すてきナイス 三井、野村と肩を並べた分譲戸建て これからが正念場

すてきナイスの住宅事業

日暮社長
すてきナイスグループは6月1日、2017年3月期決算の説明会を開き、同社・日暮清社長と大野弘取締役が1時間半にわたって詳細な報告を行った。売上高は2,464億円(前期比103.3%)で営業利益は15億円(同93.2%)ととなり、売上高の68.7%を占める建築資材事業の営業利益は過去20年で最高水準となり、マンションから戸建てにシフトチェンジした住宅事業も堅調に推移していることなどを話した。以下、決算数字と日暮社長の説明などから住宅事業について考えてみた。
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同社の前期の住宅事業の売上高は一戸建てが319億円、マンションが212億円。戸数は1,323(一戸建て831戸、首都圏マンション434戸、地方マンション58戸)。6年前は戸数1,336戸(一戸建て207戸、首都圏マンション1,060戸、地方マンション69戸)だから、完全に戸建てとマンションが逆転した。今期の一戸建ての売上目標は950戸。
マンション市場はリーマンショック後、大手デベロッパー(とくに三井、三菱、住友、野村)の寡占化が進行しており、これらに大和ハウスや積水ハウスのハウスメーカー、大京、東建、東急不、NTT都市開発、伊藤忠都市開発、新日鉄興和、さらには資金力がある近鉄、阪急、京急、相鉄などの電鉄(系)が攻勢を強めている。中堅デベロッパーは駅近の用地取得合戦で太刀打ちできず、競争を回避する形で大手が手を出さない〝隙間〟や郊外・地方へ〝転戦〟せざるを得ない状況が今後も続くはずだ。同社がリスキーなマンション事業から戸建てへシフトするのは賢明な選択だ。
武器も揃った。先に書いたようにBELS、CLT、ZEHなどはどこにも負けないし〝木の時代〟は加速する。本社に隣接して2015年にオープンした「スマートウェルネス体感パビリオン」の来場者は8,000名を超えたというし、同じような施設は「群馬」「新潟」にも開設した。モデルハウスは「横浜」に続き「藤沢」にも設ける。威力を発揮するのは間違いない。自ら木材、資材を調達できるのも強みだ。
分譲戸建て分野では課題がないわけではない。この分野は、システマテックな手法を徹底させ、圧倒的な価格の安さで優位に立つ、年間4万戸を販売する飯田グループが王者として君臨する。大手ハウスメーカー社長は「うちは土地代がただでもかなわない」とお手上げだ。
ここと競争するのは意味のないことだと思うが、建売りの価格下げ圧力は強まる一方で、同業の追い上げもある。いかに質を落とさず、トータルな価格競争力を向上させるかが問われる。これからが正念場だ。
同社の計上戸数のうち6割、約500戸が分譲戸建てだ。ハウスメーカーを除けば三井、野村と肩を並べるまでに伸びた。
日暮社長は「これからは売り建て(停止条件付き)や注文を伸ばし、建売りの比率を下げたい。手間がかかる仕事の平準化を進めて利益率を高めたい」と語った。
記者は、フージャースコーポレーションが劇的に変わったようにデザインと外構に力を注ぐべきだと思うが、同社の建売りを近く見学して商品企画についてレポートしたい。
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ついでに同社の沿革・株式ポストについて。同社は1950年、市売木材として創業。1962年、東証2部に上場。1972年に日榮住宅資材に社名変更し、1988年は日榮不動産へ、1995年にナイス日榮へ、2000年にナイスへ、そして2007年には持株会社体制への移行に伴い現社名になった。「ナイス日榮」から「ナイス」への変更は、当時、悪質な事業者ローン問題を引き起こした「日榮」を連想させ、風評被害があったための変更ではあったが、67年間に5回も社名を変更した上場会社は同社だけでないか。
その是非は分からないが、株式ポストは「卸売業」だ。売上比率からすれば同社は商社だからそうなのかもしれないが、戸建て・マンションの住宅事業や木材事業比率も低くなく、多角化を推進している。「卸売業」のイメージとは程遠い。
同社は全国8カ所に約1,836ヘクタールの森林(新宿区とほぼ同じ広さ)を保有し、地球温暖化防止に貢献するとともに「木材」という人と環境にやさしい社会性のある事業を行っている。最近は国産材利用、BELS、CLT、ZEH、免震マンション、復興支援、スマートウェルネス体感パビリオンなど先進的な取り組みを強化しており、隈研吾氏の起用や慶大、京大などの学との連携を図るなど話題性に富む事業を展開している。
業態は「建設業」ポストに入っている住友林業に近いのではないか。住林と比べると売上高も利益率も比較にならないが、こうした環境への取り組みや社会的に意義のある事業展開を考慮すれば、住林の10分1以下という同社の株価150円前後は解せない。
この日の決算説明会にはたくさんのアナリストが出席していたはずだが、企業の価値は収益性よりも企業サステナビリティ(社会性)がより重視されるべきだと思うがどうか。日暮社長、せっかく立派なホテルで説明会を開くのだから、そのまま懇親会にしてこの点をアピールしてはどうか。記者は20年以上、RBA野球大会で同社チームのメンバーと交流しているが、勝っても負けてもしっかりミーティングを行い、チームワークを大事にしているのに感心している。家族経営的な社風はもっと評価されていい。
旭化成ホームズ 吹き抜けとロフトが付いた「キュービック ルーミー」発売

