大槻監督を胴上げする東急リバブルナイン
東急リバブル(92)4-0三菱地所(90)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合 計 | |
東急リバブル | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 4 |
三菱地所 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
東急リバブル井上投手
東急リバブルが18年ぶり4度目の総合V-日本不動産野球連盟(略称:RBA、主催:第三企画)第35回大会総合優勝戦、水曜ブロック優勝チーム・東急リバブルVS日曜ブロック優勝チーム・三菱地所が4月14日(日)、東京ドームで行われ、東急リバブルが4-0で快勝。第17回大会以来、18年ぶり通算4度目の総合優勝を果たした。新人エース井上が総合優勝戦としては史上初の9回ノーヒット・ノーランを達成した。許した走者は四死球による4人と味方の失策による1人のみ。打では星川が貴重な追加点となるソロホームランを放った。先頭打者の〝化け物〟竹内も4打数2安打の活躍。
三菱地所はエース&主砲の社が4月1日付米国ボストン異動で欠場。代わって先発した大河原は7回途中までよく投げたが味方の拙守に泣いた。(記者の目による自責は1点のみ)
リバブルは初回、先頭の竹内がいきなり左翼越え2塁打を放ち、続く濱の四球で無死1、2塁の好機を併殺でつぶしたあとの2回、この回先頭の5番高岡の内野安打と敵失と四球で満塁の好機に9番羽方の犠飛で1点先制。
6回には6番星川が中堅越え本塁打して1点追加。7回は8番近藤が四球で出塁すると羽方が手堅く送り、竹内は敬遠されたが、濱の中堅越え2塁打と敵失で2点加点して突き放した。星川は本塁打と2塁打の長打2本を放ち、竹内も4打数2安打の活躍。7回の好機には敬遠された。
先発の新人エース井上は序盤、制球に苦しみ4回まで4つの四死球を与えたが、得意のチェンジアップでしのぐと、その後は6回、味方の失策による走者を出したのみ。9回まで9個の三振を奪い107球で総合優勝戦で初のノーヒット・ノーランを達成した。井上は今季7試合すべて完投。43回投げ失点は6、自責点は3で、防御率は0.63。
三菱地所は完敗。投打に活躍してチームを28年ぶりに日曜ブロック優勝に導いた社は4月1日付で米国勤務(ボストン)へ異動となり欠場。初回、先頭の大串が四球を選び出塁したが、期待の2番・横手は併殺で倒れ先制機を逸し、その後も「打てそうで打てない」(ナイン)井上投手に翻弄された。3番森野は2つの四球を選び、盗塁も成功させるなどひとり気を吐いた。
社に代わって広島勤務の先発・大河原(31)は7回途中まで粘投したが、2回は自らの失策などで1点先制を許し、6回には星川にランニング本塁打されたが、外野手-内野手の中継が乱れたもの。7回も1死1、2塁から2塁打されたが、うち1点はミスによるもの。実質的な自責点はゼロか1点のみ。7回1死から登板した楽天入りした早川と早大の同期で、抑えのエースだった柴田は2回3分の2を1安打に抑えただけに悔やまれる。
日曜ブロック決勝戦は社-大河原-柴田で6回をノーヒット・ノーランリレーで優勝したが、今度はノーヒット・ノーランに抑えられた。歴史は繰り返す。同社チームは第5回大会(1993年)の日曜ブロック決勝戦でもナショナル住宅産業(現パナソニックホームズ)野中投手に6回完全試合を喫している。
第35回RBA総合優勝戦 プロカメラマン・石井俊志氏撮影Photo Page
もう一つの総合優勝戦 東急リバブルVS三菱地所 応援席Photo Page
先制の犠飛を放った東急リバブル羽方
本塁打を放った東急リバブル星川
三菱地所の大河原(左)と柴田
試合後、健闘を称えあう澤田監督(左)と大槻監督
「120パーセント愉しめ」実践した若い選手に感謝 大槻監督
〇大槻監督 初回の得点機に点を入れられなかった時点で、難しい試合になると思いました。三菱地所の社さんが海外異動ということでしたが、登板した投手は想定を超え、守備は堅実。もう少し打てると思っていたのが、突破口を開こうとしてもはまらずにいました。その状況を打破してくれたのが、若い選手たちです。想像以上の頑張りでした。そして濱主将の強烈なキャプテンシーと、中堅&ベテラン選手達がメンタル面で若い選手達を支えた姿は素晴らしかった。「120パーセント愉(たの)しめ」を実践してくれた選手たちに感謝しています。連覇します!
