野村不動産HD 2025年3月期 売上高、各利益とも過去最高
野村不動産ホールディングスは4月24日、2025年3月期決算を発表。売上高7,576億円(前年同期比3.1%増)、営業利益1,189億円(同6.1%増)、経常利益1,067億円(同8.6%増)、純利益748億円(同9.8%増)で、売上高・各利益とも過去最高となった。
セグメント別では、デベロップメント部門の住宅部門は売上高3,684億円(前期比92億円増)で、分譲住宅の平均価格・粗利益率の上昇や、25/3期から連結対象となったUDS社の寄与を含むホテル事業の伸長等により増収増益。このうち分譲事業は売上高2,842億円(前期2,829億円)、粗利益率26.9%(同24.6%)。計上戸数は3,760 戸(同538戸減)、内訳はマンション3,396戸(同517戸減)、戸建ては363戸(同22戸減)。エリア別では首都圏が74%。平均価格は7,558万円(同976万円増)、期末完成在庫は237戸(同290戸減)。2026年3月期の計上予定売上高3,280億円(予定戸数3,700戸)に対する期初時点の契約進捗率は63.7%。
都市開発部門は売上高2,133億円(同30億円減)で、収収益不動産売却の計画を一部変更し、売却額が減少したこと等により減収減益。海外部門は売上高94億円(同47億円増)で、ベベトナムにおける住宅分譲プロジェクトの計上が順調に進み増収増益。
サービス・マネジメント分野の資産運用部門は売上高155億円(同12億円増)で、国内の機関投資家向けファンドの運用資産残高が着実に増加し増収増益。仲介・CRE部門は売上高571億円(同75億円増)で、リテール、ミドル、ホールセールにおける、売買仲介取扱高や取扱件数の増加などにより増収増益。運営管理部門の売上高は1,138億円(同56億円増)で、管理戸数増などで増収増益となった。
2026年3月期の業績予想は売上高9,400億円(前期比24.1%増)、営業利益1.220億円(同2.6%増)、経常利益1,080億円(同1.2%増)、純利益750億円(同0.2%増)。
大和久氏の社長抜擢「人柄、リーダーシップ力、芯の強さ」川畑会長 旭化成ホームズ
大和久氏(左)と川畑氏
旭化成ホームズは4月2日、新社長就任に伴う合同会見を開き、4月1日付で同社代表取締役社長から代表取締役会長に就任した川畑文俊氏(66)と、同社取締役専務執行役員兼マーケティング本部長から代表取締役社長に就任した大和久裕二氏(61)が社長交代に至った経緯、今後の抱負などを語った。
会見では川畑氏が口火を切り、「8年前に2025年までに売上高1兆円、利益1,000億円を目指すと話したが、その目標がほぼ達成できた。この間、コロナとか戦争など予期せぬ変化もあったが、それを乗り越え、目標を達成した社員の成長と努力に敬意を表したい。大変うれしく思っている。これから次のステージに入ってくわけだが、今まで以上に拡大と成長を目指すためには、新社長でやるほうがより成功確率は高まると交代を決めた。私も会長として全体を全力でサポートしていく」と語った。
これに答える形で大和久氏は、「私は入社後ほぼ一貫して現場を担当してきた。『(川畑社長が8年前に)2025年に売上高1兆円、営業利益1,000億円達成は私の使命』と打ち出したときは、想像を超える数値だと思った。それが現実のものとなりつつある。有言実行の人であることを学んだ。社長の責任の大きさを感じるが、私も受け継いでいきたい。目指すのは、一つは国内の住宅事業をさらに成長させていくこと。海外事業や投資事業などリスクが伴う事業も積極的に取り組んでいく。もう一つは、当社の強みでもある人材の育成。自ら考え、行動しイノベーションにつなげることが必要不可欠。そのような人材を全力で支えていく」と抱負を述べた。
社長交代について川畑氏は、「社長の役割は、次期後継者を育てるのも大きな役割の一つ。8年前に社長に就任した時から大和久は有力候補の一人と考えていた。仕事の面でも被る時期が多く、なによりも彼の素晴らしいのは人柄の良さ、人間性。それと仲間を支えるリーダーシップ力、芯の強さが決め手。社長交代は1年くらい前に伝えた」と話した。8年間を振り返り、「事業環境は厳しがったが、運がよかった」などと報道陣を笑わせた。
大和久氏も川畑氏の意向をくみ取っていたようで、覚悟はできていたようだ。趣味についての質問に「趣味は2つあってゴルフとテニス。ゴルフは珍しいレフティ」と話した。また普段心がけているのは「チャレンジしていくこと、そして成し遂げるために工夫を凝らすこと。これをモットーにしている」と語った。ゴルフのハンディは非公表、ドライバー飛距離は230ヤード。
写真も記事も視点が大事(大和久氏はスタイリッシュな自分をアピールしたかったのか、半身に構えていた。それとも、謙虚な姿勢の表れか、虚勢を張るようなことはしなかった。川畑氏は威風堂々。全然お構いなし)
◇ ◆ ◇
同社が力を入れる不動産開発事業について。記者は、注文住宅や賃貸住宅市場はよくわからないが、分譲マンションと分譲戸建ては40年以上取材してきているのである程度のことは分かる。寡占化が進むマンション事業で同社がその一角の座を占めるのは容易ではないが、可能性はあると見ている。売上高や供給量のことではない。消費者から選ばれるトップブランド10社に入るかどうかだ。
現在のマンション市場は、三井不動産レジデンシャルが飛びぬけており、野村不動産、住友不動産、三菱地所レジデンスが追い、積水ハウス、東京建物、東急不動産、日鉄興和不動産、大和ハウス工業などが続いている。あと1社を挙げるとすれば同社のほか阪急阪神不動産、近鉄不動産、日本エスコン、大和地所レジデンス、タカラレーベン…などか。紙一重だと思う。オリックス不動産(大京)にも期待していたのだが、圏外に消えた(失礼)。
同社の強みは、何といっても建て替え・再開発事業で培ってきたノウハウだ。「宇田川町」「池尻」「江戸川台」「日暮里」「茗荷谷」「北千住」「国領」「調布富士見町」「四谷」「宮益坂」(順不同)…マンションブランド「アトラス」の実績は他社に負けない。商品企画力もここ数年、飛躍的に向上している。
負けないけれども、何かが欠けている。これは積水ハウスにも大和ハウスにも言えることだが、個人住宅や賃貸住宅とのシナジー効果を向上せるためのブランディングが欠かせないと思う。
◇ ◆ ◇
どうでもいいことだが、会見は思いもよらぬ展開になった。会見場には余裕を持って数分前に到着したのだが、数十人は座れるメインのメディア席はほとんど埋まっており、同社広報担当から「空いているのはあそこだけです」と最前列の右端を案内された。
嫌な予感がした。小生は前が嫌いなのだ。悪戯好きの小生は小学生のときから〝授業の邪魔者〟扱いされ、いつも廊下に立たされた。中学では〝出ていけ〟と授業を免除された。裏山で時間を過ごしたり、そのまま家に帰ったりしたことも何度もあった。高校に入って間もなく最前列の教壇の前に座らされた。毎日のように遅刻し、2時間目くらいには授業中に弁当を食べ終え、成績も後ろから数えたほうが早かったことに対する先生の配慮だったのか。座り心地は最悪だったが、卒業するころの成績は逆転した。効果はあったのだろう。