「HEBEL HAUS CUBIC roomy(ヘーベルハウス キュービック ルーミー)」
旭化成ホームズは5月24日、2階建て戸建住宅の主力商品「ヘーベルハウス キュービック」の新モデル「HEBEL HAUS CUBIC roomy(ヘーベルハウス キュービック ルーミー)」を6月1日より発売すると発表した。静岡県富士市にある同社の住宅総合技術研究所でモデルハウス見学会を行った。
「キュービック ルーミー」は、ロングセラー商品であるシンプルな立方体をベースとした箱の家「キュービック」のデザインコンセプトをそのままに、2階の天井を押し上げるという発想で空間を広げ、解放感のある2階リビングや使い方を楽しめるロフト空間を提案する商品。屋根庇や軒樋が外壁面から突出しない、南面を3.5寸勾配、北・東・西面を15.7寸勾配とするこれまでのヘーベルハウスにないアシンメトリック(非対称)な「偏芯寄棟屋根システム」を新たに開発し、斬新で美しい箱型フォルムを完成させた。
南面の緩勾配天井による伸びやかな吹き抜け「ロフティルーフ」や、北面の急勾配天井に沿って生まれる広がりのあるロフト「ルーミーロフト」を提案しているのが特徴で、ZEHにも対応できるよう太陽光発電パネルの搭載容量を増やしている。
メインターゲットは、延床面積30~40坪程度の単世帯一次取得者とし、年間販売棟数250棟を目標としている。延べ床面積約31.36坪のプロトタイプの税抜き価格は2,640万円(坪単価84万円)。
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建物形状が7,320ミリ四方のコンパクト型にしてはよく工夫されたモデルハウスだと思う。だだ、2011年に発売した35.4坪「そらのま+」、2013年発売の35.8坪「STEP BOX」、2014年発売の37.8坪「屋根の家」と比べると、4~6坪狭く、ロフト空間はいつも見ているのでそれほど強い印象は残らなかった。
同社マーケティング本部次長兼同本部商品企画部長・加藤明氏が「好みが分かれる商品」と語ったように、一定の層に受け入れられるプランだと思った。「キュービック」にそれだけ選択肢の幅が広がったということだ。
気になったのはやはり天井高だった。ロフト「ルーミーロフト」は最大約3m(ロフト部分は1.4m)はいいとしても、1階や2階の天井高は2.4mだ。同社は1階床を掘り下げたりスキップフロアを採用したりしてメリハリの空間を演出してはいるが、基本階を高くするのが課題だと思う。
ロフト空間や天井高とも関連するのだが、今回の新商品のロフト床面積は3.57坪で、空間にすると8.3㎥になる。一般的な寄棟空間の5.1㎥より約3㎥広くなる。この空間価値をどう評価するか。空間価値で測らないといけないことは分かっていても、どうしても坪単価でしか測れなくなっている。新たな空間価値を測る物差しが必要だと改めて感じた。

