岡本理事長(左)から表彰を受ける早坂氏
マンション管理業協会は12月7日、「マンションいい話コンテスト2018(管理会社編)」の公開最終審査・表彰式を行い、251通の応募作品の中からグランプリ(10万円分商品券)に大京アステージ技術統括部企画推進課・早坂章氏の作品「マンションライフだから、伝わるもの」を選んだ。早坂氏は昨年の特別賞に続き2年連続の受賞。
居住者から寄せられる生活音などのクレームをストレートに伝えるのではなく、掲示スタイルに工夫を凝らすなど状況に応じた「心配り」が必要と説いたことが評価された。
このほか、準グランプリ(5万円分商品券)に大和ライフネクスト マンション事業本部事業推進部企画統括課・大塚威氏、特別賞(3万円分商品券)に同 首都圏中央支社赤坂支店・野尻和子氏、野村不動産パートナーズ東京北支店業務三課・金丸奈央氏、佳作に9氏がそれぞれ選ばれた。
また、当日は、第2部として同協会海外研修参加者6名による「日本のマンション管理の未来像」が発表され、第3部では「マン活トレンド発表会 2018」として東京建物アメニティサポート社長・矢内良樹氏(同協会理事)&同社企画部事業企画グループ・丸山裕樹氏、大和ライフネクスト社長・石﨑順子氏(同協会副理事長)がナレッジセミナーを行った。
同協会理事長・岡本潮氏(東急コミュニティ会長)は、「われわれは、マンション居住者の財産価値と居住価値を維持・向上させていく大きな社会的役割を担っており、中期事業計画(2018~2022年)を確実に実現する」と締め括った。
石﨑副理事長(左)から表彰を受ける大塚氏
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コンテストでは、受賞者が発表されるたびにアドベンチャー映画のテーマ曲のような音楽が流れ、応援団が幟やプラカードを掲げ、法被姿で声援を送るのに気が取られ、その盛り上がりに圧倒され、肝心の各氏の作品紹介やコメントはどこかにすっ飛んだ。
早坂氏の作品はその通りだと思う。記者も賃貸を含めればマンションに40年以上住んでいる。入居者からの苦情、例えば上階の音、赤ん坊の泣き声、子どもを叱る声、風鈴の音、新聞配達の音、ハイヒールの音、ピアノの音などがうるさいなどの声が掲示板に張り出されるたびにうんざりした。人間が生活しているのだから当然ではないか、もう息をとめるしか人間を辞めるしかない、この社会は病んでいると。
マンションデベロッパーもそうだが、管理会社は建物の維持管理だけでなく、マンション生活を楽しいものにするためにコミュニティを醸成する役割も担っている。それらに関わる活動がきちんと評価され、報酬として受け取れるようにすべきだと思う。
応援団
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時間はわずか20分しかなかったが、海外研修参加者6名による「日本のマンション管理の未来像」のプレゼンもよかった。
ここで紹介する余裕はないが、6氏は今後のマンション管理に「管理者方式」を導入すべきと強調した。
記者も同感だ。建物の老朽化と居住者の高齢化が加速度的に進み、近年は居住のみではなく商業・業務・公益機能が併設された複合型も増加していることを考えると、現行の「理事会方式」では対応しきれなくなるのは間違いない。
「管理者方式」には利益相反という課題もあるが、実務に疎い専門家から構成され、費用もかさみそうな「第三者方式」よりははるかに実効性があるはずだ。同協会は毎月のように記者懇親会を行っているが、一度、関係者を呼んで勉強会をやってはどうか。
「日本のマンション管理の未来像」のプレゼンを行った海外研修参加者
マンション管理協 いい話コンテスト「かわら版って、いいよ!」 高橋さんグランプリ(2018/12/4)
住友建物サービス亀谷氏が最優秀賞 管理協「いい話コンテスト2017(管理会社編)」(2017/12/14)