オフィス堅調、マンションも改善 三菱地所2021年3月期2Q 減収増益
三菱地所は11月11日、2021年3月期第2四半期決算を発表。売上高5,273億円(前年同期比1.5%減)、営業利益980億円(同6.3%増)、経常利益916億円(同13.0%増)、純利益509億円(同6.0%増)と減収増益。
商業施設とホテル事業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け大きく落ち込んだが(都心型・オフィス複合商業施設の6月の売り上げ水準は前年同月の約5割で、7~9月も前年同期比5~6割程度。ホテルの回復も緩やか)、オフィスビルの賃貸利益増及びキャピタルゲインの増加などにより増益。
国内分譲マンションの売上・売上計上戸数はほぼ前期並み。利益率の高いタワーマンションの計上などにより粗利率は改善(前年同期比+2.5ポイント)。完成在庫が順調に減少した(前年同期比▲217戸、期初比▲75戸)。
2021年3月期予想を修正。売上高1兆1,420億円(前期比12.3%減)、営業利益1,910億円(同20.7%減)、経常利益1,750億円(同20.3%減)、純利益1,100億円(同25.9%減)。インカムゲイン及び国内分譲住宅などに対し約450億円のマイナス影響(特別損失を含む)を見込む。営業利益は約60億円改善。純利益に変更はなし。
新型コロナ影響最小限 飯田グループHD 2021年3月期2Q 増収増益 配当も前期並み
飯田グループホールディングスは11月9日、2021年3月期第2四半期決算を発表。売上高は7,383億円(同12.4%増)、営業利益は526億円(同12.0%増)、純利益は347億円(同14.0%増)と増収増益となった。
主力の戸建分譲事業の売上高は7, 383億円(前年同期比12.4%増、26,360戸)となり、セグメント別では一建設が1,739億円(前年同期比18.8%増、6,727戸)、飯田産業が1,230億円(同3.6%増、3,892戸)、東栄住宅が882億円(同17.0%増、2,705戸)、タクトホームが689億円(同16.4%増、2,432戸)、アーネストワンが1,427億円(同9.5%増、6,235戸)、アイディホームが543億円(同14.1%増、2,190戸)と全て増収。
未定としていた2021年3月期業績予想は売上高1兆3,800億円(前期比1.6%減)、営業利益900億円(同7.8%増)、純利益580億円(同7.9%増)としている。
期末配当も前回予想の16円から前期と同じ31円とし、通期も前期と同額の62円と予想している。
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予想はしていたが、すごい数字だ。コロナの影響はほとんど受けていないように見える。セグメント別ではアーネストワンが一建設を戸数で猛追している。
旭化成ホームズ 2021年3月期2Q 売上高は過去最高 大規模・高額マンションが寄与
旭化成ホームズは11月6日、2021年3月期決算第2四半期決算概要を発表。売上高は過去最高の3,144億円(前年同期比3.1%増)、営業利益は294億円(同2.3%減)となった。
建築請負部門は、昨年度からの戸建住宅の受注減の影響により売上高は1,878億円(同4.8%減)、営業利益は143億円(同23.8%減益)となり、受注高は新型コロナウイルス感染症拡大防止のために展示場を閉鎖したことや積極的な集客活動を控えた影響で戸建・集合とも前年比マイナスの1,453億円(同28.1%減)となった。
一方、分譲(マンション)事業は、大規模物件や高額物件の引き渡しが当期に集中したことから、売上高910億円(同41.5%増)、営業利益124億円(同87.1%増)と、ともに過去最高を更新した。
リフォーム部門の売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け258億円(同19.5%減)、営業利益は23億円(同40.6%減)となった。
通期の業績予想は売上高6,430億円(前期比1.0%減)、営業利益565億円(同16.2%減)を目指す。
主力のオフィス・住宅は盤石 三井不動産 2021年3月期2Q決算
三井不動産は11月5日、2021年3月期第2四半期決算を発表。売上高7,974億円(前年同期比10.3%減)、営業利益641億円(同45.9%減)、経常利益472億円(同56.1%減)、純利益90億円(同86.4%減)となった。BSコントロールの一環として「新宿三井ビルディング」の売却を決定したことに伴う特別損失として328億円を計上したことにより純利益は大幅減となった。
同社は期初公表(2020年5月12日)の通期業績予想の営業利益、経常利益、純利益に変更はないが、売上高、営業利益のセグメント内訳についてはそれぞれ修正した。