「ロフティルーフ」と「ルーミーロフト」
大和ハウス 天井高2.8mの「xevoΣ」ロビーに公開 一般住宅との差が一目瞭然

東京本社1階ロビーに設置された「天井高ひろがり体感ブース」
大和ハウス工業は4月25日、同社が2014年1月に発売した天井高2.72mの「xevoΣ(ジーヴォシグマ)」が好評であることを受け、天井高をさらに8㎝伸ばし2.80mにした「天井高ひろがり体感ブース」を東京本社1階ロビーに設置し、報道陣に公開した。4月29日から7月まで期間限定で一般にも公開する。一般的な住宅の天井高2.4mのリビング空間と隣り合わせにして、その違いが一目見てわかるようにしている。
「xevoΣ(ジーヴォシグマ)」の構造をいじることなく天井高を8㎝上げるプランバリエーションを追加することで「2.80mフラット天井」「2.80m折上天井」を実現。費用は10畳大で約10万円。天井高を高くしたことに伴い建具も天井一杯に伸ばす。サッシ高も上げる。
「xevoΣ(ジーヴォシグマ)」の天井高2.72mの採用率は2016年10月から2017年3月末の時点で約75%に達している。2014年に発売して以来、累計の販売棟数は約10,000棟。
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マンションも戸建ても天井高が高いほうがいいに決まっている。記者は見学の際、その天井高を必ずチェックする。
同社もそうだが、ポラスはずっと以前から1階のリビング天井高を2.7m確保してきた。その旨パンフレットなどにも記載しているが、分譲戸建てのモデルハウスではほとんど〝その差〟を見せる工夫などしていない。「せめてテープでも貼ったらどうか」と提案したことがあるが、やっていない。
後発の大和ハウスが期間限定ではあるが、その差を〝見える化〟した。ハウスメーカーの天井高競争は間違いなく激化する。ついでに言えば、同社は2階バルコニーのマタギ部分をフラット化して久しい。これも天井高を上げたのと同等の効果がある。もっとアピールしていい。
エアロテックを武器にオール三菱で挑め 三菱地所レジデンスの都市型戸建て

「ザ・パークハウス ステージ奥沢東玉川」
三菱地所レジデンスが分譲中の一戸建て「ザ・パークハウス ステージ奥沢東玉川」を見学した。三菱地所ホームが施工した全21戸で、昨秋から分譲を開始し、これまでに14戸か成約済みだ。
物件は、東急池上線雪が谷大塚駅から徒歩8分、世田谷区東玉川1丁目に位置する三菱銀行の社宅跡地の全21戸。現在分譲中(5戸)の土地面積は102.78~120.87㎡、建物面積は97.00~102.67㎡、価格は89,800,000円~108,800,000円。構造は木造枠組工法(2×4工法)2階建て。建物は昨年7月完成済み。施工は三菱地所ホーム。
現地は、一戸建てが建ち並ぶ緩やかな傾斜地の一角。開発道路は一部インターロッキング舗装。21戸のうち4戸は三菱地所ホームの全館空調「エアロテック」が装備されていたがすでに販売済み。

モデルハウス
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恥ずかしいことだが、同社の分譲一戸建てを見学するのはいつ以来か。記憶にない。首都圏では「金沢文庫パークタウン」以来か。
なぜか、これは記者が怠慢だったことよりも、同社がバブル崩壊後供給しなくなったせいのほうが大きい。同社は2013年秋に一戸建てシリーズ「ザ・パークハウス ステージ」を立ち上げるとプレス・リリースしたが、その時点でも〝本気〟で都市型戸建て市場に参入するとは思えなかった。同社によると、2013年度から16年度までの供給実績は201戸だ。年間にして約50戸のペースだ。
トップを走る三井不動産レジデンシャルが年間700~900戸くらい供給しているのと雲泥の差だ。三井レジは、バブル崩壊後いち早く面開発からの撤退を決め、その代わりに回転率の速い都市型戸建てを継続して供給してきた。
この差が出ている格好だ。価格が価格で市場の反映とは言え、三菱地所ともあろうものが全21戸の戸建てを売るのに1年くらいかかるとは情けない。かつてリーマン・ショックの直後、三井レジが同じ石川台駅が最寄り駅の1億円前後の「ファインコート」を1カ月くらいで完売したのを取材して記事にしている。デザインもそうだが、緑量が圧倒的に異なると思った。
しかし、同社とていつも三井の後塵を拝するわけにはいかないはずだ。起死回生の主客を転倒させる武器は「エアロテック」だと確信する。「エネファーム」「ZEH」をしのぐインパクトがある。これのよさは経験しないとわからない。全ての供給物件に採用して他社との差別化を図ってほしい。企画-施工-販売ともオール三菱で挑めば三井と互角に戦えると見たがどうだろう。

