
「Brillia ist東雲キャナルコート」
凄い、凄い、凄い-東京建物、慶應義塾大学、YKK APは2月24日、わが国初の「既存賃貸マンションのZEHリノベ実証実験」結果報告会を開催した。通常リノベとZEH仕様のマンションでは快適性、健康性、知的生産性、省エネルギー性でどのような差異があるかを科学的に検証したもので、あらゆる面でZEH仕様が有意性があることを証明した。
実験は、東京建物が開発し保有する築20年、総戸数423戸の大規模賃貸マンション「Brillia ist東雲キャナルコート」を対象に、同じ方位、同じ間取りの専有面積66㎡の6階住戸をZEHリノベーション、11階住戸を通常リノベーションに設定し、室内環境測定と被験者(慶大生、夏季、冬季各16人、合計32人)の実証データを比較検証したもの。
通常リノベ住戸をZEH仕様とするため、外壁・バルコニー・開口部には吹付け硬質ウレタンフォームA種1H(厚さ35mm)、一重窓Uw=2.11W/(㎡・K)、アルミ樹脂複合サッシ、Low-E 複層ガラス(G15)を採用し、設備改修には節湯A1(手元止水)、節湯B1(小流量吐水)を採用。
その結果、UA値は通常リノベの0.74W/(㎡・K) (断熱等性能等級4) からZEH仕様は0.27W/(㎡・K) (断熱等性能等級6)へ、BEI値は通常リノベの0.94(一次エネルギー消費量等級4)からZEH仕様は0.73(一次エネルギー消費量等級6)へ改善した。
被験者は、5泊6日の宿泊日程で、4名を1グループ、1週間で2グループがZEH改修住戸と通常改修住戸を1泊ずつ交互に宿泊して模擬作業を行い、通常リノベvs ZEHリノベ比較による効果検証を行った。
報告会の冒頭、東京建物執行役員 住宅エンジニアリング部長・遠藤崇氏は、同社のZEH-Mの取り組みとして経済産業省「高層ZEH-M実証事業」に認定された2018年の「Brillia弦巻」、2019年の「Brillia Tower 聖蹟桜ヶ丘BLOOMING RESIDENCE」、そして、大規模建築物として日本初の「ZEH-M」を2024年に竣工した「Brillia 深沢八丁目」などの事例を紹介。「Brillia ist 東雲キャナルコート」の物件概要と、今回の実証実験概要を発表した。
国土交通省住宅局参事官(建築企画担当)付建築環境推進官・宮森剛氏は、わが国の住宅ストック(約5,400万戸)のうち省エネ基準に適合している住宅は令和5年度時点で約19%、無断熱の住宅は約23%と推計されること、2008年から2024年の間、既存住宅流通量のシェアは29.6%から43.6%に増加していること、住宅リフォーム市場規模は約8.3兆円(2024年)と推計されていることなどを報告し、ZEHに対する優遇策を紹介した。
検証の結果、作業効率は6.3%(夏季)、睡眠効率は4.8%(同)、それぞれZEH水準が上回ることが分かった。検証実験を行った慶応大学理工学部システムデザイン工学科・川久保俊氏は、ZEHリノベ仕様は快適性(温熱環境・居住性)、健康性(睡眠・疲労感)、知的生産性(作業効率・集中)、省エネルギー性(消費電力)に有意であると報告した。
YKK APビル統括本部開発営業部長・大作健司氏は、同社が開発した集合住宅用の断熱窓の効果などについて説明した。

遠藤氏

宮森氏

川久保氏
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大作氏

左から大作氏、遠藤氏、川久保氏、宮森氏
◇ ◆ ◇
先の記事にも書いたように、報告があることを失念していた。この記事は、同社から送られた報告会の内容データを読んで書いたものだ。酒もかなり入っており、72ページもある資料を読みこなすのは大変だったが、何とかまとまったのではないか。これまでこの種の取材を何回か行っているので、その記事も添付する。
一つ質問もある。これに内装材をケミカル製品と木質に分け、さらに観葉植物をフェイクと本物にしたらデータはどうなるのか。




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