積水ハウスが9月19日に発表した「男性育休白書」の都道府県別「男性の家事・育児力全国ランキング2024」によると、1位は「沖縄県」(220点/前年7位)、2位は同スコアで「秋田県」(193点/前年46位)と「鹿児島県」(193点/前年28位)となった。調査は2019年から実施されているもので、今回が6回目。-
調査は、①妻から見た夫が行っている家事・育児の実践数などを4段階で評価②男性の「育休取得経験」③妻から見た夫の「家事・育児時間」を基準④男性の「家事・育児参加による幸福感」の4指数を数値化し47都道府県別にランキングし、1位に47点〜47位に1点を付与して算出したもの。
調査対象は、全国47都道府県別に、配偶者および小学生以下の子どもと同居する20〜50代の男女200人の合計9,400人を人口動態に基づきウエイトバック集計したほか、従業員10人以上の企業の経営者・役員、部長クラスの男女400人、有職かつ一般社員クラスの20代~50代の男女800人。
1位になった沖縄県の玉城デニー知事は「現在、沖縄県では『第6次沖縄県男女共同参画計画〜DEIGOプラン〜』において62の具体的施策に取り組んでおり、県における直近の男性の育休取得率は40.3%であり、目標値である30 %を大きく上回ることができました。これもひとえにワーク・ライフ・バランスに取り組んでいる企業や団体等の皆様の多大な御尽力によるものであり、関係者の皆様には深く感謝申し上げます」とコメントを寄せている。
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記者はいつもこのランキングを楽しみにしている。〝男尊女卑〟の文化が色濃く残っていそうな熊本県や佐賀県、鹿児島県など九州の各県が上位にランクされ、下位に甘んじていた〝秋田美人〟の秋田県、〝かかあ天下〟の群馬県が急浮上するなど予想外の波乱に満ちた結果が出るからだ。
ただ、どうしても理解できないことが一つある。絶対評価ではなく、相対評価で1ランクにつき1点を加点する調査方法だからそうなるのはわかるが、株価のように毎年ランクが乱高下していることだ。47都道府県のこの3年間のランキングをグラフで示したので参照していただきたい。
今年トップになった沖縄県は、2019年2位、2020年9位、2021年1位、2022年2位、2023年7位であるようにいつも上位にランクされているが、他の都府県は変動が大きい。例えば、3年前は3位だった香川県は今年45位に、同じように大分県は4位から44位へ、鳥取県は3位から35位、栃木県は6位から42位へ大きく後退している。逆に、3年前は40位だった群馬県は今年6位へ、36位だった福岡県は8位へ、41位だった奈良県は22位へ上昇。前年46位の秋田県は2位に急浮上している。変わらないのは、下位に低迷している長野県、愛知県、静岡県、奈良県、山口県などだ。
同社には、どうしてこのように乱高下するのか、その理由・原因を探ってほしい。「男性育休白書」が浸透し、自治体や企業の取り組みが強化されている結果ならいいのだが、サンプル数が少なく、回答者になんらかのバイアスがかかっており、ウエイトバック集計に影響を与えている可能性もあるような気がする。
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ランキングと関係があるかどうかはわからないが、婚姻率と離婚率について紹介する。
2022年の婚姻率(人口千対)の全国平均は4.1件で、データがある1935年の8.0件からほぼ一貫して減少している。もっとも高いのは東京都の5.6件で、大阪府の4.7件、愛知県の4.6件と続く。もっとも低いのは秋田県の2.6件で、青森県と山形県がそれぞれ3.1件。沖縄県は4.5件で全国水準を上回っている。
参議院常任委員会調査室・特別調査室によると、「婚姻件数は、男性比率が高い都道府県や男性の賃金が高い都道府県では増加するとともに、女性の賃金が高い都道府県では減少する傾向があるのではないか」としており、その理由として「男性にとっては、賃金とは豊かな家庭生活を支える原資となるものでもあり、男性の賃金が上昇して男性の経済力が高まることは、結婚・婚姻に向けての男性の決意・決断を後押しすることにつながる」「女性の賃金については、賃金が上昇して女性の経済力が高まると、(考え方は人それぞれであるが)自らにプロポーズする男性への期待水準や要求水準なども同様に高まるということも考えられるのではないだろうか」としているが、それだけだろうか。
記者の経験からいっても、秋田県の女性はみんな美しい。婚姻率が低いのは醜男(※)と結婚したくないと考える女性が多いからではないか。わが故郷・三重県も同様で、美しい女性が多く、婚姻率は3.8件と全国平均を下回っている。
大都市圏の婚姻率が高いのは、一人では生きられない分断社会が背景にあり、絶対的な人数が多いことや多様な生き方ができるからではないだろうか。
一方で、2022年の離婚率(人口千対)は、全国平均が1.47件で、2015年の1.18件をピークに漸減している。もっとも高いのが沖縄県の2.13件で、大阪府の1.70件、宮崎県と福岡県の1.68件と続き、もっとも低いのは富山県の1.08件で、新潟県1.13件、石川県1.14件、福井県1.15件と続く。(北陸が低いのは住宅環境と関係はあるのかないのか)
記者は離婚=悪などと単純な発想はすべきでないと思う。愛と憎しみは表裏一体、紙一重だ。いつ暗転するかわからない。何物にも縛られることなく、より自由な高次の愛を求めて取っ替え引っ替えするのは人間らしい生き方ではないか。同社の業績が劇的にアップしているのは、経営理念に「人間愛」を掲げているのと無関係ではないはずだ。残念ながら、沖縄県の離婚率が高いのは「愛」ではない、経済的社会的背景が大きいような気がする。
※小生と同じ軽薄短小、醜男の皆さんに、チャールズ・ブコウスキー「町でいちばんの美女」(新潮文庫)をお勧めしたい。町でいちばん美しい女性と、町でいちばん醜男の男性の切ない物語だが、読むと勇気が湧いてくる。移住するなら秋田だ。三重もいいよ。
男性の家事・育児力 1位は高知県ワーストは茨城県積水ハウス「男性育休白書」(2023/9/19)
男性の家事・育児力 1位高知 2位沖縄 3位鳥取ワーストは山口積水「男性育休白書(2022/9/14)
三重と福岡同じ育児時間で幸福度は47位と1位積水ハウス「男性育休白書」(2021/10/1)