三井不動産とMIXIは5月29日、千葉県船橋市の収容客数1万人規模の大型多目的アリーナ「LaLa arena TOKYO-BAY(ららアリーナ 東京ベイ)」が竣工したのに伴うプレス説明会・内覧会&お披露目イベントを開催した。プレス説明会・内覧会には約200人が駆けつけ、お披露目イベントには、千葉交響楽団ウェルカム演奏が行われ、三井不動産・植田俊社長、MIXI・木村弘毅社長、松戸徹船橋市長をはじめ、日本バスケットボール協会・三屋裕子会長、ジャパン・プロフェッショナル・バスケットホールリーグ・島田慎二チェアマン、千葉ジェッツふなばし・田村征也社長、同・富樫勇樹選手、プロフィギュアスケーター・宇野昌磨選手、船橋市在住の梨の妖精・ふなっしーも参加して、抽選で当選した招待客約2,500人と完成を祝った。
お披露目イベント テープカット
施設は、JR南船橋駅から徒歩6分、敷地面積約20,000㎡、地上4階建て鉄骨造の延床面積約31,000㎡。収容客数は約11,000人。設計・施工は清水建設。両社で設立したTOKYO-BAYアリーナマネジメントが施設運営・管理を行う。一次エネルギー消費量を30%以上削減し、「ZEB Oriented」認証を取得している。
外観デザインは、船の航跡とジェット気流をイメージした有孔アルミパネルで躍動感を演出。アリーナ空間は音楽コンサートやプロバスケットボールゲームなどの演者や選手と客席の距離が近く感じられることを目指し、すり鉢型のボウルデザインを採用している。
メインアリーナは4フロア構成で、昇降可能な約423インチのセンタービジョンと、アリーナ内を囲むように全長約120mのリボンビジョン(1か所あたりの長さ約40m)を常設。可動席により2パターンのステージ利用が可能。
食事を楽しみながら観戦・鑑賞も可能な「VIP ROOM」「VIP BOX」、大人数で楽しめるスタンド席「Balcony」、イベントの前後も楽しめるラウンジ空間「VIP LOUNGE」「BOOSTER SQUARE」を3階に設置。メインアリーナに隣接する約720㎡のサブアリーナも設置している。
お披露目イベントで三井不・植田社長は「スポーツ・エンタメを通じた街づくりは当社の重点テーマの一つ。アリーナ事業は初のプロジェクトで、熱狂、感動、興奮を提供していく。商業施設とのシナジー効果も高い。感動の街づくり、盛り上がりに期待していただきたい」とあいさつ。
MIXI・木村社長は「これまでにないインタラクティブを駆使して新たなバスケット観戦のスタンダードを提供していく。より豊かなコミュニティを創造することを誓います」と語った。
松戸市長は「様々な期待をもって完成を心待ちにしていた。全国から愛されるアリーナに期待したい」と述べた。
三屋氏は「最初に感じたのは、わっ、すごい。見やすい。その次は千葉ジェッツが羨ましいでした。みなさん、しっかり背中を押してやってください」とエールを送った。
三井不動産は、40年以上にわたって「三井ショッピングパーク ららぽーとTOKYO-BAY」をはじめとした商業施設や屋内型スケートリンク、住宅、物流施設などさまざまな事業を展開。アリーナの誕生を機に、スポーツ・エンターテインメントの力を活用し、さまざまなイベントによる非日常の感動体験とイベント前後の買い物や食事など一日中楽しむことができる環境を提供する。
MIXIは、スポーツ、ライフスタイル、デジタルエンターテインメントの3つの領域でコミュニケーションサービス事業を推進しており、スポーツ領域ではプロスポーツチーム「千葉ジェッツ」「FC東京」の経営などの観戦事業、車券販売のプラットフォームサービスの提供など公営競技事業を展開している。施設は、千葉ジェッツのホーム・アリーナとなる。
千葉ジェッツは、2016年のB.LEAGUE開幕から4シーズン連続で観客動員数1位となり、天皇杯では2017年からの3連覇、昨年から2連覇の合計5回優勝。リーグ戦でもB.LEAGUE FINALS 2020-21で初制覇を達成したほか、昨シーズンは24連勝や最高勝率(88.3% 53勝7敗)といったB1リーグ記録を更新。MIXIと2017年からパートナーシップ契約を締結。2019年からはグループ会社となっている。
この日(5月29日)には、吉村洋文・大阪府知事、横山英幸・大阪市長、三菱地所執行役常務・大野郁夫氏も出席するうめきた2期地区開発事業「グラングリーン大阪」先行まちびらき100日前記念イベントが行われ、「ららアリーナ 東京ベイ」のお披露目イベントと重なったため、どちらを選択すべきか同業の記者に尋ねたところ「『うめきた』はこれから何度も取材機会がある。『ららアリーナ』を優先すべき」と言われたのでそうした。大正解だった(当の記者の方の姿は見られなかった)。
小生は、バスケットボールに関心はないのだが、平日にもかかわらず老若男女を問わず大勢の招待客が列をなして集まる光景に目を奪われた。
5~6組に話を聞いた。30代の夫婦は「千葉ジェッツファン。お目当ては富樫選手とふなっしー、宇野昌磨さん。千葉ロッテ? 野球には興味ありません」と奥さんが答えた。このほかの方々もほとんどが千葉ジェッツファン。ロッテファンは3組くらいだった。
お披露目イベントでも、富樫選手の登場に誰よりも大きな拍手が会場内に響き渡った。富樫選手はわが国初のプロバスケットボール1億円プレーヤーだそうだ(プロ野球の日本人1億円プレやーは100人近いはず)。
「ららアリーナ」は千葉ジェッツのホーム・アリーナになり年間30試合の公式戦が行わると聞いたが、365日運営するにはバスケの試合の10倍以上のスポーツイベント、コンサート、催しなどを開催する必要があるが、関係者は自信を見せていた。(記者はホテルがないのは弱点だと思うが)
プレス説明会で、どこかの記者の方から「この種のアリーナでは見えないという課題がある」という質問が飛んだ。その方はバスケではなく、コンサートなどのことを尋ねたようで、同社執行役員 商業施設・スポーツ・エンターテインメント本部副本部長兼リージョナル事業部長・肥田雅和氏は「ステージが見えないという声があるのは承知している。対策として客席の勾配を35度にするとか座席の間隔に工夫を凝らすなどしている」と答えた。
3階のVIP LOUNG・ROOM・BOX・BAICONYも見学した。東京ドームのそれと比べ豪華さではやや劣るが、バスケフロアまで距離は近く、一等席になるという説明には納得もした(千葉ジェッツの1試合観客動員数は4,395人。2023年の巨人は12球団で阪神に次ぐ2番目で38,145人。わが西武は楽天より少し多い11番目の20,040人)。その他のイベントも同じだろう。収容客数が少ないメリットがある。