売上高は、海外投資家向け分譲が好調なため前回予想を1,000億円上回る1兆9,500億円とした。賃貸セグメントは、商業施設が期初想定と比べて売り上げが回復しているとして前回予想を150億円上回る1,280億円、分譲セグメントは投資家向け分譲の進捗状況を反映し、前回予想を110億円上回る1,140億円を見込むとしている。一方で、リパーク事業やリハウス事業は上期の落ち込みが大きかったことを反映し、前回予想を170億円下回る330億円を見込む。
また、ホテル事業は期初想定よりも宿泊需要の回復ペースが緩やかであることを反映し、前回予想を130億円下回る260億円の営業損失に修正した。
セグメント別では、オフィスは堅調で首都圏の単体空室率は2.6%の低水準を維持。分譲マンションの計上予定戸数戸数3,800戸に対する契約進捗率は92%に達している。分譲住宅の完成在庫は266戸(マンション203戸、戸建て63戸)と低水準で推移している。
三井不動産リアルティの仲介件数は16,754件と前年同期より5,047件減少。ホテルなどは新型コロナの影響を受け、375億円の減収で171億円の減益。
同社・富樫烈経理部長は「ほぼ期初予想通りに進捗している。商業、ホテルなどは新型コロナの影響を受けているが、主力のオフィス、住宅は盤石。今後所得や雇用など景気がどうなるかを注視していく」などと語った。
不動産各社の決算発表 日本エスコン2020年12月期3Q 大幅増収増益
不動産各社の2020年第3四半期決算、2021年3月期第2四半期決算発表が相次いでいる。新型コロナの影響を受けているものの、オフィス事業、マンション事業などは堅調に推移している。
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野村不動産ホールディングスの2021年3月期第2四半期決算は、売上高2,239億円(前年同期比9.3%減)、営業利益241億円(同11.5%増)、経常利益194億円(同8.9%増)、純利益120億円(同3.5%減)となった。
純利益の減少は新型コロナの影響によるフィットネス店舗の営業休止や商業施設の賃貸収入減少、ホテルの稼働低下などによるもので、住宅部門は堅調に推移しており、今期計上戸数に対する契約進捗率は86.6%に上っている。とくに2020年7~9月の契約戸数は1,453戸(同社持分戸数)となっており、前年同期実績の約13%増加していると発表した。
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ヒューリックの2020年12月期第3四半期決算は、売上高1,863億円 (前年同期比13.6%減)、営業利益541億円 (同2.9%減)、経常利益501億円 (同3.8%減)、純利益287億円(同22.0%減)となった。同社は、新型コロナウイルスの影響によりホテル運営事業に影響があるものの、オフィスなどの不動産賃貸収入は安定的に推移。
期中に日本ヒューレット・パッカード本社ビル、銀座天國ビル、きらぼし銀行新宿本店などを取得。(仮称)宇田川町32開発計画、(仮称)新宿3-17開発計画、(仮称)銀座6丁目開発計画、(仮称)赤坂二丁目開発計画、(仮称)銀座8丁目開発計画などの開発・建替えも順調に進んでいるとしている。
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エスリードの2021年3月期第2四半期決算は、売上高200億円(前年同期比27.9%減)、営業利益15億円(同58.7%減)、経常利益15億円(同59.9%減)、純利益9億円(同60.1%減)。
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日本エスコンの2020年12月期第3四半期決算は、売上高649億円(前年同期比41.4%増)、営業利益112億円(同31.3%増)、経常利益104億円(同35.6%増)、純利益72億円(同37.9%増)となった。同社初のZEHマンション「レ・ジェイド大倉山」25戸も11月3日に完売した。
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平和不動産の2021年3月期第2四半期決算は、売上高214億円(前年同期比30.7%減)、営業利益66億円(同14.3%増)、経常利益62億円(同14.7%増)、純利益43億円(同24.4%増)となった。
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タカラレーベンの2021年3月期第2四半期決算は、売上高515億円(前年同期比11.1%減)、営業利益18億円(同52.2%減)、経常利益16億円(同52.5%減)、純利益8億円(同60.5%減)。マンションの通期引渡予定戸数1,980戸に対する進捗率は89.5%と順調に推移している。
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エフ・ジェー・ネクストの2021年3月期第2四半期決算は、売上高314億円(前年同期比26.6%減)、営業利益30億円(同36.7%減)、経常利益30億円(同37.2%減)、純利益19億円(同36.4%減)。
積水ハウス 厚労省「イクメン企業アワード2020」最高賞のグランプリ受賞
