2025年度上期末のマンション管理適正評価制度の受託組合数・登録数・登録率実績の高い管理会社
| 会員社名 | 受託組合数 | 登録数 | 登録率(%) |
| 日本ハスズィング | 9,146 | 1,326 | 14.5 |
| 東急コミュニティー | 8,061 | 968 | 12.0 |
| 三菱地所コミュニティ | 4,303 | 857 | 19.9 |
| 三井不動産レジサービス※ | 3,107 | 1,078 | 34.7 |
| 長谷工コミュニティ※ | 4,142 | 621 | 15.0 |
| 大和ライフネクスト | 4,022 | 623 | 15.5 |
| 野村不動産パートナーズ | 2,347 | 556 | 23.7 |
| 大成有楽不動産 | 753 | 89 | 11.8 |
| 近鉄住宅管理 | 797 | 196 | 24.6 |
| 阪急阪神ハウジングサポート | 400 | 62 | 15.5 |
| 日鉄コミュニティ | 619 | 79 | 12.8 |
※三井不レジサービス、長谷工コミニティは分社化会社の数字との合計
マ2025年マンション管理適正評価.pdf
マンション管理業協会が1月16日発表した「マンション管理適正評価制度」の普及・推進に貢献した会員社リストをもとに、2025年度上期末時点の受託組合数・登録数が多く、登録率が高い管理会社をリストアップした。なかなか興味深い結果が得られた。
受託組合数がもっとも多いのは日本ハウズィングの9,146組合で、以下、東急コミュニティー、三菱地所コミュニティの順となっている。登録件数が多いのは日本ハウズィングの1,326件で、三井不動産レジデンシャルサービス、東急コミュニティーの順だ。登録率がもっとも高いのは三井不動産レジデンシャルサービスの34.7%で、24.6%の近鉄住宅管理、23.7%の野村不動産パートナーズと続く。
同協会が昨年の賀詞交歓会で公表した同制度の2024年度末の登録件数がもっとも多かった大京アステージ(登録件数1,130件、登録率15.1%)や穴吹コミュニティ(登録件数444件、登録率21.5%)が漏れているのは、今回は2025年上期の実績を対象にしたためだ。
記者は、2023年6月13日に行われた同協会懇親会で副理事長・小佐野台氏(日本ハウズィング代表取締役社長CEO)が「2年後のマンション適正管理評価件数を1万戸にするには、会員354社の管理件数の1割で達成できます。ちょうど1割、たった1割(爆笑、拍手喝采)で達成できます」と呼び掛けたのを忘れない。
目標の1万戸達成は2025年3月末では達成できず、2025年11月にずれ込んだ。記者は、登録数1万件が多いのか少ないのか、判断材料を持ち合わせないが、みんなで決めた「ちょうど1割、たった1割」を守れなかったことは反省すべきだと思う。1割未達の管理会社は奮起しなければならない。
その反省の意味が込められているのか、賀詞交歓会で世古理事長は「管理の現状を〝見える化〟することで、その改善を促し、お住まいの方々の居住価値を高める」「仲介市場でこれを開示することでマンションの市場価値を高める」「管理会社の役割や貢献を〝見える化〟する」「有用なデータの活用にも今年からはさらに積極的に取り組む」と語った。また、副理事・問田和宏氏(野村不動産パートナーズ社長)は「管理会社の価値が問われる一年になる」と述べた。他の来賓の方々も同制度の普及は「安心・安全」につながると期待を寄せた。
記者は、この制度を飛躍的に伸ばすには、同協会の努力だけでは不十分で、不動産流通会社や住宅金融支援機構、物件情報サイトが連携することが不可欠だと思っている。
マンション購入者にしてみれば、同制度に登録されているかどうかで物件選びはしないだろうが、今はAIの時代だ。物件選考の指標として分譲会社、建設会社、管理会社などとともに「マンション管理適正評価」「管理業者管理者方式」「ZEH」「環境性能表示」「免震」などのキーワードで物件選びができるようにしなければならない。現在、管理評価が掲載されている不動産情報サイトは13あるが、多くのサイトは「物件名」を検索しないと、同制度に登録されているかどうかは分からない仕組みになっているようだ(「SUUMO」と野村不動産ソリューションズ「ノムコム」の「マンションデータPlus」は比較的検索がらく)。
評点が低い管理組合は〝劣等生〟であることを公表することには抵抗感はあるだろうが、マンションは商品でもある。商品価値を上げるためには、適正な管理が行われているかどうかを第三者に公開することは欠かせない。この制度のいいところは、少し頑張れは劣等生でも優等生になれることだ。登録に前向きに取り組んでいただきたい。
◇ ◆ ◇