業界初「棟下式」「お宝発見ツアー」大賑わい700名超 ポラス 開発予定地でイベント

「棟下式(むねおろしき)」撒き餅
ポラスグループの中央グリーン開発は4月15日、64棟の戸建て分譲を予定している埼玉県越谷市の「越谷市南荻島プロジェクト(仮称)」の開発に先立つ街づくりイベントの第一弾として「棟下式(むねおろしき)」を行った。この種のイベントはデベロッパーでは初めてと思われる。700名を超える人が参加し賑わった。
開発地は、東武スカイツリーライン北越谷駅から徒歩13分、越谷市南荻島に位置する約12.000㎡の信用金庫研修所跡地。近くには宮内庁埼玉鴨場がある。
施設は50年くらい前に建設されたもので、グラウンドは地元居住者に開放されコミュニティの核として機能していた経緯があり、その土地と建物に感謝を伝え、地域の居住者とともに見送ることにしたもの。
施設を解体した後、2017年冬から分譲する予定。1区画135㎡以上で、価格は3,000万円以上。
儀式の「清祓式」のほか、約600個の撒き餅、施設内の食器・家具など使えるモノを参加者が持ち帰れる「お宝発見ツアー」、ねぶくろシネマと連携した地域振興の野外映画会、地域の出店、ワークショップなどが行われた。「棟下式」は、建物を壊す際に「清祓い」という神事が旧家などでは古くから行われている。
イベントを企画した同社開発取締役事業部長・戒能隆洋氏は「17:00の時点で参加者は575名。予想をはるかに超える多くの方に来ていただいた。越谷が本拠の会社として地域に貢献していきたい」と語った。
分譲マンションでは、モデルルーム来場者や成約者を対しようとした様々なコミュニティイベントは行われているが、着工前に建物・施設内で地域に開かれたこの種の催しを行うのは初めてと見られる。

「お宝発見ツアー」に並ぶ参加者

「清祓式」

撒き餅(左端は戒能氏)

「お宝発見ツアー」
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この日の埼玉県の天気予報は「晴れのち曇り。雷雨に注意」。西武の5連勝がかかっているテレビ観戦で忙しいこの日に、どうしてサッカーのみに夢中のポラスの取材に行かなきゃいけないのかと八つ当たりしながら渋々出かけた。
取材時間まで少し時間があったので、タバコを吸うためにカフェに入った。自宅の鎌倉から徒歩時間を含めて片道2時間半かけてやってきた顔なじみの記者とばったり出会った。
二人は一緒に出かけた。案の定、空は暗くなり、ゴロッッと来てポツリと来た。これでは現地は関係者と数少ないメディアだけではないかといやな予感もした。
ところがだ。途中の旧荒川沿いの見事なサクラ並木に圧倒され、着いたとたん、すでに建物からあふれ列をなしている参加者にびっくり。
軽挙妄動、軽佻浮薄の記者は早速、突撃取材を敢行した。( )内は記者。
まず、ずっと以前から住んでいそうな集団。(皆さん、ご近所? )「そう、すぐそこ」「俺は昭和42年に来たが、この辺はみんな田んぼ。何もなかった」「赤白青黄色…5班に分かれた町内会の運動会をここでやった。数百人は集まった。しかし、みんな歳取って走れなくなり、後片付けも大変でいつの間にかなくなった」(お母さんとはちょっと呼べませんが、おばあちゃん、きれいですね、美しいですね。お歳は? )「昭和2年生まれの90歳」(えっ、とってもそんなに見えません。肌がとても綺麗)「お宅、いくつだよ」と別の人。(68歳です)「俺らは平均75歳。おたく(私のこと)が一番年寄りくさい」(え、そんなことはないでしょ。おばあちゃん、空襲は? )「ありましたよ。生まれは名古屋で、郊外だったので被害はなかったけど。戦後すぐ25歳で結婚して、北千住の、今は電機大学のあるところから移り住みました」

「ここでみんな町内会の運動会をやったんだ」近所の方々
次に、30歳代の前半の子ども2人づれの夫婦。「近くの賃貸アパートに住んでいます。僕が三郷で彼女は春日部出身。わたしの勤務先は越谷。彼女は専業主婦」(ここに住宅が建って分譲されます)「値段次第で買ってもいいかもと考えています(奥さん)」(私の予想では、安いところで3,500万円、4,000万円を超えるものもありますがだいたい3,800万円くらいじゃないですかね。間違ったらごめんなさいですけど。レベルは間違いなく高いですよ)
「リユース券」(「リユース権」でもよかったような気がするが)を手に入れた人にも聞いた。(信金にしては高価なものはないですね。みんな持ち去ったのでしょう。しかし、ほら、裏印に「照風」と読めるじゃないですか。ひょっとしたら掘り出しものかもしれませんよ)「(茶碗には目もくれず)…いいものはみんな先にシールを張られちゃった」
主催者も予想外の人気に声が上ずっていた。「3階の研修室の机・椅子の46セットが瞬く間になくなっちゃった。売れ残り? 野球部の大太鼓が返品として戻ってきちゃった。牧田さん、RBA野球用としてプレゼントしますよ」(冗談じゃない。新品だったら数万円はするはずだが、持ち帰れない大きさだし、これを自宅で叩いたら袋叩きにあう)。
掘り出し物はないかと鵜の目鷹の目の主婦にはこんな質問もした。(わたしをリユースする価値はありませんか)値踏みする一瞥の視線をくれただけで「ハハハハ」とガラクタ(失礼)を抱えて立ち去った。(「お互いさま、もうどっちも使いものにならない」とぼそっと背中に放った声は届かなかったはず)
西武は惜敗したが、いい取材ができた。ポラスはいい仕事をしている。

