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 「当社は相対取引ができる計画的な大型案件が中心で、闇雲に用地争奪戦に加わるようなことはしない。第2四半期の決算数字を見る限りでは建築費の上昇は顕在化していない」-三井不動産の決算説明会で、同社の経理部経理グループ長・富樫烈氏はこう語った。

 しかし、その一方で「業界では職人さんの引き抜き合戦が始まっている。待遇を改善するなどして安定的に職人さんを確保することが課題となってくる。価格に転嫁しなくても済む努力が必要」(旭化成ホームズ・平居正仁社長)「郊外部では坪150万円以下では難しくなってきた。職人不足は深刻で、リーマン・ショック前の『新価格』どころか、ゼネコンが積年の恨みつらみを晴らす『倍返し』価格になるかもしれない」(あるデベロッパー)「建築費は上がるし、大手は設備仕様を上げているので、われわれ中堅は苦しい。大手の一人勝ちになるのでは」(ある中堅デベロッパー販売責任者)など、先行きの建築費・価格上昇を懸念する声が噴出している。

 記者も最近の価格上昇は序章、序の口に過ぎないと思う。マンションの単価は2~3年前までは、「えっ、こんなに安くできるの」という物件がかなり見られたが、最近、とくに今秋の物件は「えっ、そんなに高いの? 」と驚く物件ばかりだ。

 今後10年間で200兆円の規模でインフラなどの基盤整備を進めるという「国土強靭化」を背景に震災復興に伴う公共工事、東京オリンピック、リニア、都市再開発などが目白押しだ。リニア建設費は10兆円と言われているし、これから本格的に始まる復興区画整理事業は56カ所で総面積は3,000haを越える。数千億円規模だ。ビッグプロジェクトに大量の土木・建設技能労働者が投入されれば、中小規模マンションなどははじき出されるのは火を見るより明らかだ。土地の仕入れはしたものの、着工が出来ないという「在庫倒産」も出てくるのではないか。

 そのような事態を避けるため、竣工時期の平準化は喫緊の課題だと思う。前出の三井不動産の場合、第2四半期のマンション計上戸数は1,555戸で、通期計上予定の6,450戸に対する割合は24.1%でしかない。富樫氏は「たまたま今期は下半期に竣工・引渡しが集中したため」と説明したが、マンションの竣工が期末に集中するのは常識だ。

 そこで、現在分譲中のマンション200物件の竣工時期を調べてみた。もっとも多いのが2月で45物件、以下、3月32物件、1月24物件、11月22物件の順だ。もっとも少ないのが5月の6物件だった。四半期ごとでは第4四半期が104物件(52.0%)と過半数に達し、以下第3四半期49物件(24.5%)、第1四半期24物件(12.0%)、第2四半期23物件(11.5%)となっている。

 下半期に竣工・引渡しが集中しているのは、購入者の入居希望時期と密接な関係がある。単身者やDINKSはともかく、子育て世帯にとっては子ども転校は学年途中は避け、年度初めの進級時に行ないたいという親心が働き、デベロッパーもその意向を汲んで竣工を年度末に集中してきた経緯がある。

 竣工時期と売れ行き、企業規模や施工会社などとの相関関係を分析しないといけない部分があるが、下期に竣工することがマンション単価を引き上げる要因になっているのは間違いない。

 この問題について、三井不動産レジデンシャルはすでに手を打っているようで、今年4月、建築工事発注機能を強化するため「建設統括部」を新設した。三井不動産グループの三井ホームも「工期の平準化に力を入れていく」(市川俊英社長)という。

◇     ◆   ◇

 同時に進めなければならないのは、建設業が抱える重層下請け構造の改善だ。

 建設労働者は景気の安全弁的な役割を背負わせていることから、賃金が抑えられ、若年入職者が激減している。建設技能労働者52万人のうち60歳以上は約18%にのぼり、10年後には大半が引退するといわれている。京都工芸繊維大学准教授・矢ケ崎善太郎氏は「日本の職人たちの技は世界に誇る無形の文化財でもある」と語ったが、現実の待遇はまるで正反対だ。

 この命題はなんとも皮肉なパラドックスとしてわれわれに突きつけるが、関係者は知恵を絞って明解な解答を導き出して欲しい。

カテゴリ: 2013年度

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「グレイプスふじみ野」完成予想図

 東京建物と東京建物不動産販売は11月16日、埼玉県ふじみ野市で開発を進めている両社のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)第2弾「グレイプスふじみ野」を開業する。開業に先立つ6日、報道陣に公開した。

