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大和ハウス工業は1026日、住宅・建設・不動産業界メディアの取材の参考になるための「業界動向勉強会_公園事業・パークマネジメント篇(大和リース)」を開催し、大和リース代表取締役社長・北哲弥氏と、ParkPFIにより同社が運営管理する大阪市の鶴見緑地パークセンター長・池田昂志郎氏が質疑応答を含め約1時間にわたって熱っぽく語った。記者はオンラインで視聴した。

北氏は、「リース会社といえば、親会社の商品をファイナンスリースするのがほとんどだが、当社は親会社にリースするのではなく、自社工場で商品をつくり、外販している。技術者が多いのも特徴で、一級建築士と一級施工管理技士で574名(全従業員の約24%)を数える。20233月期の売上高は2,413億円。建設会社の売上高ランキングは大和ハウス工業が2位、フジタが9位だが、当社も21位。グループ内の売り上げは3%くらいで、全てグループ連結の売上に貢献している。

事業は規格建築事業、流通建築リース事業、リーシング ソリューション事業、環境緑化事業の4本柱で複合展開しているのが強み。公園事業は官民の連携、両輪、両立を目指しており、現在稼働中の公園事業は全国27か所。向こう10年間で100か所に増やす目標を掲げている」などと話した。

池田氏は、2017年に改正されたPark-PFI(公募設置管理制度)によって、収益施設の設置管理許可年数が10年から20年に延長され、建ぺい率は2%から12%へ緩和され、公園施設を整備する際の設置管理許可期間は10年から30年へ、保育所、学童クラブ、老人デイサービスセンター、障害者支援施設なども設置可能になったことなどを説明。

Park-PFIは、現在全国131か所で活用されており、企業別実績では、同社は102件のうち12件を占めるなど、3件以下の2位を大きく引き離して全国一であることを報告した。

一方で、都市公園は急速な人口減少と高齢化、税収減、維持管理費の負担増など多くの課題を抱えており、2003年に導入された指定管理者制度による民間管理公園は全国13,319か所に上っているにも関わらず、現状の維持管理を委託しているに過ぎないなどと指摘。Park-PFIで公園が利益追求する空間となり、公園の価値が低下することに懸念を示した。

同社の公園事業の基本は①OfficialCommonOpenであり、公園整備のマニュアルとして①緑地面積を減らさない②寂れさせない工夫③空間化との創出を掲げ、「『公園』は社会的共通資本であることを理解し、『公の精神』をもって臨むこと」などの5カ条の心得を公表した。

           

記者はこれまで、街路樹だけでなく都市公園についてもその都度、記事にしてきた。親は〝公園は危ないから遊んではダメ〟と言い、子どもは習いごとに忙しく遊ぶ暇もないのだが、それに追い打ちをかけるようにキャッチボール、サッカー、ゲートボール、ゴルフ、大声、楽器演奏、ごみ捨て、花火、犬の散歩、喫煙、飲酒、果実の収穫…を禁止する自治体がほとんどで、中には砂場はネコの侵入を防ぐための防護ネットを張り、利用時間は平日の9時から午後4時まで、土・日曜日は閉園するところまである。

全く利用されず雑草が生い茂っていても苦情は出ないのか、放置されている公園も多い…地価にしたら1種数十万円、数百万円もする都市公園の惨状に心を痛め、それを解消するPark-PFIに期待もしてきた。

同社の話を聞いて、頭をどやされたような気がした。同社のことを全く知らなかったのだ。どこかで建設機器など調達し、高い利率でリースする会社だと思っていた。不明を恥じるばかりだ。

記者団からの売上高についての質問に、北氏は公園事業の売上高はほぼ30億円としながら、「単年度で考えているわけではない。20年の長いスパンで考えている」と語り、「認知度を高める必要性」については「看板を掲げているわけではない」と受け流した。

小生は、情報発信力を高めるべきだと思うが、売上高の多寡は問題ではないと思う。グループ全体の売上高4.4兆円(20233月期)からしたら公園事業は0.07%にしか過ぎない。「公の精神」はお金に換算できない価値がある。その精神はやがて花を咲かせるはずだ。

池田氏が公園の過度な商業施設化に懸念を示したことにもドキリとさせられた。つい先日見学した桶川市の公園入り口に設置されているブロンズ像の台座には真実かどうかみんなに公平か行為と友情を深めるかみんなのためになるかどうか-の4つのテストが彫り込まれていた-これにイエスと答えられる人はどれほどいるか。

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「木と人体」取り組み概要ムービー:https://youtu.be/qfsXp9Z8pn4

 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部と三井不動産、三井ホームは10月25日、産学協創「三井不動産東大ラボ」の共同研究の一環として、木の空間が身体にどのような良い影響を与えるかを科学的に証明する実証研究を開始したと発表した。

