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2017/12/26(火) 16:44

「横浜北仲」「クオン流山・新浦安」「大山」 2017年 ベスト3マンション

投稿者:  牧田司

2017年 記者が選んだ 首都圏ベスト3マンション

三井不動産レジデンシャル・丸紅「ザ・タワー横浜北仲」

スターツ「クオン流山おおたかの森」&「QUWON(クオン)新浦安」

東京建物「Brillia大山Park Front」

 2017年の記者が選んだ首都圏ベスト3マンションは、①三井不動産レジデンシャル・丸紅「ザ・タワー横浜北仲」②スターツ「クオン流山おおたかの森」&「QUWON(クオン)新浦安」③東京建物「Brillia大山Park Front」に決定した。この1年間に見学した105物件の中から話題性、商品企画、売れ行きなどを総合的に判断し、なおかつ記者の独断と偏見も加味して選んだ。

三井不動産レジデンシャル・丸紅「ザ・タワー横浜北仲」

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「ザ・タワー横浜北仲」完成予想図

 「ザ・タワー横浜北仲」は、第1期730戸を登録完売させて驚かせた。マンション業界関係者ならよほどのへそ曲がりでない限りほぼ全員が今年の掉尾を飾るのにふさわしい物件と考えるはずだ。記者も文句なしに何の躊躇もなくこのマンションを選んだ。

 横浜市民にとって「みなとみらい」がもっとも住みたい街なのだろうが、記者はこの街を好きになれない。確かに利便性は高いが、大きなビルやマンションが要塞のように迫ってくる。それに比して街路樹が貧弱だ(まだ成長途上ではあるが)。

 「横浜北仲」もこれからの街だが、まだここには品格を備えた歴史的な雰囲気が残っている。すぐそばの「馬車道」には国の重要文化財に指定されている神奈川県立歴史博物館のほか、横浜市の歴史的建造物に指定されている建物がたくさんある。レトロなガス灯の街路灯、レンガ敷の舗道もある。

 坪単価は400万円を突破してくるのではと予想していたが、記者発表の段階では390万円と公表された(実際は400万円超という説もあるが記者は未確認)。これは割安感がある。ユーザーもそう判断したのだろう。第1期730戸が登録完売したのも全然驚かない。近い将来、中古の段階ではみなとみらいを逆転するとみている。

 隣接地にはアパの2,400室という巨大ホテルが建つが、設計が久米設計、デザインが新居千秋都市建築設計で、市の都市美対策審議会景観審査部会で侃々諤々の論議を経て決定されたはずだ。立派なものになることを期待したい。

坪単価390万円では計れない「ミクストユース」の価値あり三井レジ他「横浜北仲」(2017/11/16) 

スターツ「クオン流山おおたかの森」&「QUWON(クオン)新浦安」

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「クオン流山おおたかの森」完成予想図

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「QUWON(クオン)新浦安」完成予想図

 あとの2物件は各人各様、相当意見は分かれるはずだ。そのうちの1物件に記者は「クオン流山おおたかの森」&「QUWON(クオン)新浦安」を選んだ。ともに街づくりに力を入れた物件で、商品企画は甲乙つけがたいので双方を1つとして選定した。

 まず「流山おおたかの森」。この種のコンペでは、大手デベロッパーが選定されるケースが多いが、スターツは住友不動産、野村不動産の各グループ提案より入札価格では低かったにも関わらず、総合的な評点で上回った。千葉が発祥の企業として、持続可能な街づくり提案を行った熱意、意気込みが評価されたということだろう。これを記者も高く評価した。

 年末に第1期84戸の分譲を開始したが、これは全192戸の4割を越す比率だ。坪単価210万円というのは超割安だと思う。

 沿線では大量のマンションが供給されており、価格競争が激化している。この物件のあおりを受けないことを祈るばかりだ。

 「QUWON(クオン)新浦安」は、3.11後の街のブランド復活をかけた意欲的な物件だ。地盤改良の解析と工事のために約1年、24億円を投じた。そして敷地内に18,000本の砂杭を打ち、さらに敷地外周部に2,280本の杭を打っている。低層の全4棟170戸に免震工法を採用している-こんなマンションはほかにない。

 坪単価260万円は高いか安いか-これはユーザーが判断することだからこれ以上書かないが、第1期88戸がほぼ完売している。竣工は平成30年7月下旬。時間の経過とともに評価されるマンションだと思う。徒歩15分のハンディが何だ。戸建ての着工も待たれる。

超割安 免震、日建、横入り玄関…質も高い スターツ「クオン流山おおたかの森」(2017/11/9)

〝オールスターツ〟「QUWON(クオン)新浦安」始動 新浦安ブランド回復のシンボル(2017/8/9)

東京建物「Brillia大山Park Front」

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「Brillia大山Park Front」完成予想図

 最後の1物件は、悩みに悩みぬいた末に「Brillia大山Park Front」を選んだ。決め手は、同社の女性社員を中心とする企画集団「Bloomoi(ブルーモワ)」だ。プロジェクトチームが立ち上げられた2012年からずっと応援しており、要するに好きなのだ。同社の「Brillia Tower 代々木公園CLASSY」も候補の1つだったのだが、もっと高値挑戦(坪単価520万円)してほしかったので選外とした。

 〝女性活躍〟などといやらしい文言は使いたくないのだが、かといって、スローガンは立派でもあらゆる問題を隠ぺいするイチジクの葉っぱのような〝1億総活躍〟も使いたくないし、「2030」(2020年に指導的地位に占める女性の割合を30%にする政府目標)は夢物語なので、まだ賞味期限ではないと考え、エールを送る意味も込めてこの物件を選んだ。偏見のそしりは免れないが受けて立つ覚悟はある。

 もちろん女性チームが好きという理由だけでベスト3の一つに選んだわけでは決してない。別掲の記事を参照していただきたい。

 公園に面している立地条件もさることながら、モデルルームの出来が出色だ。昨年2月、「理想のリビング空間」としてメディアに公開された「アイランドキッチン」「ブルーモワライブラリー」「ブルーモワポケット」「壁面収納」を提案しているのがそれだ。みんな機能的で美しい。美しい=機能的と論じた丹下健三と同じだ。

 もう一つ、この物件の面白いのは、この最強の女性集団の商品企画意図を汲み、第1期86戸を完売した加覧憲一氏をトップとする男性中心の販売チームも立派なのだが、構成員はRBA野球では最弱の東建・東建不販チームに所属することだ。その一人、磯田隼人氏は人事異動で来年はチームから離脱することも決まった。野球チームは存続の危機にあるとみた。

 関係のないことまで書いたが、「Bloomoi(ブルーモワ)」がヒットするということは、男性の企画集団には何かが欠けているということであり、警鐘でもある。考えたほうがいい。

 「Bloomoi(ブルーモワ)」のプロジェクトリーダー野口真利子氏に最初にお会いしたのが7年前。もう一人、プロジェクトマネージャーの田所照代氏とはそれよりさらに数年前にインタビュー取材している。また取材して記事にしたい。テーマは「がんばれ東建野球チーム」にしようか。

東京建物「Bloomoi(ブルーモワ)」が企画 機能的で美しい 公園隣接の「大山」(2017/9/25)

東京建物 働く女性の「Bloomoi /ブルーモワ」に期待(2012/11/5)

記者が選んだ「2016年ベスト3マンション」(2016/12/27)

 

 

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