○濱主将 みっちり練習してきた。負ける気がしない。(2点二塁打は)敬遠を目の前で見て、闘志が燃えて気持ちで打った。今年も連覇へ、やります
濱
○井上 社会人になってからこうして東京ドームでやれるなんて、嬉しかったです。9回いけるとは。球数を少なくということを意識して、でも5回までは1-0が続き緊張感があって、すごく疲れました。ドームはマウンドが投げやすくて、それにフィットしていって最後までいけました
井上(手前中央)の草野球の仲間
○羽方 (二回、先制の犠飛)逆方向に打つ練習をずっとしていた成果です。(七回、送りバント成功)ずっと練習通り。バントも練習しておいて良かった
羽方
○畑野 (初回裏、併殺を決め)球がライトにかぶった。勘です。(試合後)打ちたかったなぁ!
○近藤 (七回の生還後、笑顔で)1周は疲れたー!
〇星川 2塁打の当たりは完璧(左中間最深部まで運んだ。プロの外野手は捕っただろうが…)
星川
今年は俺も投げるぞ 独立リーグ「石川」出身のリバブル左腕・八尋(29)
八尋
東急リバブルの投手は井上だけではないことが分かった。福岡の文武両道・西南学院高校出身の身長179センチの左腕・八尋(29)だ。プロ野球独立リーグ石川ミリオンスターズではMAXは150キロ。トミージョンの手術後でまだ投げられる状態にないようだが、「来年(今季のことか)、再来年を目指す」と自信たっぷり。
投げられるのはほかにもいる。大槻監督は「井上の完投は想定外。継投に坪井、竹内、星川を考えていた」と明かし、竹内は「いつでも投げられる」と話した。
桁違いの打力を持つ竹内は打撃に専念したほうがいいとは思うが、本塁打を放った星川、この日は無安打だった〝調布の星〟奥富、竹内と同窓の畑野、好守の羽方ら打線も切れ目がない。4-1に不満らしいベテラン河野は「ダメ」と弱音を吐いたが、岡住もそうだったように主砲の座を死守するはずだ。〝未完の大樹〟松本(53)も「トミージョンの手術後だが、今季はベンチ入りしたい」とやる気満々。
リバブル大槻監督は試合後「2連覇を目指す」と語った。第2の黄金時代を築くか。
「そのうちにリバブルは1位になる」太田陽一社長が意味深発言
リバブル調布センターの応援団と記念写真に収まる太田社長
三菱地所の応援団は数十人の選手の仲間などが中心で、幹部の出席はなかったのに対し、東急リバブルは太田陽一社長を筆頭に200~300人が繰り出した(登録は386人だが、欠席した人もかなりいた)。
太田社長は、3番奥富、4番河野が所属する総勢10人の調布センターの記念撮影の求めに気軽に応じた。1-0の場面では「いいところでなかなかヒットが出ない。チャンスをものにできていない。好投手の投げ合い」とやや不満げだったので、「井上は宅建試験で43点、羽方も42点」とヨイショしたら「優秀なんだね」とまんざらでもなさそうだった。「プロ野球は好きなのですか」と声を掛けたら「普通。贔屓チームは毎年変わる。今年は1位の中日。昨年は残念だったので…」と話した。
試合後、ネクタイを締めグランドに降りてナインと一緒に記念撮影に収まり、労をねぎらったあと「リバブルはそのうち1位になる」と締めくくった。
社長を囲んで記念写真に収まる東急リバブルナイン
三菱地所ナイン
◇ ◆ ◇
記者は「リバブルはそのうち1位になる」の言葉に鋭く反応した。総合優勝に輝いたのだから「そのうち1位になる」発言はつじつまが合わない。グラウンドから立ち去るのを通路まで追っかけ、「社長、〝そのうち1位〟とはどう意味ですか」と畳みかけたが、「そのうちだよ」とはぐらかした。
皆さんはどうとらえるか。リバブルナインは優勝に酔いしれ(ベンチはもちろん、観客席も飲酒は厳禁)、上の空でその意味を全く解していない様子だったが、太田社長は本業の仲介取り扱い額も首位になることを考えていると記者は解釈した。取り扱い件数はともかく、1件当たりの取扱額は三井不動産リアルティをはるかに上回っている。
贔屓チームが毎年変わり、強いところを応援するというのは、考えてみれば理にかなっている。「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」の兵法通りだ。ストレスはたまらないだろうし、周りに怒りをぶちまけることもない。(小生は西鉄・西武一筋に65年余。浮気などしない。そのせいで、今年は1週間の間に単独首位から昨年の5位に転落)。
この日応援に駆けつけた社員が属するセンターは冒頭の「調布」をはじめ、「二子玉川」「高田馬場」「中野」武蔵小山」「吉祥寺」飯田橋」など、都心・準都心の新築マンション単価は500万円以上(中古は300~400万円か)のまだまだ伸びしろのありそうなところが目立った。