そんな昔のことを思い出した。質問する勇気も消え失せた。ただ、いいこともあった。最前列の右端だと会見場が俯瞰でき、他の記者がきちんと話を聞いているのか、理解できているのかが一目瞭然だ。特等席でもある。
残念だったのは、メディアの方々はみんな小生とは逆の優等生ばかり。社長も会長も立ち往生する質問は一つもなかった。(小生は川畑氏が社長に就任したとき「待望の大型(最重量)社長」と記事にした)
まあ、これも仕方がないとあきらめ、川畑氏が「私よりうまい」と語った大和久氏のゴルフの腕前を会見後に聞くこと1本に絞った。回答は上段の通りハンディは非公開、飛距離は230ヤード。川畑氏は「ドライバー? 230ヤード以下。腹が邪魔してクラブが振れない。まあ、シニアとしてはこれくらいではないか」と満足しているようだった。
もう一つ、大きな収穫があった。同業の記者の方とタッグを組んで社長の座右の銘と好きな作家を聞くことだった。大和久氏は次のように話した。
「私の利点は謙虚。笑われるかもしれないが、いずれも古典的。座右の銘は『実るほど頭を垂れる稲穂かな』です。これは入社3年後に二世帯住宅の契約をしていただいたお客さんのお父さんから教わった言葉です。好きな作家はアンドリュー・カーネギー」
――謙虚、稲穂。なかなかできないことだ。
最前列の端っこからだとこんな写真が苦もなく撮れる(同社本社が入居する神保町三井ビル)
旭化成ホームズ THE グローバル社と業務資本提携約10%の株式を取得(2025/3/11)
旭化成ホームズ新社長に大和久裕二・取締役兼専務執行役員、川畑社長は会長へ(2025/2/7)
「社員が明るくなった」川畑社長旭化成ホームズオフィスを全面リニューアル(2023/2/2)
富裕層の〝こころ躍る〟旭化成不レジ「ATLAS」マンションギャラリー「渋谷」開設(2022/1/17)
住宅・不動産各社入社式 積水ハウスは「グラングリーン大阪」開催、パナは「鵬雛」
積水ハウの入社式(手前が「うめきた公園」、背後は同社本社が入居する「新梅田ビル」)
住宅・不動産各社は4月1日、それぞれ趣向を凝らした入社式を行った。各社から送付された社長の祝辞を紹介する。(順不同)
将来ある「鵬雛(ひな)」が最初に辿り着いた当社
パナソニック ホームズ代表取締役社長 藤井孝氏
入社おめでとうございます。本日皆さんを当社の一員として迎えられることを、私をはじめ、ここに列席の取締役一同とても嬉しく思っています。
皆さんは、本日まさに自分の力で社会に降り立ちました。私の母校では、卒業生が「鵬雛は図南に旅立つ」という言葉と共に巣立ちます。「鵬」は、中国の文献「荘子」に登場する伝説の大きな鳥で、時が来ると翼をはばたかせ、九万里先の南の海を目指して飛び立つと言われています。将来ある「鵬雛(ひな)」である皆さんが旅立って、最初に辿り着いた場所が当社だと思います。
当社は、創業者 松下幸之助の“良家づくり”の想いで設立され、今年創業 62 年目を迎えます。創業当初からハードとしての「家」ではなく、そこに住む「人」起点で「くらし」を文化として捉え、「新・くらし文化の創造」を理念として掲げています。この理念は私たちが大切にしている価値観ですので、皆さんも是非心に留めておいてください。また、当社は何のためにあるのか、私たちは何のために働いているのかについても、創業者は綱領として定めていますので、しっかりと覚えておいてください。
新入社員の皆さんへ期待することを3点お話しします。先ずは、①失敗を恐れずチャレンジすること。会社の先輩の武器は、過去の成功体験から得た知見ですが、皆さんの最大の武器は「何も知らないこと」にあります。何事も変化が加速している現代では、過去の経験に囚われることなく失敗を恐れず、柔軟な思考や新しい視点を業務に活かして変化に対応することが重要です。次に、②チームワークの重要性です。
皆さんは、これから必ず困難な状況や課題と向き合うことになりますが、その局面こそ組織の力(チームワーク)が試されます。個の能力を最大限発揮するためにはお互いが協力し合い支え合うことが不可欠です。
最後に、③自己成長とキャリアです。皆さんのキャリアは本日から始まります。自己成長を目指し、常に新しい知識やスキルを身につける努力をお願いします。物を見る・人と話す・読書するなども、自己成長を図る上で大切なことだと思います。
また、創業者の言葉「一商人ナリトノ観念を忘れず」についても、新入社員として心得てください。創業者は「一商人」の要件として、商売の意義がわかること・お客様の心が読めること・人よりも頭が下がること、の3つを挙げています。自分たちの商売の存在意義を認識し、お客様の思いに人一倍敏感になり、常に謙虚で感謝の言葉を忘れないことへの心構えを忘れずにいてください。
当社の親会社であるプライム ライフ テクノロジーズグループの合同入社式が、明後日開催されます。皆さんは、当社の考えや思いを体得した上で、グループ各社が持つ伝統・風土も理解しながら、コミュニケーションを図っていただきたいと思います。
「人を、想う力。街を、想う力。」一緒に次に行こう
三菱地所執行役社長 中島 篤氏
中島氏
・ 入社おめでとう。三菱地所の仲間として迎えられたことを大変嬉しく思う。ぜひ、今の初心を大切にし、これからの成長につなげてほしい。
・ 三菱地所グループは「まちづくりを通じて社会に貢献する」という基本使命を掲げている。その根幹には、「三菱三綱領(所期奉公・処事公明・立業貿易)」の理念があり、この価値観を受け継ぎ、誠実に仕事に取り組んでほしい。
・ 企業の力の源泉は人財である。世界情勢が大きく動き、テクノロジーも進化する今、過去の経験が通用しない局面が多くある。そうした環境の中で、長期経営計画 2030 を達成するためには新しい感性を持つ皆の力が欠かせない。更に「2040 年」「2050 年」には皆が中心となって未来を切り拓いていくことを期待している。
・ 今後仕事をする上で、大切にしてほしいことは二つある。「①向上心を持ち、自身
を成長させること」そして「②周りの人への尊重を忘れないこと」だ。
・ ①について、当社の事業は単独で完結するものではなく、社内外の多くの関係者
と協力しながら価値提供をしていくものだ。「この人ともう一度仕事がしたい」と思ってもらえる様、基本的な業務遂行力はもちろん、語学力やグローバルな対応力も磨き、世界に通用するデベロッパー人財へと成長して頂きたい。
・ また、「②周りの人への尊重を忘れないこと」も大切にしてほしい。意見や立場が
異なるときは、意見を戦わせながらもお互いに敬意をもって接することで、仕事が円滑に進み、自己成長にもつながるはずである。
・ 当社のブランドスローガンは「人を、想う力。街を、想う力。私たち三菱地所グループは、チャレンジを続けます。」だ。世界中からナンバーワンと言われる不動産事業グループを目指し、一人ひとりがチャレンジを続け、一緒に次に行こう。
「Try forhappiness」 選ばれ続ける住まいを
三菱地所レジデンス代表取締役社長執行役員 宮島 正治氏
宮島氏
