「nears(二アーズ)川崎」
コスモスイニシアのシェアレジデンス「nears(二アーズ)川崎」とシェアオフィス「MID POINT川崎」を見学した。まず前者から。
「nears」は、従来のシェアハウスや一般的な賃貸住宅にはなかった要素をハード・ソフト両面に取り入れ、プライベート空間を維持しながら、入居者同士が“ゆるやかにつながる”心地よい暮らしを実現する新しいタイプのシェアレジデンス。
ハード面では、約100㎡の共用フロアには複数の用途に対応した空間を備え、気分やすごし方に合わせた居場所の選択が可能とし、全居室にトイレ・シャワー室・洗面など水回りを完備、収納スペースや家具家電の配置に工夫を施している。
ソフト面では、コミュニティデザイナーを採用し、入居者同士の会話のきっかけづくりや共用フロアに集まる仕掛けを実施。コミュニティインフラツール「station」を全国で初めて賃貸住宅に導入し、オフラインとオンラインの両面から入居者同士のコミュニケーションを促進することで、“ゆるやかな隣人”が生まれやすい環境を提供する。
さらに、スマートロック、freeアルコール、Freeコーヒー・ナッツ、ライブラリー、引っ越し&買取、クラウド倉庫などのサービスも行う。
物件は、JR川崎駅から徒歩4分、川崎市幸区中幸町3丁目に位置する14階建て69戸(他に共用スペース、店舗2戸)。専用面積は14.4㎡66戸と18.2㎡3戸。賃料は14.4㎡が賃料99,500円+共益費で122,500円/月~、18.2㎡が126,000+共益費で149,000円/月~。契約期間は3か月、1年、2年の選択が可能。竣工は2021年10月22日。入居開始は11月21日。
共用部
ライブラリー
◇ ◆ ◇
前段はほとんどプレス・リリースのコピペだ。記者はこれまで「シェアハウス」を見学したのは数えるほどしかなく、いいのか悪いのかさっぱり分からないので、そうするほかないからだ。
見出しに「めっちゃ、珍しい」と取ったのは、女性担当者がそう話したからだ。記者はこれまで「めっちゃ」など使ったことは一度もないが、これほど端的に特徴を言い表した言葉はないのではないか。
その「めっちゃ、珍しい」のはシャワー室、トイレ、洗面などの水回りが完備していることと、乾式戸境壁は分譲マンション並みの138ミリ確保することで遮音性を高めていることだ。一般的なシェアハウスの水回り共用部分にしかなく、使いたいときに使えないケースも多く、遮音性が劣るものも少なくないそうだ。
なるほど。シャワー室にはタオル掛けが付いていたし、トイレも便ふたが自動開閉するタンクレスだった。これは単価が低い郊外マンションよりランクは上かもしれない。戸境壁も最近は薄いものを採用するケースが増えていそうな気がする。
共用部分の水回り備品もいいものが採用されていた。ダイニングテーブルは〝この木なんの木〟で知られるモンキーポットの無垢材だったが、価格は70~80万円はするはずだし、炊飯器、湯沸かしポット、トースターなどは「BALMUDA」だった(「BALMUDA」を知らないのはあなただけとかみさんに言われた)。
隔週土曜日にはfreeアルコールを設け、予算内ではあるが地ビールや入居者ゆかりの日本酒を提供するという。酒飲みにはたまらないサービスだ。
難点は喫煙が居室も共用部分では不可で、1階まで下りないとだめだという。喫煙は文化だ。多様性の時代だ。ホテルもそうだが、専用部での喫煙は認めるべきだと記者は思うが、どうだろう。
モンキーポットの無垢材のテーブル
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