 物件は、東武東上線ふじみ野駅から徒歩14分、埼玉県ふじみ野市南台1丁目に位置する5階建て全86戸(他に訪問介護事務所、居宅介護支援事業所)。専用面積は18.60~50.69㎡(1R~2LDK)、月額賃料は63,000~198,000円、管理費は15,000~20,000円。他にサービス費、食費あり。事業主が東京建物、貸主が東京建物不動産販売、運営受託がやさしい手、建物管理が東京建物アメニティサポート。設計施工は大末建設。

 「グレイプス」シリーズとしては22年に開業した「グレイプス浅草」(99戸)に次ぐ第2弾で、医療介護連携による24時間見守り体制、分譲マンション「Brillia」の設備仕様、「アクションフリー型在不在検知システム」と「インターホンによる代理応答システム」との連動、専有部個別設計変更システム、終身建物賃貸借、入居一時金不要などが特徴。

 これまで問い合わせ件数は412件、申し込み・契約は39区画。居住地は地元3市が37%、他の埼玉が24%、東京が27%。介護度は自立が16人、要支援が6人、要介護が28人。年齢は平均80歳。40~50㎡の2LDK7区画は申込受付当日に全戸申し込みが入った。

 同社グループは今後も4物件で301戸を計画しており、東京都住宅供給公社などからの受託案件も4物件で256戸が進行中。

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2人居住を想定したモデルルーム(天蓋付きのベッドには驚かされた。2人居住の需要もあるとのことだった)

◇       ◆     ◇

 「グレイプス浅草」も見学しているが、進化しているものがいくつかあった。その一つが「見守り体制」だ。「浅草」には入居者が長時間水を使用しないと自動的に異変を察知してフロントと警備会社に自動的に通報する「水量センサー」が設置されていたが、今回は居室内と玄関に設置することで居宅中なのか外出したのか帰宅したのかも把握できる。「見守り時間」を設定することでセンサーが作動しないときは緊急事態が発生したことを告げることができる。

 「代理応答システム」もよく考えられていると思った。本人が在宅か就寝中かなどもフロントが対応する。

 少しだが食事も試食した。記者は特養や民間の〝日本一おいしい〟ある有料老人ホームの食事も食べたことがあるが、今回のほうが数段おいしいと思った。「センターミール」社の「真空調理法」により従来調理法の問題点を解決したという。これは〝スグレモノ〟だ。1日のカロリーは1,500キロカロリー。

 前回も書いた「サービス費」(月額29,400円)について。「安心・安全」「お・も・て・な・し」を金額に換算したらものすごく安いと思った。賃料は一般の賃貸マンションと比較すると割高だが、共用施設が充実しているので単純な比較はできない。

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玄関に設置された人感センサー(天井の円形のものと、引き戸の上部にある小さい縦長のもの。居室にも円形のものがついている)

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食事メニューの1例

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こういった施設に付きものの手すり(手すりは連続してその機能を発揮するもので、防火扉、機械室の扉にはほとんどついていないし、

手すりを利用する入居者もほとんどいない。この規制は矛盾している。緩和すべきだと思う)

東京建物 高齢者専用賃貸住宅第一弾「グレイプス浅草」が竣工(2010/1/21)

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逆転に沸く三井不動産リアルティ ナイン

 

  1 2 3 4     合 計
野村不動産アーバンネット      
三井不動産リアルティ      

(6回時間切れ)

野村不動産アーバンネット 拙守たたる

 三井不動産リアルティが快勝。野村不動産アーバンネット茂木投手は立ち上がり制球を欠き、野手陣も拙守で足を引っ張った。

 1点先制された三井リアルは初回、3つの四球で得た1死満塁の好機から5番引地のショートゴロ敵失でまず1点。6番水野が倒れたあと8番安田の内野安打で2者が還りこの回3点。3回には1死1、3塁から3塁走者の神村が本盗を決めて突き放した。先発の北地は初回に1失点したが、その後は安定したピッチングで5回まで無失点に抑えた。

 野村アーバンは初回、四球で出塁した3番遠藤を1塁に置き、4番三根が左中間2塁打を放ち1点を先制したが、その後は抑えられた。

○安西監督 結果オーライ(と言ったかどうか。エンドランスクイズのサインを見落としたのは澤村のようだった)

○神村 …(本盗が決まっても浮かぬ顔)