敷地内のヤマザクラ

「お宝発見ツアー」(左)と落書きコーナー

旧荒川の桜並木
大和ハウス 木造強化 最高級のプロジェクト「プレミアムグランウッド」始動

「プレミアムグランウッド 神戸・芦屋の家」
大和ハウス工業は4月12日、自然素材をふんだんに使用した最高級の木造フルオーダーの家づくりプロジェクト「プレミアムグランウッド」を2017年4月14日(金)より始動すると発表した。
「プレミアムグランウッド」は特別チームを立ち上げ、「邸別設計」「邸別デザイン」「邸別施工」を採用。プロジェクトのケーススタディハウスとして、兵庫県芦屋市に「プレミアムグランウッド 神戸・芦屋の家」を完成させ、一般公開するほか、今秋には、東京都世田谷区にもケーススタディハウスをオープンさせる予定。
「神戸・芦屋の家」では、庭と建物が一体となる「庭屋一如」をデザインコンセプトとし、日常生活で多用する水回りには、内外のブランドを積極的に採用。天井・床は縁甲板など銘木にこだわり、壁面には珪藻土や漆喰壁など自然素材を使用。サッシは特注の木製トリプルガラスサッシを採用し、外壁は庵治石の石積壁としている。
さらに、屋根の下には屋根の浮遊感を醸し出す「連欄間」を採り入れ、屋根には三州陶器瓦を、軒先には金属葺のシャープなシルエットを演出する「内樋屋根」を採用した。
基本性能では、木造用のエネルギー吸収型木造制震耐力壁「グランデバイス」を新たに開発し、断熱仕様は業界最高クラスの「オールバリア断熱プレミアム仕様」とし、室温間温度差を軽減する「快適涼暖システム」を採用している。
「神戸・芦屋の家」は敷地面積291.07㎡、建物は木造軸組工法(グランウッド構法)2階建て延床面積152.50㎡。参考価格は建物・外構含めて9,230万円。初年度の受注目標は51棟。
発表会に臨んだ執行役員木造住宅推進部長・林直樹氏は「木造は安いものから天井知らずのものまであるが、木造は世界的な気運の高まりもあり、天井知らずの富裕層向けはプレハブでは対応しきれない部分もある。今後はダイワハウス木造ブランドの構築を目指す」と語った。
同社はまた、2016年度の木造販売棟数約600棟を2017年度には約1,000棟に伸ばし、2020年度には約3,000棟に拡大することを明らかにした。

内外一体デザイン
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木造のよさかせ見直されているのは世界的な潮流で、他のハウスメーカーは富裕層向けの木造に力を入れており、同社もその流れに乗ろうというのは当然だ。
世田谷にもモデルハウスを建設するというので取材したいが、基本性能や仕様レベルは間違いなくトップレベルになるはずだ。
木造が面白い展開を見せてきた。木造ファンの記者は大歓迎だ。


「連欄間」
どこにも負けない先進の街づくり「浦和美園E-フォレスト」竣工 街びらき

「浦和美園E-フォレスト」街びらきセレモニー
さいたま市の「次世代自動車・スマートエネルギー特区」事業コンペに採択された中央住宅・高砂建設・アキュラホーム3社による戸建て「浦和美園E-フォレスト」が竣工し、3月26日、街びらきセレモニーが行われた。主催者のさいたま市長・清水勇人氏、高砂建設社長・風間健氏、アキュラホーム社長・宮沢俊哉氏、中央住宅社長・品川典久氏がそれぞれあいさつしたほか、関係者、入居者らで竣工を祝った。
最初に挨拶した清水さいたま市長は「『浦和美園E-フォレスト』は産官学が連携した『次世代自動車・スマートエネルギー特区』の象徴的プロジェクト。低炭素で災害に強く、コミュニティを育む取り組みは『ジャパン・レジリエンス・アワード』(強靭化大賞)に選ばれた。今年度末で期間が終了する特区は3年間延長するよう国に申請した。同様の街づくりは第2期、第3期も予定しており全体で100戸くらいの規模にし、さらに市内全域で展開していきたい」と述べた。
続いて登壇した埼玉県住まいづくり協議会の会長も務める風間氏は「協議会設立20周年プロジェクトであり、日本の最先端を行く取り組みだと自負している。全国の見本となることを期待している」と語った。
同協議会副会長の宮沢氏は「さいたま市はアキュラホーム発祥の地で、わたしも市民。手弁当で行ってきた協議会の活動が認知され、民も官も会員か続々参加するようになってきた全国的に珍しい団体。『E-フォレスト』は北海道並みのHEAT20さいたま版を搭載した省エネ、コミュニティ支援など高邁な思想を掲げ、永代にわたって豊かな街となるよう英知を絞った」と経緯について語った。
また、同協議会副会長の品川氏は「当社グループはイオンがオープンした2006年から戸建てを積極的に展開してきた。『E-フォレスト』は21世紀にふさわしい街になった。これをモデルに今後も豊かで楽しく、安心・安全の街づくりを行い、地域の活性化に貢献したい」と抱負を述べた。
セレモニーにはポラスグループがトップパートナーになっている浦和レッドダイヤモンズの淵田敬三社長も登壇。イギリス・リバプールでの経験を引き合いに「スタジアムが街の中心にあり、サッカーを中心にした文化、環境は浦和でもできると強く感じた。みなさん、ポラスさんのロゴが入ったレッズのユニフォームを着て応援に来てください」と呼び掛けた。