 木を使った空間に身を置くと、木の持つ温もりを五感で感じ、リラックス感を得ることができ、“人は自然や動植物などの生命との結びつきを求める”という「バイオフィリア仮説」の側面から木材を利用した建築物への注目が高まり研究もされているが、未知の部分も多いとされている。

 今回は、①木質・木造空間の“匂い”と“光環境調整効果”が睡眠に及ぼす影響②木質建材の発する“匂い”が認知症予防に与える影響――について、東京大学大学院理学系研究科を主担当として、東京大学農学部との連携のもと研究を行う。

 ①の研究を担当する東京大学大学院 農学生命科学系研究科 生物材料科学専攻・恒次祐子教授は「木の空間が人の心身に及ぼす影響について、まだまだ研究を通じて明らかにしなければならないことはたくさんあります。例えば、使用する材の量や木目の影響、樹種による効果の違いや、長い時間をその空間で過ごした時の影響など、検証を重ねることが必要」とコメントしている。

 ②の研究について、東京大学大学院 理学系研究科 生物科学専攻・竹内春樹教授は「人の嗅覚に関する遺伝子数は視覚よりも多く、今回の研究では、適度な木の匂いから得られる刺激を自然に受けられる環境をつくり、その匂い効果が脳に与える影響を神経生理学的・行動学的に検証する」とコメントしている。

◇        ◆     ◇

 温度を含めた木質空間が人の心身に好ましい結果をもたらす研究はたくさん行われているようだ。住宅業界関連では、慶應義塾大学理工学部の伊香賀俊治研究室がナイスの「スマートウェルネス体感パビリオン」を用いて、住宅内の木質化がストレス解消、知的生産性向上に効果があることを実証した。恒次教授は、林野庁補助事業「木材利用に取り組む民間 企業ネットワークの構築事業」に関する詳細なレポートをまとめている。

 今回のテーマは〝匂い〟(嗅覚)のようだ。記者は、あらゆる事象を知覚し、嫌悪・好悪の感情を抱くのは、五感のうち視覚がもっとも大きな役割を果たしており、本能的・生理的より「学習」による後天的影響が大きいと考えてきた。

 例えばニンニク、クサヤ。記者の田舎ではニンニクはほとんど使用しなかった。ニンニクの臭いを発散する人は嫌悪された。匂い・味覚は社会的偏見に太刀打ちできなかった。強烈なアンモニア臭を発するクサヤは食べてみると美味しいので好きになった。嗅覚より味覚が勝利した。

 ところが、竹内教授は「人の嗅覚に関する遺伝子数は視覚よりも多い」という。これは驚きだ。樹種による違いも研究されるようなので、どのような結果になるか期待したい。記者などはスギ、クスノキ、イチョウ、マツなどは分かるかもしれないが、ヒノキ、ヒバ、カシ、ケヤキ、キリ、サクラ…などを匂いでかぎ分ける自信はない。効用もさっぱりわからない。この前、三菱地所ホームの取材で「KAMOSHIKA Drinks(カモシカ飲料)」を頂いた。カラマツ、アカマツ、アブラチャン、ヒノキ、タイムなどのエキスを凝縮したものだった。混ぜ合わせたらどうなるのか。

 もう一つ、リリースには「適度」とあるが、少量、あるいは過度の木材が与える影響や、無臭のはずのフェイクグリーンが世の中を席巻しているように、経済効果を優先してケミカル製品で木を覆い隠しても効果に変わりはないのかも解明していただきたい。視覚より嗅覚が勝るとすれば、小生には無用だが、小説の世界にたくさん登場する媚薬・催淫剤の開発にもつなげていただきたい。リリースだけでなく、メディア参加型の発表会も行ってほしい。

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桶川駅西口ロータリーの街路樹(樹脂は不明)と駅近のマロニエ

 桶川にはゴルフ場があり、何度か降り立ったことがある。今は昔だが、若くてかわいい女性社員の出身地でもあり、いいイメージしかない。ポラス「yoridokoro(拠りどころ)上尾」の取材を終え、埼玉県日高市が発祥という桶川駅東口直結の「日高屋」(ハイデイ日高)で昼食をとった。ビール2本とイワシフライで税込み950円。1,000円でお釣りが出た。いい店だ。

 タバコが吸いたくて、東口には喫煙所がなさそうなので駅西口に向かった。だしぬけに異様な光景が目に飛び込んできた。駅前の街路樹がことごとく電信柱のように強剪定されていた。街路樹も〝殺されてなるものか〟と、必死でひこばえ、胴吹きで防戦していた。墓碑のような伐採木の株もそのまま残されているなど、ガザの戦場と五十歩百歩の人間界と自然界のすさまじい戦いが展開されていた。タバコを吸う余裕は吹っ飛んだ。その代わりムラムラと怒りが込み上げてきた。一部始終を見てやるぞと、約1時間半、西口周辺を歩いた。

