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2019/02/18(月) 13:14

東急不ほか 全1,152戸の「豊洲」事業説明会に40名超の報道陣 〝愛〟に反応

投稿者:  牧田司

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「ブランズタワー豊洲」完成予想図

 東急不動産(事業比率55%)、NIPPO(同25%)、大成有楽不動産(同15%)、JR西日本プロパティーズ(同5%)は2月18日、江東区豊洲五丁目で開発を進めている「豊洲地区1-1街区開発計画」のタワーマンション「ブランズタワー豊洲」に関する事業説明会を行った。メディアの関心が高いのか、40名を超える記者が駆け付けた。

 物件は、東京メトロ有楽町線・ゆりかもめ豊洲駅から徒歩4分、江東区豊洲五丁目に位置する48階建て全1,152戸。専有面積は43.41~219.44㎡、価格は未定で、3LDKで8,000万円台の予定。竣工予定は2022年10月。施工は熊谷組。販売開始は今年10月上旬。6月にモデルルームをオープンする。

 現地は、約2.4haの東京ガスの元所有地で、2014年に東急不動産が取得。その後、冒頭の3社と共同で開発することとなった。敷地内には、マンションのほか生活利便施設、保育所が設置される。また、敷地の一部は江東区に小学校用地として譲渡されている。

 計画では、敷地に隣接する「東電堀」の水辺資産を取り込んだ約7,950㎡のプロムナードを整備。また、地域の継続的賑わいや活性化・価値向上に貢献するためエリアマネジメント手法を採用し、事業主がサポートする管理組合が主体の一般社団法人を設立する。財源には区分所有者からの会費とテナントへの賃貸料を充当する。

 説明会で東急不動産執行役員住宅事業ユニット首都圏住宅事業本部本部長・大谷宗徳氏は、「戸数は当社としては過去最大級。都心で『タワー』とつけるのも初めて。今秋より販売を始めるが、海に面した立地、敷地計画、利便性からいっても競合に負けない。即日完売を目指す」と語った。

 記者団の価格についての質問に、同部マンション開発第二部統括部長・武田敬氏は、「現段階では、3LDKで8,000万円台とまでしか公表できない。『月島』(三井レジ)がベンチマークになる。あと半年あるのでよく精査したい」と語るにとどめた。

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空撮

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プロムナード

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左から大成有楽不動産マンション事業本部長・糺幸男氏、大谷氏、NIPPO執行役員 開発事業部長・真田昭彦氏、JR西日本プロパティーズ執行役員不動産開発部長・前久司氏

◇       ◆     ◇

 「晴海シビックセンター」に設けられた事業説明会場に入ったとたん、報道陣の数の多さにびっくりした。大谷氏も「これだけたくさんの方が集まるとは予想していなかった」と切り出したほどだ。どれだけ多いか説明しないと分からないので、少し書く。

 昨年10月に行われた「HARUMI FLAG」説明会に参加した記者は約100名だった。ここには数では負けるが、事業主の数は「「HARUMI FLAG」は11社だ。今回は4社だから、1社あたりの数では「豊洲」の勝ちだ。

 今年に入って三菱地所レジデンスが立て続けに行った「本厚木」「高輪」「北千住」の記者見学会の参加者も多くて20数名だった。吉田社長、隈研吾氏も出席した画期的な「CLT」発表会だって40名はいなかったような気がする。

 過去にさかのぼったらどうか。記憶は定かでないが、あるいは6年前の三井不動産レジデンシャル「千代田富士見」と東京建物ほか「池袋」、5年前の東京建物「目黒」などが上回っていたかどうか。住友不動産が10年くらい前に行った見学会には50名集まったのは知っている。広報責任者が「うちは動員力があるんだ」と豪語したからだ。

 よって、記者の記憶に間違いがなければ、今回は10年ぶりの記者動員力ということになる。間違っていたら謝るほかない。

 しかし、皆さん、昔はもっとすごかった。17年前の8社JV「東京ツインパークス」は100名集まった。1社当たり12.5名だからこれが近年の記録かもしれない。

 馬鹿なことと思うかもしれないが、それだれ最近のデベロッパーのマンション記者見学会への動員力は落ちているし、メディアの〝見る目〟はどんどん退化・劣化している。

 なので、今回、これだけたくさんの記者を集めた関係者に拍手喝采したい。同社の「四番町」も「一番町」もこれほど集まらなかったはずだ。

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説明会場(晴海シビックセンター)

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建設現地(向こうの高層マンションは晴海)

◇      ◆     ◇

 ここからが本題。いちばん知りたかったこと、聞きたかったことだ。商品企画と価格だ。

 記者は、三井不動産レジデンシャルの「MID TOWER GRAND」記者見学会のとき、次のように書いた。

 「『豊洲』は中央区でなく江東区だが、ポテンシャルは負けていないと思う。『月島』が434万円なら400万円超はありうるような気がするがどうだろう。『月島』は制振で『豊洲』は免震。規模もはるかに大きい。チャレンジしてほしいが、戸数が1,230戸(本日発表は1,152戸)もあるのでそんな勇気があるかどうか」

 残念ながら今回は詳細な商品企画は明らかにされなかったし、価格も武田氏は「3LDKで8,000万円台。ベンチマークは『月島』」としか話さなかった。モデルルーム公開の記者見学会を行うそうだからそこまで待とう。

 同業の記者の方にも一言。こんなにたくさん集まったのは嬉しいのだが、最近の各社のマンション見学会に集まる記者の数から判断して、半数くらいの方は普段現場を見ていないのではないか。記者は現場を見ないジャーナリズムを信じない。自分の視点を持たないか、持とうとしないと言ったら言い過ぎか。これをきっかけに、是非とも周辺の湾岸マンションを取材して記事にしていただきたい。自らが情報発信者にならないとだめだ(していたらごめんなさい。小生は他の媒体はあまり読まない)。

 言い忘れたことが一つ。現場の囲いに「愛が、長続きするタワー。」と大書きされていた-これにいたく興味をそそられた。エリアマネジメントのことだろうが、愛が長続きするタワーマンションなんて想像もつかない。これだ、愛だ。昨年、大和ハウスの正月のTVCM「物流に愛《AI》を。」が最高に面白かった。みんな「愛」に飢えている。ここに切り込めば大ヒットするのではないか。間違っても「HARUMI」などと価格競争すべきではない。

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工事現場の囲い

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左側がマンション建設地。手前が公園、その奥が東電堀

聞きたいことは不明 オリ・パラ選手村の街の名称「HARUMI FLAG」来春分譲(2018/10/31)

三井レジ 「月島」再開発タワー「MID TOWER GRAND」第1期189戸 坪単価434万円(2018/7/17)

分譲では初か オーバル型の中庭がいい20数年前の〝アート〟蘇る 野村不「東雲」(2018/11/15)

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