新型コロナの緊急事態宣言が5月25日に解除されて15日(6月13日現在)が経過した。メディアは連日のように〝夜の街〟を報じている。果たして感染者は減るのか増えるのか、〝第2派〟は来るのか来ないのか、考えるうえで参考となりそうなテータを示す。
別表は、緊急事態宣言解除前(before)と解除後(after)の東京都の年代別・性別感染者数をまとめたものだ。感染者数はbeforeの201人からafterは346人に約72%増加しているが、年代・性別で見ると、大きな変化がある。
年代別で見ると10歳未満、10代、60~80代はほとんど数値は変わっていない。大きく変わっているのは20~50代の生産年齢層で、20代は55人から125人へ約2.3倍、30代は31人から86人へ約2.8倍に増加している。この20代と30代の層だけでafterの総数の61%を占めている。
さらに性別で見ると、顕著な傾向が表れている。20代男性はbefore16人からafterは81人へと5倍に激増。30代男性もbefore14人からafter66人へと4.7倍に増えている。この20代と30代の男性が解除後の感染者増加の〝悪玉〟に仕立て上げられていると言えそうだ。
もう一つ、不気味なのが20代の女性だ。before39人からafter44人へ数字としては微増だが、そもそもbeforeの数字は他の性別と比較して断トツの数字だった。
これが何を意味するか、これ以上深入りしない。安倍首相や小池都知事のメッセージは若者にどう届いているのか。安倍首相と小池都知事の記者会見の発言を添付する。
■安倍首相
「3つの密が濃厚な形で重なる夜の繁華街における接待を伴う飲食店、ライブハウスなど、これまで集団感染が確認された場所へ出かけることは、引き続き自粛をお願いすることとなると考えます」(5月4日)
「3つの密が濃厚な形で重なり、これまでも集団感染が確認された夜の繁華街の接待を伴う飲食店、バーやナイトクラブ、ライブハウスなどについては、御協力を頂いていることに感謝申し上げます。こうした施設も、専門家の皆さんに御協力いただきながら、来月中旬をめどにガイドラインを策定し、上限200万円の補助金により、有効な感染防止対策が講じられるよう支援する考えです。それまでの間、どうか身を守る行動を続けていただきますようにお願いいたします」(5月25日)
■小池都知事
「繁華街におけます夜の街、クラスターとの関連が判明している方が結構おられます」「このところの感染者に、結構若い方々が多いのも事実でございまして、よって、繁華街、特に夜の繁華街への外出については、十分にご注意いただきたい」(5月29日)
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