 言葉に詰まった。論より証拠だ。写真を撮りまくった。一つひとつ紹介する。

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見事な非対称のケヤキの街路樹 

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駅前の商業施設の樹木(樹種は不明)

 駅前のケヤキの街路樹だ。右側だけが強剪定されている。左側も樹形が乱れている。予算の関係か、交互に強剪定しているのだろう。街路樹は左右がシンメトリーだからこそ美しい。〝生かさず殺さず〟-ここのケヤキは過去も未来もない。半殺しのままだ。

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「桶川駅西口公園」

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「桶川駅西口公園」

 駅西口から徒歩2分に桶川市シルバー人材センターが維持管理している「桶川駅西口公園」がある。立派な樹木がたくさん植わっており、モニュメントや子ども向けだけでなく、大人向けの健康遊具もあり、素敵な公園だ、しかし、駅前にも拘わらず、人影はまばら。1時間は滞在したが、出会った人は10人もいなかった。何だか変。「禁煙」の看板はないのは、何かの陥穽ではないかといぶかった。

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「健康遊具ひろば」

 「この器具は大人の健康増進のためです。(16歳以下の方は使わないでください)」「この器具を使うときは『使い方』に示す方法を守ってください」とある。記者も使ってみようと思ったが、肝心の「使い方」の文字は消えていた。

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 意味不明の注意書き。「砂場遊具には近づかない。あそびおわったらを洗いましょう」-いったい誰に注意喚起しているのか。

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 「公園内では、花火・たき火などの火気は使用禁止です」-これも分からないではないが、これではPark-PFIは導入できない。「禁煙」の看板はひとつもなかったが、たばこのライターは火気なのだろうか。

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 公園の入り口には地元のローターリークラブが寄贈したと思われるブロンズ像があり、台座には次の「四つのテスト」が記されている。①真実かどうか②みんなに公平か③行為と友情を深めるか④みんなのためになるかどうか-誰のためのテストなのだろうか。

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伐採木サークルがモニュメントになっていた団地エントランス(これもありか)

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 「当団地は犬立入禁止」-犬は文字を読めないはずだから、野良犬には効き目がないと思うが、リード付きも不可なのか。時代遅れの「ペット不可」の団地か。

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 ごもっとも。ビラ配りのため無断でどこかの官舎に立ち入った人が逮捕されたこともあった。記者は団地内の様子を見ようと思ったが、「不審者を見たり聞いたら一一〇番」もあるので、誰何されそうだからやめた。

◇      ◆     ◇

 街路樹が悲惨な目に遭っていたが、とにかくこの街は看板が多すぎる。市民の方々には大変失礼だが、すさんだ心、世情の表れではないか。やんぬるかな。累卵の危機にあるのではないか。わが街多摩センター駅前にも「受動喫煙からあなたを守ります」と大書きされた横断幕はあるが、公園内の注意書きは目立たないし、強剪定される街路樹はそれほど多くない。そんなことをしたら市民は黙っていない。

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「住友不動産ベンチャーサミット」

 住友不動産は10月24日、スタートアップ企業と同社テナントや取引先の大企業をマッチングさせるイベント「住友不動産ベンチャーサミット」を「新宿住友ビル」三角広場で開催。約2,100名が参加するなど大賑わいとなった。メディアにも一部公開された。

 イベントは、事前に応募があった130社以上から厳選した15社のスタートアップ企業の代表が登壇し、一人6分のプレゼンテーションを行い、9人の審査員が優秀企業を選定するもの。コンテストでは優勝、準優勝、特別賞(5社)が決定・表彰された。

 また、会場内には115社の企業展示ブースや商談ブースも設けられ、スタートアップ企業との出会いの場が設けられ、イベント後は懇親会も行われた。

 優勝企業に選ばれたLeaner Technologies代表取締役CEO・大平裕介氏は「これほど多くの大企業、事業会社が参加するこの種のイベントはなく、優勝することができ、素直に嬉しく思っています。我々は調達DXというテーマではございますが、その中でも『日本の可能性』をスタートアップ企業がお見せできた一日になったのではないかと思います。また、登壇者としては人生で一番大きな会場でのピッチイベントに参加させていただき、熱量をどう伝えるかに心を配り、楽しくピッチすることが出来ました」とコメントした。わが国のスタートアップ企業の3年生存率、5年生存率が極端に低いことについて「スタートアップの内側だけで展開する企業が多く、大企業が応援する体制にないのが課題」などと語った。

 審査員を代表して湯浅エレム秀和氏(グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー)は「イベントのテーマは、大企業とスタートアップを連携させることで、これが新たな日本型のイノベーションになる。プレゼン15社は様々な分野でトラクションになりうることをアピールできていた」と総評した。

 主催者の住友不動産ビル事業本部グロースサポート事業部部長・藤島正織氏は「目先の商売(利益)など追っていない。政府もスタートアップ育成5か年計画で、投資額を現在の5倍の10兆円に拡大することを打ち出した。長いスパンで考えていく」と語った。