左から清水、風間、宮沢、品川、淵田の各氏

テープカット
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この街の素晴らしさについては昨年末見学して記事にしているのでそちらを参照していただきたい。同じような先進的な取り組みを行っている横浜市や柏市に負けない。あとは情報発信力だと思う。
この日はあいにくの雨模様だったが、来場者は約200名にものぼった。街づくりの主人公でもある入居者にも話を聞いた。
中央住宅の戸建てを購入した東川口に住む夫婦と1歳と4歳の子ども4人家族のご主人(32歳)は、「駅に近いこととスマートシティの取り組みが選好の決め手。マンションも検討したが、管理費などを考えて戸建てを選んだ」と話していた。
全33棟の「浦和美園E-フォレスト」の内訳・販売状況は、中央住宅が21棟(残4棟)、高砂建設が6棟(残2棟)、アキュラホームが6棟(残2棟)。

入居者の方

各敷地に地役権を設定し、路地としても機能するようにしている




アキュラホームから参加者にプレゼントされた有機野菜

高砂建設から提供された埼玉産の杉で造った本箱・椅子

中央住宅からはモデルハウスで使用された小物がプレゼントされた
ニャンともうらやましい 大和ハウス「猫と暮らすまちなかジーヴォ」オープン

「猫と暮らすまちなかジーヴォ」

モデル猫
大和ハウス工業は3月23日、著名なエッセイストである石黒由紀子氏をアドバイザーに迎え、ベネッセコーポレーションが発行する生活総合誌「ねこのきもち」と、同社の地域密着型のオープンハウス「まちなかジーヴォ」のコラボレーションによる「猫と暮らすまちなかジーヴォ」を、3月23日から千葉県流山市でオープンする。オープンに先立つ22日、メディアに公開された。
「猫と暮らすまちなかジーヴォ」は、猫と室内で暮らすことを想定し、安全でありながら運動不足や肥満の防止、ストレスが解消できるよう室内スペースを工夫。1階リビングの壁面に「キャットステップ」を、吹き抜け空間には「キャットウォーク」を設置。
壁紙や家具での爪とぎを防ぐため、リビングに麻縄を巻き付けた「爪とぎ柱」を設置したほか、ダイニングからキッチンや洗面室に入れないよう、可動式間仕切り「ライトスルースクリーン」を採用。また、就寝時、猫が寝室に入れないようロック機能が付いた「キャットドア」を採用したほか、猫が新鮮な水を飲めるよう「水飲みスペース」をリビングに設けている。
さらに、清潔を好む猫のために専用のシャンプー台とトイレスペースを設け、床部分には防水・撥水処理を施し、トイレスペースはタイル貼りとしている。
造作その他の費用は約70万円。
物件は、つくばエクスプレス流山おおたかの森駅から徒歩14分、千葉県流山市市野谷に位置する軽量鉄骨造2階建て。敷地面積176.66㎡、延床面積117.95㎡、価格5,750万円(税込み)。



