三井不動産レジデンシャル「パークコート青山 ザ タワー」
京阪電鉄不動産「ファインシティ東松戸」他2物件
モリモト「ディアナガーデン自由が丘」他4物件
「パークコート青山 ザ タワー」モデルルーム
今年(2016年)のベスト3マンションは、①三井不動産レジデンシャル「パークコート青山 ザ タワー」②京阪電鉄不動産の「ファインシティ」シリーズ3物件③モリモトの各物件-毎年、見学取材した物件の中から話題性、売れ行き、商品企画などを総合的に判断して選んでいるもので、今年は92物件が対象だった。
「パークコート青山 ザ タワー」(163戸)は文句なしの選定。業界関係者に今年のマンション3物件はどれかを問えば間違いなくこの物件がその一つに選ばれるはずだ。立地条件とユニークな商品企画は他を圧した。売れ行きも絶好調。都心人気を象徴した。
ほかの2物件は難航した。業界関係者でも10人中10人が異なる物件を選ぶのではないか。記者も同じで、〝これを選べばあれも〟と目移りする物件が多く、絞り切れなかった。
そこで、価格の高騰により売れ行きが鈍化する郊外物件の中にあって孤軍奮闘、〝価格破壊〟にチャレンジし、第一次取得層にターゲットを絞り込んだ京阪電鉄不動産の3物件「ファインシティ東松戸」(382戸)「ファインシティ王子神谷」(319戸)「イマジンテラス(ファインシティ横浜江ヶ崎ルネ)」(338戸)をひとくくりにして選んだ。
もう一つは、意匠デザインを含めた商品企画が際立ったモリモトの「ディアナガーデン自由が丘」(14戸)「ディアナコート浜田山」(32戸)「ディアナコート日本橋浜町」(44戸)「ピアース千代田淡路町」(71戸)など一連の物件をまとめて一つとして選んだ。
この3社の供給物件は、超都心の人気、コンパクトの激増と二極化、郊外不振など今年のマンション市場をくっきりと浮かび上がらせた。
「パークコート青山 ザ タワー」インフィニティ プール
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「パークコート青山 ザ タワー」は、分譲前からいくらで分譲されるのか、どのような商品企画になるか注目されていた。
記者は、前年もベスト3マンションに選んだ坪単価1,000万円の「パークコート赤坂檜町ザ タワー」の例もあるので、「青山」も単価はそれくらいになると読んでいたが、その通りになった。坪950万円と聞いても全然驚かなかった。
驚いたのはモデルルームだった。記事の見出しに「非日常の極み」と付けたように、曲線デザインをふんだんに盛り込んだ内装に目が眩み、あきれ返って隅々まで見学するのを忘れてしまったほどだ。
他のメディアも同じ反応を見せた。たくさん書かれているので、記者の拙い記事よりそちらを読んでいただきたい。
売れ行きも絶好調。一般販売住戸110戸のうち80戸に申し込みが入っている模様だ。事業協力者販売住戸53を含めるとすでに8割以上が売れていることになる。全322戸の「赤坂檜町」と比べると戸数規模は約半分だが、それでも都心部の高額物件では同業他社を圧倒した。
本当は同社の別の究極の億ションを選びたかったのだが、同社は「未分譲」としているので選外としたことを付け加えておく。
非日常の極み 「パークコート青山 ザ タワー」は坪単価950万円(2016/10/18)
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「イマジンテラス(ファインシティ横浜江ヶ崎ルネ)」収納
ここ数年、電鉄会社(系不動産)のマンション攻勢がすさまじい。神奈川県が地盤だったはずの相模鉄道(相鉄不動産)と京浜急行(京急不動産)は都内だけでなく埼玉、千葉方面にも攻め込んできている。
もともとマンションの供給が少ない京王、西武、東武、京成の各社はすっかり影が薄くなり、東急電鉄や小田急電鉄(小田急不動産)も霞むほどだ。とはいえ、電鉄各社はビル事業や再開発、その他の事業にも積極的に参入しており、デベロッパーを脅かしている。