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企業ブース

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左から大平氏、湯浅氏、藤島氏

◇        ◆     ◇

 記者は途中からの参加だったので、肝心のPITCHは最後の2人しか聞けなかったのだが、審査員が「ワクワクする」「コンタクトしたい」「熱量に圧倒された」「世界観がいい」「多種多様、領域が広い」などと絶賛したように、同じ印象を受けた。

 懇親会への参加も許されたので、会場に入った。参加者は1,000人を超えていたはずだ。話を聞こうにも、住宅・不動産のこと以外はまったくの素人。誰に何を聞いていいやらさっぱりわからないので、参加者の年代、服装などをチェックし、会場の様子を隈なく見て回った。

 年代は30~40代の方が多く、女性の比率も3割くらいだと思った。男性でネクタイを締めているのは10人くらいしかいなかった。スタートアップ企業ブースには話を聞こうとする人が列をなした。「30人と名刺交換できた」と話したわが国を代表する企業参加者もいた。最高に素晴らしい取材ができた。それにしてもメディア参加者は数えるほどとは…。

 同社広報担当から「いくら飲んでもいい」とも言われたので、チリ産の「ヴァイントレイル シャルドネ」の白をしこたま飲んだ。量にしてボトル1本くらいか。家に帰ってすぐ記事を書こうと思ったが、少し酔い眠くなったので寝てしまった。アップするのが翌朝になったのはこのため。

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優勝企業に選ばれたLeaner Technologies代表取締役CEO・大平裕介氏

 

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カンリ―代表取締役Co-CEO秋山祐太朗氏(左)と同社事業開発室・渡部哲哉氏

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カエカ(kaeka)代表取締役/スピーチライター・千葉佳織氏(左)

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最大1億円出資交渉権SBI Investment賞と博報堂DYメディアパートナーズ賞TVCMテスト出稿&効果検証パッケージ100万円分を獲得したトランスファーデータ代表取締役・村田佑介氏

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懇親会

 

ユニコーン企業を育てるインキュベーションオフィス 住友不「虎ノ門タワー」に開設(2023/10/2)

優勝は「Solafune」 サンフロ「FRONTIER PITCH TOKYO for Startups 2023」(2023/9/22)

 

 

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多摩センター駅前のパルテノン大通り

 「神宮外苑」や「日比谷公園」の「みどり」が話題になっているが、都市公園の再編は全国的に進んでいるようだ。東京都も令和5年6月、都の諮問を受け東京都公園審議会(髙梨雅明会長)は「新たな都立公園の整備と管理のあり方について」答申をまとめた。

 答申は、社会状況の変化に対応し、①全ての公園の質を向上し、個性を生かした多様な公園の創出②周辺環境と調和を図り、新たな時代の都民ニーズを踏まえアップデート③共に創り、共に育てる――を基本方針とし、今後10年間に重点的に取り組むべき事項として①豊かな緑を育み、次世代へとつなぐ公園②東京の活力と魅力を高め、まちづくりの核になる公園③都民一人ひとりのウェルビーイングに貢献する公園――の3つを提案している。

◇        ◆     ◇

 答申で謳っている「まちづくりの核になる公園」に大賛成だ。記者がいまもっとも注目しているのは、大阪駅前の「うめきた公園」(4.5ha)だが、駅に近くて「まちづくりの核」になりそうな点では「うめきた公園」によく似ており、規模は約2.5倍のわが街・多摩センターの「多摩中央公園」を紹介する。

 「多摩中央公園」は、京王・小田急京王多摩センター駅から幅員約50m、長さ約400mのレンガ調タイル敷の歩道空間に、シンメトリーのクスノキの街路樹が60本以上植わっている「パルテノン大通り」を抜けたところに位置し、広さは約11.3ha。公園内には中央の大池を取り囲むようにコンサートホールが備わった多目的施設・パルテノン多摩、みどりに関する書籍が揃い質問も受けられ、水琴窟もあるグリーンライブセンター、新設されたばかりの市立中央図書館、大芝生広場、江戸時代の地主の家を移築した旧富澤家などがある。

 植生も豊かで、どこに植わっているかは教えられないが、絶滅危惧種のキンラン、ギンランも季節になると可憐な花を咲かせる。

 多摩市はいま、2015年2月に決定した「第五次多摩市総合計画・第2期基本計画」、2018年5月に策定した「多摩中央公園改修計画」、国土交通省が2018年10月に改訂した「公園施設長寿命化計画策定指針(案)」などに沿って改修工事を進めている。

 前述した「市立中央図書館」もその一つで、今後、公募設置管理制度(Park-PFI)を活用し、物林を代表企業とする指定管理者TAMAセントラルパークJVによって「フラワー&ベーカリーハウス」、「ケヤキハウス」などが令和7年度までに整備される予定だ。