マンション管理適正評価制度と管理業者管理者方式の普及・推進を阻む〝壁〟についても考えてみた。
記者は、管理組合と管理会社の関係は「夫婦」に似ているのではないかと思う。どちらが男か女か、あるいは同性愛者か両性具有者かは分からないが、肝心なのは「愛」だ。愛があれば、Win-Winの関係は構築できるはずだ。
しかし、管理組合と管理会社は良好な関係にないことをうかがわわせる情報がネットには氾濫している。
例えば、双方の関係性について。「マンションの管理の主体は、マンションの区分所有者等で構成される管理組合にあります」(マンション管理業協会)は当然として、「すべての業務が管理会社経由のため業務委託費が割高になることが多い」「管理会社自身も、外注した業務を専門業者に丸投げしていることも少なくないので、定期的に開催される理事会で執行状況をチェックすることが必要」(SUUMO)とある。
当事者である管理会社も、マンション管理会社を利用するデメリットとして「コストが発生する」「サービスの質にばらつきがある」「コミュニケーション不足」を上げ、マンション管理会社を選ぶポイントとして「実績や評判をチェックする」「サービス内容がニーズに合っているか」「管理スタッフの教育がしっかりしているか」「問題が起きたときにすぐ対応してくれるか」「お金の管理がしっかりしているか」などと発している(この会社の登録件数を知りたい)。
利益相反についても、「発注者たる管理者としてはなるべく安く発注することが利益となり、受注者たる管理会社はなるべく高く受注することが(株主)利益となる、構造的に利益が相反する関係」(香川総合法律事務所代表弁護士・香川希理氏)「発注者側である管理組合が、利益相反の構造を正確に理解し、それを踏まえて判断しているかどうか」「そのような説明が一切ないままに業者や方式が選ばれているとすれば、それは透明性に欠け、適正な意思決定とは言えません」(一般社団法人マンション適正管理サポートセンター)という声がある。
マンション管理会社変更のことを「リプレイス」と呼ぶそうで、これがまた凄い。「分譲マンション管理会社首都圏リプレイス満足度ランキング」が発表されている。1位・大和ライフネクスト、2位・東急コミュニティー、3位・日本ハウズィング、4位・合人社計画研究所とある(オリコン顧客満足度ランキング)。
個社のホームページでも「他社からの変更等の受託比率約60%」(管理実績約28万戸=大和ライフネクスト)「管理実績の約30%が他社からの切り替え-業界トップクラス」(マンション管理戸数約47万戸=東急コミュニティー)と謳っている。
――何をかいわんや。いつから管理組合と管理会社はこのような〝愛と憎しみは紙一重〟の関係に陥ったのか。国土交通省の「マンション基本調査」によると、平成20年度(2008年度)のリプレイ率は13.2%だったのが、令和5年度(2023年度)は24.5%に増加している。この数値からは、リプレイが増加したのはリーマン・ショック後であることが分かる。
断っておくが、記者はリプレイが悪いとは思わない。「女房と畳は新しい方がいい」(「糟糠の妻」「女房と味噌は古いほどいい」もあるし、記者は「女房」「妻」を「夫」に置き換えるのもありだと考える)ということわざもある。「愛」が冷めたのに、だらだら恋々と関係を続けるのは双方にとって不幸なことだ。
双方の関係が不安定になっているのは他にも要因がありそうだ。愛を育む温床であるはずの地域も家庭も、高度成長-バブルの発生と消滅-失われた35年で破壊されつくされた。マンション管理では、車の両輪の片方であるはずのコミュニティ条項が10年前に削除され、息の根を止められたのが決定的だった。証拠はある。国交省のマンション基本調査によれば、町内会・自治会などのコミュニティ活動へ参加していない管理組合は昭和49年以前の30.8%から令和2年以降は61.8%へ倍増している。居住者同士の触れ合いの場ともなる集会室が設けられているのは昭和49年以前は65.9%なのに対し、令和2年以降は36.5%激減している(最近の大規模物件ではコミュニティスペースなどは充実しているが)。
大越さん、それでも小生が管理業者管理者方式に賛成するのは、もう悪あがきはやめて、病葉のように時の流れに身を任すのが賢明と考えたからです。「愛」を語るには年を取り過ぎた。たまに「愛してるよ」と語りかけても「あなたは口先だけ」とそっぽを向かれる。〝二つの老い〟を劇的に解消する回春剤などありはしない。ならば、月額1,000円で済むのであれば、管理業者管理者方式(もっと気の利いた言葉はないのか)に任せようではないか。
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