「価値創造」に挑戦し続ける一年へ 三菱地所・中島篤社長 年頭所感
中島氏
2023年は、新型コロナウイルス感染症の5類引き下げや物価上昇に対応する高水準な賃上げなどにより、停滞していた経済活動が正常化に向かい、デフレ脱却への兆しが見える一年となった。中東情勢の混乱や中国の経済不調等、世界的な先行きの不透感は強まる一方ではあるが、人々の価値観や事業環境の変化を中長期的に捉えながら、社会全体で着実に成長し、経済の好循環を生んでいくことが必要となる。
訪日外国人客数は、昨年より堅調に回復し、今年はコロナ禍前の水準を超える見通しだ。当社は、2024年2月に「ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 名古屋」、8 月に「ローズウッド宮古島」の開業を予定しており、インバウンド需要を積極的に取り込んでいきたい。
また、今年9月には大阪駅前で進める「グラングリーン大阪」のまちびらきを予定している。コロナを経て、街にどのように付加価値をつけていくかがさらに重要になった。大型都市公園を含む新たなエリアマネジメントを行い、多様なステークホルダーと共に、持続的にイノベーションが生まれる街づくりにチャレンジしていく。
長期経営計画2030では、株主価値向上と社会価値向上を戦略の両輪としているが、次世代以降に貢献できるサステナブルな街づくりという観点をこれまで以上に重視して取り組んでいく。脱炭素社会の実現に向けては、「三菱地所グループの Sustainable Development Goals 2030」の達成を目指し、エネルギー価格の高騰や物価上昇の中でも、グループ一丸となり達成へ向けて着実に歩みを進めてきた。2015年に国連で採択された SDGs2030の後半戦に突入しており、この歩みは止めない。また、人権、ダイバーシティ、ウェルネス等社会的な要請をより強く意識し、一つ一つの取り組みを面で繋げ、サステナブルな社会の構築に寄与したい。
昨年はラグビー日本代表が戦う姿に心を動かされた。役割の異なる選手達が一つの目標に向かって団結して取り組む姿は、不動産デベロッパーが目指す姿と同じだ。我々も、社員一人ひとりが組織の垣根を越え団結し、時代を先取りする新たな「価値創造」に挑戦し続ける一年としたい。
選ばれ続けるマンションを提供 三菱地所レジデンス・宮島正治社長 年頭所感
宮島氏
2023年はコロナ禍で停滞した経済活動の回復が見られたものの、国際情勢の混乱や世界的なインフレが続いた。その中において分譲マンション市場は引き続き堅調であり、当社においても都心エリアでは「ザ・パークハウス 代々木大山レジデンス」や「ザ・パークハウス 高輪プレイス」、郊外でも「ザ・パークハウス 松戸」などは特に大きな反響をいただいている。
コロナ禍を経て住まいへの関心が高まったことで、この家に住んだらどのような暮らしができるかというベネフィットを提供することが重要になってきた。地球環境への配慮も購入動機になっている。
当社の商品企画においては「エコロジーでエコノミ―」であることを意識し、環境にやさしく、水道光熱費やCO2の排出量を抑えた暮らしの提案ができる住まいづくりを目指している。生物多様性保全の観点からは、地域になじみのある樹種を採用する「ビオネット・イニシアチブ」という取り組みを2015年から進め、すでに200物件以上に導入している。今後も、住むことが地球環境への貢献になるような住まいづくりを進めていく。
2024年の住宅市場においては、資産性や住み心地だけでなく、環境や防災など住まいにおける社会的意義がますます重要になる。防災については引き続き、当社の有志社員などが組成する「三菱地所グループの防災倶楽部」を中心に、居住者や地域の皆様と防災訓練を実施し災害に備えていく。
また、防災訓練やアフターサービス対応など引渡後の顧客接点を通じて、居住者の方々からお住まいのマンションに関する気付きの声を直接頂き、商品企画へのフィードバックを行いたい。お客様の需要の変化をつかみ取り、お客様の目的や価値観にあわせた商品を作ることで、選ばれ続けるマンションを提供していく。
中期経営計画ラストイヤー 目標達成へ 東京建物・野村均社長 年頭の辞
昨年を振り返ってみると、5月から新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、日本においても外国人観光客が戻り始め、10月にはその数がコロナ禍前の水準を超えるなど、観光業を中心に活況を呈してきた。一方、日銀の金利政策の変更やイスラエル紛争の勃発など、外部環境が大きく変化した一年だったかと思う。
今年はいよいよ現中期経営計画ラストイヤーである。現中期経営計画の利益目標である事業利益750億円の達成に向けて、油断は禁物ではあるが、大きな不安要素はないと考えている。
