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2026/04/13(月) 16:27

建築業界に革命もたらす BIMの全面導入と工期圧縮 大和ハウス勉強会

投稿者:  牧田司

大和ハウス工業.png
大和ハウス工業 配布資料から 

大和ハウス工業は413日、メディア向け「業界動向勉強会<建設DX2026年)篇>」を開催。日本ERI BIM推進センター長・関戸有里氏が建築確認におけるBIM審査について、大和ハウス工業技術本部技術戦略部DXBIM戦略室長・宮内尊彰氏が同社のBIMへの取り組みについてそれぞれ説明した。BIMBuilding Information Modelling)は、建設業界が抱える深刻な人手不足、技能者の高齢化に対応し、建築基準法の厳格化による設計図書の作図・審査時間を劇的に短縮し、現場工事へのPC工法の導入などで革命的な変化をもたらすことを、専門的なことはさっぱりわからない記者でもよく分かった。

勉強会の冒頭、関戸氏は建設業界が抱える課題について、他業種と比べて人手不足が深刻で、60歳以上の技能者が全体の約4分の1を占めるなど高齢化が進んでおり、担い手の処遇改善、働き方改革、生産性向上は喫緊の課題だと指摘。また、一級建築士の高齢化も進んでおり、60歳以上の割合は10年前と比べ3倍の4割に達しており、平成19年の建築基準法の厳格化に伴う確認申請図書作成時間の増加、確認審査時間の増加も大きな課題の一つと説明した。

BIMBuilding Information Modelling)は、コンピュータ上で作成した3次元の形状情報に、室などの名称、面積、部材の仕様、性能、仕上げなど物件特性情報を入力し、図表や表などを作成し、変更した場合も即座に反映できるシステム。

モデルを基にした情報は必ず整合し、発注者、設計者、審査員にとって大きなメリットがあり、国が推進するSociety5.0が目指す超スマート社会の実現に寄与すると語った。

宮内氏は、2017年に非住宅の全設計担当者約600人を対象にBIMを導入し、2018年の国内初のBIM審査試行から、同業他社を圧倒する約1,400件の建築物を建設し、2026年のBIM図面審査開始、2029年のBIMデータ審査に準備を整えていることを報告。「独自のBIM審査とCDE(共通データ環境)を活用することで、申請者及び審査者間でのコミュニケーション品質向上に一定の効果があることが分かった」と語った。

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関戸氏(左)と宮内氏

        ◆     ◇

 冒頭に「建築業界に革命的な変化をもたらす」と書いたが、これは大げさな表現ではなく、あと23年で実現すると記者は予測している。その根拠を示そう。

 先月末、プレハブ建築協会の「2025年度プレハブ建築協会活動紹介・懇親会」が行われたのだが、PC建築部会広報安全委員会委員長・黒沢亮太郎氏は、「プラウドタワー渋谷」の事例などを紹介し、「(PC工法)は1層当たり7日間で積み上げる」「現場打ちコンクリート構造による施工は労働力不足、技術の伝承、労働環境や日数、SDGsなどの点から拡大は難しく、PC工法の採用に期待が高まってきている」と語った。

 これまで建築物の1層当たりの建設日数は1か月くらいのはずだ(確か、鹿島だったと思うが1層当たり半月で積み上げる工法を開発した)。先日も同協会PC建築部会の3人の方に話を聞いた。近く記事化するので合わせて読んでいただきたい。工期は劇的に短縮される可能性がある。

 そして、今回の勉強会。マンションなどの建築確認などの取材で役所にはよく訪れたが、机の上には担当者の姿が隠れるほどの書類が積み上げられ、棚には1件当たり数冊のファイルが収められている光景を覚えている。

 現在は、あらゆる業種でDXの取り組みは進んでいるが、建築確認申請書類は「紙」なのは変わらないはずだ。宮内氏は、案件によっては何千枚にも及ぶ書類を整えなければならないと話した。全国の確認申請書類を積み上げたら、高さはどれくらいに達するか、エベレストを超えるかもしれない。BIMの導入によって、図面作成・審査の時間が圧縮され、紙の無駄も省かれる。これを金額に換算したらいくらになるか。

 関戸氏は、「BIMシステムの中小企業への普及は金額が課題」と話したので、その金額を聞いたら「一人4050万円」とのことだった。そこで、宮内氏に何人かと聞いたら「非住宅の担当者全員だから約600人(600×4050万円=2.43.0億円)で、習熟度は人によって異なるが、教育には2017年から2020年まで3年間かけた」と話した。

 勉強会では、BIMの全面導入によって、設計―確認申請-許可の時間はどれくらい短縮されるか聞き忘れたが、案件によっては数か月短縮されるのは間違いない。

 課題も考えた。MIMシステムの導入と工期圧縮でコストは激減するはずだが、経済合理性と建築物を利用する人の満足度は必ずしも一致しないはずだから、発注者・設計者に求められるのはいかに利用者のニーズを先取りして取り込むか…マネジメント能力が問われる…これはAIには無理な仕事ではないか。 

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