大河原はよく投げた、柴田も抑えた。森野の2盗塁生かせれば… 澤田監督
●澤田監督 ヒットが1本も出なかった。三振を重ねたわけではなく、打てそうなのに、打てない。うまく抑えられた。うまくかわされた。東急リバブルさんは打者が1球1球を見極めている。「打ちたい」だけでなく、役割を果たしていた。うちは打つ方はいいところはなかった。しかし、大河原は序盤を良く投げ、試合を作ってくれた。柴田もしっかり抑えてくれた。3番森野が2盗塁してチャンスを作った。言い訳はしたくないけど。紙一重だと思う
●横手 (6回の遊失記録は)あれはヒットでしょ(澤田監督、村部らは「あれはエラー」と突き放す)
横手
●大河原 早大時代はサークル。竹内選手は社会人になって初めて経験する強打者。初回は初球ストライクで、高めに浮いた2球目を打たれたが、まさか、打ってくるとは…
健闘を称えあう竹内(左)と大河原
日曜ブロック決勝戦 11月22日 ケン・コーポレーション(90)0-1三菱地所(90)
第17回大会アーカイブ 東急リバブル 9年ぶり3度目総合優勝(2006/5/23)
第17回大会アーカイブ 東急リバブル 9年振り4度目優勝 (2005/11/1)
【東急リバブル】
順 | 位置 | 選手 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 | 打 | 安 | 点 |
① | 中 | 竹内 | 左二 | 右飛 | 左安 | 敬遠 | 中飛 | 4 | 2 | 0 | ||||
② | 一 | 濱 | 四球 | 遊ゴ | 二ゴ | 中二 | 三ゴ | 4 | 1 | 1 | ||||
③ | 捕 | 奥富 | 遊ゴ | 三飛 | 二ゴ | 投ゴ | 投ゴ | 5 | 0 | 0 | ||||
④ | 左 | 河野 | 遊飛 | 二安 | 中飛 | 三飛 | 4 | 1 | 0 | |||||
⑤ | 右 | 高岡 | 捕安 | 投飛 | 投ゴ | 遊飛 | 4 | 1 | 0 | |||||
⑥ | 遊 | 星川 | 投失 | 遊ゴ | 中本 | 中ニ | 4 | 2 | 1 | |||||
⑦ | 三 | 畑野 | 四球 | 三振 | 二ゴ | 三振 | 3 | 0 | 0 | |||||
⑧ | D | 近藤 | 投ゴ | 二ゴ | 四球 | 四球 | 2 | 0 | 0 | |||||
⑨ | 二 | 羽方 | 右犠 | 三ゴ | 投犠 | 遊ゴ | 2 | 0 | 1 | |||||
合 計 | 32 | 7 | 3 |
投 手 回 安 振 球 責
井 上 9 0 9 4 0
【三菱地所】
順 | 位置 | 選手 | 1回 | 2回 | 3回 | 4回 | 5回 | 6回 | 7回 | 8回 | 9回 | 打 | 安 | 点 |
① | 中 | 大串 | 四球 | 右飛 | 1 | 0 | 0 | |||||||
1 | 打中 | 和田 | 投飛 | 三振 | 2 | 0 | 0 | |||||||
② | 遊 | 横手 | 三ゴ | 三振 | 遊失 | 3 | 0 | 0 | ||||||
2 | 打 | 増田 | 三振 | 1 | 0 | 0 | ||||||||
③ | 左 | 森野 | 四球 | 四球 | 三振 | 1 | 0 | 0 | ||||||
3 | 打 | 澤田 | 三ゴ | 1 | 0 | 0 | ||||||||
④ | 投 | 大河原 | 三振 | 遊飛 | 2 | 0 | 0 | |||||||
4 | 投 | 柴田 | 中飛 | 1 | 0 | 0 | ||||||||
⑤ | 一 | 村部 | 遊飛 | 投ゴ | 2 | 0 | 0 | |||||||
5 | 打一 | 平川 | 三振 | 1 | 0 | 0 | ||||||||
⑥ | 二 | 成瀬 | 二飛 | 三ゴ | 2 | 0 | 0 | |||||||
6 | 打二 | 柴橋 | 遊ゴ | 1 | 0 | 0 | ||||||||
⑦ | 右 | 山本 | 投飛 | 二飛 | 2 | 0 | 0. | |||||||
7 | 打右 | 藤村 | 三振 | 1 | 0 | 0 | ||||||||
⑧ | 捕 | 横田 | 死球 | 三振 | 1 | 0 | 0 | |||||||
8 | 打捕 | 内山 | 捕邪 | 1 | 0 | 0 | ||||||||
⑨ | 三 | 山内 | 投飛 | 三振 | 三ゴ | 3 | 0 | 0 | ||||||
合 計 | 26 | 0 | 0 |
投 手 回 安 振 球 責
大河原 6 1/3 6 1 4 2
柴 田 2 2/3 1 1 1 0