猫専用の「水飲みスペース」
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どちらかと聞かれれば、断然犬より猫が好きだ。わがまま勝手は記者と同じ。人に決して媚びず、自立しているのがいい。そんな猫の中の猫が近所に棲んでいる。朝な夕な、「ニャオ」と声を掛けると律儀に「ニャオ」と答え、尻尾を振って地べたに座り大股を広げて毛づくろいを始める。雌猫かと思いきや、決してズボンを履いた女性には近寄らず、スカート姿の女性にのみ尻尾をおっ立ててすり寄るところを見ると、去勢されてもなお本能を掻き立てようとする雄の野良猫であるのは間違いない。
「猫と暮らすまちなかジーヴォ」のノルウェージャンフォレストキャットというモデル雄猫はわが野良猫とは大違い。雲泥の差だ。1歳にしてすでに体重は約5キロ。堂々たる体格は十二分にメタボの仲間入りをしていそうなそのモデル猫は、記者が呼び掛けてもニャンともワンともいわない。蔑みのまなざしで睨め返すばかりだ。
報酬を聞いたら「事務所に聞かないとわからない。自分の食事代くらいは稼ぐのではないか」とつれない返事が関係者から返ってきただけだ。
それでもそんな猫に気を取られ、WBCのわが侍ジャパンのことが気掛かりで、ほとんど取材にならなかった。
アドバイザーのエッセイスト・石黒由紀子氏と同社住宅事業推進部主任・佐藤文氏が猫の気持ちやら自由やら、外に出た時の事故やらについて話したが全くの上の空だった。
試合は2つの失策が命取りとなって日本が敗れた。同社とモデル猫には申し訳ないが、ニャンとも悔しい1日になり、記事を書く気力もない。

トイレ

キャットウォーク

佐藤氏(左)と石黒氏

爪とぎ柱

細田工務店「グローイングスクエア久我山」 欧風邸宅シリーズの一つ 閑静な住宅地

「グローイングスクエア久我山ヴィラ」ソル街区
細田工務店が近く分譲する「グローイングスクエア久我山ヴィラ」を見学した。京王井の頭線久我山駅から徒歩8分の「グラン街区」と「ソル街区」合わせ5棟現場。閑静な住宅街の一角だ。
物件は、京王井の頭線久我山駅から徒歩8分、杉並区久我山3丁目に位置する全5棟。土地面積は106.86~117.41㎡、建物面積は85.28~93.47㎡、価格は未定。建物は木造2階建て(軸組工法)。建物は竣工済み。
現地は、建蔽率40%・50%(角地緩和)、容積率80%の第一種低層住居専用地域に位置。周辺は戸建てやアパートが建ち並ぶ閑静な住宅地。
「グローイングスクエア西荻」(3区画)と「グローイングスクエア阿佐谷北」(6区画)とともに欧風邸宅のナチュラルヴィンテージプロジェクトの一つ。「西荻」「阿佐谷北」は完売している。
記者が見学したのは「ソル街区」(グラン街区は完売)のモデルハウスだったが、外構をしっかり造り込み、シンボルツリーと石材を配したサークルストーンを一部の住戸に採用している。また、駐輪スペースも設置しており、3台くらいは置ける広さを確保している。価格は未定だが、8,000万円~9,000万円になるとみた。

サークルストーン

モデルハウス
東武野田線の踏切・線路際の難点克服 ポラス「ナナスクエア大宮・七里」

「ナナスクエア大宮・七里」
ポラスグループのポラスマイホームプラザが分譲中の戸建て「ナナスクエア大宮・七里」を見学した。東武野田線七里駅から徒歩11分の全25棟で、第1期の分譲開始からこれまで第2期を含め14戸のうち12戸を3週間で成約。極めて好調な売れ行きを見せている。信号・線路際の難点を解消する工夫を凝らし、プランも徹底した差別化を図っているのが好調の要因だ。
物件は、東武アーバンパークライン七里駅から徒歩11分、さいたま市見沼区大字蓮沼字山崎に位置する全25戸。土地面積は100.07~122.55㎡、建物面積は90.67~106.40㎡、価格は2,880万~4,180万円(中心価格帯3,000万円台・3,400万円台)。構造は木造在来工法2階建て。
2月11日から第1期5戸を分譲開始し、第2期9戸を含め現在12戸が成約済み。近く第3期を販売する。
現地は、道路を挟んで野田線の線路に隣接。近くには踏切があって信号音もかなりする。
いわゆるパワービルダーの戸建ては2,000万円台の前半から分譲されているエリアで、それより数百万円は高いにもかかわらず、振動・騒音対策を施し、3つのプランを提案するなどハード・ソフト両面で需要を喚起したのが人気の要因。成約者はこの地域に縁のある人。
同社は線路と反対側の土地でも20棟の戸建てを今春に分譲開始する予定で、全体で45戸の計画。

