
堀口氏
ケイアイスター不動産は6月18日、「中古住宅再生事業」メディア説明会を開催し、主力の新築戸建て分譲と、昨年に本格市場参入した「中古住宅再生」事業との「二流戦略」で全国シェアの拡大を図ると発表した。中古住宅の販売価格は1,700円台で、トップシェアを狙う。説明会に臨んだ同社上席執行役員・堀口幸昌氏は「世の中を、世界を、歴史を変える」と語った。
同社は2025年、買取再販事業に本格参入。新築事業で培った店舗網や物件仕入れのノウハウを活用。中古住宅の買い取りからリフォーム-販売-アフターサービスまで製販一貫体制を敷き、コストを抑えながら品質を確保する。約1年で23店舗を展開し、約500棟の物件を仕入れ済み。今後は独自の仕入れネットワークを強化し、最短で100店舗体制を目指し、中古住宅再生分野でのシェアNo.1獲得を狙う。
説明会で堀口氏は「当社が掲げるミッションは〝すべての人に持ち家を〟。現状はどうかというと、買いたい人が買えない時代。中古住宅市場も残酷な世界で、リフォームも新築より高くなるリスクもある。八方塞がりだ。当社がこの市場に参入するのは、年間供給量が1万戸という圧倒的な新築サプライチェーン、全国ネットワークを活用し、アフォーダブル市場を拡大するため。1,700万円台という価格帯は〝安かろう、悪かろう〟ではない。強みである製販一貫体制を敷くことで粗利益20%を確保する。店舗数は近い将来100店舗に拡大し、この分野のトップシェアを獲得する。空き家問題にも挑戦し、世の中を、世界を、歴史を変える」と語った。
また、同社執行役員・小沼佳久氏は、仕入れ-設計-施工-販売-暮らしサポートまでリアル×テクノロジーのKEIAIプラットホームを構築し、わが国の〝優勝劣敗〟の市場を変革し、唯一無二の住宅供給企業を目指すと語った。

小沼氏
◇ ◆ ◇
配布されたリリースの「平均販売価格1,700万円台のアフォーダブル住宅(手が届きやすい価格の住宅)を供給する」との文言に驚愕した。ありえない価格だと(国土交通省のデータによると、全国の戸建て中古住宅の平均価格は2,917万円。東日本レインズデータでは、首都圏の今年5月の中古戸建の平均成約価格は4,215万円)。すぐ算盤をはじいた。住宅地の価格は、同社が本拠を構える埼玉県本庄市でも坪単価は10万円以上(家に帰ってから調べたら同市の住宅地の平均価格は14.4万円)だが、地方都市なら坪10万円として30~40坪の土地代は300~400万円。ここに家を建てたら、最低でも坪50~60万円だろうから1,500~1,800万円、総額では最低でも1,800万円だ。
〝古屋〟を右から左へ仲介するだけなら、古い建物の価格はゼロに査定されるから、二束三文で取引できるかもしれないが、住むための商品にするには、水回りの更新はもちろん、1981年(昭和56年)以前の旧耐震は耐震補強をしなければならないし、省エネ改修、間取り変更などの快適性を確保しなければならない。そのリフォーム費用は、数年前までは坪30万円くらいだったが、いまは坪50~60万円が相場だ。総額では2,000万円を突破する。
記者のこの試算は間違っていないはずだ。質疑応答で、この疑問をストレートにぶつけようと思ったら、時間切れで指名されなかった。そのまま帰ったら、疑問は膨らみ爆発するのは必至だから、取材後の他の記者の〝囲み取材〟の一部始終を傍から聞いた。謎は氷塊とはいかないが、半ば解けた。以下が、その答えだ。
⓵旧耐震物件は耐震補強は基本的に行わない(そのようなニーズもあるとか)
②省エネリフォームなども最小限にとどめる
③地元業者とのネットワークを生かし、同社営業マンが足を運んで物件を仕入れることはしない
④仕入れ対象の大半は空き家(所有者は売却できたらいくらでもいいという人は多いはず)
⑤買い手は、セカンドユース、別荘利用のニーズがあることを確認している
⑥当面の競争相手は、全国130店舗以上で、年間5,000戸以上を販売しているカチタスと思われる
ケイアイスター不動産の戦略が成功するかどうか、堀口氏が豪語した「歴史を変える」が実現するかどうか、単なる法螺に終わるか、現段階では記者は分からない。分からないが、利根川を挟んで武蔵(本庄)と上州(桐生)との隣り合わせの激戦が展開されるのは間違いない。小生の唯一の持ち歌は三波春夫の「大利根無情」だ。それにしても、「知命(天命)」に近づきつつある浅見常務(47歳)をRBA野球のエースの座から引きずり降ろそうとする投手はいないのか。情けない。
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