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2023/10/28(土) 08:11

食・農・緑…地域共生テーマに専門家とコラボ ポラス 全70戸「yoridokoro上尾」

投稿者:  牧田司

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yoridokoro(拠りどころ)上尾」

ポラスグループ中央住宅は1027日、地域共生型分譲戸建て「yoridokoro(拠りどころ)上尾」のメディア向け見学会を行い、モデルハウス内覧会を1028日(土)に開始し、第1期を1110日に開始すると発表した。35区画の分譲地が2つ繋がる全70戸の、同社グループが上尾市内で分譲する最大規模の住宅地。地域と関わる専門家8名とコラボしたプロジェクトだ。

物件は、JR高崎線桶川駅から徒歩17分、埼玉県上尾市大字上字熊野の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80)に位置する全70戸。土地面積は120.10185.39㎡、建物面積は90.0495.25㎡、第1期(1213戸の予定)の予定価格は3,000万台前半~5,000万円前半。全体竣工は2024年8月の予定。

コンセプトは「地域共生」。上尾市やその周辺地域で活躍する農業経営、盆栽家、ネコの保護団体、キャンドル製造、タタミ製造、キッズ食育トレーナー、知育・脳育アドバイザー、女性の起業サポーターの8名の専門家とコラボし、入居後もワークショップを開き、個別相談にも対応していくのが特徴。

見学会の冒頭、同社戸建分譲さいたま事業部大宮営業所事業所長・関一匡氏は、「当事業所は浦和・大宮以北を中心に2007年から事業展開している。70戸という規模は当社として過去最大級。地域密着をコンセプトに、様々な専門家の方とコラボした。社内からも期待されているプロジェクト」と語った。

続いて登壇した同社戸建分譲設計本部設計一部営業企画設計課課長・古垣雄一氏は「2年前、伊奈町でマルシェを行っていた農家さんに声を掛けたことがきっかけとなり、今回の提案にたどり着いた」と話し、同課主任・菅原雄太氏は「地域密着に深く踏み込んでプランに落とし込んだ。専門家の好意で成り立ったプロジェクト。入居者の方には新たな豊かな暮らしを発見していただきたい」と話した。

大宮事業所主任・佐々木真央氏は、「この3か月間で問い合わせは58組。モデルハウス来場予約は26件。地元居住者が中心だが、東京・神奈川、千葉も2割に達するなど、子育てファミリーの注目度が高い」と説明した。

伊奈町でマルシェを行っていたのは、ベジタブルボーイズカンパニー代表・大橋一幸氏(38)で、大橋氏は「豊かな暮らしと『食』『農』はつながるものがある。住宅購入者の方と関わると、明日も頑張れというエネルギーをもらえる。様々な提案を行い、小さなつながりを造っていきたい」と話した。

屋号「鉢乃木屋」の盆栽家・齊藤真之氏は「大学の専攻は建築で、ゼネコンに8年務め、30歳になる直前に目覚め、一念発起して盆栽に没入し、今年5月に独立。妻と一緒に店を立ち上げた。アーティストなど様々な分野の方とコラボしていきたい」と語った。

モデルハウスは2棟で、1棟の2階建てには齊藤氏の作品がたくさん展示されており、もう1棟の平屋はキャットウォークが提案されているのが特徴。主な基本性能・設備仕様は、同社の標準である天井高2700ミリ、樹脂サッシ、ソフトクローズの引き戸・開き戸、挽板の床、現しの柱・梁、桐のデザイン壁などのほか、ビルトインコンロ「デリシア」、ハイブリッド給湯器「エコワン」など。

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モデルハウス(2階建て)

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モデルハウス(平屋)

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左から関氏、古垣氏、大橋氏、齊藤氏、菅原氏、佐々木氏

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齊藤氏(左)と大橋氏(大橋さん、貴殿が醜男と言っているのではない。念のため)

        ◆     ◇

 専門家とコラボするマンション・分譲戸建ては珍しくないが、地域に特化したこれほど大掛かりな戸建てプロジェクトは少ないはずだ。

 大橋氏と二言三言話しただけで旧知の仲のような気がした。記者も田舎の農家育ちだからだ。経営する農地は17町歩(1町は約1ha、多くは借地)で、従業員14名、パートを含めて35名の規模というから凄い。その苦労はよく分かる。農業で生計が立てられる世の中になってほしい。

 齊藤氏は、盆栽家として独立したばかりというのに、粋な和服姿がすっかり板につき、その道を究めた大家に見えた。憎たらしいほどいい男ではないか。

 記者はこれまで、マンションや分譲戸建て、その他の施設のフェイクグリーンをやめよと100本くらいの記事を書いてきた。齊藤氏はそれを実現してくれる傑物と見た。記者の目に狂いはない。

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齊藤氏の作品(左からセイヨウガマツカ、セッカヒノキ、ヤツブサイチョウ)

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齊藤氏

        ◆     ◇

 「地域共生」について。同社グループが今年6月に分譲開始した「防災」「環境」「自助」「共助」「コミュニティ」「環境」をテーマにした「ディスカバリープロジェクト東武動物公園 コネクト・コミュニティ」でも感じたが、難しいテーマによくぞ挑戦したと思う。佐々木氏は「どこでもできる」と語ったが、これまでどこも行わなかった。

 上尾市の令和3年度の分譲住宅着工戸数は482戸だ。今回の物件はその約15%だ。常識的に考えれば、完売まで2年、3年くらいかかっても不思議でないが、同社は早期完売を目指しているのだろう。

 価格は、見学する前に4,000万円台の前半だろうと読んだが、ほぼ予想通りだ。同業の記者の方は平屋が5,000万円を突破することに驚いていたが、驚くに値しない。建ぺい率、容積率からして土地を広くしないと平屋は建たないからだ。5,000万円を超えるのはその1戸のみだろう。平屋好きはどこにでもいる。

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yoridokoro(拠りどころ)上尾」モデルハウス(右が平屋)

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現場近くのたわわに実った柿の木(何本もあった)

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桶川駅西口のケヤキの街路樹(予算の関係か右のみ強剪定。街路樹はシンメトリーだから美しいのに、行政はこのようなことを平然と行う。業者はそれに従う。市民は異議を唱えない。つまり、いつまでたっても美しくないということ)

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