ここに、関西の近鉄不動産、阪急不動産、京阪電鉄不動産、東海の名鉄不動産、三交不動産、さらに最近は西鉄不動産も参戦し、首都圏での事業展開を加速させている。これら電鉄(系)会社の首都圏マンション供給シェアは10%をはるかに突破するのではないか。
電鉄各社が首都圏マンションを主戦場とするのは、多角化の一環で、それぞれの地盤ではマーケットが小さいからだろうが、みんなの〝足〟である移動手段を独占している各社が手を組んだら(例えば契約者専用車両とか専用シート)、マンション4強(三井、三菱、住友、野村)に迫る。今のところその気配はないので、デベロッパーも一安心だろう。(かつて東武は自社マンション見学会のため新松戸に特急を停車させた)
前置きが長くなってしまったが、JRや私鉄各社と小さなマーケットで争っている京阪電鉄不動産はさすがというべきか。第一次取得層の取得限界を3,500万円と読み、徹底した差別化戦略で他を圧倒、存在感を示している。
今年分譲開始した「東松戸」「王子神谷」「横浜江ヶ崎」の3物件の販売戸数は合計1,039戸(JV含む)にのぼる。野村不動産の〝オハナ〟のお株を奪う勢いだ。
4月の販売開始の「東松戸」は現在まで250戸を契約している。驚異的な売れ行きだ。竣工まであと1年あるので、竣工完売は間違いない。
「王子神谷」「イマジンテラス」は現在までそれぞれ約170戸を成約済み。販売ペースは落ちてきているようだが、順調に進捗している。こういう会社を応援したい。
「ファインシティ東松戸」リンクガーデン
〝三方一両損〟で3,500万円の3LDKを死守 京阪電鉄不「東松戸」が大健闘(2016/8/26)
〝郊外不振〟跳ね返す 京阪電鉄不動産他「イマジンテラス」(2016/9/21)
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今年に始まったわけではないが、モリモトが相変わらず元気だ。今年見学したのは「ディアナコート浜田山」(32戸)「ピアース千代田淡路町」(71戸)「ピアース下北沢」(37戸)「ディアナコート日本橋浜町」(44戸)だが、このほか「ディアナガーデン自由が丘」(14戸)の記事を書いた。
圧巻は、坪550万円の億ションの「自由が丘」だ。モデルルームを設置せず、図面だけですでに11戸を契約済み。モデルルームなしで億ションを売る力のあるのは、他では三井不動産レジデンシャルくらいではないか。残り3戸は来春に一般分譲される。
「浜田山」も素晴らしい物件だ。設備仕様レベルは、都心の単価が600万円くらいの億ションに負けない。
坪単価420万円の「千代田淡路町」と坪単価440~450万円の「下北沢」はいずれもコンパクトで、瞬く間に売れた。こんな芸当をやってのけられるのはやはり他では三井くらいしかいない。
競合も多い「日本橋浜町」の一般分譲は来春だが、すでに友の会会員だけで15戸が販売済み。このマンションも商品企画が抜群だ。
なぜ同社のマンションがよく売れるのか、ヒントらしきことを同社関係者から聞いた。契約後の解約や内覧会での「イメージが異なる」などといったクレームはほとんどないそうだ。エレベータや共用部の掲示板にいたるまで神経を行き届かせているのが高く評価されているともいう。
「モリモトのデザインコード」が今年のグッドデザイン賞を受賞したのも納得だ。来年早々には、完成後の建物を見学して共用部分の細部についてレポートしたい。同社のすごさがまた見えてくるかもしれない。
「ディアナガーデン自由が丘」
「ディアナコート浜田山」
モリモトの億ション「ディアナガーデン自由が丘」 モデルなし 会員だけで残り3/14戸(2016/12/8)
モリモト「ピアース下北沢」 坪440~450万円でもコンパクトが人気(2016/9/30)
デザイン・プラン・仕様レベル高い モリモト「ディアナコート日本橋浜町」(2016/10/11)