当社は三菱地所グループの基本使命である「まちづくりを通じて社会に貢献する」ことを実現するため、お客様から選ばれ続ける質の高い住まいづくりに取り組んでいる。さらに多様化するライフスタイルに応えるため、これまでに培ったノウハウを生かし、様々なアセットを通して、お客様に快適な暮らしを提供している。
社会や当社の事業環境は絶えず変化しているが、その中で求められているのは資産価値の高いマンションだと感じている。「手放したくない」、そうお客様に思っていただける住まいづくりを行いたい。
近年は立地や仕様だけでなく、環境配慮や防災など、建物における社会的意義が住まいに求められている。当社としては ZEH の標準化や太陽光発電システム「soleco」の導入等を継続し、CO2排出量削減に努めるとともに、コンクリート型枠合板のトレーサビリティ確保など業界に先駆けた取り組みを進めている。また、防災については居住者の皆様との防災訓練やオリジナル防災ツールの一般公開などを通じて、災害時に地域の方々が迅速に対応できるよう、防災力強化のための活動を行っている。
今後もあらゆるステークホルダーから選ばれ続ける企業であるために、当社では「Try forhappiness」というスローガンを掲げ、積極的な「Try」を推進している。皆さんにも、お客様や社会の幸せについてとことん向き合い、挑戦をしていってもらいたい。
本日から同じ職場の仲間として働いていけることを嬉しく思っている。これからの三菱地所レジデンスを一緒に盛り上げていこう。
「まだ見ぬ、Life&Time Developer」へ
野村不動産ホールディングス代表取締役社長グループCEO 新井聡氏
野村不動産グループに入社された387名の皆さん、誠におめでとうございます。
最初に、皆さんが人生における新しいステージに入られたことに対してお祝い申し上げます。そして、皆さんのここまでの成長を支えて下さったご家族をはじめとする方々に、皆さんと一緒に深く感謝したいと思います。
2025年は、当社グループにとって大きな節目の年になります。当社グループは、この夏に、47年前に本社を構えた新宿から港区のブルーフロント芝浦に本社を移転します。単に本社の場所を変えるということではなく、当社で働く皆さんの意識を変えることにより、当社グループが新たなステージに進化していくきっかけにしたいと考えています。当社の強みである「お客様のニーズを起点にして、優れた商品・サービスを産み出し、提供し続ける」ことに変わりはありません。
この強みを活かしながら、価値創造の手法を変革し、提供する商品・サービスの価値をさらに高めていくことにより、新たなステージである「まだ見ぬ、Life&Time Developer」への進化を加速させていきます。人々を幸せにして、社会を豊かにする、そのようなグループになることを目指していきます。
グループの仲間になった皆さんに、私からお願いしたいことが二点あります。
一つ目は、今日から自分自身を磨くことに今まで以上に力を入れていただきたいということです。仕事を離れた場においても、様々なことに好奇心をもって、自らの知見を拡げる努力を続けて下さい。たゆまない努力によって得られる幅広い知見は、必ず将来の皆さんの糧になるはずです。
二つ目は、皆さんが働く職場に新たな風を吹き込んでいただきたいということです。新人だからこそ、経験が少ないからこそ新たに気づくことや考えることもあるはずですので、遠慮せずにそれらを周りの人に伝えて下さい。皆さんのそのような行動が職場に新たな風を吹き込むことに繋がりますので、是非とも前向きに取り組んで下さい。
最後になりますが、人々を幸せにして、社会を豊かにしていくことを目指す野村不動産グループに加わった皆さんを、あらためて心から歓迎致します。
今日から、皆さんは私たちのグループの一員です。これから全員で明るい未来を創っていきましょう。何卒よろしくお願いします。
選ばれ続けるナンバーワンブランドへ
野村不動産ソリューションズ代表取締役社長 日比野勇志氏
皆さん、入社おめでとうございます。
春の穏やかな天気と満開の桜の中、人生の新しい大きな一歩を踏みだされる皆様を心から祝福します。また、ここにいる野村不動産ソリューションズの経営陣、そして全社員で皆さんを心より歓迎いたします。
不動産を必要としている人に届ける、単に壊してしまうのではなく新しい活用アイデアを提供していく、これらのアクションは社会のインフラやシステムを維持していくためにも極めて社会的な意義が高いビジネスであると言えます。
「私たち野村不動産ソリューションズは、不動産サービスの提供を通じて、広く信頼され、高い評価を頂くことで、選ばれ続けるナンバーワンブランドを目指します」。この理念の根底にあるのは、徹底したお客様目線を貫くことでお客様を幸せにし、私たちも幸せになりましょうということです。お客様のありがとうを一つひとつ積み重ねることで、私たち自身を幸せにしていきましょう。
皆様に二つだけアドバイスをしたいと思います。一つ目は、人生においても圧倒的に環境変化が起きた今、つまりストレスがかかった状態は、自分を色々な意味でジャンプアップさせるチャンスであります。ぜひこの環境の激変を乗り越えて成長していく過程を楽しんでいただきたいな、と思います。
もう一つは、自分にベクトルを向ける、ということを忘れないでほしいということです。周りにベクトルを向けて自分を守ることばかりしていると、前に進むことはできませんし、ましてや成長することはできません。目をそらさず自分にベクトルを向けた上で、周りの先輩方に相談してください。聞くことや相談することは決して恥ずかしいことではありません。私たちは全員ずっと皆さんの味方であります。
野村不動産ソリューションズは、皆さんの力を必要としています。そして、本日、皆さんは私たちの家族となりました。ここにいる経営陣は経営理念を実践することで、皆さんをはじめとするすべてのステークホルダーを幸せにすることができる会社を作るために、全力を尽くすことをここにお約束します。
一緒に明るく頑張っていきましょう。これからよろしくお願いいたします。本日は本当におめでとうございます。
自己成長と社会貢献が実感できる企業へ
ポラスグループ代表 中内 晃次郎氏
中内氏
現代は先行きが不確実、不透明であると言われています。今に始まった話ではありませんが、人々の生活観や働くことへの価値観は大きく変化し、またデジタルなどテクノロジーも進化しています。過去の成功体験が必ずしも通用しない現代だからこそ、皆さんにとっては大きなチャンスでもあります。
研究開発や教育研修を行う中・大規模木造建築「ポラステクノシティ」を吉川美南に新設しました。また、ポラス建築技術訓練校では、一流の大工技能者を養成する取り組みを約40年間続けています。さらには、当社では10年連続でベースアップも実施していますが、これからも人材への投資は維持、加速させていきたいと思っています。
これらの人材投資を行うのは、性別、年齢、キャリアなどに関係なく、全てのグループ社員が輝き、そして自己成長と社会貢献が実感できる企業でありたいとの思いからであります。
ここにいる皆さんの大いなる可能性と成長に期待をしていますので、ぜひ一緒に頑張っていきましょう。
「一隅を照らす」 その光は社会を照らす
