この問題は、明和地所がマンション建設計画を明らかにした1999年から同社へはもちろん、国立市役所や当時の上原市長へのインタビュー、住民集会への参加、裁判の傍聴などずっと関わってきた。ある意味では記者の人生を変えた事案でもある。あれから17年、感慨深いものがある。節目節目で記事を書いてきたのでそちらを参照していただきたい。

 一連の裁判で当初から主張してきたことがほぼ認められてうれしいのだが、次の2点だけはもう一度しっかり指摘しておく。

 一つは、地区計画の決定について。

 明和のマンション敷地を含む「中三丁目地区地区計画」の施行面積は約13.5ha。このうち、同社のマンション敷地は約2.7haで、同社の敷地に隣接する北側の桐朋学園の敷地は約9.2ha。地区計画ではともに高さ規制は20mとなっている。そして、桐朋の敷地の東側にある低層住宅地約1.1haと同社の敷地の西側にある第一種低層住居専用地域約0.5haは高さ規制をそれぞれ10mとした。

 全体施行面積のうち明和の敷地は約20%だが、桐朋の敷地とその隣接の低層住宅地を除くと、同社の敷地割合は約84%に達する。地区計画が決定される前の明和の敷地は高さ規制がない建蔽率60%、容積率200%の地域だった。

 このことからも、マンション建設反対運動を主導した桐朋の関係者などと上原氏が結託して、まさに同社を狙い撃ちにした地区計画であることがわかる。地区計画は法的な強制力を持つため、その決定には関係権利者の合意を得て民主的に進めるべきなのに、上原氏と当時の議会はその手続きを無視した。暴挙と言わざるを得ない。

 一連の判決は、この地区計画の決定に至る手続きに瑕疵はないとしているが、これは今でも納得できない。

 もう一つ。記者は問題に〝火〟が付いたとき、不動産協会や日住協(現全住協)に「対岸の火事視してはいけない。このような暴挙を許せば、絶対高さ規制を行おうとする動きは燎原の火のごとく全国に広がる。業界全体として動くべき」と持ち掛けたが、どこも取り合ってくれなかった。当時、同社は飛ぶ鳥を落とす勢いにあり、同業他社はやっかみもあったのか、等閑視した。同社の故・原田利勝氏にも「泣く子と地頭には勝てない。和解を」と勧めたが、原田氏は首を縦に振ることはなかった。

 その後、事態は憂慮した通りになった。建築物の絶対高さ規制は良好な街づくりに絶対つながらない。むしろ逆だ。擁壁のように街と遮断し、日照・通風・居住性の劣るマンション建設を増やすだけだ。用途規制、日影規制なども含めた都市計画のあり方についてしっかり再検討すべきだと思う。

 上原氏は敗訴を受けて記者会見し、「市民自治を無視するもの。歴史に汚点を残す決定だ」(東京新聞)と怒ったそうだが、何人も法の下では平等ということをお忘れか。首長は権限が大きいからこそ、権力行使には公平・公正を期さなければならない。上原氏の暴走はその後の「景観保護」運動に大きな影響を与えた。功罪はあまりにも大きい。

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 裁判の確定を受けて、上原氏を支援してきた「くにたち大学通り景観市民の会」は2016年12月30日付で以下のような「ご報告とお願い」をネットで公開した。

 「(前略)この結果は、国立の大学通りの景観保護をめぐって努力してきた国立市民と国立市、当時の上原市長の「オール国立」ともいえる住民自治の営みを消し去ろうとする承服しがたい決定であると言わざるを得ません。

 (中略)上原公子さんがいま、国立市から請求されている賠償額は、約4400万円と巨額です(金利含め)。

 私たちは、この間のすべての経過を鑑みて、この額は、上原元市長ひとりで1円たりとも負担すべきものでないとの決意で向き合うことといたしました。

 これまで多大なご支援をいただいてきたことに加えて恐縮ですが、この度、募金を募る(ママ)ことを決めました。どうか、私たち決意をお受け止めいただきたく心より訴えさせていただきます」

 この「会」が中心になって進めたマンション建設反対署名には石原慎太郎氏など数万名が賛同したはずだ。

 政治理念の実現のためには「権限を濫用」し「信義則に反する」「不法行為」を堂々と行う人に対する支援であることを承知の上でなら、当時賛同した方々は寄付をしたほうがいい。一人当たり1,000円の寄付でお釣りが出るくらいの募金は集まるはずだ。

 寄付が集まらず、上原氏が金策に回らなければならないようでは、わが国の景観を守ろうとする勢力の鼎の軽重が問われる。

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