●赤堀 いい当たり? 野球で飯を食っていた男だから当たり前(三根の快打にも手厳しかった)

  
三井 北地投手(左)と野村 茂木投手


〝いかんなぁ〟野村 三根監督

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延長で満塁弾を放ったリバブル河野

 

  1 2 3 4     合 計
東急リバブル       10
みずほ信不動産販売      

(6回延長サドンデス)

みずほ信不動産販売は惜敗 サヨナラの場面逸す 

 

 東急リバブルが延長戦を制した。3-3の同点で迎えた6回、先頭の主砲河野が台風の影響で強烈な向かい風が吹く中、右翼越え満塁弾を放ち、その後も相手の拙守につけ込み一挙7点を挙げて試合を決めた。

 藤巻投手は8個の四死球を与えるなどピリッとしなかったが、何とか踏ん張った。

 みずほは逸勝。選手が集まらず、57歳の中村監督もセカンドを守らざるを得なかったが、打線が奮起。3回には4つの四球と敵失から同点に追いつき、2点差とされた4回には四球と敵失で1点を還した。さらに5回には、1番岩本の適時打で同点に追いついた。延長サドンデスでは四球による押し出しの1点にとどまった。竹内投手は粘り強く投げたが、最後は力尽きた。


リバブル 藤巻

○大槻監督 藤巻が復活した(毎回ピンチをしのいだ藤巻を称えた)

○河野 逆風だったが、よく飛んだ。100mぐらいではないか

●中村監督 惜しかったねぇ。僕が出ざるを得ないようじゃ(2つの四球を選び出塁。最後は3塁走者としてあわやのシーンを演出した)


大量点に沸くリバブルベンチ


みずほ 竹内投手

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住友不動産販売 越前

 

  1 2 3 4     合 計
住友不動産販売         11
ナイス        

(5回コールド)

ナイス 初回の1点のみに抑えられる 

 

 住友不動産販売が14安打11点で圧勝した。1点を追う3回、1死から相手先発の芦沢を攻め、1番の中園以下、山口、橋本、前田の4連続長短打で3点を奪い逆転。4回にも無死から7番の赤岩以下、布施、静光の3連打と4番伊藤の適時打で4点を挙げリードを広げ、5回にはこの回から登板した2番手正木からも4安打を浴びせ4点を加点。

 越前投手は初回こそ1失点したが、その後は2安打に抑えた。

 ナイスは初回、先頭の北村が四球で出塁した2死2塁から4番村尾の安打で1点先制。しかし、その後は村尾と9番貝瀬の2本の2塁打に抑えられた。

 先発の芦沢は2回を無難に抑えたが、山なりボールは2順目からは通用しなかった。

○古賀監督 よっしゃ、全員安打だ(4番和田、5番越前を除く選手が安打)

○前田 2打数2安打でお役御免(伊藤に交代)

●芦沢 調子はよかったが…


ナイスのナイン

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積水ハウス 田口

 

  1 2 3 4     合 計
オークラヤ住宅      
積水ハウス 4x      

(6回延長サドンデス)

オークラヤ住宅 松尾の2点打フイに 

    

 積水ハウスが延長サヨナラ勝ち。5回まで3-3の同点のまま試合は延長サドンデスへ。

 6回表、オークラヤは先頭の9番松尾がカウント0-2と追い込まれながら3球目の低めの難しい球を中堅前に運び2点。1番横地が歩き再び満塁とした後、2番丸山は平凡な2塁フライを打ち上げたが、塁審はインフィールドのコールをせず、堀田2塁手が落球する間に3塁走者が生還。丸山も敵失で出塁するという珍しいシーンも見られた。

 その裏、積水は先頭の坂本が敵失で1点を還し、なおも1死満塁から2番田口が右中間を破る走者一掃の3塁打を放ちサヨナラ。高橋投手は5回まで9四死球を与えるなど制球を欠いたが、安打は3安打に抑えた。


積水 堀田監督

 オークラヤは初回、4つの四死球と3番斉藤の安打などで2点を先取。1点を追う5回には無死2、3塁から6番小森の内野ゴロで同点に追いつき、なおも2死満塁と攻め立てたがあと1本が出ず。

○堀田監督 フライが上がったので「インフィールド」と僕がコールした(選手は勝手にインフィールドのコールをする権限はない。念のため。それにしても審判はおそまつ)