現中期経営計画中、コロナやウクライナ情勢など、現中期経営計画策定時には予期していなかった出来事が起こり、当社グループを取り巻く環境にも大きな変化があった。環境の変化に立ち向かいながら、しっかりと積み重ねてきた努力が大きく花開く一年とするため、皆で一丸となって目標達成に向けて取り組んでいきたいと思っている。
事業環境の面では、建築費の高騰や円安、日銀の金利政策変化が与える不動産投資市場や分譲マンション市場への影響、不動産市況の不振が長期化する中国市場など、当社グループの事業を取り巻く足元の環境変化には一層注視しなければならない。
オフィス市場は、リアルなコミュニケーションを行う場として、オフィスの必要性や重要性を再認識する動きが継続しており、市場の先行きを極端に不安視する必要はないと考えている。
分譲マンションの販売状況は、全般的に高価格の水準で成約しているものの、建築費の上昇を販売価格の上昇で吸収できていた環境にも変化の兆しがみられる。金利動向や物価上昇による家計の負担増による影響等も踏まえ、マーケットの変化を的確に把握するとともに、引き続き厳選投資の姿勢を崩さず、着実に事業を進めていく必要がある。
また、今年は次期中期経営計画の具体的な検討・策定作業を実施していくことになる。足元の事業環境だけでなく、将来起こりうる環境変化の兆しに対しても役職員一人ひとりが敏感になり、当社グループが、長期ビジョンである「次世代デベロッパーへ」の実現に向けて、更なる成長を遂げるためにどうあるべきか、何に取り組んでいくべきか、しっかりと皆さんと議論を重ねていきたい。
今年の干支は甲辰(きのえたつ)である。「甲」には草木の成長や物事の始まりを表す意味があり、「辰」は力強さや成功を象徴している。「これまでの努力が報われる」「成功につながるための努力が種子の内側で育つ」年だとされている。当社グループにおいても、現中期経営計画目標の達成だけでなく、当社グループの更なる成長に向け種まきをしていく1年になるよう、コミュニケーションをしっかりと図りながら、全社一丸となって頑張ろう。
最後になるが、当社グループの役職員の皆さんには、ご家族の健康にも気を配りつつ、自身の健康にくれぐれも注意していただき、日々の業務に励んでほしい。
デジタル化さらに推進 大京アステージ、穴吹コミュニティ・真島吉丸社長 年頭所感
真島氏
新年あけましておめでとうございます。
昨年は新型コロナウイルス感染症が5類に移行され、社会経済活動の正常化も進み、ようやく以前の日常が戻ってきた一年となりました。コロナ禍を経て、私たちの事業は生活基盤を担う社会インフラの一つとして「なくてはならない存在」であることを改めて実感いたしました。
当社では昨年3月に、管理組合の総会への出欠連絡、出席、議決権行使までを一つのアプリ上で完結し、一元的に集計できる業界初のサービス「POCKET HOME」の運用を開始いたしました。本年は、オンライン併用型の総会をはじめとする本アプリの本格展開に一層力を入れ、デジタル化をさらに促進してまいります。
また、昨年は社内における価値観の共有を目的に、二社の羅針盤となる「Mission(ミッション)・vision(ビション)・value(バリュー)」を策定いたしました。今後もお客さまのご要望やお困りごとに真摯に向き合い、質の高いサービスを提供することで、お客さまにとって「今がいちばん」の暮らしがずっと続く、確かなマンション管理を目指してまいります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
新たな価値創造に挑戦 オリックス・ホテルマネジメント・似内隆晃社長 年頭所感
似内氏
新年あけましておめでとうございます。
新型コロナウイルス感染症により落ち込んでいた観光需要がようやく回復し、昨年、宿泊業界の稼働はコロナ前に迫る水準となりました。国内需要もさることながら、都市部や観光地へはインバウンド需要が急回復し、2025年に控える大阪・関西万博にかけて、インバウンド旅行客数はさらなる増加が見込まれます。当社はこの増加する観光需要に丁寧に対応し、お客さまへソフト・ハードの両面から心地よい滞在を提供し、「また、行きたい」と思っていただける施設運営に努めてまいります。
また、当社の運営する旅館、ホテル、研修施設などでは、付加価値の高いサービス提供を目的に、「日本の新しい魅力、地域ならではの体験」を創出することに注力しています。これまで、別府の立命館アジア太平洋大学との連携によるホテルイベントの開催、函館の「低利用魚」を使用した料理の提供、福岡のアーティストの個展開催、大阪の歌舞伎と文学の発展とともに道頓堀の歴史を伝える展示企画や会津の果樹園でのフルーツ狩りが付いたアドベンチャーツーリズムプランなど、さまざまな企画で地域の魅力を伝えてまいりました。今年も、こうした地域を巻き込んだ取り組みを全国の施設で進めるとともに、地域の魅力を発信してまいります。「訪れるお客さま」「地域」「当社施設」にとっての好循環を作り、日本の観光をさらに盛り上げていきたいと考えています。