大和ハウス工業代表取締役社長 大友浩嗣氏
新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。本日から社長を務める大友です。当社は4月5日に創業70周年を迎えます。この節目の年に新しい仲間として皆さんを迎え入れることができ、うれしく思います。
1.創業者の著書などを通じて当社の企業理念や価値観を知ること 企業理念は皆さんが業務を進めるうえで目指すべき方向性を示す指針となります。諸先輩方は企業理念をヒントに、様々な困難を乗り越えたことで当社は今日まで成長してきました。企業理念を理解し、自らの行動に反映させてください。
2.プロフェッショナルとしての意識を持つこと 皆さんがこれから取り扱う商品は数千万・数億円単位の非常に高額なものであり、お客さまの「夢」を具現化する仕事です。業界のプロとして、金額に見合うだけの価値を提供することが求められます。常に仕事に誇りを持ち、高い品質を追求してください。
3.学び これから皆さんは社内、取引先、企業、行政など、仕事を通じて多くの諸先輩と出会います。様々な人から積極的に知識を吸収し、成長してください。また、新聞を毎日読む習慣をつけてください。新聞はビジネスの最前線を知るための重要な情報源です。経済や業界の動向を把握し、仕事に活かすことができます。インターネットだけの情報で全てを理解した気にならず、人に会い、新聞を読み、様々な情報を入手して多くの学びを積み重ねてください。
4.挨拶の徹底 挨拶をすることは、社会人としての基本です。挨拶はコミュニケーションの第一歩であり、信頼関係を築くための重要な手段です。元気な挨拶を心掛け、周囲の人々との良好な関係を築いてください。
5.感謝と初任給 今月末、皆さんは社会人としての初任給を得ることになりますが、その一部を使ってこれまでお世話になった家族など、大切な人に恩返しをしてください。皆さん自身も社会人として新たな一歩を踏み出す準備が整います。
6.天台宗の宗祖である最澄の言葉「一隅を照らす」 自分の持ち場で、全力を尽くして輝いてください。その光が周囲を照らし、やがて大きな光となって社会を照らすのです。皆さん一人ひとりが大和ハウスの未来を照らす光となることを期待しています。
2055年、当社は創業100周年を迎えます。その時の主役は皆さんです。皆さんの努力と情熱が、会社の未来を作り上げます。今年、当社は創業70周年を迎えますが、70年前の創業時はまさにベンチャー企業のひとつでした。これからも常に挑戦を続け、新しい価値を創造し続けてください。これからの活躍を心から楽しみにしています。
“「わが家」を世界一幸せな場所にする”
積水ハウス代表取締役社長執行役員兼CEO 仲井嘉浩氏
「うめきた公園」三角屋根
仲井氏
皆さん、ようこそ積水ハウスグループへ。皆さんと共にこれから仕事ができることを本当に嬉しく思います。当社はあえて入社式と言わず、「新入社員歓迎会」と言っています。皆さんは社会人になられました。社会人の定義とは、何らかの価値を世の中に与えるポジションになったことだと私は思います。いろいろな選択肢がある中で、積水ハウスグループを選んでくれたことを本当に感謝しています。積水ハウスグループを選んでいただいたということは、当社の資産をうまく利用して、世の中に価値を与えるという選択をしたということです。
では積水ハウスグループの資産とは何なのかと言うと、先人たちに培っていただいたブランド力や技術力、施工力などです。当社は260万戸以上の住宅を供給してきました。おそらく世界一だと思いますが、そのお客様も立派な資産です。そういった資産を利用して、価値を提供していくことが私たちの仕事です。資産については、皆さんもこれから勉強していくと思います。
今日は皆さんへのプレゼントがあります。お渡ししている紙袋に1冊の本が入っています。ぜひ読んでいただきたいと思い、今日、配布させていただきました。実は、新入社員の方々にこの本を配るのは、今年が初めてです。この冊子は、当社が創業した 1960年から1990年までの30年間を綴った物語です。創業の精神と言いますか、当社は1960年に、戦後の住宅難を解消する、そして住まい手の命と財産を守るためにできた会社です。読んでいただくと、先人たちが創業からの30年でいかに困難を乗り越えて、苦労されて、この世界的にも類のない、工業化住宅というビジネスモデルをつくったのか、または技術力、施工力、アフターサービスなど、どのようにしてお客様と一緒に住宅をつくってきたのかがわかります。
また、当社は注文住宅がメインですので、お客様との距離が非常に近い会社です。お客様と共にこのような会社、ビジネスモデルをつくりあげてきたということもわかります。そして、このようなビジネスモデルだけではなく、「人間愛」という企業理念がどうやってできたのか、お客様第一主義のポリシー、DNAがどうやって培われてきたのかということも、この本を読んでいただければわかります。
会社、経営というものには守るべきものと変えていくべきものが両方あると、私は思っています。本にある企業理念やDNAは変えてはいけないものです。そして、変えなければいけないものとは、やはりイノベーションです。
“「わが家」を世界一幸せな場所にする”というビジョンがありますが、そのためには時代に応じたイノベーションが必要です。イノベーションで新しい価値をお客様にどう提供するか。その主役はまさしく皆さんです。守るものと変えていくもの。変えていくのは皆さんのイノベーションの力です。
今、社内の合い言葉は「イノベーション&コミュニケーション」です。イノベーションとコミュニケーションは両方大事です。まずはイノベーション。いいアイデアが生まれたら、同期や先輩とぜひともコミュニケーションしてください。そうすることによってイノベーションのアイデアが洗練、ブラッシュアップされ、もっと大きく充実したイノベーションに発展する可能性があります。もしくは「イノベーションなんてなかなか思いつかない」ということもあります。そのときも、コミュニケーションが大事です。今日は900名近い人が集まっています。ぜひ同期の方とコミュニケーションを取っていただいて、話しているうちに、イノベーション、アイデアが浮かぶこともあります。先輩と話すうちに、お客様と話すうちに、もっとこうすれば喜んでいただけると、イノベーションが生まれます。もしくは来年入ってくる後輩ともコミュニケーションを取ることでイノベーションが生まれます。
イノベーション&コミュニケーションには、そのような想いが込められています。皆さんもぜひ、このことを頭の片隅において仕事をしてほしいと思います。
さて、まだ開業間もない、このグラングリーン大阪は世界的に注目を集めています。中でもこの広大な緑地、大屋根のイベントスペースは中心的存在です。そのような場所で入社イベントを行うのは、日本中で皆さんが初めてです。
皆さんとともに歴史を刻めることも喜ばしく思っています。そして、梅田スカイビルができたのは1993年、32年前です。このビルは従業員がいきいき、わくわくして会社に来れるようなビルにしたいという思いで開発されました。