 記者は、図書館はもちろん、民設民営方式によってこれらの施設を整備するのに異論はない。ただ、一つだけ心配なことがある。図書館建設のときもそうだったが、大量の樹木が伐採されるのではないかということだ。

 心配する根拠はある。公園の西側に隣接する「レンガ坂」の改修工事だ。名称にあるように、レンガ調タイルが敷き詰められ、その両側には見事なユリノキが植えられていた歩道・自転車専用舗道だ。市内でもっとも美しい道路景観を形成していたと思う。

 ユリノキは、2019年の台風15号により植えられていた102本(推定)のうち13本が倒木したのをきっかけに市は伐採方針を決めた。しかし、美しい景観を残してほしいという市民の声が寄せられたことから、市は計画を変更。地下には共同溝があり、残しても倒木の恐れがあるとする専門家の声を聞いて68本を伐採、21本を残した。同時に、レンガ坂の勾配がきつく、レンガ調タイルは滑りやすいという苦情を受けて、アスファルト舗装に変更した。

 倒木の恐れがある、滑りやすいといわれれば反論などできないが、無残に強剪定(高さ7m)された樹齢50年はありそうなユリノキを眺めるのはつらい。記者と同じような疑問を抱く人もいるようだ。先日、強剪定されたユリノキを1歩1本眺め、胴吹きの葉っぱを調べている人がいたので声を掛けた。その方は「ひどいね、市はビッグモーターと同じことをやっているではないか」と話した。

 公園内の樹木伐採も心配なので、市に問い合わせた。公園緑地課の担当者によると、公園内の樹木5,000本のうち1,125本を伐採する計画だという。2割以上だ。その多さに絶句したのだが、丁寧な説明を受けて納得もした。

 伐採の理由は3つあり、一つは多摩地域に蔓延しているナラ枯れに対応するものだ。2つ目は公園東側の斜面地の土砂崩壊対策(斜面地の下には戸建て住宅がかなり建っている)。3つ目は施設整備に伴うもので、全体として伐採する1,125本のうち実生により繁茂している樹木が約8割(900本)だという。疑問は氷解した。

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レンガ坂

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多摩市立中央図書館

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歩道と図書館へのスロープはいいのだが、手摺り周りは雑草だらけ

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改修後のレンガ坂の舗装(左)と新築された図書館側の舗装

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従前の3分の1の7mに強剪定されたユリノキ(桜美林台の敷地近く)

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痛々しいレンガ坂のユリノキ

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剪定されていない樹齢が若いユリノキ(比較していただきたい)

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工事中の多摩中央公園

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このケヤキの大木は残されそう

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廃校が決まった恵泉女学園のグリーンボランティア活動で整備されているクスノキの植栽ます(左)と旧京王プラザホテル(「ここのホテルはとてもおいしかった。大学もなくなり、市の格が落ちるわね」来街者)

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 取り留めなく書いてきたが、市にはどうしても言いたいことが一つある。喫煙についてだ。喫煙は人権だと思う。

 平成31年3月に市が実施した「多摩中央公園改修基本方針(案)」に関するパブリックコメントには11人の質問が寄せられており、「喫煙所を設けて」という意見は2件ある。これに対して、市は「受動喫煙に対しては、多くの方に公園を利用していただけるよう、前向きに今後取り組んでいきたいと思います」と回答している。

 文字通り読めば、喫煙所を設けるとも受け取れるが、〝健幸都市〟〝受動喫煙からあなたを守ります〟と駅前の横断幕に掲げ、まるで喫煙者は健康でなく犯罪者扱いする市が〝多くの方〟でない(11分の2だから18%もあるが)喫煙者の意見など聞かないとも解釈できる。よくある玉虫色、二枚舌だ。

 市は条例により公共施設などでの喫煙を全面的に禁じており、屋外指定喫煙所は多摩センター、永山、聖蹟桜ヶ丘駅など数か所しかない。

 どこもそうならあきらめるしかないのだが、そうではない。流石なのは〝日本一金持ち〟の東京都港区と23区の財政力が最低クラスの足立区だ。港区は「たばこを吸う人も吸わない人も、誰もが快適に過ごせるまちづくり」の一環として、屋外の公園を含めた指定喫煙場所を約40か所設けている(屋内は数えきれないほどある)。足立区は、歩行喫煙を禁止しているが、公園内の喫煙そのものは禁止していない。「喫煙禁止」の看板もないはずだ。

 記者は、日本一美しい街は多摩センターだと思うが、この横断幕を目にするたびに、健康でも幸せでもない、生きるに値しない者であることを自覚させられ、気が滅入る。そんな記者を横目に〝口悪〟カラスは〝バカー〟と一鳴きして飛び去った。

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〝喬木は風に折らる〟誤解解く取り組みの見える化急げ 「神宮外苑地区まちづくり」(2023/10/17)

コロナ禍でも億万長者は11.4%増の1,392人 令和5年度の港区 所得割額は2.4%減(2023/10/15)