観光需要が回復する一方、業界全体では人手不足が深刻化しています。当社では海外人財の積極採用を進めつつ、省人化などの取り組みにより、効率的で高品質なサービスを提供できる運営体制の構築を進めています。スタッフのマルチタスク化による業務効率の向上や、自動チェックイン機の導入など、ソフトとハードの両面の改善により、快適な滞在をお客さまにご提供してまいります。
大規模リニューアル中の「別府温泉 杉乃井ホテル」では、昨年1月にフラッグシップ棟となる「宙館」が開業し、現在は、2025年1月の新客室棟「星館」のグランドオープンに向けて準備を進めています。また、昨年12月2日には、ORIX HOTELS & RESORTSのフラッグシップ旅館ブランド「佳ら久」の二軒目となる「熱海・伊豆山 佳ら久」が開業しました。相模湾を一望できる絶景と、「佳ら久」ならではの上質なくつろぎの空間と高品質なサービスをお届けします。
オリックスグループは、今年60周年を迎えます。昨年11月には、オリックスグループの企業理念体系を見直し、新たに「ORIX Group Purpose & Culture」を策定しました。当社は、施設運営を通じて、社会にポジティブなインパクトを生み出せるよう、新たな価値創造に挑戦してまいります。
本年も皆さまの一層のご支援ご理解を賜りますようお願い申し上げるとともに、皆さまにとりましてご多幸な1年となりますよう心よりお祈り申し上げます。
お客さまの人生に新たな価値を創造 大京・深谷敏成社長 年頭所感
深谷氏
新年あけましておめでとうございます。
日本経済は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、人流の活発化により活力を取り戻しつつあります。一方で、エネルギーや原材料価格の高騰による世界的なインフレ継続や深刻化する人手不足など不透明な環境が続いています。家族の形態やお客さまの価値観が刻々と多様化する中、今まで以上に立地と商品企画にこだわったものづくりができる組織力を強化することで、お客さまの人生に新たな価値を創造してまいります。
昨年、分譲マンションブランドを「ライオンズマンション」から「THE LIONS」へリブランドしました。従来の安心・安全で高品質な“住まい”を踏襲しつつ、洗練・上質の要素を加え、一歩先の“暮らし”を実現するブランドへと変革してまいります。住まいのニーズ、価値観が多様化する時代において、「人生には価値がある」と心の底から思っていただけるようなマンションをつくり、その住まいに関連する新しいサービスを提供してまいりたいと思います。
また、「サステナビリティ」と「DX」は事業の品質向上につながるチャンスとなります。昨年は、分譲マンションのZEH区分最高ランクである『ZEH-M』の認定を日本で初めて受けた「ザ・ライオンズ世田谷八幡山」の開発に着手しました。引き続き、原則「ZEH-M Oriented」以上の省エネ基準を満たす仕様で開発を推進するほか、それ以上のレベルへ積極的に挑戦し、環境性能の向上を追求してまいります。「DX」のテーマでは、業務プロセスの見直しと生産性向上に向けた取り組みを加速してまいります。
皆さまの一層のご理解とご支援をお願い申し上げるとともに、本年が皆さまにとって実り多い一年となりますよう、心より祈念申し上げます。
サステナビリティ推進を加速 オリックス不動産・深谷敏成社長 年頭所感
深谷氏
新年あけましておめでとうございます。
日本経済は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、人流の活発化により活力を取り戻しつつあります。一方で、エネルギーや原材料価格の高騰による世界的なインフレ継続や深刻化する人手不足など不透明な環境が続いています。
昨季、オリックス・バファローズは惜しくも日本一を逃しましたが、3年連続のリーグ優勝を成し遂げました。応援いただいたすべての皆さまに感謝申し上げます。我々の各事業におきましてもチャレンジを続け、飛躍の一年にしたいと思います。
昨年は、静岡県熱海市で開発したラグジュアリー旅館リゾート「熱海・伊豆山 佳ら久」が開業したほか、全国で計5件の物流施設が竣工しました。物流施設は、屋根に太陽光発電システムを設置し、テナント企業に再生可能エネルギーをご利用いただけるなど、環境に配慮した開発をすすめています。不動産事業における幅広い専門性とオリックスグループのネットワークを活用し、複合開発、オフィス、物流、ホテル・旅館開発など多岐にわたる事業活動を着実に行うとともに、サステナビリティ推進を加速してまいります。
