「HARUMI FLAG」全体像
「HARUMI FLAG」の消費税額(土地価格と建物価格)を知るべく、8月12日、突撃取材を敢行し、マンションパビリオンに出かけたが空振りに終わった。
この日はキャンセル住戸の再登録と申込者の契約会が行なわれており、門外で待ち構え、出てくる人に片っ端から聞けばわかると踏んだのが甘かった。
13:30から16:00まで、パビリオンの前の街路樹の木陰に汗みずくになって身を潜め待ち構えること2時間半。1時間に10組くらいの出入りはあったが、ほとんどの人は車かタクシー、バイク利用で、来場者から話が聞けたのは数組しかなかった。そのすべての人が「分からない」「他の人に聞いて」などとつれない返事ばかりだった。
これはダメだとあきらめ、パビリオンの方にダメもとで聞いたが、「PR事務局で聞いて」と予想通りの答えしか返ってこなかった。
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それでも収穫はあった。2組の中国人の方から話が聞けた。
日本に来てから7年という33歳の男性会社経営者は、「303㎡の1億2,300万円(坪単価394万円)を購入した。上海や北京のマンションよりはるかに安い。消費税? 10%。額? 分からない。今日は申し込みだけだ。そんな話出なかった。契約は後日」と話した。消費税額だけで少なく見積もっても数百万円はするのに何と鷹揚なことか。
もう一組の夫が工場長という40代と思われる主婦。「6,000万円くらいのを申し込みましたが外れた。上海のたいしたことないマンション持っていますが、それでも1億円。ここ(HARUMI)は安い。消費税? トータルで考えるからあまり考えない。中国の人がたくさん買っているようですが、みんな投資です。RBA? 聞いたことない。悪いこと書くんでしょ」と言われたので、「いえいえ、わたしほど正確で公平な記事を書く記者はいません」と返した。
このほか、3組の日本人に話しかけたが、「分からない」などと取り合ってもらえなかった。
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国税庁は、譲渡代金を非課税の土地価格と課税対象の建物価格に按分する場合、次の手法により合理的に区分することを求めている。
①譲渡時における土地及び建物のそれぞれの時価の比率による按分
②相続税評価額や固定資産税評価額を基にした按分
③土地、建物の原価(取得費、造成費、一般管理費・販売費など)を基にした按分
一方で、「建物と土地を一括譲渡した場合に、租税特別措置法に規定する法人税の土地の譲渡等に係る課税の特例の計算における取扱いによって建物と土地の価格を区分しているときには、消費税の計算においてもその区分したところによらなければなりません(基通10-1-5)」とあるが、残念ながら記者は意味が分からない。
①から③では、①の場合は消費税額少なくなり、③は逆にとてつもなく高額になり、②はその中間になるはずだ。
参考までに。記者が3年前に「坪単価は250万円」と予想したのは次のように計算したからだ。
土地代は、容積率400%と仮定して一種8万円/坪。建物はどんな立派なものでも150万円/坪。共用部分は充実するだろうから有効率(レンタブル比率)を80%(実際はもっと低いかもしれない)とすると、150÷0.8=188万円が工事費。これに経費、利益など30%上乗せし、土地代8万円を加算すると約250万円になる。
東京都と事業者は、当初事業計画より1%以上の売り上げ増となった場合は、契約に基づき「著しい利益増加」と判断し、利益を折半するとしている。記者はその分岐点は坪250万円と今でも信じている。折半は都民の理解を得られるか。「利益増加分すべてを都に戻すべき」という声も出てくるのは必至だ。
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