「WIB工法」(後方は線路)
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いつものように道すがら値段を予想した。いまは東武アーバンパークラインという愛称がついているが、東武野田線は昭和50年代から60年代にかけて建売住宅の〝メッカ〟だった。単線(現在はかなりの区間で複線化されている)だったにも関わらず豊春、南桜井、川間、梅郷、江戸川台、初石、豊四季あたりで大量の住宅が供給された。価格は3,000~6,000万円台だったが、それでもよく売れた。年間にして数百戸から1,000戸が売れたはずだ。
ところがバブル崩壊後、極端に供給が減った(ポラスの「七光台」は例外)。七里は供給が少なく、駅周辺の商業施設なども30年前、40年前から時間が止まったような古い建物が多く、街のたたずまいも田舎然としている。
そんなこんなを考えながら、道に迷い右往左往したので現地まで徒歩11分が20分くらいかかった。自分が悪いのだが腹も立ち、これじゃ売れない、まさかポラスは〝298〟つまり〝価格ありき〟の市場に参入するのではないかと思った。もしそうだったら、見なかったことにして記事にするのはよそうとさえ考えた。
ところが、現地で企画設計を担当した同社設計課企画設計係長・高橋健太郎氏の説明を聞き、3棟のモデルハウスを見て考えを改めた。この価格でよくぞやったと感動すら覚えた。ユーザーを納得させるだけの性能、プラン、設備仕様だったからだ。並みの住宅でこの価格だったらまず売れない。
高橋氏は「今は単に4LDKのプランだけでは売れない。ここでしか得られないプラスアルファを盛り込まないと」と語ったように、プランは「CAFE」「BOOKS」「ZA+DOMA」の3つ。それぞれ明確なコンセプトを示している。同社グループの他の物件もそうだが、それぞれ住空間をうまくデザインしている。
基本性能としては、線路に面した住戸に対し振動、騒音対策を採用しているのが大きな特徴で、ハンディを解消している。
振動に対しては、「WIB工法」を採用することで、振動環境を不快な振動を感じない60db未満レベルまで低減した。実際に工事を施している住戸で体感したが、電車が通ってもまったく振動は感じられなかった。
騒音に対しては、一部住戸を二重窓にしている。こちらも体験したが音は全く聞こえなかった。
優れたプランとしては、1階の天井高約2.7mはポラスグループの標準だが、食洗機がついており、床は銘木突板仕上げ、リビング床暖房、暖房付き洗面室、自動換気機能付き玄関ドアなどを採用。3,000万円台の戸建てではまずこの仕様はありえない。

小上り和室がある「BOOKS」プラン

「ZA+DOMA」プラン
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一つだけ注文。これは先月見学した同社グループの「朝霞」もそうだったし、他社のモデルハウス、モデルルームもそうなのだが、過剰装飾について。「CAFE」プラン(他のプランは抑制気味)はあらゆるテーブル、壁、棚が食器や造花などで埋められていた。保育園の運動会でもこれほど派手にはしない。
これでは、限られた予算の中で住空間を工夫し、突板を採用するなど本物志向のニーズに応えようとするせっかくのプランが台無しだ。せめて造花は観葉植物にしてはどうか。壁面には水遣りがいらないサントリーミドリエを設置したらどうか。あれやこれや飾り立てることしかしないコーディネーターの仕事が理解できない。過ぎたるはなお及ばざるがごとし。

「CAFE」プラン(上の「BOOKS」「ZA+DOMA」プランと比べていただきたい)
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ついでに東武線のイメージ、ポテンシャルの向上について。記者は東武線が嫌いではない。むしろ好きだ。まだまだ庶民が買える住宅が供給されている。
ところが一向に沿線のイメージがアップしない。これにはいろいろ理由があるのだろうが、不動産業者にも問題がないとは言えない。「2,500万円~」「2,900万円台」「3,300万円~」など都心部ではワンルームでも買えないような戸建てやマンションの車内吊り広告が野田線では幅を利かせている。安売りのスーパーでもないはずだ。こんなことをやっていたら益々街のポテンシャルを引き下げる。
わかりやすい例では駅舎が汚い。記者は最近、マンション管理員の清掃業務を取材したことがあるのだが、勤務時間中ひたすらにきれいにしている。「清掃は科学」とまで講師の方は話した。その徹底ぶりに畏敬の念すら覚えた。
また、最近の国交省のトイレに関するアンケート調査で、女性は駅や公園でトイレを利用しないことが報告されていた。
女性に好まれないとマンションも街のポテンシャルが上がらないということだ。そこで、東武伊勢崎線と都心の駅のホームを紹介する。みなさんもなるほどと思うはずだ。

東武伊勢崎線の車両(クレヨンしんちゃんのイメージは悪くないと思うが)

「梅島」駅で(黒い斑点はガムのあとか)

日比谷線の都心の駅ホーム
掃除は科学 床は朝日、窓は読売〟 マンション管理員のスゴ技を1日体験(2017/2/25)
女性輝けないトイレ 「利用しない」公園90%、駅38%、職場30%(2017/1/12)

