
「Asu-haus(アスハウス)横浜青葉モデル<榧日(ひび)>」
旭化成ホームズは2月4日、高断熱・高気密住宅ブランド「Asu-haus(アスハウス)」の賃貸住宅実証実験棟「横浜青葉モデル<榧日(ひび)>」が完成したのに伴うメディア向け見学会を行った。横浜市青葉区の戸建て住宅街の一角に位置する、木造2階建て長屋建て店舗兼用住宅3戸で、職住一体の暮らしを提案しているのが特徴。今後年末まで入居者調査を通じて木造事業を本格的に立ち上げるかどうかを決定するという。
建物の特徴は、①断熱等級7、耐震等級3、全館空調を全住戸標準採用し、快適性と省エネを両立②職住一体の新しいライフデザインを提案する店舗兼用賃貸住宅③駅から離れた低層エリアの緑豊かな環境を生かしつつ、地域のコミュニティ形成を図り〝オールドニュータウン〟の課題解決につなげる-この3つで、賃貸オーナー・入居者・地域社会の〝三方良し〟の持続可能な賃貸事業モデルの構築を目指す。
物件は、東急田園都市線あざみ野駅から徒歩21分(バス5分徒歩4分)、横浜市青葉区大場町の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する敷地面積約320㎡、木造軸組工法2階長屋建て全3戸。専用面積は78~82㎡(店舗面積は規制により3戸で50㎡以下)、想定家賃は31~32万円。入居は3月予定。
運営に当たっては、賃貸住宅の企画・運営や不動産・都市プロデュース、公共空間活用、店舗運営などを展開する株式会社まめくらしとコラボし、コミュニティ支援イベントを行う。
今後、2026年12月にかけて、設定家賃での入居状況や入居者ニーズ、地域コミュニティとの形成など入居者調査を通じ、提案が市場に受け入れられるかどうかを検証し、木造住宅市場に本格的に参入するかどうかを決めることになっている。
同社は1972年の創業以来、戸建住宅「ヘーベルハウス」と賃貸住宅「ヘーベルメゾン」を中心に事業展開してきたが、今後は人びとの「いのち・くらし・人生」全般を支え続けるLONGLIFEな商品を通じてウェルビーイング向上をサポートするライフデザインカンパニーを目指している。


門扉「榧日(ひび)」の銘板は昔、同地に榧場があったから付けたのだそうだ

エントランス(階段のところの葉っぱの形は見えないか)
◇ ◆ ◇
上段の記事は同社が昨年12月に発表したリリースのコピペだ。記者は読まなかったので、現地に着くまで何の見学会か知らなかったのだが、物件の外観・外構デザインを見て、「Asu-haus(アスハウス)甲州街道モデル」の〝続編〟だと分かったとき、企画意図を理解した。内観も見て、堅牢ではあるが、いかにも鉄骨とコンクリからなる〝へーベル〟のイメージを劇的に変えると確信した。素晴らしい!の一言だ。プロジェクトにかかわった担当者の熱意がストレートに伝わってきた。写真もたくさん紹介する。下手な記事より写真を観ていただきたい。先に書いた東京建物&三井ホームの木造賃貸マンション「Brillia ist 洗足池の杜」と一緒に読んでいただきたい。
担当者の一人で、体重は川畑文俊会長と同じ100キロくらいありそうな同社GREENOVATION推進室企画グループ・新井一弘氏に声を掛け、〝へーベルのイメージを劇的に変える〟と話したら、その答えがまた素晴らしい。新井氏は「いえ、ヘーベルのイメージがいいから、私たちも全力で取り組める。お客さんもいい印象を持っていただける」と語った。
新井氏のこれまでのキャリアは知らないが、肩書に一級建築士とあるから「へーベル」一筋だったはずだ。顔には〝こんな住宅を手掛けたかった〟と書いてあった。
また、同じグループで一級建築士なのも同じ保田陽子氏にも話を聞いたが、嬉々として企画意図を語った。写真にあるエントランスの葉っぱの文様デザインは保田氏の〝遊び心〟がなせる業のようだ。
どこかで会ったことがあると思っていた同室シニアアドバイザー・白石真二氏は、「Asu-haus(アスハウス)甲州街道モデル」でしばし歓談した方だった。時間があったら、じっくり話し合いたかった。とても楽しい方だ。
GREENOVATION推進室室長・藤原純一氏は約20分間、住戸1階のクリ材の床に正座して企画意図などを説明した。最高等級の高気密・高断熱を強調したのもさることながら、「心豊かな幸せな暮らしを提案した。地域の元気な人を増やしたい。2日前に行った家開きには近隣の方192人が参加してくれた。どんな人が入居してくれるのか楽しみ。プロジェクト開始から2年が経過する。これでやめるのか継続するのか決める」と腹をくくった様子だったのが印象的だった。
検証の結果、どうなるか記者は分からないが、多分、川畑会長も大和久裕二社長も〝ゴー〟サインを出すと思う。1低層の様々な問題を解決するのは喫緊の課題だ。チャンスを生かさない手はない。

エントランス

エントランス

つくばい(記者ならこれを水琴窟にする)

藤原氏(左)と新井氏

保田氏(左)と白石氏

内観(土間)

内観(1階住居部分、床はオーク材)

土間(手前)と大谷石の沓脱-なぐり仕上げの框(床はナラ材)
◇ ◆ ◇
前段で「Brillia ist 洗足池の杜」の記事と一緒に読んでいただきたいと書いた意図は2つある。一つは、建築物の木造・木質化に積極的に取り組んでほしいという願いだ。
もう一つは、この日参加した20名のメディアに対しての叱咤激励だ。小生は50年近く、年間100件から200件、分譲も賃貸もマンションも戸建ても大手も中小も差別なく取材してきた。だからこそ多少は物件の良否がわかる。まず、前段に書いた通りになるはずだ。
他の記者の方たちはどうかというと、若い人もいたが、それなりの年齢を重ねたベテランの人も少なくなかった。
しかし、資料も配布され、各氏から十分説明を受け、物件も見たはずなのに、それでも担当者に延々と質問する記者がたくさんいた。都市計画法、建築基準法の基本である用途規制や建築規制を知らないからそのようなことになる。
この光景を見て、同社が昨年行った「アトラスシティ千歳烏山グランスイート杜ノ棟」見学会を思い出した。このときも多くの記者が駆けつけていたが、都の「マンション環境性能表示制度」や坪450万円の意味することを理解できた記者はほとんどいなかった。自分が見たものの価値判断ができなければいい記事など絶対書けない。厳しいことを言うが、言わないと分かってもらえないのであえて書いた。嫌われても全然平気、依拠するのは読者の方だ。
木造化率に惚れた東京建物同社初の木造賃貸マンション「洗足池」施工は三井ホーム(2026/3/4)
小田急バス&ブルースタジオなりわい賃貸「meedo」街びらき想定の倍2000人超(2025/7/14)
まるで武蔵野リゾート断熱等級7を初めて体感旭化成ホームズ戸建て甲州街道モデル(2025/6/6)
マンション円滑化法容積緩和の適用第一号旭化成不レジ「千歳烏山」販売好調(2025/7/24)
ブルースタジオ小田急電鉄の社宅再生リノベ「ホシノタニ団地」完成(2015/6/26)