〝ぶっ飛んだみどり〟だけでない 「グラングリーン大阪」タワマンに絶句(2023/10/12)

樹木を避けて整備 都の日比谷公園整備PJ/「生き物を殺していいの」 二の句継げず(2023/8/7)

尾根幹線沿線23か所66haの再生・活性化へプラットフォーム創設 多摩市(2023/4/23)

ショック!ホテルに続き恵泉女学園大学も閉学へ 地盤沈下する多摩センター(2023/3/23)

「使われ活きる公園」 逆読みは〝使われず危機に瀕する公園〟 国交省「公園検討会」(2022/11/1)

〝日本一美しい多摩〟目指せ 多摩市街路樹よくなるプラン改定版 住民説明会(2019/1/21)

国交省 「都市公園等のあり方検討会」が中間とりまとめ(2015/8/25)

多摩グリーンボランティア森木会 10周年&「緑の都市賞」内閣総理大臣賞(2011/11/29)

 

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イチョウ並木(昨年5月撮影)

「神宮外苑地区まちづくり(神宮外苑地区第一種市街地再開発事業)」の事業者代表を務める三井不動産は1013日、プロジェクトサイトの質問受付ページに寄せられた質問に対する5回目の回答(令和5828日~930日受付分)を掲載した。令和5717日~726日に受け付けた質問に対する第1回目から合計質問は319件、意見は70件、合計389件に上っている。同社は、引き続きプロジェクトサイトで順次回答していくとしている。

全てではないが、記者はその都度質問と回答を読んでいる。今回の5回目の質問・意見件数は51件で、1回目の174件から3分の1以下に減少している。重複する質問も多く、ほぼ意見・質問は出尽くした観を受ける。

回答はプロジェクトサイトのQ&Aページ(https://www.jingugaienmachidukuri.jp/faq/)に掲載されている。

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「神宮外苑地区まちづくり」ホームページから(保存樹木、移植樹木、伐採樹木、追加樹木などが記載されているが読みづらい)

        ◆     ◇

 今回の問題の肝は、平成2512月に創設された「公園まちづくり制度」に沿った事業であり、この実施要綱に適合するかどうかだと思う。同制度は、センター・コア・エリア内にあるもの当初都市計画決定からおおむね50年以上経過したもの未供用区域の面積が2.0ヘクタール以上のもの――を対象に、再開発等促進区を定める地区計画を定め、都市計画公園・緑地を削除する面積の60%以上かつ1.0ha以上を緑地、広場その他の公共施設を確保するのが狙いだ。

 肝心なのは③で、「神宮外苑街づくり」の計画地内には秩父宮ラグビー場を中心とする約4.7haの「未供用地」が存在していた。「共用」とは、都市計画決定区域において、開園が告示された都市計画公園施設のことを指す。「未供用」とは供用以外の状態をいう。

 なぜ秩父宮ラグビー場が「未供用」むなのか疑問がわくが、89日付の記事でも書いたように、都によると、秩父宮ラグビー場は記録が残っている昭和50年当時は「未供用」扱いにされており、20224月に「都立明治公園」から削除されるまで「未供用」のままだったということだ。

 その是非はともかく、秩父宮ラグビー場が今回の再開発を可能にした〝貢献者〟ということだ。

 この問題について、日本イコモス日本委員会は「秩父宮ラグビー場の土地所有者は、民間企業ではなく日本スポーツ振興センターであり、かつスポーツの聖地として国民に愛されてきた施設である。共用の定義をほぼ満たしており、『公園街づくり制度』が適用される地域とは、基本的に異なっている」(令和31228日付意見書)と主張している。

 しかし、同制度は「未供用」の土地所有者は民間企業でなければならないとは定めていないし、実態として「共用」されているかどうかではなく、法律に基づき「告示」されているかどうかを要件としている。法治主義に照らし合せば、日本イコモスの主張は通らない。事業者も認可した都にも瑕疵、落ち度はないように思う。

 三井不動産にも一言。故・坂本龍一氏や村上春樹氏など著名人が再開発に反対の声をあげたのは予想外だったのだろうが、「神宮外苑」の歴史・文化などの特殊要因を軽視したのではないか。計画地の土地の権利関係はともかく、ほとんどの人は「都市公園」と理解していたのではないか。そのことを最初からきちんと説明すべきだった。これまで多くの街づくりで成功を収めてきた驕りがあるのではないか。喬木は風に折らる。

 公表されている既存樹木調査データは85ページにわたり、伐採樹木743本も含めて樹木はエリアごとに分けられ、11本連番、樹木番号、樹種名、樹高、幹周、葉張りなどの規格や樹形、樹勢、大枝幹の欠損・傷などの活力度、保存の必要性(高・中・低)、移植(可・難・不可)、備考(例えば、ぶつ切り剪定が、多数あり。樹木番号N02-033ヒマラヤシーダーからの、被圧あり。建物に、近接している)などか小さな字で記載されている。画面を拡大しスクロールすれば読めないことはないが、読みづらい。