積水ハウスは10月28日、厚生労働省主催の「イクメン企業アワード2020」で最高賞のグランプリを受賞したと発表した。
①男性従業員全員に1カ月以上の育児休業取得を推進する「イクメン休業」制度を創設し、1カ月以上の男性育休取得率100%を継続② 「家族ミーティングシート」「イクメンガイドブック」の制作や「積水ハウスのパパたち写真展」の開催など、全社を挙げて育休を取得しやすい環境づくりを展開③ 「イクメン白書」の発行、「イクメンフォーラム」開催などにより社会全体の男性育休取得への機運醸成に貢献-したことなどが評価された。
「イクメン企業アワード」は、働きながら安心して子どもを産み育てることができる労働環境の整備を推進するため、男性の育児と仕事の両立を積極的に促進する企業を厚生労働省が表彰するもの。今回で8回目。
積水ハウス 「イクメンフォーラム2020」視聴 三重県の男性職員 育休取得率日本一(2020/9/20)
積水ハウス 障がい者の活躍推進目指す 国際イニシアチブ「The Valuable 500」に加盟
積水ハウスは10月20日、障がい者の活躍推進に取り組む国際イニシアチブ「The Valuable 500」に加盟したと発表した。
「The Valuable 500」は、2019年1月に開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で「インクルーシブなビジネスはインクルーシブな社会を創る」という考えのもと立ち上げられた活動で、障がい者がビジネス・社会・経済において自らの潜在的な価値を発揮できるような改革を、ビジネスリーダーが起こすことを目的としている。500社の企業の賛同を得ることを目指しており、現在、世界の主要企業330社以上が加盟している。
同社は加盟に際し、積水ハウスグループのコミットメントとして「積水ハウスグループは“『わが家』を世界一 幸せな場所にする” というグローバルビジョンを掲げ、住を基軸に、融合したハード・ソフト・サービスを提供するグローバル企業として、『お客様の幸せ』、『従業員の幸せ』、『社会の幸せ』を最大化する取り組みを推進します」と発表した。
ハウスメーカーでは大和ハウスグループが今年2月、加盟している。
アキュラホーム 100人規模のオンライン社内イベント 全国12か所の木曽路と連携
アキュラホームは9月29日、しゃぶしゃぶ、日本料理、焼肉、居酒屋など全国164店舗を展開する木曽路と連携し、ウィズコロナ時代の新たな取り組みとして全国12か所の会場をオンラインでつなぐ100人規模の社内優秀成績者慰労会を開催する。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、同社も入社式、歓迎会、暑気払い、成績優秀者への慰労会など例年行われてきたイベントやパーティーが中止となったが、コロナ禍における「新しい飲み会様式」として実施するもの。
慰労会には同社社員約100名と幹部が参加する予定で、木曽路の最寄りの店舗12か所に集合。全国各店舗をオンラインでつなぎ自由に会話が行えるようにすることで、参加者全員がリアルに集う飲み会のようなコミュニケーションを実現する。同時刻に同じ飲み物、同じ食べ物を楽しみながら、クイズ大会などの余興、オンラインを活用した受賞者家族からのメッセージなどで盛り上げるという。
木曽路もコロナ対策として特別なメニューを用意。リアルな飲み会を演出する。
従来の都内のホテル宴会場などで行ってきた従来の慰労会と比較して、社員の長距離移動がなくなり安全を確保。移動費、宿泊費など全体で約400万円の大幅な経費削減も見込めるとしている。
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いい取り組みだ。高齢者&糖尿病の基礎疾患を抱えている小生は、コロナに罹ったら〝イチコロナ〟になると自覚しており、この7カ月というもの徹底して三密を避けている。
取材で外食をせざるを得ないときは、コンビニでお握り2個と缶ビールを買って公園のベンチに腰掛けて食べるか、お金はかかっても一番安全だと思うホテルで食べることにしている。この前なんか、京王プラザホテル八王子の100坪くらいあるレストランをほとんど一人占めした。喫煙室ももちろんあった。三井ガーデンホテル日本橋プレミアのランチタイムはものすごく安いし、ダイワロイネットホテル西新宿のテラスでは堂々と煙草も吸える。木曽路は何度か利用したことがある。いい店だ。
宮沢社長へ。優秀成績者のみというケチな慰労会ではなく、全社員が自宅からオンラインで参加できるようにし、費用も会社負担にしたらいいのでは(同社は会社が費用援助するウェブ飲み会を行っていると聞いたが)。成績優秀者だって個人の力よりもチームの力によるところが多いのではないか。
ついでにわれわれも飲食代を同社負担としオンラインで参加できるようにしたら、一段と盛り上がること請け合いだ。
コスモスイニシア 新社長に髙智亮大朗常務 高木社長は会長へ
髙智氏