32年前からこのようなコンセプトでした。その梅田スカイビルを背景に行う入社イベントは非常に感慨深いですし、このうめきたエリアの開発に携わり続けて30年が経った今、この梅田スカイビルとグラングリーン大阪が一体になったことは、私としては万感の想いです。
“「わが家」を世界一幸せな場所にする”、そして「イノベーション&コミュニケーション」。お客様を幸せにするために、まずは皆さんに幸せになっていただきたい。その秘訣は、社会人の先輩として言えることは、家族、友人、同期の仲間たちを大切にすることです。それが幸せの基盤づくりの一丁目一番地だと思います。
皆さんがイノベーションを起こして、次世代の積水ハウスグループの開拓者になることをお祈りいたしまして、私の歓迎の挨拶とさせていただきます。今日は本当におめでとうございます。
フレッシュな「妄想」⇒「構想」⇒「実現」へ
三井不動産代表取締役社長 植田俊氏
入社おめでとうございます。
本年2月に新しくオープンした、この「&MIND-学びの杜-」という研修施設で皆さんをお迎えできることを大変嬉しく思います。本日、皆さんが社会人として第一歩を踏み出されるにあたり、私からお話をさせていただきます。
三井不動産グループは1941年の創立以来、時代の変化をチャンスと捉え、進取の気性の精神で多くの挑戦を続けてきました。これまでに、埋め立て事業、日本初の超高層ビル「霞が関ビル」をはじめとするオフィスビル事業、住宅事業、商業施設事業、東京ドームをはじめとするスポーツ・エンターテインメント事業、物流施設事業、ホテル・リゾート事業等を推進してきました。そして、ミッドタウンや日本橋に代表されるように、それらを統合したミクストユースの街づくりを進め、今やこれらの街づくりは東京、そして日本を代表するウェルビーイングな街として結実しています。ビジネスの舞台はグローバルに広がり、欧米やアジアの各都市等世界中で街づくり型事業を進めています。
さらに、近年では、ハードな建物だけではなく、「場」と「コミュニティ」の提供を行うことで、そこに集う人々や企業が「イノベーション」を起こし、社会に新しい価値や産業を生み出すお手伝いをしています。「不動産デベロッパー」の枠を超えた「産業デベロッパー」というプラットフォーマーとして、社会の付加価値創造と新たなイノベーション創出にチャレンジしています。先代たちから続く、この未来を開拓していくチャレンジ精神、それがまさに当社のDNAです。
ところで、話は変わりますが、今から約46億年前に地球が誕生しましたが、その長い地球の歴史の中で、約5億年前にカンブリア紀という時代がありました。カンブリア紀には、遺伝子の爆発的変容というパラダイム転換が起き、多数の生物が誕生しましたが、この時代の勝者は最強の捕食者ではなく、弱々しいナメクジウオの祖先であるピカイアという生き物でした。ピカイアは脊索動物である私たち人類の祖先と言われていますが、環境の変化に対応できたもの、つまり、「適者生存」したものだけが生き延びたことが分かっています。
現在、世界は歴史的な転換点を迎えています。本年1月に就任したトランプ政権の保守的な政策等によるインパクトが各国経済に与える影響が懸念されています。国内に目を向けますと、賃上げが継続し、物価上昇の好循環の兆しが見え始め、金利ある世界が戻ってくる等、まさに「失われた30年」からの転換点に来ています。
「失われた30年」はデフレの時代でした。デフレの時代というのは、極論すれば安いものが勝つ。付加価値が正当に評価されず、心も萎縮し、イノベーションも起きづらい時代でした。デフレからの脱却により、これまで美徳とさえされてきた「良いものを安く」から、「良いものは価格で評価する」という考えに、供給者サイドも消費者サイドもマインドセットをしていく必要があります。特に供給者サイドは、戦略的に付加価値を作り出し、差別化できなければ生き残れない、マーケットにおける優勝劣敗・二極化の構造は、さらに進んでいくと考えます。
また、今後もデジタルシフトによる行動変容や生成AIの発展等が加速し、事業環境の激しい変化が予想されます。まさに、ビジネスのカンブリア紀に突入しています。そのような不確実性が増す時代に、最も大切なことは「顧客志向」であると私は考えています。前例踏襲やマニュアルに従うだけでは環境変化や多様化する顧客ニーズには対応できず、突き抜けた発想で付加価値を創出しなければ、激しい競争に打ち勝つことはできません。
昨年4月に公表したグループ長期経営方針「&INNOVATION2030」は、ありたい姿を「妄想」し、戦略を「構想」することで、「実現」につなげていくという強い決意をもって策定しました。徹底した顧客志向をもとに、社会に付加価値をいかに創出できるか、高められるかが求められています。顧客志向の中に「妄想」するヒントが必ずあります。
皆さんの若くてフレッシュな「妄想」が、新しいビジネスの芽を育てて「構想」となり、「実現」につながっていくと期待しています。もし、失敗したとしても、ベストを尽くした結果が失敗であるならば、それは皆さんの将来にとって必ず大きな財産となるでしょう。私たちを取り巻く環境がダイナミックに変化するなか、当社はイノベーションを通じて新たな価値を創造し、社会・経済におけるリーダーシップを高めながら持続的に成長していくことを目指します。この挑戦に果敢に立ち向かい、次なる一歩を共に踏み出しましょう。
最後に、改めて当社グループの事業は地球規模で社会的意義が大きく、人々に夢と感動を与えられる産業だと私は心から信じています。そして、当社は、仕事を通じた自己実現によって、日本全体ひいては世界全体のイノベーションに大きな影響を与えることのできる会社だと信じています。
高い志を持って自己実現を目指す者にとっては、最高のステージとなるでしょう。
当社グループがさらに魅力あふれる企業グループであり続け、また今後もたくましく成長していけるよう、当社グループのコーポレートメッセージ『さあ、街から未来をかえよう』を胸に刻みながら、共に頑張りましょう。
「お客様第一」と進取の精神が当社の原点
東京建物代表取締役社長執行役員 小澤 克人氏
皆さん、本日は入社おめでとうございます。新しい仲間を迎えることができ、大変嬉しく思います。
当社は、1896(明治29)年に安田財閥の創始者である安田善次郎翁が「不動産取引の近代化」と「市街地開発の推進」を使命として創業した会社であり、今年で 129 年目を迎える、日本で最も歴史ある総合不動産会社です。「東京建物」という名称は、安田善次郎翁の「建物があってこそ、不動産は価値を生むもの」という信念に基づき名づけられたと言われています。
創業以来、安田善次郎翁が旨とした「お客様第一」の精神と、時代の流れを先んじて捉える進取の精神を企業活動の原点として、時代のニーズを捉えた新しいアセットの開発をはじめ、多様な不動産開発事業を東京建物グループ全体として展開してまいりました。こうした、創業の目的や、創業者の精神は、今も当社グループの中に深く根付いており、企業理念である「信頼を未来へ」とともに、当社グループの企業文化や風土、DNAを形成しています。