 分かりやすくするために、現場を公開し、樹木にはデータが読み込めるようバーコードを付け、樹木医などの専門家が説明してはどうか。

 同社は、面積比におけるみどりの割合は25%から30%に、樹木数は既存の1,904本から1,998本にそれぞれ増加するとしているが、それを〝見える化〟する取り組みが必要だ。記者は、同社のマンションや分譲戸建てを中心に多くの街づくりを取材してきた。植栽計画はどこにも負けない。これまでの街づくりを紹介し、神宮外苑の現況と未来像が比較できるよう大きな模型図などを展示・公開すべきだと思う。

さらに、質問・回答も文書ではなく、事業を認可した東京都、再開発に反対している日本イコモス日本委員会を含め、賛成派、反対派を一堂に集めて大討論会でも開催したら、同社に対する誤解は解けるのではないか。

秩父宮ラグビー場が「未供用」の謎 「広場」は都市公園ではない 神宮外苑再開発(2023/8/9

 

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.PDFはこちら 港区の課税標準額段階別の納税者推移

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 令和5年度の東京都港区の所得割額は、前年度が大幅に伸びた反動とコロナの影響からか総額は約870.3億円(前年度比2.4%減)で、納税義務者1人当たりの所得割額も586千円(同3.9%減)となったが、課税標準額が1億円超の納税者は前年度比11.4%増の1,392人となり、過去最多を更新。課税標準額1,000万円超の納税者も前年度比1.7%増加した。

 課税標準額が1億円超の納税者は、納税義務者の0.9%に当たる1,392人(前年度比11.4%増)となり、過去最多を更新。所得割額費額は244.2億円で、全所得割額870.3億円(同13.0ポイント減)の28.1%(同3.4ポイント減)を占めている。

 納税者1人当たりの所得割額は586千円(同3.9%減)で、1億円超の所得割額は17,547万円(同21.9%減)となっている。

 課税標準額が1,000万円を超える納税者は、全納税者の18.6%、27,680人で、前年度より7.1%増加し、所得割額総額の72.7%を占めている。

 所得割額は、総所得から基礎控除、配偶者・扶養控除、社会保険・生命保険料控除額などを差し引いた課税所得金額に税率10%(都民は都民税4%+市町村民税または特別区民税6%)を掛けた金額。

億万長者の人数&所得割額が激増 過去最多 アッパーミドルも漸増 東京都港区(2022/11/26)

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 コスモスイニシアは1010日、同社が当賃貸管理を行う埼玉県のマンションの駐車場空き区画にガス衣類乾燥機を搭載したトレーラーハウスを設置し、同日から入居者向けに衣類乾燥サービスを提供する実証実験を開始したと発表した。24時間いつでも利用でき、利用料の支払いはキャッシュレス決済を採用する。

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 このようなニーズがあるのかどうかさっぱりわからないが、ミサワホームはフェーズフリーのトレーラーハウス「MISAWA UNIT MOBILITYMOVE CORE』」(「ムーブコア」)を先月から販売を開始した。

ミサワホーム 「いつも」「もしも」ZEH対応 トレーラーハウス「MOVE CORE」発売(2023/8/24

 

 

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三菱地所「ホトリア広場」の「濠プロジェクト」

 三菱地所は10月6日、同社と大丸有環境共生型まちづくり推進協会(エコッツェリア協会)が管理・運営している「ホトリア広場」が環境省「自然共生サイト」に認定されたと発表した。

 「ホトリア広場」は、皇居外苑濠に隣接する大手町ホトリア(大手門タワー・ENEOSビル、大手町パークビルからなる街区)の西側に位置する環境共生型の緑地広場で、生物多様性に配慮した管理を行い、皇居外苑濠の豊かな自然と歴史的景観との調和を生み出しています。

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積水ハウスは10月6日、同社とウェスティンホテル大阪、ダイハツディーゼル新梅田シティ、野村不動産が保有・管理する企業緑地「新・里山」が環境省の「自然共生サイト」に選定されたと発表した。

「新・里山」は、「新梅田シティ」の北側約8,000㎡の公開空地として2006年に完成。日本の原風景である「里山」を手本とし、「5本の樹」計画に基づいた在来種を中心に植栽を行った憩いの空間。

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積水ハウス「新・里山」

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 環境省は、「ネイチャーポジティブ」の実現を目指すため、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全する目標(30by30目標)を掲げ、企業の森や里地里山、都市の緑地など「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を「自然共生サイト」として認定する取組を令和5年度から開始。今回、全国122か所(35都道府県)が環境大臣認定を受けた。

 住宅・不動産業界ではこのほか東京建物「大手町タワー」(千代田区、0.3ha)、長谷工コーポレーション「長谷工テクニカルセンター」(多摩市、0.8ha)、旭化成・旭化成ホームズ「あさひ・いのちの森」(富士市、1ha)、住友不動産「住友不動産の森」(裾野市)が認定されている。