○田口 久々に打った

●小森監督 采配はばっちりだったが、貧打だね


オークラヤ住宅 ナイン

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サヨナラ打を放った三井リアルティ引地(左)と5回完全試合を達成したリバブル藤巻

 決勝戦は三井不動産リアルティ-東急リバブル-「第4回Club-D cup(クラブ・ディ・カップ)」野球大会準決勝戦2試合が11月6日、大宮健保グラウンドで行われ、3-2で住友不動産販売にサヨナラ勝ちした三井不動産リアルティと、積水ハウスに7-0でコールド勝ちした東急リバブルがそれぞれ勝利。決勝戦は東京ドームで来春に行なわれる。

 住友不動産販売-三井不動産リアルティは、初回、住友不販が敵失などで2点を先制したが、三井リアルティは後半に追い上げ、最終回、1死2、3塁から引地が逆転サヨナラ打を放った。2番手北地が3回途中から好救援。

住友不販は初回に2安打と敵失で2点を先取したが、その後は相手の圧力に屈した。越前-伊藤の継投も実らなかった。

 積水ハウス-東急リバブルは4回まで0-0の投手戦となったが、リバブルは最終回、2死1、2塁から連続四球で1点を奪うと、その後は2四球に財津、札ノ辻の連打でこの回一挙7点を挙げコールド勝ち。藤巻投手は5回完全試合を達成した。

 積水は先発の坂本が4回までリバブル打線を1安打に抑える好投を見せたが、最終回は2死から押し出し四球を与えジ・エンド。

住友不動産販売 2-3 三井不動産リアルティ

  1 2 3 4     合 計
住友不動産販売        
三井不動産リアルティ 2X        

(5回時間切れ)

積水ハウス 0-7 東急リバブル

  1 2 3 4     合 計
積水ハウス        
東急リバブル 7x        

(5回時間切れコールド)

 
カテゴリ: 2013年度

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ホームスチールで生還した神村(右)を迎える安西監督

 Club-DCUP準決勝は三井不動産リアルティ-住友不動産販売と東急リバブル-積水ハウス-第4回Club-D CUP準々決勝戦が10月9日、大宮健保グラウンドで行われ、野村不動産アーバンネットに6-1で快勝した三井不動産リアルティ、ナイスに11-1で圧勝した住友不動産販売、延長サドンデスの末、みずほ信不動産販売を10-4で下した東急リバブル、オークラヤ住宅に7-6延長でサヨナラ勝ちした積水ハウスがそれぞれ勝ち上がった。

 野村不動産アーバンネット-三井不動産リアルティは、三井リアルが快勝。初回、1死満塁から敵失と神の内野安打などで3点を奪い逆転。その後もホームスチールなどで加点。先発の北地が好投した。野村アーバンは初回に三根の先制打で挙げた1点に抑えられた。

 住友不動産販売-ナイスは、住友不販が圧勝。3回に中園、山口、橋本、前田の4連続長短打で逆転。4回、5回にもそれぞれ4点を奪った。越前が1失点完投。ナイスは初回、村尾の適時打で先制したが、2回以降は抑えられた。先発の芦沢は3回に集中打を浴びた。

 東急リバブル-みずほ信不動産販売は、3-3のまま延長サドンデスとなり、リバブルが主砲河野の満塁弾で試合を決めた。藤巻が完投。みずほは小刻みに加点して同点に追いついたが、延長で屈した。竹内の粘投が報われなかった。

 オークラヤ住宅-積水ハウスは、積水が延長サヨナラ勝ち。田口が走者一掃の3点3塁打を放った。高橋が完投。オークラヤは延長で松尾が2点打を放つなど3点リードを奪ったが、最後は屈した。 

東急リバブル 10-4 みずほ信不動産販売

  1 2 3 4     合 計
東急リバブル       10
みずほ信不動産販売      

(6回延長サドンデス)

オークラヤ住宅 6-7 積水ハウス

  1 2 3 4     合 計
オークラヤ住宅      
積水ハウス 4x      

(6回延長サドンデス)

住友不動産販売 11-1 ナイス

  1 2 3 4     合 計
住友不動産販売         11
ナイス        

(5回コールド)

野村不動産アーバンネット 1-6 三井不動産リアルティ

  1 2 3 4     合 計
野村不動産アーバンネット      
三井不動産リアルティ      

(6回時間切れ)