そして現在、当社は、グループの長期ビジョン「次世代デベロッパーへ」を掲げ、事業を通じて「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立することで、すべてのステークホルダーにとっての「いい会社」となることを目指し取り組んでいます。これまでも先人たちは、さまざまな社会課題に直面する中でその解決に尽力してきましたが、変化の著しい時代の中で当社が発展していくためには、「社会課題の解決」と「企業としての成長」をこれまでとは違ったレベルで両立する必要があるのではないかという問題意識のもと、「次世代デベロッパーへ」を掲げたものです。「デベロッパー」には、単にビルや住宅というハードを造って収益を積み上げるだけでなく、人が「住む」「働く」「憩う」場をサービスも含めて創造し、長期的な視点からまちの文化や機能を発展させていく、不動産開発にかかわる社員だけでなく、販売や管理などにかかわる社員も含めたすべてのグループ役職員が、まちや社会を“Develop”する意識を持って携わっていくという意味を込めています。
さらに当社では、長期ビジョン達成のため、事業を通じて実現する社会との共有価値を意識し、「社会価値創出」と「価値創造基盤」の2つの観点から14のマテリアリティ(重要課題)を特定しています。
「社会価値創出」における社会との共有価値としては「「場の価値」と「体験価値」の創出」、「地球環境との共生」を掲げており、具体的には、当社が創業以来拠点を構える YNK(八重洲、日本橋、京橋)エリアを中心に、事業を通じた国際都市東京の競争力強化や「ウェルビーイング」の向上に貢献するほか、脱炭素社会・循環型社会の推進にも取り組んでいく方針です。一方、「価値創造基盤」における社会との共有価値としては、「価値を創造する人材」「サステナビリティ経営の実現」を掲げており、本年公表した新たな中期経営計画にもある「成長を支える経営インフラの高度化」を通して、企業としての成長とともに、持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えています。
組織、人材の面では、フラットな組織で、役職員の自立や主体性とともにチームでの成果を重視され、質の高いチームプレーや円滑なコミュニケーションを可能とする組織風土が当社の強みと考えています。
また、経営と現場の距離が近いことで上下双方のコミュニケーションも活性化しており、現場のアイデアが反映されやすく、変化を受容する柔軟性も備えていると考えています。こうした組織が力を発揮するためには、役職員一人ひとりの人間力が大切になります。当社において重視されてきた「凡事徹底」や「内発的行動」の価値をこれまで以上に重視し、世代を超えて「次世代デベロッパー」を目指していきたいと思います。
最後に、私は「企業は人なり」「人材こそ最大の財産である」と捉えており、役職員一人ひとりが自らの仕事に誇りを持ち、持てる力を最大限に発揮できる企業文化、風土を育み、ともに「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立するために邁進していきたいと思います。
皆さんの挑戦と成長が当社グループの発展の原動力となることを大いに期待しています。以上、私からの祝辞といたします。
AQ Group入社式(本物の組子デザインが素晴らしい本社ビル。〝カンナ社長〟こと宮沢会長=写真右のカンナ削りの技はプロ中のプロでも難しいとされる厚さ4ミクロン。日本一は2ミクロン)
「失敗を恐れず、しっかり根を張り、人生を豊かにしよう」加藤社長 AQ Group入社式(2025/4/1)
厚さ数ミクロンのカンナ削りの技を競う 「第30回全国削ろう会 小田原大会」(2014/11/10)
「失敗を恐れず、しっかり根を張り、人生を豊かにしよう」加藤社長 AQ Group入社式
AQ Group入社式
加藤氏
AQ Groupは4月1日、「キニナル(木に成る・気になる)入社式~伝統のカンナ削り入社式20回目記念~」を開催。同社創業社長・宮沢俊哉氏代わって新たな社長に就任した加藤博昭氏(正式には5月28日開催の株主総会)が次のように祝辞を述べた。
祝辞全文掲載は同社広報課の協力により実現したものだ。、この日入社式に参加された全120人の新入社員はもちろん、全国数十万人の新入社員の方に読んでいただきたい。生きるヒントはここにある。
式典後は、恒例のカンナ削り、木のストローづくりのほか、加藤氏の発案か、新たにアスナロの植樹イベントも行われた。
◇ ◆ ◇
新入社員の皆さん、ご入社、誠におめでとうございます。本日、こうして皆さんをAQグループのお仲間として、迎えられることができましたことを心から歓迎いたします。皆さんは厳しい採用プロセスを経て今日この場にいることは、これまでの皆さん自身の努力の成果です。
新たなスタートを切れることに、改めて心よりお祝いを申し上げます。まず初めに、今年3月、AQグループの新年度を迎えたんですけども、これにあたりましてこれまで47年間、創業者として、そして社長としてこのAQグループを成長させてこられた宮沢さんから私に社長が交代することとなり、既に新しい体制でスタートを切っております。
私もかつて新入社員としてこの会社に入社をしました。私の出社の初日の仕事は、電話当番でした。それ以外に役に立つことがなかったからです。しかし初めて電話を受けたときに、緊張のあまり、うまく言葉が出ず、そして相手の名前もよく聞き取れず、要件も復唱すらできないまま、1回目の電話を終えて迷惑をかけてしまいました。
散々なスタートだったことを今でも覚えていまして、その当時を思い出しながら、今日この場に立っております。当時、当社は小さな工務店でしたが、今、こうして日本初の純木造ビルを建築する技術を持ち、しかも私が社長として皆さん祝辞をすることは、想像もできなかったことは、いうまでもありません。
私はこれまで多くの成長機会をいただき、一つひとつの挑戦をしては、失敗を繰り返してまいりました。ただ、その失敗をそのたびに素直に認めて、それをしっかり振り返って、周りの人にも助けを乞い、そして学びを得て、その経験を周囲の人たち、先輩後輩たちに伝えてきました。
その取り組みがあったからこそ、今があると感じています。皆さんも失敗を恐れず、思考にロックをかけずにたくさんの挑戦をしていってほしいなと思っています。さて私達は、これからチームで、社員総員で宮沢会長の思いを繋ぎ、今後もお客様や社会に価値を提供することを使命に取り組み続けます。
注文住宅では日本一を目指し、中大規模木造建築分野では世界に、私達の持つ技術を提供していきたいと考えています。これは皆さん1人ひとりの力も相重なって、その未来への原動力となって実現してまいりましょう。そのためにも、私達AQグループは創業者の強い信念である木造建築の技術を磨き続け、このDNAを持ち続けて展開をしてまいります。
本日の入社式の式典の後には、皆さんに植樹、カンナ削り、木のストロー制作といった体験をしていただきます。木はただの材料ではありません。人の手によって形を変え、ぬくもりある空間を生み出し、何十年、何百年と生き続ける存在です。