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東京建物「大手町タワー」

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 記者は今回認定を受けた「ホトリア広場」「新・里山」「大手町タワー」「長谷工テクニカルセンター」を見学・取材している。ともに素晴らしい。

台湾由来の幼虫(ヤゴ)都心で初めて確認 三菱地所「濠プロジェクト」見学(2022/6/5)

長谷工コーポ 創業80周年記念「テクニカルセンター・マンションミュージアム」完成(2018/10/23)

皇居に隣接 三菱地所 最高級Sクラスの「大手町パークビルディング」竣工(2017/2/14)

田舎の原風景を見た 積水ハウス「新・里山」(2010/4/8)

 

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 10月2日に開かれたジャニーズ事務所の会見で、指名しない記者の名前と顔写真をまとめた「NGリスト」が作成されていた問題をマスコミ各社が大々的に報じた。NHKによると、記者会見には300人近い報道陣が詰めかけていたようだ。

 この報を受け、記者は報道陣の多さに驚いたのだが、会見にもよるが、指名する、あるいは指名しない記者を特定する準備・作業は日常茶飯に行われている。記者の常識だ。

 会見では、手を上げても指名されないことから「茶番だ」と声を荒げた人もいたが、圧倒的多数派の「OKリスト」(存在したかどうかは分からないが)の方たちは「茶番」を承知の上で、自らもその演者として出席したのではないか。自らの責任に頬かぶりし、「水に落ちた犬は打て」式の会見は見苦しいというほかない。〝雄弁は銀なり〟と演説をぶった著名な記者の方がいたが、あれはいかがなものか。意見表明もいいが、他の記者の質問時間を独占する権限はないはずだ。

 今回の問題は、世間を揺るがす性加害・被害の問題だから、NGリストの存在を大々的に取り上げるメディアの姿勢は分からないではないが、この前も書いたように、エンタメ業界と大メディアが「沈黙は金なり」(ほとんど共犯)を決め込み、黙認してきたことも問われなければならないはずだ。記者が会見に出ていたら、登壇者に「今回の問題で、マスコミが沈黙していたことをどう思うか、メディアも共犯ではないか」と質問する。

◇        ◆     ◇

 上段で特定の記者を指名する、あるいは指名しないことは日常茶飯に行われていると書いたが、小生自身も会見の最初から最後まで手を上げても指名されなかったのは何度もある。性格がひねくれており、並みの質問などせず、ときには意見表明をしたり嫌味な質問をしたりするので、特定の企業から嫌がられている。

 しかし、記者の端くれの小生を会見に呼んでくれるのだから、質問しないのは逆に主催者に失礼だと考え、極力手をあげるよう務めている。指名されるか、されないか-そんなことは大した問題ではない。小生は肝心な質問はしないこともある。同業の記者にみすみす手の内を明かすほど馬鹿ではない。

 指名されたときは、その場の雰囲気によってお礼、リップサービスの意味を込め、主催者が言いたいことを引き出す、あるいは記者の方々に注意喚起する質問をすることもある。故・石原慎太郎氏が都知事を務めていたときだ。定例会見で質問したら(主催者は指名してくれた)、石原氏は「いい質問だ」と答えた。このような例も数えきれないほどある。

 以下は、メディアの方々にもいいたい。「質問してどのような答えが返ってくるか分からない質問はしない」「知らないことは質問しない」-これは質問のイロハだが、これを守らない記者が実に多い。なにを質問していいか分からない記者と同様、自らの無知をさらけ出す、底が知れる質問はしないことだ。

 添付した「『貸さない親切』『買う勇気』-住宅金融支援機構の懇親会で考えたこと」(2013/11/30)の記事も読んでいただきたい。答えが返ってこないのを承知の上の〝おきて破り〟の質問をしたら、当時の住宅金融支援機構の経営企画部長・池谷(いけのや)文雄氏は、質疑応答の大半の時間を割いて「既往債権」のあり方について語った。

 もう一つ。今年亡くなった扇千景氏が国交相に就任したとき、希望していた文科相でなかったことから「冷や水を浴びせられた」と発言したことに頭にきた記者は、就任会見の場で「あの発言は、国土交通省を馬鹿にしたものだ」と質問したら、幹事会社から「牧田さん、ここは意見を言う場ではない」と遮られた。確か扇氏は居直ったはずだ。いまなら即刻クビだろう。

 何事も是々非々。言わなきゃいけないことは「沈黙」などしないで、訥弁でもいいから主張すべきだ。記事は頂門の一針になることもある。

性犯罪に加担し隠蔽してきたマスコミの罪は大きい ジャニーズ問題を考える(2023/9/9)

「貸さない親切」「買う勇気」-住宅金融支援機構の懇親会で考えたこと(2013/11/30)
 

 

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