「ジオ荻窪」
阪急阪神不動産が5月上旬に分譲する「ジオ荻窪」99戸の現地を見学した。駅からの商業エリアを抜けた1低層に位置する大規模物件で、善福寺川に隣接。意匠設計に著名な会社を起用するなど、首都圏初の常設総合マンションギャラリー開設の第一弾にふさわしい意欲的な物件だ。価格次第で圧倒的な人気を呼ぶ可能性があると見た。
物件は、JR荻窪駅から徒歩12分、杉並区荻窪二丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率41.69%、容積率99.98%)に位置する敷地面積約7,013㎡、4階建て全99戸。5月上旬に分譲する第1期(戸数未定)の専有面積は54.93~84.61㎡、価格は未定。竣工予定は2026年3月下旬。売主は同社のほか相鉄不動産。販売代理は阪急阪神不動産。施工はファーストコーポレーション。設計・監理・デザイン監修は長谷建築設計事務所。
現地の従前は企業社宅。敷地北側は善福寺川、南側は区立中学。三方に接道。建物はコの字型の3棟構成で、ZEH-M Orientedのほか「いきもの共生事業所認証(ABINC認証)」を取得済み。
住戸棟から独立した木造のエントランス棟を設計した三井ホーム、地元産材のブナの木工家具などで知られる飛騨産業、業界に先駆け照明器具のLED化を実現した遠藤照明、わが国を代表するランドスケープ企業の石勝エクステリアなどとコラボしているのも特徴の一つ。
完成予想図
完成予想図
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この記事は、先日書いた同社の常設総合マンションギャラリー「ジオ ゲストサロン 新宿」の記事と一緒に読んでいただきたい。その記事では「ジオ荻窪」の分譲単価予想は坪700万円としたが、現地をみて同社はそこまで高値追及しないと読んだ。
駅からの大半は1低層の住宅街というのはいいのだが、一休みしてタバコを吸い、酒を飲んだりする飲食店やカフェなどがないのは難点だ。(都市計画法34条1号店舗と同様、1低層での用途規制は緩和すべき)
しかし、商品企画には相当力が入っており、同社の首都圏での記念碑的物件になると確信した。設計・監理・デザイン監修は長谷建築設計事務所のほか、それぞれの分野のプロを起用していることにそれが読み取れる。
長谷建築設計事務所のホームページに紹介されているマンションの作品の中で記者が見学取材したのはモリモト「ディアナコート浜田山」のみだが、素晴らしいマンションだ。記事を添付したので読んでいただきたい。
基本性能、設備仕様レベルも、サロンで見学した通りだろうから間違いなく水準以上だ。細かいことだが、トイレドアノブは壁面まで後退させており、浴室タオル掛けも2か所ある。住戸プランは平凡な田の字型でなく、横入り玄関タイプが多い。これも強調材料だ。
価格がいくらになるか、売れるか売れないか、今後の市場動向を測る試金石でもありベンチマークになる可能性を秘めたマンションだと思う。
現地
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同社は4月22日、これからの100年間も「お客様から真っ先に選ばれるサービスや体験」を提供し続けるデベロッパーとなることを目指す「DXビジョン」の具現化の一つとして、新たなプロジェクトチーム「FUTR LABO」を同日設立したと発表した。
今年度の主な取り組みは①ウェルビーイング×オフィスワーカーアプリの実装検討②ビッグデータ×不動産で未来を創る商業施設とオフィスのバリューアップへの挑戦③インバウンド×長期滞在 滞在価値を革新する次世代住環境プロジェクトの3つ。
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