木とともに歩む私達は、木を使うということの意味を深く理解し、責任を持たなければなりません。植樹は、未来へと繋がる命を育む行為です。カンナ削りは、職人の技そして木が持つ美しさ、これをじかに感じることができます。
木のストローを作るということは、環境を考え、持続可能な社会に向けた小さな一歩を実感する、そんな機会になるでしょう。これらの体験を通じて、匠の心と環境を繋ぐということがどういうことなのか、ぜひ感じ取ってください。
そして、この学びを皆さん自身の成長の糧とし、会社の一員としてだけでなく、木造の技術を受け継ぐ者としての誇りと責任に繋げ、挑戦し続ける姿勢を大切にしてほしいと思います。私達は、若い皆さんの力と、新しい使命に大きな期待を寄せています。
失敗を恐れず、自ら考え行動し、新たな可能性を切り開いてくれることを願っています。最後になりますが、皆さんがどんな道を歩むのか、経験をするのか非常に楽しみです。AQグループでの経験が木のようにしっかりと根を張って、皆さんの人生を豊かにすることを心から願い、祝辞とさせていただきます。
ともに学び、ともに成長し、素晴らしい未来を築いてまいりましょう。
カンナ削り
カンナ削りイベント
植樹イベント
植樹イベント
木のストロー体験イベント
積水ハウス 土屋ホールディングスと資本業務提携 議決権株式の6.15%を取得
積水ハウスは3月14日、土屋ホールディングスと資本業務提携契約を同日に締結したと発表した。
積水ハウスと土屋ホールディングスの連結子会社である土屋ホームは、既に2025年1月から共同建築事業「SI(エス・アイ)事業」※を開始している。今回の資本業務提携により、SI事業のパートナーの枠を超えて、経営資源・技術・ネットワークを相互で活用し、両社の更なる事業拡大を図る。
資本提携により、土屋ホールディングスが2025年3月31日付で第三者割当による自己株式処分を実施し、積水ハウスが普通株式777,800株(発行済株式総数に対する割合3.02%)を取得する。また、積水ハウスは、同普通株式の取得とは別に、ToSTNeT-1により土屋ホールディングスの既存株主が保有する土屋ホールディングスの普通株式合計808,000株を同年3月26日付で取得する予定で、双方を合わせ普通株式1,585,800 株(総株主の議決権の数に対する割合6.15%)となる。
※SI事業:積水ハウスが基礎、躯体、接合部を担い、同社グループの積水ハウス建設が施工し、外装や内装はパートナー企業が担い、地域に密着した強みを活かして販売を行う事業。2023年にサービスを開始してからこれまで提携企業は8社
旭化成ホームズ THE グローバル社と業務資本提携 約10%の株式を取得
旭化成ホームズは3月11日、マンションデベロッパー「THE グローバル社」と業務資本提携に関する契約を締結したと発表した。首都圏を中心に土地仕入れに強みを持つTHEグローバル社との資本提携を通じ、両社のシナジー効果によって、不動産開発事業のさらなる発展・拡大を目指すのが目的。
旭化成ホームズが取得する株式は、THE グローバル社の発行済み株式の9.9%に該当する2,795,600株、創業社長で現会長・永嶋秀和氏が所有している株式とほぼ同数(2024/6/30現在)。株式取得完了予定日は3月13日。
THE グローバル社の筆頭株主はSBIホールディングスで、同社の51.95%の株式を保有している。
社名変更から10年 大和地所レジデンスに今後の展開などを聞く
オープンエアリビング
大和地所レジデンスは、社名を2015年4月1日付で日本綜合地所から現社名に変更して10年が近く経過する。かねて同社に質問していたことに関して回答があった。これまで書いて記事もいくつか紹介する。一緒に読んでいただきたい。
①最近の用地取得難、建築費高騰にどのように対処してきたか
-2024年を振り返って
・価格上昇に対応するため、用地取得においては、価格競争ではなく極力相対での土地取引に努めてきた他、販売代理を通して当社の販売力をご評価いただいたことにより、デベロッパー各社とJV による共同事業も推進してきました。都心部の用地確保が難しくなっている中で、郊外の駅前開発や大規模再開発、かつ駅近の案件も注力し、都市周辺部での開発を強化しています。
・建築費高騰に対しては、合理的な設計を行いつつデザイン・商品企画によって差別化することに努めています。施工会社とも早期連携・協力し、効率的な施工でコストダウンできるところは下げ、一方で当社独自の商品企画や立地に合わせた仕様にもこだわり、付加価値を出せるところは出すようにしています。
・また、用地仕入れ前の案件検証にあたっては、開発担当だけではなく営業・建築・市場調査・経営企画・財務等の各部門間の連携を強化し、全社一体となって事業性の検証と実行推進することにより、価格競争に翻弄される憂き目にあうことなく、難易度の高い事業もしっかり完結できるよう取り組んでいます。
② 富裕層向けはともかく、普通の需要層は取得限界を超えています。
その具体的な対応策は如何か
・上記①の対応を図り事業原価や販売経費等も創意工夫することで、エリアや駅距離に左右されることなく普通の需要層でも手が届く価格設定を行っています。
・また、価格上昇の中でも、購入者が満足できる「快適さ・住みやすさ・資産価値」を兼ね備えた新築マンションを提供するため、さまざまな施策を導入しています。
1. 快適さの追求エリアやターゲット層に応じた独自のオリジナル商品企画を建築費高騰の中でも採用し、ZEH-M物件の推進を行なっています。
また、充実した共用施設の提供も必要不可欠なものと考え、ワークラウンジ・カフェスペース等の快適な在宅ワーク環境を備え、パーティールーム・キッズルーム等、コミュニティにも配慮した多様な共用施設を整備し提供しています。その他、EV充電設備の他、シェアサイクル・EV カーシェアを導入し、車を持たない生活面にも配慮した設備やソフトの検討も行っています。
購入面では金利上昇+物件価格高騰の中でも、40年・50年の長期住宅ローンで月々の負担を軽減しながら資産形成が可能であり、固定資産税の軽減措置・エコすまい支援事業の補助金など、ZEH基準や省エネ基準に適合する住宅を推進しています。
2. 住みやすさの向上「都心だけではない選択肢」の提案に向け、「駅近×再開発近接エリア」「職住近接エリア」の住みやすさと将来性を両立に注目しています。
例)
•「ヴェレーナシティ鎌倉深沢」「ヴェレーナ湘南藤沢」(都心アクセス+再開発近接&新駅開発エリア)。
•「ヴェレーナシティ木更津マリーナベイ」「ヴェレーナ西新井」「プライムレジデンス武蔵浦和」(オフィス・商業施設が揃う職住近接エリア)。
3. 資産価値の確保
再開発エリア近接のマンションは 将来の価値を見据えた開発 が進んでおり、中古市場でも人気が高い他、管理面においても予備認定マンション制度を活用し、管理計画や長期修繕計画の評価を事前に受けることで資産価値を担保し、フラット35 の金利優遇や大規模修繕後の固定資産税軽減等のメリットも享受可能なため、価格高騰の中でも、「快適さ・住みやすさ・資産価値」を備えたマンションを提供するため、独自の企画商品の導入・共用施設の充実・金融支援策の活用・立地戦略の最適化 など、多面的な工夫を行っています。
