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2020/09/25(金) 16:49

またまた10年前の感動蘇る 大和ハウス 分譲・物流に関する勉強会 戸建てV字回復

投稿者:  牧田司

 大和ハウス工業は9月25日、同社の全国の分譲マンション・分譲住宅販売状況や物流施設の稼働状況の取り組みに関するメディア向け勉強会を行った。勉強会は、近く発表される基準地価に関する記事を書くための参考となるよう開催されたもので、業界紙だけでなく一般紙の記者も多く参加した。

 分譲マンションは同社マンション事業推進部 営業統括部部長・角田卓也氏が、戸建て分譲住宅は同社住宅事業推進部 営業統括部 分譲住宅グループ グループ長・本間生志氏が、物流施設は同社建築事業推進部 営業統括部Dプロジェクト推進室室長・井上一樹氏がそれぞれの最近の事業概況について説明した。以下、概要を紹介する。

【分譲マンション】

 ①首都圏の供給物件の価格は依然として高水準を維持。都心5区(中央、千代田、港、新宿、渋谷)は2019年より約12%上昇、平均坪単価590万円となっている。市場が大手の寡占状態にあり、新型コロナの影響も鑑み、供給計画のバランスを図っているため、現段階では価格下落の傾向は見えない。

 ②近畿圏においても約4%の価格上昇。価格下落の傾向は見えない。地方都市においては、複合開発を含む主要な駅周辺の再開発案件等について特に進捗が見られる。

 総じて、コロナによる緊急事態宣言解除後は、来場・契約において、8月以降は(コロナ前の)1月~2月と比較し、遜色のない数値にまで回復。特に実需層における購買意欲が顕著に見受けられる。

 ③賃貸レジデンスに関しては、金融緩和を受けて不動産投資家の物件取得が堅調。そのため都心エリアを中心に、賃貸マンション向け土地取引が活発である。その結果、マンション事業用地においては依然競争が厳しく、コロナの影響は見受けられない。

 ④一方ホテルについては、出店計画の見直しに伴い、売買の成約に慎重な姿勢が見受けられ、マンション用地との競合は減少傾向にある。

 ⑤新型コロナウイルスの収束が不透明な状況ではあるが、日本の不動産市況における影響が諸外国に比べ、限定的であるという判断から、早い段階で海外投資家のニーズが回復する可能性がある。

【戸建て分譲住宅】

 同社の仕入れ施策としては、エリアの一等地購入を中心とした小規模区画、事業部連携の大型案件、他社との競合を避ける共同仕入れに注力し、企画施策としては首都圏での3階建て強化、新商品・木造分譲の強化、家事シェアハウスをはじめとするコンセプト住宅の供給など。

 2019年11月に販売開始したライフジェニックは累計320棟を販売。コンセプト住宅の「家事シェアハウス」は2020年7月4日~26日に実施した全国一斉見学会には6,278組が来場。テレワークスタイル提案は11月以降に投入する予定。門柱付近の玄関先に設置しても違和感のないデザインの「Next-Dbox」を2020年10月から販売開始。

【物流施設】

 同社の2020年3月期売上高4兆3,802億円のうちセグメント別では26%の事業施設がトップで、戸建住宅の11%、賃貸住宅の22%、マンションの8%をはるかにしのぐ。

 成長ドライバーである物流施設を中心とする事業施設への投資を図るため、第6次中計画の当初予定投資額3,500億円を6,500億円へ3,000億円積み上げることに修正。

同社調べによる開発会社別の物流施設シェアは開発面積、件数ともトップ。数字は開発面積、シェア、件数の順。

1 大和ハウス工業 6,378,964㎡ 19.9%  217件
2P社        6,092,094㎡    19.0%  94件
3G社       2,254,032㎡    7.0%  30件
4M社          2,174,905㎡   2.4%   28件
5 E社        1,842,336㎡  4.3%   21件
全施設計     31,986,036㎡      671件

◇       ◆     ◇

 分譲マンション市況については、記者も極力現場に足を運ぶようにしているので角田氏の説明はすんなり理解できた。その通りだと思う。テレワークの浸透で郊外マンションが活性化しつつある。

 角田氏に、「マンションブランドは御社のプレミストを含めパーク・ホームズ、パークハウス、プラウド、ブリリア、ブランズも大手は全て〝ハ行〟。コンセプトによって複数のブランド名にしているところがあり、総合ギャラリーを開設しているところがあるが、御社はどうか」と質問した。角田氏はブランドの追加、総合ギャラリーの開設の予定はないと話した。

 戸建て分譲は、同社を含めた大手ハウスメーカー・デベロッパーと分譲戸建て専業のデベロッパー、メーカーなどとはターゲットが異なり、一概に断定的なことは言えないが、本間氏は「価格上昇、競争激化、消費増税などの影響で当社だけでなく各社とも昨年は売上戸数を減らした。今年も当社はコロナの影響で第一四半期の数値は大幅に前年同期を下回ったが、7月以降はV字回復。上半期の減少を下半期に取り戻したい。売上戸数は前期の2,000戸若干下回る1,900戸くらいを予定している」と話した。

 本間氏はまた、「回復が著しいのは首都圏の多摩エリア(ニュータウンとは言わなかったが)と千葉ニュータウン」と話した。これも納得だ。これらの戸建ては、土地が30坪、建物が30坪の都市型戸建てと異なり、土地は40坪以上確保され、緑環境など住環境もよく、第一次取得層でも手が届く価格帯にある。

 井上氏は施設事業について、①ゼネコンとしての施工能力の高さ②デベロッパーとしての土地選定能力③不動産証券化の仕組み-の3つの強みを強調した。稼ぎ頭だから当然かもしれないが、まだまだ話し足りなさそうだった。

 ◇      ◆     ◇

 昨日(9月24日)は、同社のリノベーションマンション「リブネスモア戸田公園」の取材現場で、20年以上前に取材した山梨県甲府市の「双葉・響きが丘」の同社の担当者・佐々木祐輔氏から声を掛けていただいたが、今日(9月25日)は、2011年11月に取材した千葉県千葉市の開発面積約369haの「かずさの杜 ちはら台」の同社担当者・鈴木光章氏から声を掛けられた。名刺の肩書は「住宅事業推進部東日本住宅設計室一課主任 一級建築士 一級建築施工管理技士 一級造園施工管理技士 インテリアプランナー」とあった。

 感動的な取材をした記憶がまたまた蘇った。ここも素晴らしい大規模住宅地だ。当時の記事も添付したのでぜひ読んで頂きたい。

 同社も分譲戸建ては都市型戸建てが中心になっているが、分譲戸建ての見学の醍醐味はやはり大規模住宅地にある。機会を見つけて取材したい。

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