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★希望の壁①(メール用).jpg
「希望の壁」 

 積水ハウスは11月5日、建築家安藤忠雄氏の発案を受けて工事を進めてきた本社のある「新梅田シティ」の巨大緑化モニュメント「希望の壁」の完成披露式を行った。

 「希望の壁」は、開花時期の異なる草木を計画的に配置することによって、四季に応じて表情が変わる高さ9m、長さ78m、奥行き3mのモニュメント。同社の「5本の樹」計画の選定樹種のソヨゴ、クチナシ、ヒラドツツジ、ヤブツバキ、ヤマブキ、フジ、オオイタビなどを中心に約100種類2万本以上の植物を植栽した。

 「新梅田シティ」は今年3月に竣工20周年を迎えた複合施設で、敷地の北側には絶滅危惧種を含む多くの生き物が集まる約8,000㎡の「新・里山」がある。

★希望の壁②(メール用).jpg
「希望の壁」
 

カテゴリ: 2013年度

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経団連「日本再興への道」未来都市モデルプロジェクト・シンポジウム

 経団連が「日本再興への道」と題する未来都市モデルプロジェクト・シンポジウムを行ったと先に紹介したが、「都市と成長戦略」について基調講演を行った東大大学院教授・伊藤元重氏の講演内容と、未来都市モデルプロジェクトに選定されている「北九州アジア戦略・環境拠点都市」(北九州市長・北橋健治氏)、「西条農業革新都市」(住友化学代表取締役常務執行役員・西本麗氏)、「福島医療ケアサービス都市」(NTT常務取締役・篠原弘道氏)、「沖縄物流拠点都市」(全日空常務取締役執行役員・岡田晃氏)、「柏の葉キャンパスシティ」(三井不動産常務執行役員・小野澤康夫氏)のシンポジウムの内容を以下に紹介する。

◇       ◆     ◇

 伊藤教授は、アベノミクスの3本の矢のうち第1と第2の矢は想像以上に働いているものの、肝心の第3の矢の成長戦略はいまひとつ迫力に欠けるとし、民間投資を促進するシナリオが必要と強調した。その際の政策ポイントは「変化のスピードアップ」と指摘。TPP参加の決断、東南アジア向けビザの緩和などスピードアップ化に対して安倍政権のかじ取りを評価した。

 今後は電力需給、高齢化対応、環境問題などで一層の規制緩和と改革スピードアップが必要とした。都市問題については成功事例、失敗事例をどうやって全国に広げるかが課題と話した。農業政策では減反政策の見直しが必要と述べた。

◇       ◆     ◇

 未来都市モデルプロジェクトについては、経団連や経済広報センターのホームページにも公開されているので参照していただきたい。

 「柏の葉」の取り組みについては記者もその都度記事にしている。「柏の葉三井不動産 RBA」の3文字で検索していただけば10本ぐらいの記事が出てくるはずだ。

 北九州の取り組みは「すごい」の一言だ。よくぞ「死の海」から「緑のまちへ」再生を遂げたものだ。三井不動産の小野澤氏も見学して刺激を受けたそうだ。水や環境ビジネスの「北九州モデル」を東南アジアなどへ輸出するという。官と民が連携して初めてできる事業だ。

 「西条農業革新都市」は、これからの農業のあり方を問う事業で興味深い。農地法の規制や農協、物流などの難問をどうクリアしていくのか。儲かる農業は可能なのか、食糧自給率は高めることができるのか。森林・林業、漁業との連携を密にして6次産業化を早く確立することが求められている。

 「福島医療ケアサービス都市」は、ICTなどを駆使して深刻な過疎村の遠隔医療相談やデマンド交通、緊急避難に生かそうというもので、さらに観光にも結び付けようというものだ。高齢化は過疎村だけの問題ではない。首都圏近郊の大規模団地でも高齢化は加速度的に進み、空き家の大量発生、コミュニティ崩壊、限界集落化、廃村が大きな社会問題となるのは必至だ。

 「沖縄物流拠点都市」は、全日空が沖縄観光に力を入れているのはOSI(沖縄観光産業研究会)を通じてよく知っていたが、まさか人口20億人が住む東アジアの中心地という利便性を生かして「国際物流ハブ拠点」として地歩を固めつつあることは知らなかった。沖縄は気候の問題もあるだろうが、東アジアの観光拠点にはならないのだろうか。

 シンポジウム全体を通じて官民学の連携こそがあらゆる分野の問題を解決する道筋だと強く感じた。

未来都市モデルは成長戦略の重要な柱」 経団連シンポ(10/31)

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