コスモスイニシアは9月14日、同社常務執行役員ソリューション本部本部長・髙智亮大朗(たかち りょうたろう)氏が代表取締役社長に就任し、現代表取締役社長・高木嘉幸氏は代表取締役会長に就任すると発表した。10月1日付。
髙智氏は1967年4月14日生まれ(53 歳)。1990年4月、同社入社。2015年4月、同社執行役員レジデンシャル本部西日本支社支社長、2019年4月。同社常務執行役員、2019年6月、同社取締役(現任)、2020 年4月、同当社常務執行役員 ソリューション本部本部長 同本部カスタマーリレーション部部長
同本部賃貸事業部事業部長(現任)。
潮目変わった 仲井社長 業績挽回に自信 積水ハウス 2021年1月期 業績下方修正
仲井社長
積水ハウスは9月11日、報道陣向けにオンラインによる経営計画説明会を行った。同社代表取締役社長・仲井嘉浩氏は、新型コロナの影響で前日に発表した2021年1月期第2四半期決算で通期業績予想を下方修正した理由、具体的な挽回策、今後の市場見通しなどについて質疑応答を含め約50分にわたり語った。
仲井社長は2023年1月期を最終年度とする第5次中期経営計画について、「この先1年はコロナの影響で経済環境は一進一退で推移し、その後はワクチンの開発も行われ大きく改善する。再度、緊急事態宣言が発令されたら厳しい。それと冬のボーナスは二極化するはずで、消費マインドへの影響は避けられないので、政府の経済・財政出動に期待したい。これがフォロー要因となる」など語った。
業績予想を下方修正したことについて仲井社長は、「下方修正した300億円を中計の最終年度まで残り2年半の中でどこでどこで取り戻すかだが、300億円のうち国際事業の100億円は期ずれではあるが中計のオンライン上にある。残りの200億円は受注額にして約1か月分。トータルとして中計を達成できるよう邁進していく」と述べた。
足元の市場について「期せずしてお客様の住宅に対する関心が高まり、新築やリフォームの機運がフォローになっている。当社のオンラインスキルも高まった。賃貸環境は厳しいがS、Aエリアに特化した戦略が奏功している」などと、コロナの影響を受けステイホームが浸透し、潮目が変わったことなどを指摘した。
主力の戸建て住宅については、全体の棟単価は4,081万円(2019年度3,993万円)と増加したしたことを受け、第一次取得層向けの「1stレンジ」(2,300万~2,400万円が中心)、30~40代のアッパーミドル向け「2stレンジ」(3,300~3,400万円)、富裕層向けの「3stレンジ」(5,000~1億円)の今後について、ビルダーとの競合が避けられない「1stレンジ」の環境は厳しいとの認識を示しながら、「3年後の目標らに掲げている1,000戸を目指し、人材も投入していく」と述べた。国際事業では、アメリカの宅地・住宅販売が好調で、中国・蘇州の3,000戸の大規模開発が完売したと話した。
仲井社長はまた、コロナの影響で3~4月の一時期、瞬間的に賃貸住宅の入居率が落ちたことについてエピソードして触れ、「信販会社を通じて239件の家賃減額申請を受理したという報告を受けたが、当社が管理する約65万戸に対して0.03%。入居率はすぐ回復し、ほとんど影響を受けていない。これは当社が高付加価値型の賃貸に特化している証であり、入居者さまにも感謝したい」と語った。
1円増配の年間82円としたことについては、「増配は何としてでもやりたかった。総還元性向53.4%を維持する。ESGのGでも役員報酬は固定報酬:変動報酬を1:2にすることで、株主と同じ土俵の乗るよう改善した」と述べた。
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同社の2021年1月期第2四半期決算は、売上高1兆1,679億円(前年同期比3.3%減)、営業利益926億円(同18.0%減)、経常利益906億円(同22.2%減)、純利益594億円(同23.2%減)と減収減益。新型コロナの影響を受け、主力の戸建て、賃貸事業などは大幅な減益となった。
通期予想は、売上高2兆4,150億円(3月5日の前回予想は2兆5,850億円)、営業利益1,750億円(同2,060億円)、経常利益1,725億円(同2,050億円)、純利益1,140億円(同1,370億円)に修正した。株式配当は81円から82円へ増配する。
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この種のオンラインによる会見、イベントをかなりこなした。20回くらいではないか。最初のころは視聴環境が悪く、よく聞き取れないケースも少なくなかったが、今回は完ぺきだった。仲井氏の説明も分かりやすいものだった。もう報道陣を一堂に集めてこの種の説明会を開く必要性はない。
それより、同社も先に行ったライフスタイル型モデル「7stories」のような現地見学会などを増やしてほしい。記者にとって座学で仕入れた情報にたいした価値はない。実物、実際をどれだけ見るかが記者の値打ちを決める。記者のレベルを上げることが、ハウスメーカーもデベロッパーも顧客に正確な自社の商品特性を伝えることにつながるはずだ。