また、オリックスグループの企業理念体系が見直され、新たに「ORIX Group Purpose & Culture」が策定されました。当社は、不動産事業を通じて社会にポジティブなインパクトを生み出せるよう、新たな価値創造に挑戦していきます。不動産事業部門の「サステナビリティ推進方針」では「脱炭素化」「環境配慮」「安全・安心・快適性」「地域共生」をテーマに掲げ、施設の再エネ化や建築の環境認証の取得をはじめ、持続可能な社会に向けた活動を継続し強化してまいります。
皆さまの一層のご理解とご支援をお願い申し上げるとともに、本年が皆さまにとって実り多い一年となりますよう、心より祈念申し上げます。
〝将来の夢〟目指し「伸」びる1年に 大和ハウス工業・芳井敬一社長 年頭所感
芳井氏
昨年は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことに伴い、社会経済活動の正常化が進んだ年となりました。一方で長らく続く資材価格の高騰をはじめ、エネルギーの供給不安や世界的なインフレ圧力による円安の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いています。
このような中、当社グループは、第7次中期経営計画の二年目となる2024年 3月期の第2四半期決算において売上高が過去最高を更新し、いよいよ5兆円を臨むところとなりました。改めて、グループ社員全員の底力を実感するとともに、心から感謝しています。
さて、2024年の年頭にあたり、皆さんにお伝えしたいことが三点あります。
一つ目は、「2024年問題への対応」です。本年4月より、建設業にも「残業の上限規制」が適用されます。昨年から、現場で起きている厳しい職場環境の状況や、効率的な働き方に対する意見・アイデアを、社員の皆さんから直接私に寄せていただく場所を設け、また、皆さん個々の時間外労働時間の見える化も実施しています。そして建設現場においては、DXを活用した新しい働き方にも挑戦しています。4月まで待ったなしです。業務実態の把握と抜本的な対策を最優先にお願いします。仕事は一人でしているわけではありません。自分自身の時間管理はもとより、同僚のリードタイムも意識して、業務に励んでください。
二つ目は、私の今年の一文字「伸」です。長く力強く発展していく一年にしたいと思います。また、この「伸」という字が名前に入っている石橋伸康元社長は、在任中の1996~1999年当時から、今に通ずる先進的な取り組みを実践しており、環境貢献においても、他社よりもいち早く着手していました。そのおかげもあり2023年度には当社グループ全体での購入電力の100%再生可能エネルギー化を達成する見込みです。さらに、木造・木質建築を重点成長領域に設定し、サーキュラーエコノミーを目指すプロジェクトも始動しています。皆さん一人ひとりが自分事として環境問題を捉え、2050年のカーボンニュートラル実現に向け進んでいきましょう。
三つ目は、「新たな挑戦」です。近年、世界情勢や国内の事業環境は大きく変化を続けており、年々そのスピードを増しています。その変化を捉え、新たなチャンスとするために、当社はコーポレート・ベンチャー・キャピタルとして「大和ハウスグループ“将来の夢”ファンド」を創設しました。スタートアップ企業とともに、将来の成長の源泉となる新たな事業創出に向け、本年から本格始動します。皆さんも広い視野・視点で世の中の変化を捉え次のビジネスを創造できるよう、積極的に新たな取り組みに挑戦してください。
最後に、当社において変わらないものは創業の原点である「社会の役に立つ事業の展開」です。この創業者精神を行動の規範とし、当社グループの〝将来の夢〟(パーパス)「生きる歓びを分かち合える世界の実現」を目指して、「伸」びのある一年にしていきましょう。
日本エスコン・FSE・DeNA スポーツ&エンターテイメントに特化した新会社設立
日本エスコンは12月4日、ファイターズ スポーツ&エンターテイメント(FSE)、ディー・エヌ・エー(DeNA)の3者共同出資によるスポーツを含むエンターテイメントに特化した新会社「株式会社エスコンスポーツ&エンターテイメント」を12月1日付で設立したと発表した。
同社は、FSEの掲げるボールパーク構想に賛同・参画し、Fビレッジ内において新規分譲マンション「レ・ジェイド北海道ボールパーク」(2023年3月引渡済)、シニアレジデンス「マスターズヴェラス北海道ボールパーク」(2024年3月完成予定)、球場近接地でのホテル開発を進めるなど、FSEとともに球場を核とするまちづくりに取り組んでいる。
