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2022/10/28(金) 17:21

街路樹虐待は許されるのか、殺していいのか 愛知県一宮市のイチョウは丸裸

投稿者:  牧田司

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葉っぱを付けることも許されない一宮駅前の街路樹(垂れ下がっているのはクリスマス用のイルミネーションのライト)

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一宮・音羽通りのイチョウ(電柱より低くするためか)

 以下の記事は、大京の「一宮グランフォート」「桑名八間通マスターフォート」と一緒に読んでいただきたい。「一宮」の記事では坪単価は「安いと思うが…」と書いたのには理由がある。記者はこれまでしつこいほど街路樹について書いてきた。一宮市の街路樹もまたひどい有様だった。

 写真を見ていただきたい。樹種は分からないが、一つは駅前ロータリーに植わっていた樹木だ。葉っぱの形からしてナンキンハゼと思われるが、高さは4mくらいに強剪定され、葉っぱもまばら。紅葉することすら許されていない(管理者は鉄道会社か)。

 もう一つは、音羽通りに植えられていたイチョウだ。樹幹の大きさから判断して樹齢は30年くらいか。高さは6mくらいにちょん切られ、ほとんど丸裸状態だ。葉っぱを付けることすら許されず、ひこばえもない。それでもよくぞ生き延びられているものだといとおしくなった。

 その一方で、生殺し同然のひどい剪定を行う市に怒りが沸々と湧いた。イチョウが話すことができたなら〝いっそのこと一思いに殺してくれ〟と叫ぶのではないか。そうしたら、市民はどんな反応を示すか。小生は「街路樹の虐待はありか、殺していいのか」といいたい。「街路樹暴行罪」「わいせつ物陳列罪」の適用はないのか。

 一宮市の緑被率や都市計画(用途地域)を調べた。緑被率は市域面積の35%を占めているのだが、2006年度(平成18年度)~2014年度(平成26年度)の経年変化を見ると、市街化区域では13%から5.1%と約8%減少。一宮駅や市役所が位置する本庁地区は4.8%ともっとも低い。市民一人当たりの都市公園面積は5.4㎡で、国が定める標準値(10.0㎡/人)や愛知県の平均値(7.7㎡/人)より下回っている。用途地域は商業系が10.8%、工専1.2%を含めた工業系が53.2%、第一種低層住居専用地域は1.4%だ。

 長々と書いたが、読者の皆さんもお分かりのはずだ。マンション価格を引き上げられないのは、緑の量と質が劣り、街のポテンシャルが低いからだ。民力が低いといったら失礼か。

 これほど緑被率が低く、工業系用途が多いのは首都圏でもそうないはずだ。例えば東京都江東区。同区の用途地域には第1・第2種低層住居専用地域は1か所もなく、商業系が10.0%、工業系が73.8%だが、1人当たり都市公園面積は6.6㎡で、緑被率は18.71%だ。

 江東区のマンションは、都心に近いことから坪単価は400万円を突破しているところもある。一宮駅は名古屋駅から10分だ。名古屋が坪400万円なら、坪300万円もありかと思うが、住環境を考えるといつまでたっても名古屋に近づくことはできないのではないか。行政担当者には考えてほしい。名古屋から一宮間の景色もグレー一色で、緑は極端に少ない。

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参考にはならないが、「BATON PARK-KAWABATA-RYOKUDO-」(BATON PARK)実施エリア(常緑のセンベルセコイアが見事)

 

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