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2020/06/07(日) 16:15

新型コロナ感染者 宣言解除後は20代男性が最多〝夜の街〟自粛呼びかけ 効果あるか

投稿者:  牧田司

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 「東京アラート」が発令されてもなかなか新型コロナ感染者が減らない。それどころか、小池百合子都知事の発言をきっかけに俄然〝夜の街〟がクローズアップされ、夜の黒(闇)と強烈な赤のせめぎあいが不気味さを増している。

記者の記憶に間違いがなければ、それまでの「接客を伴う飲食業」というオブラートに包まれた言葉から〝夜の街〟へと一歩踏み込み、さらに「新宿」(歌舞伎町)を結び付けたのは東京アラートを発令した62日の発言ではなかったか。

小池都知事は、この日開かれた新型コロナウイルス感染症対策本部会議で「新規感染者34人のうち、一定の割合の方がいわゆる夜の街関連と見られており、うち約半数が新宿エリアの飲食・接客関係者という報告を受けている」と言及。初めて〝夜の街〟と新宿を結び付けた。同日夜の会見でも「かねてより申し上げている夜の街の関連。新宿エリアの飲食・接客業関係者が多い」と述べた。

そして64日、自らのface bookで「このところ若い世代の新規感染が増加傾向で、特にホストクラブなど夜の街での感染が一定数確認されています」と綴った。

翌日の65日には「都民の皆さんに対して街頭での注意喚起、それから周辺区域での呼び掛けをいたします」とし、同日19時から歌舞伎町周辺で多羅尾 光睦副知事を先頭に都民に自粛を呼びかけた。

メディアの〝夜の街〟についての質問には「なかなかこの辺の表現が難しゅうございます。夜の街といっても、もう本当にしっかり対応していただいているところも、老舗のお店などがあったりもしますし、片や、あまり頓着していないようなところもあることも聞いております。いわゆる夜の街ですけれども、過去にクラスターが発生されたとされます接待を伴う飲食店、分かりやすく表現したものであります」とし、「それを利用する側に気を付けていただくのが一番効果的ではないかというふうに思っており」と説明した。

都の発表によれば、531日~66日の1週間の感染者138人のうち〝夜の街〟関連の感染者は56人で4割を占めるという。

       ◆     ◇

記者は、「新宿二丁目」のバーには何度か入ったことがあるが、さすがにホストクラブは一度も利用したことがない。「利用者」とはどのような人か小池都知事がご存じかどうか分からないが、圧倒的に多いのは〝稼ぎ〟がいい若い女性の風俗関係者だと言われている。

そこで調べてみた。別表は緊急事態宣言が解除された525日から66日までと、宣言解除前のそれぞれ13日間の感染者属性を見たものだ。

驚くべき結果が出た。宣言解除後の若者、とくに20代の男性が激増しているのだ。解除前は11人だったのが、解除後は48人へ約4.4倍に増加し、年代別・性別で最多となり、全体に占める割合も7.5%から22.0%へと増えている。30代の男性もほぼ同様に11人から40人に激増している。

解除前の13日間で27人と他の年代・性別で最多だった20代女性はどうかというと、24人へと若干減少はしたが、20代男性、30代男性に次ぐ多さだ。

この数値は小池都知事が危惧する〝夜の街〟関連と符合するかどうか断定はできないが、無関係でないことは明らかだ。名指しされたホストクラブ従事者(多分若い男性)がやはり利用者の若い女性に感染しないかどうか心配だ。

なぜ若い男女の感染者が多いかはこれ以上書かない。一つだけ言えるのは、〝夜の街〟関係者も働かなければ生きていけないということであり、生活に余裕がない人が多いからではないか。〝夜の街〟自粛の呼びかけだけで減るかどうか疑問だ。

若い男女に小池都知事の声は届いているのか、みんなで考えるべきだ。

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