新会社は、同社の不動産・まちづくり企画開発力、FSEのボールパークの知見・ナレッジならびに運用ノウハウ、DeNAのスポーツを核としたまちづくりへの取り組み実績およびインターネットとAIを含むデジタル領域を組み合わせることにより、スポーツを含むエンターテイメントをより身近に感じる社会・まちづくりの実現を目指す。
新会社の住所は東京都港区虎ノ門二丁目10番4号 オークラプレステージタワー20F。出資比率は日本エスコン51%、FSE 34%、DeNA15%。取締役会長には同社代表取締役社長・伊藤貴俊氏、代表取締役社長には同社執行役員北海道支店長・加藤嘉朗氏が就任した。
リブランディングのヒントあり「大京ライフスタイルスタジオ」
「DAIKYO LIFESTYLE STUDIO(大京ライフスタイルスタジオ)」 エントランス
大京グループの本社1階にある「DAIKYO LIFESTYLE STUDIO(大京ライフスタイルスタジオ)」を見学した。10月下旬に開設したもので、同社とグループ会社が提供する様々なサービスを映像やパネル展示などで体感できる情報発信拠点だ。同社は今年4月、分譲マンションブランド「ライオンズマンション」を「THE LIONS」へリブランドすると発表したが、「THE LIONS」がどのようなものになるのかを探るのが目的だった。ヒントはいくつも隠されていると感じた。
エントランスには横6m×縦3mの巨大LEDパネルを設置し、ウェルカムムービーを表示する。
プロローグ(通路)には1968年に分譲されたシリーズ第一号物件「ライオンズマンション赤坂」から、2023年竣工の大規模複合開発「ライオンズタワー札幌」の歴史がパネルに展示されている。
ウェビナースタジオは、販売物件のオンライン説明会やお客さま向けセミナーなどの配信を行うスペース。
シアタールームは、正面・左右・床面の4面を使ったVRモデルルームを体験することができる。
インタラクティブウォールは、7か所のタッチポイントに手をかざすと、快適な暮らしをサポートする管理会社の機能などについてアニメーションが表示され、入居後の「貸す・借りる」「リフォーム」「売る」など様々な場面での同社グループが提供するサービス、サポートが紹介されている。
ウェルカムムービー
プロローグ(通路)
ウェビナースタジオ
シアタールーム
◇ ◆ ◇
「プロローグ(通路)」スペースに入った途端、同社の55年の歴史のうち40年くらい取材してきた記憶が走馬灯のようによみがえった。マンションの〝イロハ〟を学んだのも、分譲住宅取材の面白さに引き込まれるきっかけになったのも同社だ。これまで同社とグループ会社のマンション見学は200件をくだらないはずだ。以下にパネルに展示されている歴史などに若干手を加えた事象・マンションを列挙する。
・1960年 大京商事設立
・1968年 シリーズ第一号「ライオンズマンション赤坂」発売
・1978年 初の分譲トップシェア
・1984年 東証1部上場
・1988年 毎年1万戸超の発売 累計契約10万戸を達成
・1998年 敷地面積が約7.4haの「エルザタワー55」(650戸)
・2001年「環境共生」第1号「グリーンティアラ星が丘」
・2002年 環境共生住宅認定「フォレストレイクひばりが丘」(総戸数381戸)
・2005年 オリックスとの資本提携
・2005年 大京パワー〟を引き継ぐのはどこか(2005/3/11)
・2005年 〝拠点回帰〟実証した大京「ライオンズプラザ多摩センター」(2005/9/30)
・2005年 地域親和の大切さ教えてくれた大京の環境共生マンション「月島」(2005/11/25)
・2007年 累計6,000棟記念プロジェクト 「ザ・ライオンズ上野の森」(2007/2/8)
・2007年 扶桑レクセルのハイグレードマンション「新越谷」が人気(2007/12/12)
・2008年 時は金なり スピード感に欠ける 大京の経営・マンション事業(2008/11/7)
・2009年 1回では書ききれない魅力 「たまプラーザ 美しが丘」(2009/4/23)
・2014年 URコミュニティ社長に就任して10カ月 黒住昌昭氏に「再生」を聞く(2014/6/24)
・2014年 モデルルーム販売手法は大京が初 メディア向けニュースレター(2014/12/11)
・2015年 パッシブとスマートを融合した「港北ニュータウン」完成(2015/8/21)
・2017年 〝再配達ゼロ〟宅配ボックス発表会に記者殺到 大京・フルタイムシステムが新商品(2017/4/10)
・2018年 わが国初の大京NearlyZEHマンション 坪単価は東急「芦屋」の3分の1(2018/7/29)
・2019年 オリックスが大京の全株式を取得(上場廃止)