③ 御社の商品企画がユーザーに支持されています。
突出していると考えますが、いかがか
・当社は創業以来「独創的で価値ある住まい」を提案していくことを理念とし、常にお客様に喜んでいただける付加価値の高い商品企画を提案し続けてきました。「オーブンエアリビング」「床下収納」「コンサバトリスペース」などに代表される当社の独創的な商品企画は、おかげさまでご好評をいただいており、不動産の資産価値を上げることにも繋がっています。今後も新たな商品企画を提案していきます。
④ 完成在庫を出さないのも凄いですが、具体的な販売戦略について
・②において「快適さ・住みやすさ・資産価値」を備えたマンションを提供することの他、インフレ時代に突入し住宅市場の二極化が進行、金利上昇+物件価格高騰により、購入検討層が購入自体を迷う層へ移行している中で、長期住宅ローンや行政・金融機関の購入支援策による資金計画の提案の強化、また、建築費・人件費の上昇により値下がりは期待しにくい等のリセールバリューを可視化した資産価値や購入動機付け等、常に「価格と金利のバランスを考慮した柔軟な販売手法」を追求し、その販売を、勉強会や研修を重ねた当社社員が外注することなく一貫して行っております。
⑤販売代理を増やすようですが、共同事業はいかがか
・販売代理事業を開始して2年が経ち、おかげさまで取引企業数20社、受託戸数1,000戸となりました。この事業は、販売代理を最終目的としているわけではなく、販売代理を受託することにより当社の営業力や企画力、提案力を実感していただき、今後の事業において共同事業主として参画させていただくことを目指しておりますので、引き続き各社との信頼を構築するために継続していきます。
⑥2025年度の主な供給物件-立地、商品企画、設備仕様などについて
・次年度の供給物件においても、当社のオリジナルであるオープンエアリビングの他、コンサバトリー・コーナーサッシ、メゾネットやロフト、またZEH-M 基準や予備認定等の資産価値を付加したプロジェクトを予定しています。
・「ヴェレーナブリエ港南中央」駅近・コンパクト、および商業充実のターミナル上大岡に近い立地・「足立区島根計画」再開発が進む西新井エリア
・「府中市三好町計画」府中周辺エリアかつ100戸超の大規模レジデンス
・その他武蔵新城、日吉、久が原等、「駅近×再開発近接エリア」「職住近接エリア」に注目し、住みやすさと将来性を両立した立地に供給を予定しています。
⑦ その他、新規事業、再上場など
・「快適さ・住みやすさ・資産価値」という面で今の市場で求められる仕様と合わなくなってしまったマンションにおいてはリノベーション事業やマンション建替事業を提案、増加する単身世帯やDINKSのニーズにお応えするためにコンパクトマンション事業など、多様な変化に適応するため多方面において事業参画し、社会にとって必要とされる会社であり続けたいと考えております。
・なお、これまで業績も順調に推移してきており、おかげさまで当社の信用力も向上し資金調達もプロジェクト融資の範囲で十分賄うことができていますので、現時点では再上場は予定しておりません。
オープンエアリビングバルコニー
メタセコイア11本見事な植栽計画大和地所レジ「ウェレーナグラン北赤羽」見学会
大和地所レジデンスマンション販売代理事業設立2年で1,000戸達成
期間72年の定借で坪410万円早期完売も納得大和地所レジ「門前仲町」
天晴れ!日本庭園とつなぐ共用部の演出見事大和地所レジ「茅ヶ崎東海岸」
販売開始から4か月で完売 JR西日本プロ・大和地所レジ「横濱山手」全75戸
際立つ設備仕様の高さ激戦地で早期完売大和地所レジ「ヴェレーナグラン湘南藤沢」
販売好調の秘密を見た15カ月で全戸完売歩留まり率23.6%大和地所レジ「西新井」
天井高3m超、20畳大の床下収納など大和地所レジ「赤羽北フロント」竣工見学会
「フロント」に続き「ザ・マークス」も分譲へ大和地所レジ必見の「赤羽北」
またまた千葉NT中央で驚異的な売れ行き大和地所レジ「アリーナ」176戸
風致地区巧みに生かした住戸プラン・ランドスケープ秀逸大和地所レジ「上大岡」
駅近 100㎡商業隣接驚愕の坪140万円大和地所レジ「千葉NT中央ザ・フロント」
駅から15分克服できる商品企画大和地所レジ「ヴェレーナ浦和ザ・ハウス」
抑制気味の単価設定に納得間違いなく売れる大和地所レジデンス「東京イースト」
〝ヴェレーナグラン〟の名に恥じない商品企画大和地所レジデンス「浦和仲町」
大和地所レジ北赤羽の川沿いで商住複合「パレ・ド・プラージュ」
AQ Group 新社長に取締役・加藤博昭氏 宮沢社長は代表取締役会長に
加藤氏
AQ Groupの代表取締役社長に取締役・加藤博昭氏が3月1日付で就任した。創業社長の宮沢俊哉氏は代表取締役会長に就任する。2025年5月28日開催予定の定時株主総会で正式決定される予定。
加藤氏は1986年、AQ Group(アキュラホーム)初の新卒社員として入社。営業職や工務店支援事業に従事。その後、支店長、本社部長、関連会社社長を経て2018年に執行役員、2023年に常務執行役員、2024年に取締役を歴任。
大成有楽不動産 新社長に取締役執行役員・植草健史氏
植草氏
大成有楽不動産は3月3日、新社長に取締役執行役員経営管理本部副本部長(経理担当)兼不動産事業統括本部副本部長・植草健史氏が4月1日付で就任すると発表した。代表取締役社長・浜中裕之氏は取締役に就任する。
植草氏は1964年11月21日生まれ。千葉県出身。1988年3月、早稲田大学卒、同年4月、大成建設入社。2012年4月、社長室コーポレート・コミュニケーション部IR室長、2017年4月、企画調査部長、2024年1月、大成有楽不動産取締役執行役員(現職)に就任。
プライム ライフ テクノロジーズ(PLT)新社長にパナソニック副社長・道浦正治氏
道浦氏(左)と長田氏
プライム ライフ テクノロジーズ(PLT)は3月3日、社長人事・役員人事を発表。2025年5月27日付で代表取締役社長にパナソニック副社長執行役員・道浦正治氏が、副社長に同社顧問・長田准氏(前トヨタ自動車執行役員)がそれぞれ就任する予定。現代表取締役社長・北野亮氏は退任、現代表取締役副社長・西村祐氏は取締役(非常勤)に就任予定。
2025年度フェーズ2の最終年を迎えるにあたり、道浦氏、長田氏へトップのバトンを渡し、これまで築いてきた基盤をより強固にし、事業ポートフォリオの変革とビジネスモデルの革新を進めていくため。
道浦氏は1962年1月27日生まれ(63歳)。大阪府出身。1985年3月、同志社大学工学部卒。1985年4月、松下電工(現パナソニック)入社。2016年4月、パナソニックエコソリューションズ社常務、2019年7月、同社常務執行役員、2022年4月、同社副社長執行役員。2025年3月31日、同社退任予定。
長田氏は1966年1月6日生まれ(59歳)。島根県出身。1990年3月、慶應義塾大学経済学部卒業。1990年4月、トヨタ自動車入社。2018年1月、同社常務役員、2021年1月、同社執行役員、2024年12月、同社執行役員退任、2025年1月、PLT顧問、現在に至る。